中町信 - 茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~
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茶の間の自由 ~チャンスも経験もいらない~

ビートルズ プログレ ミステリ 近辺の話題と浅い話を繰り出します

中町信『山陰路ツアー殺人事件』

中町信『山陰路ツアー殺人事件』




山陰の名湯をめぐる一行九人の親睦旅行中、メンバーの一人が殺害された。事件は未解決のままの一年後、追悼旅行が企画され―。作家よりも探偵としての才がある氏家周一郎に、事件解明の依頼が舞い込んだ。当時の状況のあらましを聞いた氏家は、犯人はメンバーの中にいると推理して、その追悼旅行に参加するが…。緻密な構成で描く本格長篇ミステリー。


・警察は無能で探偵役に捜査情報を提供
・探偵役はその情報を関係者にばらまく
・5人も死ぬが探偵役は何も気にしていない
・そもそも探偵役の魅力ゼロ
と中町信ワールド全開

これが楽しめるのは我々(誰?)玄人だけです。

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中町信『追憶』

中町信『追憶』




妻は殺された--
封印された呪いの扉を開いて……。

解っていても騙される!
叙述トリックの鬼才が仕掛ける騙しの迷宮にようこそ!

一本の電話が、彼を栄光の頂点から地獄へと突き落とした。──脳外科学会で、最先端技術の論文発表を成功させた大学助教授・堂上富士夫に届いたのは、妻が田沢湖で溺死したという報せだった。彼女は中学時代に自らが遭遇した奇妙な密室殺人の真相を追って同窓会に参加していたのだった。現地に飛んだ堂上に対し口を重く閉ざした関係者たちは、次々に謎の死に見舞われる。(旧題「田沢湖殺人事件」)


徳間文庫のトクマの特選!の1冊。

次々と関連者が死んでいく様はまさに中町信作品です。正直酷い作品もありますが本作は本格ミステリとしてきれいにまとまっているように思います。
トクマの特選!で「死の湖畔三部作」として出ているようなので、これと創元推理文庫の数冊(改題し「~の殺意」というタイトルで統一)であらかた面白い作品は網羅できるのではないでしょうか。しかし中町ファンとしてはむしろ駄作に惹かれるという状態でもあるわけですが…。

ところで本作『追憶』ですがオリジナルのタイトルは『田沢湖殺人事件』です。通常なら人気の『追憶の殺意』でもよかったのかもしれませんが、実は『追憶の殺意』は創元推理文庫にあります。そしてそのオリジナルのタイトルは『自動車教習所殺人事件』でありいろいろややこしい。
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中町信『秘書室の殺意』

中町信『秘書室の殺意』




秋保温泉にグループ旅行に来ていた社内の小寺保子が庭園の崖から転落死した。
秘書課の神保由加と風間京子の立ち話を耳にしたことが原因のようだ。
小寺が精神的に不安定だったことはわかったが、警察でも自他殺の判断はつかなかった。
「酔いどれ探偵」深水文明は話の内容を詳しく聞くため、神保を訪ねた。
ところが、今度は神保が資料室で殴殺死体となって転がっていた。


毎度お馴染み、復刊のたびにタイトルが『〇〇の殺意』に置き換わる中町信です。
オリジナルは『課長代理深水文明の推理 秘書室の殺人』
これはオリジナルも復刊に際しての題名もダメダメk感が漂っています。

たまにとんでもない傑作があるので見つけたら必ず遊む中町信ですが、つまらなくてもそのつまらなさを楽しむ事さえできる作家であります。

冒頭のエピローグから仕掛けがあるというお馴染みのパターンは健在で、これに関わる展開や真犯人の動機などなかなかの出来かと思います。しかしそもそもなんでそんなことで殺されるのだろとか、やたらと人が死にすぎとか、探偵役に全く魅力がないとかB級感満載です。

私は上級者なので楽しめますがシロート衆は手を出すと火傷するゼと言っておきたいところです。
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中町信『偶然の殺意』

中町信『偶然の殺意』




父の跡を継ぎ、浅草で「鮨芳」を営んでいる鮨職人・山内鬼一は、ある日、常連客の花房潤一の訃報を聞く。彼は、地震の被害に遭い避難所にいる別居中の妻の様子を見に鴨川へ行ったとき、余震に巻き込まれたと思われたが、服毒死と判明。おまけに彼には、祖父の莫大な遺産が従妹たちとともに入ることになっていた。山内は、母親のタツと事件の謎に迫るが、まもなく第二の殺人が起きる。


