天才詐欺師・夏目恭輔の善行日和
著:里見 蘭 発行元(出版): 宝島社
≪あらすじ≫
かつて天才詐欺師としてその名を馳せた夏目は、突然目の前に現れた女子中学生・小春から、とある依頼を受ける。自分の娘だという小春からの頼みごととあって、久しぶりに動き始めた夏目だったが、次々と訳ありな依頼者たちが訪ねてきて…。ある時はYouTuberと大人気ゲーム機の不正抽選の謎に迫り、またある時は闇カジノで結婚詐欺師を懲らしめる。己のポリシーに忠実な天才詐欺師が大活躍!笑って泣ける、父と娘の連作短編ミステリー。
(裏表紙より抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
かつて天才詐欺師として名を馳せた主人公が、「娘だ」という少女と知り合って――というストーリー。
全体的に最初に思ったのは「金かかってんなぁ」と(笑 人をだますっていうのは、完璧にやろうと思えばそれだけの資金と労力がかかるってことなんだろうけど、主人公に初期で数億クラスの預金があるという時点でちょっと浮世離れというかなんというか…。結局、だますっていうのはその工夫やテクニック云々ではなくて資金力なんじゃ、と勘違いしてしまいそう。しかも、それだけ大金を最終的にリターンがあるとはいえ使ってしまうのもどうかと…。そういう形では正直「詐欺師」としての存在を活かせたとは言いづらい部分が強いかな、と。
この設定なら詐欺師じゃなくても良かったかも、と。詐欺に詳しい金持ちならOKって感じになってしまっていて、例えば警察官とか学者とかでも成り立ってしまったところが強く、アウトロー的な「詐欺師」という存在でなければならない意図というのも分かりづらかったのも苦しいところか。
ただ、そういった細かいところを気にしなければ、親子の絆というかそういった部分をベースに読めて、痛快に話が進んでいくのでそういった意味ではエンターテインメント性はある一冊だとは思う。
評価は、★★☆(2.5点 / 5点)。
Comment
Comment_form