2020年11月 - 匂いのいい花束。
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Category: 天井桟敷の人々。

戯曲の力、スターの芝居。 

2020/11/30 Mon.

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 「アンタ……何で分かったの!?」
 
そうでなくても大きい目をクリクリさせてクロちゃんが言った。
もう30年以上前のある日の深夜、終電を逃してゆっくりしている僕が、
ひとしきり客が引けて手が空いて来たクロちゃんに質問したのです。
 
 「ねぇ、マスター、誕生日を教えてよ。」
 
 「やなこったい!アンタ、オイラに豪華プレゼントでもくれようって言うのかい?
  ダメだよ、いくらオイラがスターだからって!」
 
 「違うよ、そんなんじゃないけど教えてよ。」
 
 「ダメダメ、そんなに知りたかったら当ててみな!」
 
 「だって1年365日あるんだよ。当たる訳ないじゃない。」
 
 「ふふふふ……アンタだったら当たるかも(笑)」
 
 「そう?・・・・・・分かった・・・・・・1月6日だ!」
 
そこで件の台詞になる訳です。
何で分かったかと言うと、クロちゃんは自他ともに認める杉村春子ファン。
杉村さんの誕生日が1月6日だったのを思い出してカマをかけてみたんです
クロちゃんの歌舞伎のヒロインは中村雀右衛門(先代)
新劇のヒロインは杉村春子なのだそうです。
その傾倒振りは物凄いものがあって、杉村さんの命日、
4月4日には「ぬのび忌」なる催しを1ヶ月間、店内全ての装飾を、
杉村春子のブロマイドや舞台のパンフレット、ポスター……。
その他ゆかりの品の数々で埋め尽くして大女優の面影を偲ぶのが慣しでした。
僕も自分が撮った杉村さんの写真を貸したことがありましたっけ……。
 
 
さて「ぬのび忌」とは……。
森本 薫が杉村春子に当てて書いた戯曲「女の一生」の、
主人公の名前、布引けいに因んだものです。
「女の一生」は1954年に文学座の杉村春子によって初演され、
以降、杉村さんによる上演回数947回を誇る文学座の財産であるとともに、
1994年の演劇批判誌「シアターアーツ」における、戦後50年の戯曲ベスト20の、
第10位にランキングされている傑作です。
(因に1位は三島由紀夫の「サド公爵夫人」)
 
 
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その「女の一生」を観て参りました。
演出は段田安則、主役の布引けいには大竹しのぶ。
他に、段田安則、高橋克実、銀粉蝶、多岐川華子、服部容子、風間杜夫……。
 
日露戦争があった1905年の大晦日、天涯孤独の少女、布引けいは、
ひょんなことから、清国との貿易で財をなした堤家の庭先に紛れ込む。
次男の栄二が母親にプレゼントした朱塗りの櫛を切っ掛けに、
長男の伸太郎、母のしず、叔父の章介、娘の総子、ふみ、
各々のキャラクターを紹介しつつ、布引けいが、
実は非常に恵まれない境遇であることが浮き彫りにされます。
縁あって堤家の養女となったけいは、密かに次男の栄二と心を通わせるものの、
母しずのたっての希望で長男伸一郎の妻となります。
元々、頭が良く、商才もあったのでしょう。
自分の気持ちを押し殺して恩ある堤家のために必死に働くものの、
最後には家族全員に疎まれてしまう……。
今の世の中、「滅私奉公」と言う言葉は死語ですが、
頭のいいけいは知っていたのです。
自分が行きどころのない天涯孤独の身であること、
堤家の善意で引き取られたものの、仔犬や仔猫を拾って来るのとは訳が違います。
両親がいない少女でも身寄りはいますし戸籍のこともある。
おそらく堤家はけいの叔母に大枚を払ったに違いない……。
この大恩を一生懸命に働いて返さなくてはいけない。
長男の伸一郎は学級肌で商売はサッパリ。
次男の栄二は共産党に傾倒して家を出てしまっている……。
がむしゃらに働いて、気が付いてみれば結局はポツンと独りぼっち……。
 
改めて戯曲の力と言うものを感じました。
この戯曲はアンサンブルも大事ですが、ガッチリと組まれた枠組みに台詞の力が加わります。
そして、所謂、スター芝居なのです。強烈な個性のスター女優が演じる必要ががあります。
大竹しのぶはその点、合格なのだけれど、
声のトーンをオクターブ落とした壮年時代の台詞回しが一本調子。
一人の女の一生を通した業と哀しみの表現が不足です。
布引けいの少女時代から、威厳を備えた晩年までの色の違いが見えて来ない。
ところで驚いたのですが、カーテンコールは大竹しのぶと高橋克実の2人だけでした。
どうして?コロナだから?カーテンコールは役者の花道だよ。
全員でやりましょうよ。一体何を考えているんだか……。
 
 
「女の一生」……★★★★★☆……55点。
 
 
 
前後して「恋、燃ゆる」を観賞。
こちらもスターが演じることで成り立つ芝居です。
事前に上演戯曲が変更になったそうですが元の上演作品は不明。
高畑淳子と壇 れいだったら「華岡青洲の妻」とかも良さそうですけど……。
 
秋本松代の「おさんの恋」が元になっています。
心中ものかと思いきや、ラストは大団円の意外性。
黒髪も美しく、硬質な壇れいの個性、魅力が、
主人公のおさんの貞節を見事に体現しています。
歌舞伎から中村橋之助がおさんに心寄せる茂兵衛の一途さを若さで好演。
おさんの夫、永心を西村まさ彦が演じますが、
一目で気難しい大店の主人を見せてくれます。
そして嫉妬深いのだけれど、おさんを心から愛している役作りは見事の一言。
そして、この芝居の扇の要、母親の刀根を演じる高畑淳子の大きさ。
舞台がピリリと引き締まり、そして、息子の永心を、
嫁のおさんを労る母親の愛情の奥深さを、
大劇場の隅々まで行き渡らせる的確な造形は素晴らしかったです。
 