1995年の『浅草殺人案内』を改題したもの。

素晴らしい作品群も確かにありとりあえず見つけたら買っておく作家の一人。ただしちょっとアレな作品群も多くむしろそれを楽しみにしている部分もあり。
本作はツッコミどころ満載でちょっとアレな方です。
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中町信『目撃者』

中町信『目撃者』




2人の幼い命を奪ったひき逃げ事故。犯人の横顔と子供の飛び出しを誘った若い男の姿を目撃した香織は、白骨温泉でその証言を封じようという何者かに殺された。ところがもっとも疑わしいひき逃げ犯と事故現場にいた男までもが命を落としてしまった。引き逃げ事故で得をした人物は誰か。推理サスペンスの傑作。


プロローグとエピローグに仕掛けがあるというタイプのミステリ。
ただし基本的にはフーダニット。だがなにしろ推理が荒っぽい。探偵役の夫妻が適当に犯人を推理するとその人物は死体となって現れるという強引な展開。前にもそんなの読んだなという既読感あり。
この探偵役夫妻も実の妹が殺されているにもかかわらず喜々と探偵の真似事をするのがまず納得いかないし、知り合いでもなんでもなかった関わった刑事が捜査内容をすぐ教えるのもヘンだしとにかくクセが強いがこれも中町信。
密室トリックもあるがこれは憤慨モノ。でも中町信。
ダイイングメッセージとして停電させるという部分や、予想外の真犯人と動機はなかなか面白かった。

とにかく中町信は気になる作家です。
(もちろん傑作群もあり)

プロローグとエピローグのネタを思いついた後はもうどうでもよくなってしまったのではないか

平成6年作品
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榛名湖殺人事件

『榛名湖殺人事件』
中町信



私は頭を打って入院中のある夜、見知らぬ男に襲われその恐怖で失って
いた記憶をとり戻した。婦長の笹島淑江は、襲った男は開堂商事の関係
者では?という。私はかつて、金の詐偽まがい商法で倒産した開堂商事に
姉の朋子と勤めていた。心当りはなかったが同僚だった城井広子からの
電話は私を驚愕させた。二年前、会社の旅行で行った伊香保温泉のホテ
ルでの火事で転落死した朋子と、焼死した大和田波江は他殺ではないか
というのだ。退院前日、城井が殺されたとの報が入り、事情聴取に訪れ
た戸鹿野刑事は意外な事実を告げる。


ダメダメなタイトルは如何にも中町信。
別に榛名湖でなくてもどこでもよい内容です。

ミステリとしては次々と疑わしい人物が変わっていくという構成です。
主人公の女性は人の意見ですぐに誰かが怪しいと思い、
そうするとその人物も殺されてしまう、という流れが続くので
サプライズエンディングは弱めです。

でもまあなんか気になる中町作品です。

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暗闇の殺意

『暗闇の殺意』
中町信
暗闇の殺意 (光文社文庫)


転落死した男は、勤務先でかけられた横領の疑いを苦にして自殺したと
思われていた。しかし、彼の住んでいたマンションで同僚が撲殺され、
事件は連続殺人の様相を帯び始める―(表題作「暗闇の殺意」)。
稀代のトリックメイカー中町信の遺した短編から、
書籍未収録作品を含む7編を精選。ミステリーファンに愛された作家の、
絶妙なトリックと、軽妙な味わいが冴えわたる。


なんとも言いがたい感のある中町信の短編集です。
言いがたい部分とは、トリックを成り立たさせるため、
他の部分のリアリティが全くなくなっていることでしょうか。
地味な文章と物語のため妙に不自然さが出てきています。

本短編集は7編収録されていますが、
1編目があえていうとひどいので、ここでくじける人が多い気がします。
しかしだんだん作品は面白くなってきて
最後の「動く密室」はかなり良いです。
実は本作は普通のフォーマットのミステリで他の作品とは違います。
ある作風の先駆者でもある中町さんの”普通のミステリ”は意外と良かった。

という事で、
本作の他の作品は、その”ある作風”をとりあえず短編で試してみました
という習作程度なのかなという気がしました。

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とは言え、今後も買える中町作品は全部買うつもりです。
(どこにとんでもない傑作が紛れ込んでいるかわかりませんので)

