ブラッディ・クロス キャラ【混血編】
5・6巻でだいぶ勢力が変化したので、混血チーム(?)は独立させてみました。
掲載キャラクター
・月宮
・日向
・尚
未掲載キャラクター
最終更新日:2015年09月21日
月宮(つきみや)
概要
種族:混血[ハーフヴァンパイア](天使+魔族(ヴァンパイア))
性別:女性(画像右側金髪の女の子)
年齢:17歳⇒18歳
能力:血液の武器化、虚言(嘘)の看破
初出:0話『BLOODY CROSS』
備考:日向曰く「戦闘能力A」「討伐任務遂行率 特A」
本作の主人公兼ヒロイン。基本的に本作では誘拐される六巻途中までは彼女の視点や立場、彼女が属する勢力から物語が語られる。
容姿端麗、スタイル抜群、端正な顔立ちをしており、薄いベージュ色をしたロングヘアーをハーフダウン(ロングヘアーのまま髪の一部を後頭部に少し纏め上げたダウンヘアー)にしているのが特徴。瞳の色は、当初は薄く濁った赤だったが、現在は赤みがややある紫で描かれることが多い。
「お金があるんだから少しでもセキュリティが充実しているところに住む」という理由で高級マンションに住む。神葬に捕えられてからマンションの管理がどうなっていたかは不明だが、洗脳が解除された後には普通に帰宅していた(ただ家具やバスルームの配置が微妙に異なるようにも見える)。また、洗脳前までは携帯電話(ガラケー)を使用していたが、解除後にはスマートフォンに変わっている。
天使とヴァンパイアの混血児(ハーフヴァンパイア)であり、18歳までに純魔族の血を飲まなければ死ぬという混血特有の呪いを背負っていた。その正体は、前回の聖戦で生贄となった黒印持ちの少女・戸島柚花の転生体。聖戦の勝者・火維の思い付きからその魂が転生したのが月宮である。黒印はともかく、混血の呪いが発現したのは転生が理由なのか、はたまた別の理由があるのかは不明。
その呪いを解くため魔族の討伐を単独で実行しており、ヴァンパイアの血が混じっている影響で、血液の武器化や相手の血液からの情報収集をすることが出来、相手の言葉の嘘を見抜く力がある。
戦闘スタイルは武器化した血液(主に細身の長剣)を用いた近接戦闘。
そうした経歴を持つため、あの日向をして戦闘能力・討伐任務遂行率評価が共にA以上という高い評価が与えられている。また作中では敗北続きではあるが、天使である続からも何だかんだで仕事を依頼されたり、自らの勢力に取り込まれたりと周囲からもその能力は評価されている。
我欲が強過ぎな側面があり、単独行動がほとんどだったためか協調性を疑う時もあるが、洗脳され神葬の四番隊隊長となった後は部下に的確な指示を出すなど集団行動への適正やリーダー資質も垣間見せる。
呪いと戦闘能力を除けば可愛いものや美味しい料理が大好きな普通の女の子(尚からは「キミは色気より食い気」と言われる)であり、そのためキャラクターの中では料理の腕や気遣いに長ける花村にのみ明確な好意を示す。
一方で、高い報酬を続に吹っかける守銭奴であったり、自宅の冷蔵庫の中には何も入っていないことから家事(というか料理)は苦手なのか、出来ても普段はあまり自炊をしないのかもしれない。
嘘か本当か、日向と尚からは好意を寄せられていると思われる。月宮の中では事あるごとに日向を思い出したり、比較したりしているため日向の存在は極めて大きく、逆に尚は単純に同じ境遇にあった者として同情しているものと思われる。
日向が実は続のスパイとしてアルカナに潜入しており、味方であったことが判明すると(偶然もあるが)アルカナ本部で拘束される日向を救出したり、逆にアルカナと共に神葬の強襲にあった際には救助を求めたりと以前よりも日向を信用し好意を寄せている様子が見られるようになった。この傾向は、洗脳が解除された後に強くなり、思わず日向の前で涙を見せるシーンすらある。
聖戦最終戦では日向に生きるよう説き伏せるなどの姿も見られるようになり、聖戦が消滅し再構築された世界では日向を覚えていないせいなのか空虚な虚無感を覚えていた。
(以下、巻ごとの動向)
混血の呪いを解くため、単身純魔族を追っていたが、その途中で日向と出逢う。日向の助力を得ながら純魔族ブラスを討つも、土壇場で日向が裏切ったことで呪いは解けずじまいになりかけるが、強引に日向の体内からブラスの血液を吸い出すことで一時的に解呪。しかし、そのことで日向と二人で同じ純潔の呪いを共有するという前代未聞の事態に発展。その後は日向と共闘し、神の遺産の『預言書』と『鍵』により解呪に成功したが、直後堕天使・皐の手によって精神を殺害され、取り込んだ神の遺産を略取された。(一巻)
皐と対抗する続の手によって別の神の力によって蘇生されると、その恩を返すために続の下で働くことになる。神の遺産である『聖櫃』争奪戦では日向と共闘するも、わずかなすれ違いから日向と決別。以降、続とその部下花村との三人での行動が中心となる。『預言書と鍵』に続く第二の遺産『深淵(ダアト)の章』の際に、日向に変化した桃瀬の奇襲に遭う。(二巻)