他に、東 啓介、多田愛佳、石倉三郎、大石継太、山沖勇輝……。
このコロナ禍で陰々滅々、気分の冴えない演劇界で、
一際華やかな人情劇を見せて貰いました。
 
 
「恋、燃ゆる」……★★★★★……50点。
 
 
 
矢張り劇場はいいですね……。
「女の一生」は少し点数が辛いかな?
いやいや、この点数は戯曲の持つ力と言うことにしましょうか。
大竹しのぶが大の苦手と言うこともあるのだけれど、
でも、僕が初めて杉村春子を見た芝居なのです。
今はなき「東横劇場」にて。稀代の大女優に初めて触れた記念すべき一本です。
入場数を半数に減らしたとは言え、空席が目立ちますが、
配信では決して味わえない役者と観客の化学変化。
劇場は安全です、皆さんも是非、足を運んでください。
 
 
今日の写真は猛毒を持つとされているイモガイ。
クロちゃんはこの貝に伝票を差し込んでカウンターの客の前に置いていました(笑)
貝は御存知の通り、大昔はお金の変わりでしたから。
それから自分が毒舌と言うことを重々承知で猛毒のイモガイ……。
僕はそう言うクロちゃんのウイットに富んだところも好きでした。
我が家にはクロちゃんの遺品でこのイモガイが6個あります(笑)
クロちゃんは何度誘っても杉村さんの楽屋には行きませんでした。
不思議ですよね、クロちゃんなりの決めごとがあったのでしょうか……。
 

2020年11月30日
 
 
ブノワ。
 
 
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Category: バベットの晩餐会。

大きくて穏やかで……。 

2020/11/28 Sat.

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誰だったかな……。
僕の親友の女性で、そろそろ断捨離を始めている人が言いました。
 
 「物もだけど、人も整理しなくちゃね!」
 
人を整理っていうと聞こえは悪いし語弊があるけれど、
要するに、面倒臭かったり実りの少ない友情は見切りを付けましょう……。
そういうことを言いたいのだと思います。
確かに残り少ない人生、カウントダウンが始まっているのに、
七面倒臭いゴタゴタ関係はご免被りたいものですもんね。
 
さて、僕自身はそんなことは頭の隅にないのだけれど、
自然にそう言うことになっていることが多いようです……。
面倒臭い友人関係はこちらから連絡しなくなって来ました。
若い頃はまだ気持ちに弾力性もあり、少し変なヤツでも、
 
 「でも、いいところもあるし、余りある美点も多いし……。」
 
コツコツと関係修復に励んだものですが、
このところはどうにもいけません。プツプツっと切れてしまいます(笑)
苦手なのは、いい加減なヤツ、生意気なヤツ、無礼なヤツ……。
そうなると、気の置けない濃ゆい仲間が集まることとなります。
 
 
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さて、先日のこと……。
夏に「花のれん 花楽」で友人とテーブルを囲んだ際、
初めてお目に掛かる女性がいました。
初めてお目に掛かるその方、Mさんは、僕よりも少しお姉さん?
穏やかで朗らかで、一目で気に入ってしまったんです。
相手を身構えさせることがないのね。大らかで自然体って言うのかな?
和気藹々と食事をするうち、次回はその女性のお宅でお好み焼きを!
そんな話しも持ち上がり、その日はお開きになったのですが……。
早々に実現したんです、お好み焼きの会!
 
ヘクトール・バベンコの「黄昏に燃えて」の中にありましたね。
人さまの家を訪問する際は、手でドアを開けてはいけない。肘で開けろ……と。
要は、人様のお宅を訪問するときは両手一杯の手土産を持って行けと言うこと。
手ブラは有り得ないと言うことです。
シャンパン、白ワイン、「とおの屋  要」の3種類の甘酒を3人分、
それからどぶ酢、あとは珍らしい「みさきキャベツ」など……。
手土産に訪ねてみれば、相変わらずの温かい笑顔が迎えてくれました。
「花のれん  花楽」と同じメンバーが集ってワイワイガヤガヤ……。
とても有意義で楽しい時間を過ごしました。
 
Mさん、キッチンに立たせっ放しで申し訳なかったです。
お好み焼きは勿論、焼うどんも凄かったし豚の角煮ね!
味が染みていてとろけるようでした。粉ものとソース系がメインだったので、
サッパリと漬け物のまた美味しいことと来たら!
本当にご馳走さまでした。戴いた柿!存分に活用させて貰いました!
 

2020年11月28日
 
 
ブノワ。
 
 
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Category: 天井桟敷の人々。

台詞は変化球であって欲しい。 

2020/11/26 Thu.

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世間を騒がせた事件や歴史的な大事件……。
それらを題材にした作品は枚挙にいとまがありません。
第二次世界大戦やベトナム戦争など。映画、演劇にとって、
時間が経てば格好の題材になります。
その点、アメリカが凄いですよね。ベトナム戦争を扱った映画は早い時期から作られ、
「帰郷」「ディアハンター」「プラトーン」「地獄の黙示録」……傑作も数限りなくあります。
アポロ計画の失敗も、アメリカ映画にかかると、
最後は、矢張りアメリカは偉大だ……そこに強引に持って行くところも凄い(笑)
9.11の同時多発テロは、早々に小説や映画になったし……。
それら、大事件は作家に物凄いインスピレーションを与えるのだと思います。
 
 
去年のこと……。
高畑淳子、若村麻由美、鶴見辰吾の3人芝居「THE CHILDREN」を観ました。
この作品は原子力発電所事故の後の3人の科学者のことを描いた作品です。
聞くところによると、先だっての東日本大震災からヒントを得ているとか。
戯曲はルーシー・カークウッドの手によるもの。
その時は思いました、どうして外国の作家が描いているのに、
日本ではこうした作品が出来ないのか?ところが……。
昨年観た、所謂、福島三部作。谷  賢一の「1961年:夜に昇る太陽」、
「1986年:メビウスの輪」「2011年:語られたがる言葉たち」がありました。
重厚な作りに長時間観賞の疲れも吹き飛ぶほどの感動。
さらに、この春には映画「Fukushima 50」もありましたっけ。
 
