時は三国志時代の後、魏の皇帝曹操の子供で2代目の曹丕に司馬仲達が仕えているところから始まる。
劉備はかろうじて生きているが呉に大敗し、失意の下に早々に逝去。
蜀の諸葛亮がしばしば劉備の遺志を継いで北伐するが、過労で間もなくなくなる。
孫権だけは最後の方まで存命だが、この物語は三国志の英雄たちの中で最後まで長生きした仲達を中心に描いている。


裏表紙はこんな感じ。


仲達は魏の政権の中心であり続けるわけだが、曹操の後の皇帝はほぼ皆ぼんくら。
魏だけでなく、蜀も呉も似たようなものである。
諸葛亮が生きていた際は仲達も気が抜けなかったが、その後はどの国にも逸材は出てこず、仲達の采配に敵う者はいなかった。
一方で、仲達も呉や蜀を攻めるでもなく、三国の状態を維持するにとどまる。
いざこざはあるにはあるのだが、ドラマチックな展開には欠ける。三国志という物語がこの時代の前で終わっているのには理由があるのである。

さて仲達は一時曹爽に権力を奪われるが、その暴政をひっくり返し、それ以降司馬氏が権力を握る。
数代後の司馬炎が西晋を建て中国を統一するまで三国時代が続くことになる。