『深淵の章』の出現と同時にかつて烙印のあった場所に新たに『深淵の書』にある文様と同じ形をした烙印が出現。その謎と烙印について調べ始めたところで、混血の尚と知り合う。尚に行方をくらました日向を重ね、その日向から「かかわるな」と警告メールをもらいながらも、深淵の章』奪還作戦に参加。その最中にアルカナに拉致される。(三巻)
アルカナによって聖戦をスキップし神の力を得るための儀式で生贄にされかけるも、儀式は日向が烙印に仕掛けをしたためキャンセルされ九死に一生を得る一方で、残酷な黒い日向と優しい白い日向の二面性に困惑する。その後、いざという時の取引材料として使うため独自に神の遺産を六つ収集。そして第三の遺産が出現した際に、日向と再会。そこで日向が続の命令でアルカナに潜んでいるスパイであり、実は仲間のままだったと知る。(四巻)
日向に現状の説明と別の連絡先を教えてもらった後、続たちと合流。その後、日向との手筈通りに第三の遺産を奪い直すためアルカナ本部に潜入し、そこで拘束された日向を救出。囮役を買って出た日向に代わり、対天使用の遺産と第三の遺産を手に続の下へ戻り、続とアルカナの交換交渉を成功へ導く。第三、第四、第五の遺産争奪戦後、アルカナと同盟を結んだ続と距離を取り、アルカナを警戒しながら、独自に日向の行方を追い、彼が刺された場所に残った血から情報を獲得する。(五巻)
天使側の重要戦力として続とアルカナの定例会議に強制参加させられる。しかし、アルカナ本社を強襲した神葬と遭遇。捕まってしまうものの、和泉との共闘で脱出。いつも通り、貪欲に“創造の聖杯”を狙うもののその不意を突かれ、神葬の菊坂によって気絶させられ拉致されてしまう。(六巻)
神葬に洗脳され、香撫・大間の策略によって処分された四番隊隊長に代わって新隊長として四番隊隊長に就任。洗脳の強度は高いようで、日向を見たり、彼の血を吸ったりしても記憶が戻る素振りは一切なかった。ただし血の情報については彼女が意図的に必要な情報だけを汲み取っていた可能性もある。(七巻)
第六・第七の遺産を巡る聖戦に参加。その時の日向との接触とその時の反応から里堂によって再洗脳を受け、第八の遺産を巡る聖戦にも参加しており、現段階で日向や続たちに対する仲間意識は皆無。しかし、元の人格が変わるほどのやり方に常盤をはじめ菊坂など「烙印保持者」としてその心身の安全を案じられるなど、月宮に対する神葬の対応は一枚岩ではないようだ。(八巻)
強力な洗脳によって一見すると自我があるように見えて、実質的には自我らしい自我がほとんど消えた状態にまで洗脳が悪化。香撫によって続たちを誘き出すための“エサ”として使われ続たちの手が伸びたが、自身の保全を最優先に洗脳された結果、単独で続たちの手から脱出。その後、神葬が続側と同盟を結ぶため洗脳解除が始まり、その護衛には常盤自らが就き、窮地を脱するためと人質にしようとした香撫から守られる。(九巻)
洗脳の解除が施され、洗脳期間中に記憶を失うと同時に元の記憶を取り戻した。せっかく烙印の呪いを解いたにも関わらず、再び黒印のせいで死の可能性の高い運命に直面させられたことでさすがの月宮もへこんでいたものの、日向に支えられて再び戦うことを決意、同盟中であることと、自分を洗脳したことを盾にして神葬や常盤から情報を強引に引き出している。(十巻)
日向から聖戦というシステムの破壊と黒印の消滅と言う真の目的を聞かされ、自分が生き残るための希望を見い出す。日向のアルカナ潜入に際して別の場所でパソコンから彼をサポートするという役目を務めることになったが、里堂の残した再洗脳を利用した香撫に拉致されると日向のサポートが出来なくなる。
その後、続の判断によって解放され、さらに洗脳解除の方法を知ると続と花村の力を借りて今度こそ洗脳を完全に解除するに至った。(十一巻)
続から神になるつもりがないので生贄にはしないという理由で同行し、アルカナに捕えられていた日向を救出。その後、聖戦を破壊しようとするが皐の術式の余波で魔法陣が破壊されると、自らを犠牲にしてでも成し遂げようとする日向に「生きる」よう説き伏せ、聖戦の核破壊のための制御役を買って出る。
見事聖戦の核を破壊した後、世界の再構築に巻き込まれて聖戦に関する記憶を失った状態で新しい世界に再臨。意識を取り戻した時は電車に乗っており、学生なのかなんらかの制服を見に纏いスクールバックを保持していた。
新しい世界で酷い虚無感に襲われていた最中、魂を削り過ぎたせいで実体化出来なくなっていた日向からおそらく柚花が転生する際に用いられ月宮の魂に残っていたと思われる神の力の残滓を抜き取られる際に全ての記憶と、さらに柚花だった前世の記憶を取り戻し、さらにようやく実体化出来た日向と再会を果たす。(十二巻)
特殊能力
血液操作、血液の武器化
自らの血液を自在に操り、武器化することが出来る。他人の血液は不可。
“長剣”:血液を武器化して作る主要ウェポン。切れ味も良く最も多用する。二刀流も可。
“血液”:血液の状態のまま操る。主に対象の束縛や剣では届かない距離への鞭状にした攻撃に使う。血液は見た目以上の質量を持っているようで、レンガ片や床を砕いたり、身体を貫くことも可能。また、相手の血液を飲むことによって相手の知る情報を知ることも出来る。