次の世代に繋いで行かなければならないこと、
語り継がなければならないこと……作家にとっての命題なのでしょう。
それは形を変えてもどこか普遍のテーマを内包していたりもします。
歴史は時代が作ります。時の政権が作ると言ってもいいかな。
時間が経つことで一定の評価が定着しますが、
作家としては、矢張り、早い時期に発表したいのは人情です。
 
 
さて先日、「演劇ユニットぽこぽこクラブ」の「SHELTER」を観て来ました。
ストーリをかいつまんで書くと、時代はまさに今、
このコロナ禍での家族のあり方を描いた作品です。
新型コロナウイルスが蔓延し、離ればなれになっていた一家が集まって来ます。
就職の内定が取り消された末娘、お笑いの男と出来ちゃた婚をなかなか報告出来ずにいる長女、
離婚の危機にある弟、役者と言ってもほぼニートな兄、
そして、一番しっかり者だと思われていた長男の自殺未遂……。
一見、何事もない普通に見える家族が内包する問題の数々、
そこに突如、降り掛かるコロナ禍で秘密は秘密でなくなり、
一家の隠された感情やお互いへの不信感があらわにされて行きます。
 
僕は映画、演劇を見る前は真っ新な状態で観ますから、
このコロナ禍真っ只中の今、舞台上でそれを見ることに少し驚き、そして大きく困惑。
台詞も時事性のあるものがオブラートに包まれないでそのまま出て来ます。
今、放映中の「共演N/G」の中で鈴木京香が言います。
  
 「大丈夫じゃない人に『大丈夫?』って聞く?」
 
今、平静を装いつつも神経がピリピリしている時に、
生々しい台詞を聞く余裕はなかったかな……。
 
 「コロナに負けるな!」
 
 「コロナが憎い!」
 
この2つの台詞は特に厳しかったです。
これらの台詞はこの芝居のテーマですから、
それを直球で聞かせるのは少し能がないと思うのです。
同じコロナ禍を描くにあたっても、もう少し変化球であって欲しかった。
時を経て、少し客観的にコロナ問題を見られるようになってから、
もう少し台詞を洗練させてから発表した方が良かったのでは?
 
ジェーン・フォンダ、ブルース・ダーン共演のハル・アシュビー作品、
「帰郷」のラストで主人公が入水自殺するシーンがあります。
ジェーン・フォンダがベラベラベラベラとテーマを台詞で喋る以上に多くを物語りますが、
どんな台詞の山よりも多くのことを語っている名シーンです。
「ディアハンター」も3時間近い長尺の中で、
前半はハンティングや結婚式を通して友情や故郷への愛を描き、
後半のベトナム戦争のシーンでは凄絶な戦闘シーン、混沌としたサイゴンの様子、
その中に男同士の友情の深さが見えて来て、故郷への郷愁、
大きな喪失感の中に明日への希望みたいな……一筋の明るい光が見えます。
台詞にはなくとも、ベトナム戦争に対する強烈な批判になっていました。
そこには声高に「戦争反対!」とか「ベトナムが憎い」とかの生の台詞は出て来ません。
大きく周りからエピソードを描きながら問題の核心を伝える辺りは、
手慣れた作家の手法でもあるしセンスだと思うのです。
 
 
写真は「SHELTER」の舞台セット。
どんどん写真を取って拡散してくださいって……。
世の中変われば変わるものですね(苦笑)
 
 
 「SHELTER」……★★★……30点。
 

2020年11月26日
 
 
ブノワ。
 
 
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Category: 向き向きの花束。

秋の夜長に思うこと。 

2020/11/24 Tue.

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 「人数、一時間、声、皿、まめ、ころづかい……。
  そしてワタシは池百合子。」
 
真面目にそう言うかと思った(笑)
そんなギャグも出ないくらいに驚いたキャッチフレーズ。
平穏な時代だったらニッと笑って済ませられるけど、
今のこの逼迫した時代では虚しく響くだけです。
好きですよね、語呂合わせ的なキャッチフレーズを発信するの。
こう言うのって誰が作るんでしょうか?(苦笑)専門の部署があったりしてね(爆)
都知事って肝心なところは国に責任転嫁しますよね。
責任転嫁って言うと聞こえは悪いけど、
あとはどうぞ国の方で判断していただきたい……ってやる。
国の方も各都道府県で判断してくれって。
また、各省庁でも責任のボールの投げ合い(苦笑)
ババ抜きじゃないんだからさ。もう呆れて笑うしかないです。

そして総理は真顔で「マスク会食」だって……。
うぅ〜む、どうしていつもこうなんでしょう?
机上の空論っていうか……じゃぁ自分でやってみな。
いつも実現不可能な絵空事ばっかり……。
 
 
「Go To 〜」が一時中止だそうです……当たり前ですね。
こちらも見切り発車的に始めたものだから、
いざと言う時にまったく効果がないです。
いつも思うんですが、どうして初めに細かく決めてからスタートしない?
ザックリと数字的なことでもいいです。
決めておかないから土壇場で右往左往することになる。
そして、感染者の増加は途中からお仲間入りをさせていただいた東京のせいになる(苦笑)
確かに数字的には驚きの感染者数だけれど、人が動けば危険性は高くなります。
そんなの分かりきっていること。煽るテレビ、ゴタつく政治家、
何だかバタバタですね……気にしないと言いつつ、
連日の外仕事でピリピリと気を遣い、気分的に疲れ果てているのに、
このドンヨリ感は半端ないです。
 
危険を犯して各種クーポンなどに群がる方々……。
高々2500円くらいお得なだけで、2時間も3時間も並ぶ?
それも超三密なところにイライラしながら延々と……時間、勿体なくないのかなぁ。
10000万円は10000万円でいいじゃない。
わざわざ並んだり、イヤな思いしたりの方が損だと思うのは僕だけ?