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天童駒殺人事件

『天童駒殺人事件』
中町信


出版社を辞めて現在、推理小説作家で素人探偵の氏家周一郎。
妻の早苗は夕食の支度もほっぽらかしてスナックのカラオケ教室通いだ。
妻はカラオケ仲間の親睦旅行で、将棋の駒で有名な天童温泉に出掛けた。
ところがメンバーの一人、長門美江が旅館の部屋で、二人組の男に襲われ
心臓発作で死亡。四十九日の法要に美江の郷里天童に赴いた氏家夫妻は、
またもや仲間の一人が旅館で撲殺されたことを知る。本格推理。


最初に中町作品としてこれを読まなくて本当に良かった。
これはシリーズもののようですが、
久々につまらないのを読んでしまったという印象です。

解説も過去の作品は別として
本作や本シリーズについては何ともぼかした解説です。
(しかし筋道立てて読むとダメ出ししているのがわかります)

是非中町作品は選んで購入ください。
スゴイのあるんですから!

まあ私はこれからも本シリーズでも見つけたら買っていきますが。

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奥只見温泉郷殺人事件

『奥只見温泉郷殺人事件』
中町信


新潟県・奥只見温泉郷の大湯ホテルは、スキーと温泉を楽しむ客で賑って
いた。そこに、運命の赤い糸にみちびかれたような邂逅があった。出版社
に勤める牛久保夫婦と千明多美子、画家の沼田秀堂と彼の愛人の夫
・佐倉恒之助、鯰江彦夫と柏原一江という人たちの出会いであった。
そして、事件が起きた。スキーバスが川に転落し、5人の死者が出たが、
多美子は絞殺されていたのだ。長篇本格推理。


中町信という作家をご存知でしょうか。

勝手なイメージとしてはまさに本作のタイトルから想起されるような
安っぽいミステリを量産する作家でした。
ところが創元推理文庫から復刻された作品を読んで吃驚。
古くからアレを駆使した作品を作っていた本格ミステリ作家でした。

もはやその著作がブックオフでもなかなか見かけないのですが、
どこへいっても必ず”中町信”はチェックしています。

そんな中、本作と『天童駒殺人事件』を見つけました。

さて、本作相変わらずタイトルが残念です。
本格ミステリファンならなおの事、知らなきゃ絶対手を出しません。
もったいないなあ。
もし創元推理文庫のように復刻するならタイトル変えてください。
第1章の「暗い邂逅」あたり使えます。
創元推理文庫ファンには第9章「凌辱の殺意」が近そうですがちょっとね。

念のため解説を先に読みましたがやはりアレです。
そんな中で読みはじめましたがアレ系のサスペンス風味に
本格謎解きが加わりやはり面白い出来でした。

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偽りの殺意

『偽りの殺意』
中町信
偽りの殺意 (光文社文庫)

東京から来た教科書会社の営業マンが、吹雪の中、崖から転落死した。
前日の夜に猿ケ京温泉に同宿した若い女と、被害者を恨む男が疑われるが
二人にはそれぞれ強固なアリバイがあった。所轄署の津村刑事はアリバイ
崩しに挑む!(「偽りの群像」)。
死後も新たなファンを獲得し続ける中町信の中短編3編を収録。
絶妙なトリックと共に、にじみ出る情感が味わい深い傑作集。



創元推理文庫で売れに売れた『模倣の殺意』
同文庫では
『天啓の殺意』
『空白の殺意』
『追憶の殺意』
『三幕の殺意』
と”殺意”で攻めてきます。(シリーズものではないんですが)

この創元推理文庫にあやかってか光文社文庫も”殺意”攻めです。
『暗闇の殺意』
『偽りの殺意』

中町信さんの作品はやたらと改題が多いので
もはやオリジナルタイトルは何か分からなくなってきており
本作には「偽りの殺意」という作品は収録されていません。

さて、かなり昔からトリッキーな叙述トリックを駆使したり、
地味なアリバイ崩しがあったりと結構面白いミステリ作家なのですが
残念ながら一般的には知られていませんよね。

本作は地味なアリバイ崩しものですが、特に「急行しろやま」が良い。
幕切れの2行がまた素晴らしい。

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