“遠隔操作”:血液は彼女と繋がった状態で使うのが基本だが、例外として彼女の血液やその血で出来た剣を体内に取り込んだ場合、内部で炸裂させたケースもある。
“ブラッド〝ツェペシュ〟”:『血の串刺し』という意味を持つ攻撃。槍状にした血液を地面から隆起させて相手を串刺しにする。月宮の攻撃の中で、唯一命名されている。
虚言の看破
血液操作同様、ヴァンパイアとしての能力だと思われる嘘を見抜く力。
四番隊隊長装備
香撫同様、他の隊長や隊員のように帯刀はしておらず、香撫が着用していたコートを反転させたような白字のコートを着用している。当然、洗脳解除後は元の私服に着替えている。
戸島 柚花(とじま・ゆずか)
月宮の前世。50年前に行われた聖戦の生贄とされた黒印を持つ少女。享年9歳。
明るく9歳らしい天真爛漫さを持っていたが、生まれつきなのか後天的なのかは分からないが視力を失っている。しかし、その代わりに未来予知の能力を少なからず有していた。そのせいなのか、聖戦の神候補の一人だった昴の従者をしていた父によって会っており、以後聖戦が終わる間際に生贄として殺されるまで昴と行動を共にする。
先に挙げたように聖戦終盤で生贄に捧げられた後、聖戦の勝者で神となった火維によって記憶を消去され、次の時代で黒印から解き放たれて幸福となることを祈られながら転生させられた。
しかし実際には再び黒印の呪いを月宮として受けることになる。
特殊能力
未来予知
本作においては和泉と同じ予知系の能力。和泉よりもハッキリと見えている節があり、的確に未来を予知していた。しかし、そのせいで父の死や昴の敗北、以後の自分の運命を見た可能性があり、明るかった性格に次第に影を落とす一因となる。
日向(ひなた)
概要
種族:混血(天使+?)
性別:男性(画像中央)
年齢:17歳⇒18歳
能力:呪符
初出:0話『BLOODY CROSS』
備考:前回の聖戦の神候補
本作のもう一人の主人公、月宮と対になる者。月宮が拉致・洗脳されて以降は、彼の視点で物語は語られている。後述するようにかつての聖戦に敗北した神候補の一人で、聖戦というシステムと黒印という生贄を必要とするやり方に反発し、聖戦のシステムそのものに干渉し聖戦を破壊し黒印を消滅させることを目論む。
長身痩躯な美形青年。こげ茶気味の茶髪と淡くくすんだ茶色の瞳が特徴。戦闘用の装備以外での愛用品は特に見当たらないが、黒いコートを多用するほか、手の甲や首など体の各所には何らかの術用と思われる複数の刺青と、同じく術具と思われる指輪を多数はめている。
その正体は、50年前の前回の聖戦で敗れた神候補・昴(すばる)。聖戦で敗北したことよりも、その聖戦が策略や裏切り、死というものに彩られており、そんなもので決める神などそもそも穢れていると絶望。さらに救えなかった少女・柚花の死を前に、聖戦の仕組みそのものを破壊するため、自ら禁呪「転生」を用いて日向という人間体に転生した。
転生と言っても実際には、転生してきた「昴」と本来その肉体に宿るはずだった「日向」がほぼ魂として一つに同化した状態で同居しているような状態に近く、日向曰く「『聖戦を壊せ』って十八年間、前世の俺(昴)がウルサイ」とのこと。またそれぞれが別人格として話し合うことも可能で、日向は「話し合って一度は(聖戦破壊のために自分の)人生を諦めた」とも語っている。
融合している状態の二つの魂だったが、聖戦の最終戦に置いて、聖戦の核を破壊する術式発動中に、欠損した魔法陣を補うため魂を削って代価エネルギーとした際、昴の魂は消滅したようだ。
転生こそしているが実際には生前の知識や技術をそっくりそのまま持って来れるわけではなかったようで、かなり当初はモヤがかかったような感じだったようだが、聖戦が近づき、自ら関与するようになって鮮明に思い出しつつある。また、日向が術師の家系だったことも「昴」としては幸運だったようで、自らに見合った術を聖戦のために学んでいった。しかし天使の魂が人間の肉体に入ったことで、結果的に混血児と同じ死の呪いを発現することになった。
また転生の術に必要なものがどうやら日向になってからは手元にないらしく、今回失敗した場合また転生して再チャレンジすることは出来ないようだ。
戦闘では多様な能力を持つ術札を使用し、それを使った戦闘を基本スタイルとする。どちらかと言えば、中・遠距離でのサポート系の戦い方を得意とし、さらに事前に策謀を巡らせておくことを重視するトラップ系の術札も多用する。
以前からアルカナと繋がっていた形跡があるらしく、さらに聖戦や神の遺産に関して蓄えた専門知識は続を唸らせるほどだが、それもそのはずで何せ前回の神候補として聖戦や神の遺産を巡る戦いをしていたのだから当然と言えば当然である。複数のアジトを所有し、それぞれのアジトには聖戦や黒印に関する書籍や資料があり、続やアルカナとはまた違った情報ルートになっているようだ。それらの経歴と知識のため、続やアルカナからその能力を重宝されている。これらは昴としての記憶や経験が活きていると思われる。