アメリカの大統領選挙……。
いやいや、醜悪なものを見せて貰いました(苦笑)
茶番なんて生易しいものではないです。ここまで醜いのは珍らしいんじゃないかな?
現大統領の評価はそれぞれだと思うけれど、晩節を汚すって言うのかな?
自分の意に染まないことは全てフェイク、陰謀……凄いですよね。
民主主義クソ喰らえ的な自分勝手なやりたい放題。ドナルド・トランプ、俺が掟だぜぃ!(苦笑)
未だにゴタついている大統領選挙って、やり方が間違っているのでは?(苦笑)
人の国のことですからね、僕には関係ないけれど……。
でも、約半数が現大統領を支持しているって言うことは大きいです。
言葉を尽くして分かるような相手ではないところがコワい。
選挙戦の映像を見るにつけ、大丈夫かアメリカ?……そう思うのは僕だけ?
1日の感染者数が19万人超って……小さな町の人口じゃない(驚)
選挙戦中、面と向かって口泡飛ばしての罵り合い(笑)だから19万人なんだよ。
新大統領は中国に対して強権で来るでしょうか?
現大統領みたいにあからさまで手荒なことはしないでしょうけど……。
全世界の感染者数が6千万人に届こうとし、死者が130万人を超えています。
どこの国が悪い、責任を取れって言うのではないけれど、
キチッと検証して次にこんなことが起こらないようにしないとダメです。
現大統領に拒絶反応を抱く人は多いと思うけど、
対中国の強権には溜飲を下げる人が多いのではないでしょうか。
何がマスク外交だ、思わず失笑、反吐が出るわ……。

バッハが来ましたね……。
オリンピックやる気満々ね。そりゃそうだ、全てお金だものね。
♪ Money Money Money……お金が世界を廻してる。
アメリカのテレビ局からの放映権料……喉から手が出るほど欲しいですよね。
アスリートファーストとか言っちゃって、お金ファーストが見え見えなところが凄い(苦笑)
金のためなら悪魔に心どころか人の命すら売る勢いだもの。
でも本当に大丈夫?「Go To 〜」だけでこんなに大騒ぎなんです。
外国からドッと人が押し寄せて来る訳でしょう?

テレビのCMを見ていると凄いなぁ……と、思います。
今や、消毒、滅菌の商品のオンパレード(笑)本当に商魂逞しい。
僕はこの手は全く信用していないので静観するのみですが、
そう言えば、この前クリーニング屋のオバさんがこぼしていました。
今、預かる洋服に何が吹きかけられているか分からないのでコワいって。
普通にクリーニングして色が抜けてしまったりすることがあるそうです。
消臭スプレーだけでもイヤだったのに、戦々恐々だそうです。
皆さん、消毒のスプレーとかコワいですからね。
床にこぼしてフローリングの色が抜けたり、
黒い玄関ドアが白っちゃけてしまったり……。
店頭に当たり前に置いてあって、中身も見ないで使っていますが、
自分でマイ消毒ボトルを持って歩いた方がいいですね。


3月の演劇界の大混乱の最中、粘りに粘ってくれた「こまつ座」のお陰で、
「きらめく星座」を観ることが出来ました。
幕が上がってビックリ仰天……登場人物が全員でガスマスクしてる(驚)
そして正確な台詞は忘れてしまったけれど、
「お上はならぬならぬの一点張り……。」みたいな台詞が……。
素晴らしい芸術作品は先を見越すと言うか、永遠のテーマを持つ?
偶然とは言え、このコロナ禍でこの作品に触れたことに驚きました。

今、自分に何が出来るか……。
家に籠る訳にはいきません。仕事、忙しいし。
既に年末進行が始まっているし……。
あれもダメこれもダメ……目に見えない恐怖、精神的にもキツいです。
ではどうする?ごくごく普通にするしかないです。
一旦、止まることも必要なんでしょうけど……。
マスク、手洗い、消毒……そして人の風下に立たない。
この1年を笑い飛ばす時代が来ることを願って……。


2020年11月24日
 
 
ブノワ。
 
 
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Category: 猫が行方不明。

愛らしいとくちゃん。 

2020/11/22 Sun.

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とくちゃんと初めて会ったのは、
今を遡ること2017年10月くらいのこと……。
とくちゃんを写した、一番、古い写真が10月12日になっていますから。
仕事から帰ると玄関先に小さな黒っぽい影が……。
そっと近付くと、どこかきんに似たサビ猫でした。
それほど警戒心は強くないのかな?
近付いても逃げる気配はありませんでした。
素早く耳をチェック。小さく丸いカットが施してあって、
既に心優しい人の手で避難の手術は済んでいる模様。
ソロリソロリと歩を進めます。さすがに近付き過ぎたのか、
走り去っていく後ろ姿の耳の後ろが白い不思議な猫……。

その内、僕の家の周りをチョロチョロするようになり、
自然とご飯をあげるようになりました。
名前は「とく」ちゃん。勿論、杉村春子さんがお演りになった芸者の役から。
「続二号」の御園とくから取りました。
さて、外で面倒を見るようになると、
それはそれは可愛らしい性格に触れることとなります。
夜、家の近くまで帰って来ると、「にゃぁ!」と一声、
どこからともなく出て来て僕の後ろをチョロチョロチョロチョロ付いて来ます。
ご飯はウチの玄関の中で食べるようになり、
抗うけど抱っこもできるようになったんですが、
一つだけ心配事……6月から10月頃まで、
蒸し暑い時期は耳の後ろが疥癬にでも罹ったように荒れ、
痒みで引っ掻くものだから、傷だらけの血塗れ……。
今にも千切れてしまうのではないかと思うくらいなんです。
夏の間はご飯をあげることと、耳の後ろの搔き壊しに薬を塗ることが日課です。
おそらく、蚊に刺されたためのアレルギー?
素人無免許の医師、ブノワ。さんはそう診断していますが(笑)
10月の声を聞くとパタリと治ってしまうのが不思議です。
そんな訳で、搔き壊したところは毛が生えずに、白く見えたんだと思います。

とくちゃんは野良ですから、矢張り食べることにはご執心で、
さすがに夏場は食欲が落ちるけれど、
秋になると物凄い食欲(笑)通常の1回分の量では足りずに、
2回もお代わりすることがあります。
たんとお食べ、食べたい時は食べたいだけあげます。
僕は金井美恵子ではないので、わざわざ刺身を買ってきて与えるようなことはしないけど、
通常のご飯に加えて、家の中の子たちにはあげないゴージャスなオヤツも与えています。
ところで、地域猫(野良猫)に関する頭の痛い問題は沢山あります。
もうね、僕の家の周りとは地域猫を巡って犬猿の仲、全員、敵ね(笑)
その辺のことは、今までにも沢山書いてきたのでここには書きませんが、
とくちゃんを巡っては、前の家のお母さんにキツく言ったことがあります。

そのお母さん(カトリーヌと2匹の子供を棒で追い出した人、
僕の薔薇をまだ綺麗に咲いているのに箒ではたき落として掃除した人)は、
気まぐれでとくちゃんにご飯をあげる訳。
それも汚ったないコンビニ弁当のプラスチック容器で(怒)
数日、とくちゃんがご飯を食べにこないのでどうしたのかと思っていたらそれ。
ハッキリ言いました。

 「ご飯の他に健康管理もしているんです。
  1日2回、耳に薬を塗らなければならないので気分でご飯をあげないでください。」

……って。
年寄りにキツいことは言いたくないんだけど仕方ないです。
こっちはたた気まぐれでご飯をあげているんじゃない。
キッチリと健康管理までしているんですから。


猫はどの子も可愛いと思うのですけど、
外で面倒を見ているとくちゃんはまた違った愛らしさがあります。
とくちゃんは推定6〜7歳くらい?野良猫の寿命は平均5年と聞きます。
美味しいものを沢山食べて、ズッと一緒に暮らせたら……そう思います。
 
 
2020年11月22日
 
 
ブノワ。
 
 
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Category: 旅の栞。

秋に艶めく……土樋邸。 

2020/11/20 Fri.

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「何もないからね……。」
 
事前に言われたそうです……。
でも、快く僕たちを受け入れてくださいました。
数年前の夏にもお邪魔して、その素晴らしい景観に大感激した、
東北のあるガーデンの土樋さんです。
わざわざ駅まで車で迎えに来てくださいました。
前に会った時と変わらない笑顔……ホッとします。
 
新函館北斗から盛岡へ。秋田新幹線に乗り換えて、
久し振りに訪れたそのガーデンは、庭の広さが倍以上になっていました。
新しいガーデンには芝の種が蒔かれ、青々と芝生が育っています。
天気は生憎の雨でしたが、雨のガーデン巡り……なかなか乙なものです。
Mさんの案内で新しいガーデンから森の中へと歩を進め、
鬱蒼とした空間が途切れると美しい芝生の斜面に出て来ます。
借景も含めて美しい紅葉が雨に濡れて一層深い色合いに……。 
 
 
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土樋さんは、
 
 「青空の下で撮って欲しかったわ……。」
 
仰いますが、どうですか?
夏のガーデンはさわやかな緑と白、ブルーが目に清々しかったのですが、
晩秋は色彩が一段と深みを増し、艶やかで美しいと思いませんか?
雨も結構、降っていたし、風も強かったけれど、
落ちてカサカサになった紅葉は再び艶めき、
美しい芝生はさらにビロードのように輝き……。
そんなことは全く気にならないほど素晴らしいガーデンでした。

最後に……。
やるなと思ったらやっぱりやってくれました。
あけ大先生、道中で貰ったお菓子や食べかけのスナック菓子やらを、
土樋さんに「お土産」として渡そうとしている……。
しかもビニール袋のまま……。

 「をいをい!この無礼者!」

もう恥しくて顔から火が出ると思った(苦笑)
勿論、土樋さんはそんなことは先刻お見通し。

 「カバン、軽くしたいもんね……。」

まったく放っておいたら何をしでかすか分かりません。
もういい年なんだから、世間一般の常識は身に着けましょう。


今日の1枚目……。
僕はこのアングルが好き!
ガーデンの外側から芝のガーデンへと少し上る小径。
夏と秋ではこんなに違います。
実に3年振りでした。次回は桜の頃に伺いたいかな……。
お時間を割いてくださった土樋さん、本当にありがとうございました !
 

2020年11月20日
 
 
ブノワ。
 
 
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Category: 映画館へ行こう!

表現方法の差。 

2020/11/18 Wed.

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…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
 
1980年前後だったでしょうか……。
ポーランド映画がチョッとしたブームになったことがあります。
ポーランド映画って言うよりも、監督のアンジェイ・ワイダのブームかな。
「大理石の男」「鉄の男」遡って「灰とダイヤモンド」……。
貪るように観た記憶があります。
 
何の作品かタイトルを良く覚えていないんですが、
その時に見たポーランド映画の中で、
人間が巨大なファンの中に巻き込まれ、死体がバラバラになって、
ポぉぉぉぉ〜ンと空中に吐出されるシーンがありました……。
その時、思ったんです。表現方法って文化の度合いで変わるものだと。
 
例えば、拳銃でこめかみを狙われて、
そのまま銃弾が発射されて血なまぐさいシーンになるか、
それとも、発砲音とともに場面が切り替わって、
残虐なシーンを見せずに観客のその後を想像させるか……。
表現方法の品格みたいな?それってあると思うんです。
タイトルは書きませんが、何人もの人間が残酷に殺害されるサスペンス映画で、
その殺害方法が全部違うのってありますよね。殺害の仕方を楽しむみたいな……。
作家は日常、殺害のバリエーション?そんなことばかり考えているんでしょう(苦笑)
先だって話題になった「ミッドサマー」もそう。
ハッキリ言ってグロいですよね。延々とグロテスクな死骸を見せる……。
見せるか、見せないかの違いなんですが、
そこの作家としての品格と言うか、持っている節度、
文化の違いみたいなものを感じるんです。
 
 
さて、このところ少し気になる映画を立て続けに何本か観ました。
「窮鼠はチーズの夢を見る」「ミッドナイトスワン」「マティアス&マキシム」です。
僕が面白いなと思ったのは、きわどいシーンをどこまで見せるかです。
「窮鼠はチーズの夢を見る」と「ミッドナイトスワン」は違った興味もありました。
「窮鼠はチーズの夢を見る」はジャニーズ事務所の肝入りで、
片や「ミッドナイトスワン」は事務所を追われるように退所された女性プロデューサーの肝入り。
偶然でしょうけど、同じ時期に相反する作品が公開されたこと、
それぞれに、ここまで見せますよ……的な変な対抗意識みたいな……。
勿論、これは僕のワイドショー的な面白可笑しく考える意見なんですがね。