私生活は一切見えないが、事あるごとに月宮の前に姿を現し、セクハラ(主に胸を揉む)をする。その性格は相手を追い詰めることを愉しむ節があり、目的のためなら手段は選ばないサディスト。意外と好奇心旺盛で、目的を忘れて好奇心に負けて行動することもある。軍事犯罪組織アルカナの一員である牧野にして「残念な性格」であり、作中でもトップクラスの残念な性格をしている。飄々としており、その性格を掴むのは難しく、事前に策謀を巡らせるトラップ系の術札を得意とするなどその笑顔や好意の裏には罠が潜むことも少なくない。
八巻(第八の聖戦前)において(当然であるが)自宅の存在も明らかになり、そこには数百枚以上の単位で術に使用する札(術札)が補完されている。また十一巻の時点では自宅を公開しており、そこの一室には壁全体に聖戦の核へ干渉するための術式が描き込まれている。加えて、前述のように複数の隠れ家を有しており、その一つは尚に貸し与えていた。ちなみに隠れ家には焼き肉用の鉄板が常備されているようで、焼き肉はまずタン塩から焼く派。理由は「匂いが移るから」。
謎の部分が多く真意を掴み辛い一方で、月宮に対しては損得勘定や策謀を越えて助けるシーンも見られ、作中のキャラクターの中で唯一月宮にだけ好意を示していると取ることが出来る。
例えば、アルカナから危険を冒して続へ情報を伝えようとした際に、続に連絡がつかないと解ると、悩んだ末に月宮に連絡を入れようとしたこともあった。また自ら重傷を負いながらも、月宮に遺産を託し自ら囮となったり、月宮を罠にかけないようにしたり、傷が癒えぬ体で月宮の救助要請に応じ、誘拐・洗脳された後は積極的に救出・洗脳解除を試みるなど月宮個人に対する好意や信頼は日増しに高くなっているように見える。
(以下、巻ごとの動向)
混血の呪いを解くため、単身純魔族を追っていた月宮と出逢い、その力を利用して純魔族の血液を入手しようと画策する。純魔族ブラスを月宮が討った瞬間に本性を露わにするも、月宮が強引に日向の体内からブラスの血液を吸い出したことで問題が複雑化。その後は月宮と共闘し、神の遺産の『預言書「王冠の章」』と『鍵』により解呪に成功したが、直後堕天使・皐の手によって精神を殺害され、取り込んだ神の遺産を略取された。(一巻)
皐と対抗する続の手によって別の神の力によって蘇生されると、その恩を返すために続の下で働くことになる。神の遺産である『聖櫃』争奪戦では、一度は月宮を切り捨てることを決めたものの、最後には見捨てきれず救出に向かう。救出には成功したが、月宮の信頼を失い決別されると、その後行方をくらます。花村の調査では軍事犯罪組織“アルカナ”と繋がっている形跡が見つかったと語られる。(二巻)
『聖櫃』奪取後、アルカナと繋がっていた形跡を利用され続の命令によってアルカナへのスパイとして潜入。そのことを隠しながら月宮に『深淵の章』に関わるなと警告のメールを送った。(三巻)
アルカナが強制的に聖戦を終わらせるため月宮を生贄に使おうとしていることを知ると、そこから彼女を救うため烙印に細工を施し儀式を失敗させる。その後、アルカナの和泉から月宮の抹殺命令を受け、月宮を誘き出そうと純魔族の偽情報を流すが、誤って尚を呼び寄せてしまい、戦うハメに。尚相手にも互角以上の戦いを見せ、彼の生きる欲求への薄い姿勢を非難した。その後、アルカナの神の遺産奪取を幾つか手伝った後、第三の遺産争奪戦に参加。そこで続を通じて、彼のスパイであり味方であったことを月宮に告白した。(四巻)
月宮に現状を話すと、第三の遺産の片割れを持ってアルカナに帰還。一時はスパイ疑惑をやり過ごすも、尚による状況提供で続が不利になると判断すると危険を冒して対天使用遺産を強奪しようと画策するも失敗。和泉によって捕獲されてしまう。その後、なんとか現状を続に伝えた後、アルカナ本部に姿を見せた月宮に対天使用遺産と第三の遺産の片割れを託し、自らは囮役を買って出る。アルカナ本部から続の場所まで転移中、術を妨害されて尚と交戦するも、両腕を負傷し術が使えない状態だったため一方的に尚に敗北。腹部に三叉の槍を突き刺され、大量に出血してしまう。その後の経緯は不明だが、血の痕があるだけで死体は発見されなかった。(五巻)
致死量の出血をするが術によって止血をし一命を取り留めると、同じく辛うじて生きていた尚を救助。この先の自分の手駒とするべく恩を売る。一方で、アルカナ本社が神葬の強襲を受けた際には月宮からの救助要請を受け、傷が癒えぬまま介入。“創造の聖杯”をアルカナが持っていることを知り、月宮と同じく強奪を目論むが失敗するものの、その保管場所が和泉が肌身はださず持つ鏡の中だという情報を得る。
“創造の聖杯”を得るため、神葬への反撃を模索する和泉に敢えて接近。尚というスパイ要員を提供し恩を売ろうとしたが、逆に和泉から日向自身も神葬へスパイとして潜入を命じられる羽目に。神葬と、奪われた遺産、そして拉致された月宮の情報を収集するため、アルカナと通じている神葬の内通者・香撫の手引きでスパイとして潜入するも、外部との移動・情報手段を封じられた上に神葬内部にスパイがいると警戒を敷かれた中で、スパイ活動と並行して脱出方法を模索する。(六巻)