「窮鼠はチーズの夢を見る」は大倉忠義と、
成田凌のラブシーンをこれでもかと執拗に見せます。
全裸で部屋を行き来する2人の尻をカメラは執拗に追う……。
果たしてその必要はあるのか?観客に想像させる部分があまりにも少ない。
勿論、ポルノ映画ではないので、その決定的な部分は見えませんが、
その部分だけを隠されて、場内の観客(多くは若い女性)は何を思うのか?
因に連れられて行った僕の親友の腐女子は大興奮したそうですけど(苦笑)
僕は大倉忠義の演技は好きなのです。
多部未華子と共演した「ドS刑事」はコメディーのセンスが煌めいていたし。
その彼の才能、可能性をこの作品は最大限に引き出していたのかな?甚だ疑問です。
しかし、主人公を取り巻く女たち……面倒臭い女ばっか(苦笑)
 
さて、一方の「ミッドナイトスワン」ですが、
トランスジェンダーの凪沙を演じる草彅 剛がタイで性転換の手術をするシーンがあります。
延々と見せるんですよね……手術のシーンを。それからラストの方ね。
術後の経過が思わしくない凪沙を、面倒を見ている親戚の娘、一果が訪ねて来ます。
玄関に入ると血に染まった夥しいガーゼの山、山、山……。
そして、血まみれのおしめを履いた凪沙の姿を執拗に映す……。
本当にこのシーンは必要なのか?そんなことを考えました。
過剰な表現とでも言うのかな?ホラ、ここまでやっているんだよ。
こんなところまで見せちゃうからね……みたいな。
玄関先の血まみれのガーゼの山で凪沙の容態、瀕死であることは分かりますから。
服部樹咲と上野鈴華、少女2人が良かったです。
それから圧巻は水川あさみのやさぐれた母親!もうビックリ。
 
グサヴィエ・ドランの「マティアス&マキシム」には、
マティアスとマキシムのキスシーンが2回出て来ます。
親友のおしゃまな妹の自主制作の映画のために、
男同士のキスシーンを演じることになったマティアスとマキシム。
マキシムは小さい頃からマティアスに思いを寄せて来ました。
一方のマティアスは弁護士として成功し、結婚を考える彼女もいる……。
勿論、マキシムは大親友だったけれど、まさかの心の奥底の気持ちには気付いていない。
そんな2人の関係が、カメラの前でキスシーンを演じることによって、
化学変化を起こすことになります。マキシムは封じ込めていた思いが頭をもたげ、
マティアスは自分の中にあったマキシムへの感情に思い付かされる。
映画は淡々と日常を描き、マキシムがオーストラリアに旅立つ寸前、
あふれるような感情を抑えきれずにキスをする2人……。
このキスシーンだけで2人の何十年もの感情を表現してしまう訳です。
1回目のカメラの前のキスはする瞬間にカメラが邪魔をして見えず。
2度目のキスシーンは溢れるように情熱的に、でも短い時間で裸なし……。
グサヴィエ・ドラン、弱冠31歳のその手慣れた巧みには驚きを隠せませんでした。
映画をよく分かっているって言うか、成熟しているっていうか。
 
 
観客はバカではないです。
表現の行間みたいな?想像する余地を残すこと。
それが余韻のある作品の必要条件のような気もします。
 
今日の写真は「ミッドナイトスワン」に因んでバレエシューズ風……。
バレエシューズを夢見る女の子って多いですか?
僕が知っている腐女子2人は小さい頃の夢はバレリーナだったそう……。
大きく道を外してBL好きな変なオバさんに育ちましたけど(笑)
 
 
「窮鼠はチーズの夢を見る」……★★★★☆……45点。
「ミッドナイトスワン」……★★★★★……50点。
「マティアス&マキシム」……★★★★★★★……70点。
 
 
2020年11月18日
 
 
ブノワ。
 
 
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Category: 私はカメラ。

写真……皆さんはどうしてる? 

2020/11/16 Mon.

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…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
 
今や一億総カメラマンです。
前にそんな記事を書いたことがありますよね。
カバンにいつもデジタル1眼レフを入れている人は少ないと思うけど、
好き嫌いを問わず、携帯電話やスマートフォンにはカメラが付いています。
ブログも、今や写真なしで文章だけのブログは稀です。
 
 
さて、ここに2枚の写真があります。
デジタル一眼カメラ50ミリ単焦点と、iPhone8で撮った、
北海道は「イコロの森」のボーダーガーデンの写真です。
同じ時間に撮りました。時間は朝の9時頃、天気は曇りです。
こんなに違うんですよ……チョッと言葉をなくします。
僕的には全ての写真は基本的にデジタル1眼レフで撮りたいのですが、
なかなかそうも行きません。常に持ち歩いている iPhone で撮ることの方が多くなりました。
特に料理の写真はそうです。幾つか理由があります。
レストランでの写真撮影は、出来れば素早く、
周りの人に迷惑にならないように撮りたいです。
それから、店を経営している友人に聞いたのですが、
大きいカメラを出されると「一体ナニモノ?」身構えるそうです(笑)
それから、iPhone の方が多少暗くてもそれなりに撮れると言うことも大きいです。
 

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さて、美しい風景やポートレートはデジタル1眼レフが必須ですけど、
僕の場合、50ミリの単焦点レンズ1本しか持ち歩きませんので、
後ろに下がれず、もう少し広い範囲を写したい時、iPhone の出番になります。
iPhone のカメラは太陽光線が十分にある時に威力を発揮します。
それでも少しケバケバしく、生々しい色合いになることは仕方ないですが、
この日のように曇天だとどうしてもスミっぽくなってしまいます。
こうなるとどんなに調整してもダメで、お蔵入りとなります。
何年か前に出たイングリッシュ・ローズのい写真集を思い出します。
中国で印刷されたそれは、スミっぽくていけませんでした……。
 
料理の写真もそう。
僕は料理写真の最高峰は「家庭画報」だと思っています。
写真の世界は、それぞれ専門のカメラマンがいます。
風景専門の人、ポートレート専門の人、それから料理専門の人。
僕たちが普段、撮っている料理の写真は、
店だと出て来たものをそのテーブルの光で撮ることになります。
夜のことが多く、光線も人工的です。
雑誌などの料理写真は、作る人と撮る人が分かれ、
その出来上がった料理も写されることを念頭に作られますから、
実際に食べてどうのより、見栄え良く写して貰えるかにポイントが置かれます。
しんなりしないように火が通っていなくてもいい訳だし、
時間が経って艶がなくなって来たら油を塗ればいい。
霧を吹くこともあるし、その他、色々なテクニックがあってあの美しい写真が出来ています。
僕らはそれは出来ないので、光は重要だけれど、
撮り終わったものをパソコン上で調整するしかないのです。 
 
誰だったかな……木村卓功さんだったかな?河合伸志さんだったかな?
青い薔薇の苗についているタグの花の色は、
作出家が思う青の色に調整してあるって言っていました。
要するに、実際の花の青味よりも強く色味調整してあると言う意味です。
人間の目は本当に素晴らしくて、暗いところでは明るく見えるように、
光が少なくて色が見えにくい時はそれを補って見えるようになっています。
写真を撮るのに一番いい光線ではない時に待つ時間はないです。
どうせ趣味の写真だし、プロのように光を待って写真を撮るなんて無理ですから。
 
僕も記憶を頼りに色味を直しますが、
そこには少しだけ理想のようなものが混じっているかもしれませんね。
 
 
インターネットで公開する写真……。
皆さんは一体どうされているんでしょう?
撮ったままそのままを平気でアップする人もいますけどね(苦笑)
レストランの写真なんかまるで営業妨害的に真っ赤だったりして(爆)
 

2020年11月16日
 
 
ブノワ。
 
 
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Category: 私はカメラ。

破調の演技考。 

2020/11/14 Sat.

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僕は殆どテレビを見ません……。
見る価値がないものばかりと思っていますが、
それでもニュース番組や情報番組、それから、各シーズン毎に、
1〜2つくらいのドラマを見ることにしています。
連続ドラマは曜日の感覚がない僕にとっては曜日が分かっていいんですよ。
 
 
前期、楽しみにしていたのはと言うよりも、
大興奮を持って期待していたのは、
約7年振りになる「半沢直樹」と「未解決の女」でした。
「未解決の女」の鈴木京香……意外に好きなのです。
舞台もドラマもなるべく見るようにしています。
少し前になりますが、「夜行観覧車」の母親役で、
思い余って娘の首を絞め殺しそうになるシーンがありました。
カメラは鈴木京香を下から狙います。
白目を剥いて狂気の表情を見せる鈴木京香に驚愕したことがあります。
あぁ……この方は美しく見えることは二の次、
もしかしたら芝居の虫なのではないか……以降、ファンになりました。
蓮っ葉な役、悪女役が意外と美貌と相まっていい味が出ます。
 
 
さて「半沢直樹」です……。
今回、さらにスケールアップし、怒濤の倍返しをした半沢直樹ですが、
見ながら演技のことに付いてチョッと考えてしまいました。
敬愛する「北のリズ」こと、jiji姐がいみじくも仰いました。
 
 「日本の演劇畑は見渡す限り一面の大根畑。」……と。
 
大きく膝を打ち、激しく合点が行ったものですが(笑)
今回のさらにパワーアップした「半沢直樹」の出演陣の顔芸。
それらを見るにつけ、矢張り、役者としての力量の違いを思い知らされたりして。
 
もうギャグの域にまで達した感のある顔芸(笑)
歌舞伎の世界の方々は顔芸がお手の物です。
大きい舞台を表情一つで観客に分からせるのですからね。
目を剥き、睨みをきかせ……劇場の隅々まで表情を見せる。
でも、それはクロースアップのない歌舞伎の世界での独特の表現。
浮世絵の大首絵の歴史もあります、それはそれでいい。
では、その顔芸をどのようにテレビの枠に収めるのか?
 
今回の香川照之は、顔芸を通り越し、耳芸まで見せてくれました(笑)
奥歯を噛むのね、そうすると耳が後ろに引き攣れて表情が大きく変わる。
少しやり過ぎの感もありますが、他の役者が右へ倣えで揃って顔芸をしますから、
全員纏めて一人で立ち向かう……そんな感じでしょうか。
市川猿之助も然り、アドリブの連発は口の悪い人は好き勝手と言いますが、
見る側もそれを期待していた部分があります。
櫻井よし子ばりに髪の毛をセットした、
オネエ言葉の黒崎を演じたラブリンこと片岡愛之助ですが、
実は彼が話すオネエ言葉は実際のオネエ言葉とは全く違います。
それは承知なのでしょう、オネエ言葉を可成りリサーチしたと聞きますが、
一旦、租借して違ったものを出す当たり、その圧倒的な存在感はお見事。
黒崎検査官の出演シーンはそれぞれ場をさらいます。
国税庁を辞める時の部下とのやり取り、
半沢直樹との別れのシーンにはジーンと来るものがありました。
 
この作品でブレイクしたと騒がれている江口のり子ですが、
彼女はもうとっくに舞台の世界ではベテランの域に達する実力者です。
その彼女も登場の2〜3回目までは少し戸惑っていた感があります。
最後の方はテレビ的なクローズアップにも慣れ、
ほんの少しの目線や顔の筋肉の引き攣りで、
感情を匠の表現する見事な存在感でした。
 
 
ところで、最近のテレビ・ドラマを見ていると、
「半沢直樹」の影響かどうか知りませんが、やたらと大仰な芝居、
大袈裟な芝居や顔芸をする役者が目につきます。
勿論、役者の一存では出来ることではなく、
そこは演出家の意向もあると思うのだけれど、
これがどうして、なかなかキツいものがあります。
俳句の夏井いつき先生がよく仰言る「破調の難しさ」です。
正統な演技が出来てこその破調、
そして、正統な芝居をする演技陣に混じって初めて破調なのです。
大仰な芝居をする最近の役者たち……果たしてその基本の、
正統な芝居がキチンと出来ているのか?甚だ疑問です。
先ず、周りの演技陣との色合いも変わってしまいますし、
通常の演技の中にギャグ的な芝居が入ることで、
リズムも変わるしアンサンブルとしての演技が台無しになってしまう。
達者な役者が破調の演技をすると、
素晴らしいコメディーリリーフ的な存在になりますが、
ヘタクソが大仰な芝居をすると目も当てられなくなりますから。
 