神葬潜入後、数度の危機的状況があったものの、それを経て香撫・大間という二人の隊長格の協力者を得、神葬が持つ神の遺産情報とも言うべき機密情報の塊の「神蔵」の入手と月宮奪還に乗り出すが、月宮が洗脳されていたことを知らなかったため不意を打たれてしまう。
何とか窮地を脱し、「神蔵」も協力者たちの手で再奪取、さらに神葬本拠地からの脱出にも成功するも、結果的に和泉にはぐらかされ“創造の聖杯”を使わせるには至らなかった。(七巻)
第六・第七の遺産を巡る聖戦においては、神葬から送り込まれた月宮と対峙。一時拘束し、月宮の洗脳の媒体が黒印であることを見抜くが、里堂の邪魔が入り断念し撤退。
第八の遺産を巡る聖戦では舞台となった神殿右側を単独で任されるなど続からの信頼も増しており、逆に続の体調を鑑みたり、サポート用の式神を配置するなどの配慮も見せる。しかし、尚によって一時的に仮死状態とされてしまう。(八巻)
尚の仮死状態から復帰後、月宮の捜索をするが失敗。第八の遺産を巡る戦いの終了後、続側が改めて月宮奪還を最優先することを確認すると、自らは月宮の黒印について「調べたいことがある」と何やら思惑があるようである。続たちによる神葬本拠地襲撃の際には遅れて参加し、神葬の本拠地がある異空間から脱出しようとした香撫を止めて追い込む役目を追った。(九巻)
月宮の洗脳解除後には、黒印の持つ運命にへこんでいた彼女を支え立ち直らせた。その後、行動に不可解さの残るアルカナの秘密を探るために牧野を拉致し、アルカナが神の遺産のコピーをデータとして有していることを突き止める。その後は、自らの目的が「聖戦という仕組みの破壊」であることを再認識し、この聖戦に決着がつくときに世界の理を破壊する、と前世からの悲願を達成する決意をしていた。(十巻)
聖戦を破壊し黒印を消すためにはどうしても和泉の持つ創造の聖杯が必要だと判断し、月宮に真の目的を打ち明けて協力関係を結ぶと、自ら下調べを十分にしパソコンを通して月宮のサポートを得ることでアルカナに単身潜入。社長室に聖杯を隠していると踏んで、牧野たちの追撃を振り払って社長室に辿り着くが、未来を視ていた和泉に先回りされて捕獲されると、さらに自宅の壁に刻んでいた術式も壁ごとアルカナに略奪されていたことを知り、同時に和泉には自分が昴の転生者であることを知られてしまう。(十一巻)
アルカナに捕えられ月宮を呼び出すように九妃に脅されるものの最終的にそれに屈することはなかった。和泉によって儀式が失敗した際の保険として自分と魔法陣の存在を利用させられそうになるが、続と牧野の策略によって和泉を討ち、彼が持っていた創造の聖杯を手に入れると聖戦の核を破壊する儀式に入る。
だが儀式に入ったところで皐の術式の余波によって魔法陣が欠けると、今度は自分と昴の魂を代替エネルギーに一時的に魔法陣を復旧させて術を発動させるよう試みる。一度は死をも覚悟し、死んでもやり遂げると語ったが月宮に発破をかけられ生き残るために術を完遂させることを決意する。
術は成功し聖戦の核を破壊したが魂を削り過ぎたため、聖戦のない世界に再構築された時には実体化が出来なくなっていた。ただ月宮に残存していたわずかばかりの神の力を入手して魂を補填することで無事実体化に成功し、前の世界の記憶をそのままに月宮との再会を果たした。(十二巻)
特殊能力
呪符術(仮称)
多様な術札を使った能力。「呪符術」というのはこのサイトの造語で劇中では明言されていないので注意(ただし公式サイトには尚ともども「呪符」という単語が出てくる)。尚と違い現在まで使用する流派は不明。
術札は紙ではなく自らの魔力で具現化させているように見える場合も多かったが、八巻では術札の補充を行っているシーンがあるため、事前に造られている術札を多数忍ばせて使用するものと思われる。術札は白地に赤の文様が描かれるものを使う。特定の効果を持つ術札を複数組み合わせることも可能。術はその名によって直接効力を発揮するケースと、その後の合図によって間接的に効力を発揮するケースがある。
極めて万能で高い汎用性を持つ一方で、術札の取り出し⇒術札をかざす⇒運用と使用するまでに手間がかかる。そのため、術札使いの多くは事前に多くの術札を常に手に持つか取り出しやすい場所に忍ばせておくことがほとんど。
『発』:術を発動させる時に使う合図のようなもののようである。
『火炎』:術札を燃やし、炎弾として射出する。
『現』:自分自身や特定の対象を具現化させる。『具現』とも。
『追尾』:特定の魔力を追尾させる追跡用。
『爆布』:『火炎』+『連』による攻撃。不発のため詳細不明。
『陣』:特定の結界や陣形を運用する時に使用する。
『浄』:『祓』+『清』+『印契』によって発動する『陣』系の術。対魔族用の浄化術だと思われ、一定の範囲に効果を及ぼす。
変わり身:大量の術札によって対象の身代わりの人形を生み出す。日向が多用する術の一つ。
『簡易方陣』:左腕手の甲に刻んだ文様をそのまま力に転用する。
『十字』+『乱射』:『簡易方陣』によって生みだした力を十字架を象った光の杭にし、さらに乱射する術。
『充填』:『簡易方陣』あるいは直前に使用した術をリロード(充填)する術だと思われる。
『射出』:発動寸前の術、あるいは『充填』し終えた術を再使用するための合図だと思われる。
『月光影掃 光浄』:全方位からの強烈な光によって影を打ち消す。対桃瀬用の術。
『祓魔』+『錫』+『具現』:錫状の武器を具現化させる。
『陽輪』+『滅匣』:対象を捕食する巨大な口を具現化させる。
『刺撃』:具現化させた無数の杭を一斉射出する術。
『拘束』:接触した場所の動きを封じる合図。
『重縛』:束縛用の術を複製し二重構造とする。
『強化』:特定の術(主に束縛系)を強化するもの。『拘束強化』とも。
『収縛』:特定の対象物を小型化する術。
『開口』:『強行術式』による閉塞空間からの脱出経路を開く。
『反転』:術の効果を反転させる? 作中では月宮を救出するため日向は具現と同時に『反転』させ、『そのまま空間外まで高速転移』と併用することでベクトルを逆転させ空間外への高速転移を可能にした。
『転移』:特定の場所や空間から瞬間移動する術。日向が多用する術の一つ。
『到達拒否』:相手の攻撃が自分に到達するのを拒絶する防御用の術で盾代わりとして使われる。
『解体』:相手の術を分解・解体する。対尚用の術。
『爆』:事前に体内に仕込んだと思われる符術を爆発させ内部から炸裂させる術。
『空銃』:『刺撃』に似た杭を空間上に出現させる。
『突撃』:超高速で対象(作中は『空銃』)を突撃させる。
『縛』:一時的に相手を拘束する術。『拘束』に近いが、動きを封じるモノが鎖ではなく対象者真下に出現する魔法陣から伸びる粘着性の物質であるため、拘束力は『拘束』より弱いと考えられる。その分、速効発動と一度に複数の相手を束縛出来るようである。
『離跳』:詳細は不明だが、おそらく相手をその場から離れるように跳ばす術。
『重撃』:詳細不明。術の効力を一段高める強化用の術かもしれない。『離跳』との併用で相手を壁際まで吹き飛ばし、そのまま壁を破壊する威力で叩きつけることが出来た。
『逆行』:飛び道具に対し進んできた軌道を文字通り逆行させる術。銃弾を相手の銃身に戻し暴発させるなどの使い方をしている。
『緊急』:詳細不明。おそらく本来の術のプロセスを飛ばすためのものだと思われる。
『開錠』:閉じているモノを開くための解錠術。尚の“開錠勅令”と同等のものと思われる。
『浮上』:特定の対象に浮力を与えて浮かせる術。
『止血』:原理は不明だが、文字通り止血するための術だろう。
『トラップ解除』:正式術名不明、原理不明だが、神葬の「神蔵」に施されたトラップなどを全て短時間で解除した。日向曰く「思いついた解除法では開かなかった」とのことなので、即席で造ったものと思われる。
『幻惑投影』:正式術名不明、原理不明だが、複数の呪符によって結界のような空間を作り、偽りの映像を投影することが出来るようだ。
『解錠』:『開錠』とは異なり、拘束具などを解くために使用する術だと思われるが、神葬の拘束具の方が強かったようで不発に終わった。
『脱縛』:意味としては「束“縛”からの“脱”出」という意味のある術だと思われるが、同様に神葬の拘束具の性能が高かったようで不発に終わった。
『解放』:おそらく何らかの束縛状態からの解放を促す術。日向は『解錠』『脱縛』と三併用で術式を行使したが、それでも神葬の拘束を解くことは叶わなかった。
『檻籠』:「かんろう」。対象の周囲三か所に三角形を描くように壁三枚と、それらを頭上で鎖によって繋ぐ円環、そしてその周囲を回転する簡易魔方陣を出現させる物理的結界。呪術的に檻として働いているかは不明だが、洗脳した月宮にはあっさりと抜けられてしまう。日向が「せっかくの檻」と愚痴るなど、消費術札の量などから考えても比較的高度な術式だと思われる。
『式神』:正式名称不明。尚の“扶起”にあたる、式神を召還し使役する術。ある程度、姿かたちを自在に変えることが出来、八巻では当初鳥の形状をしていたが続の要望で仔ライオンの形へ変化させた。日向の意識で遠隔操作が可能で、どこから取り出したのか術札を使うことも可能。ただし一定の耐久力はあるようで、常盤の攻撃であっさり消滅した。
『捕縛』:『式神』を通じて日向が月宮に使用しようとした術。九巻でも使用。九巻の描写を観る限り、物理的な鎖を具現化し対象を捕縛する術のようである。
『破壊術式』:日向が昴の知識と現世で得た技術を用いて十八年かけて構築した、聖戦の核を破壊するためだけの術式。十八年という時間がかかったのは、魔法陣を構築する際に自分の魂を少しずつ削り出したためである(傷や体力が時間を経れば回復するように魂も少しずつ削ってインターバルを置く分には問題ないらしい)。発動には膨大なエネルギーが必要で和泉の持っていた創造の聖杯を用いることで初めて発動した。
指輪
文字通りの指輪。ただし何らかの術具としての細工が施されているようで、その一つはアルカナへスパイをしていた際の続への緊急連絡用に使われた。
昴(すばる)