このところそう言うドラマが後を絶ちません。
「未解決の女」もそう。何人かいましたね変な芝居する人が。
先だって観た映画版の「みをつくし料理帖」もそう。
ヘタクソって言ってしまうと申し訳ないけれど、
演技のアンサンブルをぶち壊しにする破調の演技。
それを求める監督の方にも演技に対する本物を知る知識や、
全体を見て作品を纏める力量がないように思うのは僕だけでしょうか。
 
 
写真は変な顔だったら「僕にも出来るよ!」のらくちゃん。
 

2020年11月14日
 
 
ブノワ。
 
 
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Category: バベットの晩餐会。

どうにも苦手。 

2020/11/12 Thu.

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…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
 
風景、人、アクティヴィティー……その他、旅の魅力って色々ありますが、
訪れた先々で戴くその地方の食べ物って本当に楽しいです。
その土地の特産品を目当てに旅をすることもあるくらいです。
ですから、1食でも疎かにしたくない……そう思います。
 
さて、北海道も食の大地と言われるくらいですから、
海の幸、山の幸、もう数切れないくらいの特産品があります。
僕はどちらかと言うと、海鮮にはあまり興味がない方なんですが、
それでも、和食(海鮮)と洋食、それからジンギスカンなど、
バランス良く食べ歩きたいと思っています。
 
 
今回の旅、新幹線&ホテルを確保、旅程が決まると、
今度はレストランなど、食事の算段になります。
今回は珍らしくジンギスカンはありませんでした(笑)
いつもだと「めんよう亭」に行きたいばかりに無理矢理、札幌を入れたりするのにね。
あけと幾つか行きたい店をリストアップして詰めて行きます。
あけがボンヤリしていて予約出来なかった店や、
クーポン命のあけが、クーポン使えないからと却下した店(笑)
僕は19800円のゴージャス・ディナーが食べたかったのに、
それも見事に却下され撃沈した洋食の銘店(苦笑)
こうして各店のことを調べたりするのも旅の準備の楽しいところです。
夏のガーデン巡りの旅は、食べることも惜しんで、
ガーデンからガーデンへと飛び回りますから、
朝も昼もコンビニでおにぎり……なんて言うことも珍らしくないです。
でも、秋の旅はゆっくりでいいですね。
夏だったらホテルでゆっくり朝食なんて考えられませんもん。
 

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さて、今回、函館の初日は、地域クーポンを握りしめ(笑)
あけが探して来た生簀のある海鮮の店に行きました。
でね、アワビやらシシャモ、粒貝、牡蠣、新鮮な海鮮の天婦羅……。
舌鼓を打っていたのですが、ブノワ。さん、
ある瞬間からいきなり元気がなくなっちゃたんです。
それはね、イカの活造りが出て来てから……。
生簀で泳いでいたイカを胴体からチョン切って、
頭の方は刺身に、そして残された足の部分はそのまま立つように皿に飾られて来た訳。
足……動くでしょう?足……付け根から先っぽまで光るでしょう?
もうね、ダメなんです、可哀想で……「ガメラ」のバイラスを思い出す。
あけと親友Tはバリバリ食べています(苦笑)
僕がチョッと指摘すると?2人ともビックリ眼で、
 
 「こんなの当たり前、全然、気にならないから!」
 
あけはその足の部分をどう調理して貰うかで気もそぞろ(苦笑)
ハイハイ、分かっていますよ。僕らはこうして命を戴いて生きているんです。
だから全てのものを無駄に食べてはいないし、
米粒1粒残さないのが僕の流儀だけれど、それにしてもこの出し方は、
チョッとグロいですよね。品がないと言うか、残酷と言うか……。
決して気持ちのいいものではないし、趣味がいいとも言えないな。
第一、切り口が綺麗じゃない……雑!(苦笑)
店側はこう言うものを世間一般では喜ぶと思っているらしい。
わざわざ、見なくてもいい部分ってあるじゃないですか……。

ムシャムシャとイカに食らいついているあけは、
 
 「ブノ。ちゃんを生簀のある店には連れて行けない!」って言うけど、
 
ハイハイ、結構で御座いますよぉぉぉぉ〜っ!(笑)
この動くイカを見て平然と食事が出来る神経は僕には分かりません。
 
 
気分を取り直して……。

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上の3枚は函館の「ビストロ HAKU」で戴いたランチコース。
どれも美味しかったですが、魚のソースに使われていた、
香ばしくローストしたアーモンドはなかなか、今度、真似してみようっと。
 
 
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次は「イコロの森」の中にある「チセ」で、
スタッフの皆さんとテーブルを囲んだ時の料理の数々。
夜の営業がないのに、わざわざ僕らのために作ってくださった料理の数々……。
飛び切り美味しかったです。お酒も珍らしいものを用意してくださって感謝。
 
 
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最後は北海道最後の夜に楽しんだ七飯にある「ブランベール」。
魚はブリでした。北海道ではあまりブリは食べないのだそうです。
所変わればそんなもんなんですかね……。
ブラックオリーブのソースは色々なものに使えそうです。
穏やかなシェフと奥さまの気の利いたサービス。
旅の最後はいい店に当たりました。
 

今日の1枚目の写真は「ビストロ HAKU」のデザートのプリン。
僕はコースに付いて来るデザートって全然、嬉しくないの。
ガトーショコラ、ティラミス、ブランマンジェ……定着しましたね。
何だか代わり映えしないし、なくても全々構わないです。
でも、こちらのプリンは嬉しかったな……。
奇を衒わないで普通でしかも美味しくて。
食後の〆に程よくいい感じでした。

 
2020年11月12日
 
 
ブノワ。
 
 
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