日向の前世。種族は天使。50年前に行われた聖戦に参加した神候補の一人で、左眼の泣きホクロの部分に十字の文様とバツ印が刻まれ、視力が悪いのか眼鏡を愛用している。
本を読むのが好きな青年で、当人はあまり聖戦に乗り気ではなかったが柚花の予知通り、神候補として選ばれた。候補者としての序列は当時第四位だった。
従者と思われる戸島の娘・柚花とは明るく接していたものの、初戦こそ勝利したが第三戦目にその戸島が死亡、第五・第六の遺産を奪われた頃から柚花が塞ぎ込むようになり、聖戦の在り方に疑問を覚え始める。
死んだ戸島の代わりにせめて柚花だけは護ろうと彼女を結界で厳重に護った屋敷でかくまっていたが、最終決戦に敵の罠にはまって保有していた遺産を全て奪われ、さらに何らかの理由で結界の外に出てしまった柚花も殺されたことで絶望。
本来は聖戦後も生かされる神候補だが、自ら禁呪【転生】を用いるため自害し、32年後に日向として転生する。
特殊能力
【転生】
禁呪とされる、魂を次代へと飛ばす。昴は次の聖戦の時代に合わせて意図的に転生をしたようである。使用には「始まりの魔導書 第0詩歌」という部分を使用していたほか、転生した際に全ての記憶と技術を鮮明に受け継げるわけではなく、当初はモヤがかかったような感じになるようだ。その後、強く破壊を願っていた聖戦に携わることでモヤがかかっていた記憶は鮮明に取り戻しつつある。
日向曰く「あの術を使う用意がオレの手元にはない」と言っており、術の使用には何らかの条件が必要なようだ。
尚(なお)
概要
種族:混血(天使と人間)
性別:男性(画像右側の茶髪青年)
年齢:17歳と10ヶ月(初登場時)⇒享年18歳?
能力:術札
初出:11話『死の烙印』⇒死亡:42話『すべてはこのために』
備考:第三の死の烙印を持つ者
月宮、日向に次ぐ第三の死の烙印を持つ人間と天使の間に生まれた混血。未だその烙印の解呪には成功しておらず、物語当初の月宮、日向同様に烙印の解呪に躍起になっている。第22話では呪いの烙印が最後の発作を起こしたため、一か八かかつて月宮に言われたように神の遺産のナイフで烙印を抉り取ろうとしたが、その最中谷底へ落下して行った。その後、日向に「駒」目的で救出され一命を取り留めたが、度重なる烙印の発作で寿命は残り数年にまで削られていた。
長身の茶髪青年。年齢は17歳と10ヶ月(※初登場時。日向が「あと2ヶ月で18歳」と発言していたため。第22話では18歳の誕生日直前だと思われる)。蝶の刺繍が入った白いファー付きのジャケットと黒いパンツ姿を愛用する。日向曰く「頭の中が恋だの愛だので桃色の色男」とのこと。
自らにかけられた死の烙印を解呪するために躍起になっており、当初は皐のスパイとして続側に潜入。その後、皐に見限られ、日向に命を救われたのち、続と再会したあとは策略や謀略などなしに「続の下で呪いを解く」と決め、続に賭けている。その信念は登場当初には考えられないほどかなり強固で、最終的には安易に生き長らえるよりもその道に殉じることを選んだ。
戦闘能力は同様の呪符を使う日向同様、「高い」というよりも「万能」と言うに相応しい。日向とも互角に渡り合うほどの呪符術の腕前を持つが、反面彼とは真逆で聖戦や神の遺産に関する知識や技術を有していない。また実戦経験にも乏しいようで、第二の遺産奪還作戦では緊張していた。
その能力は日向のように戦闘のサポート能力や転移能力よりも、封印や罠の解除に関する能力が秀でているようである(その能力は、花村が感嘆するほど)。そのせいかトラップそのものにも精通していた節もあり、自身の弱みを握った香撫に対して盗聴器を仕掛け返している(九巻の展開は状況的にそれ以外は考えづらく、その時の録音データが日向を経て続に渡り九巻の展開となったと推察)。
奇しくもその性格も、同じように呪符を扱う日向に非常に似通っており、セクハラ的なボディランゲージも多く、月宮からは「(日向と)デジャブを覚える」と言わしめるほど。しかし、日向とは違いロマンティスト(日向は酷くリアリスト)で「意思」や「運命」「奇跡」といった言葉を多用したり、一般的な善悪の価値観に基づき正義や善の行動理念を基本方針とし、悪を嫌う(そのため裏切りや策謀が多い日向や皐を「悪人」と呼び、強く嫌悪する)。だが、そんな尚の性格や姿勢は日向から言わせれば「ダラダラとしている」「甘ちゃん」「願ってばかりで欲求が足りない」と酷評しているが、その尚と共闘することになるわけだから皮肉である。
登場からしばらくは月宮への露骨なアプローチを続けていたが、序盤の日向の助言を受け入れたのか本人曰く「今は呪いを解くことが優先」とのこと。それとは別に「(月宮に言い寄っていたのは)続の側のポジションにいるため。彼女も気づいていただろ」とのことで、その好意がどこまで本物であるかは不明。
終盤には月宮への好意よりも、一度は裏切りながらも再び傍で仕えることを赦してくれた続への恩義が彼の中で大きくなっていき、最後はあれほど「生きる」ことに固執していた彼が続のため皐に特攻を仕掛けるほどにまで膨れ上がっていた。
皐の誘惑に負けて一度続たちを裏切り味方を敗北へ誘導したことに強い罪悪感を覚え続けていることを告白し、「呪いで今死ぬ人生」と「味方を売ってまで生きながらえる人生」ならば前者を選び、最後は続を神にするため「最後の贖罪」と称し皐を巻き込み自爆しその生涯を閉じた。
(以下、巻ごとの動向)
混血の死の烙印を消すため神の力を欲し、同様に“深淵の章”について調査していた月宮と遭遇。当初は敵としてぶつかり合ったが、その後彼女が似たような境遇から脱することに成功したと知ると興味を抱き、以後積極的なアプローチで好意を寄せていく。日向に代わり、続によって新たな月宮のパートナーとして続の提案する第二の遺産奪還作戦にも参加。封鎖された空間から脱出しようとするが牧野と戦闘に入り、月宮をアルカナに拉致されてしまう。(三巻)
続と合流し重傷を負った月宮を救出する。その後、烙印の呪いを解ける純魔族の情報を獲得するとその場に乗り込むが、それは日向が用意した月宮を呼び出すための罠だった。月宮の知り合いだったこともあって日向に戦いを挑み渡り合うも、烙印の発作と的を射た日向の発言によって事実上敗北し、結果として生き残る保証と月宮を強引に奪うことを決意する。続Sideとして第三、第四、第五の遺産争奪戦に参加し、花村と共に第四の遺産獲得に動き、見事獲得。しかしそれを報告する相手は続ではなく皐であり、彼が皐から送り込まれたスパイであると判明する。(四巻)
皐のスパイとして続からの情報を流出させ、アルカナと日向の不和を誘発させるも、スパイであることを続に見抜かれ逆に出し抜かれる。汚名返上しようと日向が持つ対天使用の遺産強奪を目論み、重傷を負っていた日向を圧倒するも、そもそも日向が囮だったことで奪取にも失敗。皐に切り捨てられた直後、烙印の発作を起こし死にかける中で、月宮の貸し金庫から奪った遺産のナイフで烙印を抉り取ろうとするも、その最中崖の下へと落ちていく。(五巻)
崖下へ転落したものの、その後日向に救助されたことで一命を取り留めた。神の遺産のナイフで抉った混血の呪いは半分しか抉れず、もう半分は残ってしまう状態に。それでも延命にはなっているのか行動には支障がないようである。生き延びるためには日向の命令に従い、アルカナに恩を売り、アルカナの持つ神の遺産(創造の聖杯)を使い混血の呪いを解くしかなく、日向と共に神葬へスパイとして潜入した。(六巻)
日向と共に神葬潜入後、数度の危機に陥るも何とか窮地を脱して、アルカナから要求された目的を達成。月宮こそ神葬に残したままだが、「洗脳されていたのなら仕方ない」と割り切っている。また、命を救われた“借り”を返すため、一時神葬に捕われた日向を救出し、ともに神葬のアジトから脱出している。
帰還後は、“創造の聖杯”の力の一部で死の呪いの二割を解除。裏切った続と再会した際に彼が自分を受け入れたこともあり、続に賭け彼の下で死の呪いを解くと決意するも、桃瀬が現れて呪いを三割解く分の神の力が入った指輪と謎のボタンのついたネックレスを渡されてしまう。(七巻)
第六・第七の遺産を巡る聖戦に参加。皐との誘惑は振り切っていたが、戦いの直前で烙印の発作に見舞われる。同時に里堂の襲撃にも遭い、その場離脱のため発作を抑える目的で指輪を使用し発作を抑えて脱出。しかし、そのことで皐に付け込まれ、ネックレスも発動させ再び続をピンチに陥れる。その後、皐との内通を香撫に知られ脅されもしたが、烙印を解呪したとしても自身の寿命がもう長くないことを悟ると自身の命と続への恩義を天秤にかけ、最後は第八の遺産を巡る聖戦を利用し皐の側に着いたように見せかけ皐の懐に潜り込み、特攻・自爆した。(八巻)
特攻したものの皐に致命傷を与えるには至らなかったが、皐の眼帯を焼き切ったり、致命傷ではないにせよ治るのに時間を要する火傷を負わせた。加えて皐のアジトに入った際に放った明獣に「何か見つけたら続に届けるように」と指示を出しており、第二の遺産「ダアトの章」を奪還した。また生前、香撫に弱みを握られた際に仕掛けたと思われる盗聴器とその録音データが続にアルカナとの同盟破棄、香撫の裏切りに対する報復、神葬との同盟締結の後押しになっており、死してその影響力は強まっていた。(九巻)
特殊能力
呪符術(仮称)
日向同様、多様な術札を使った能力。名称については日向の欄参照で一応造語。流派は四東分流蓮密。術札は白地に赤の文様「勅礼(六芒星のマーク)」と書かれたものを使う。特定の効果を持つ術札を複数組み合わせることも可能。術はその名によって直接効力を発揮するケースと、その後の合図によって間接的に効力を発揮するケースがある。
極めて万能で高い汎用性を持つ一方で、術札の取り出し⇒術札をかざす⇒運用と使用するまでに手間がかかる。そのため、術札使いの多くは事前に多くの術札を体のどこかに忍ばせておくことがほとんど。
"急呼":多くの術の発動前に使われる特定の術以外の術を発動させる時に使う合図のようなもののようである。日向の『発』にあたり、"急呼現出"“発動勅令”などのバリエーションもある(こちらは日向の『具現』『現』にあたると思われる)。
"縛敵勅令":対象を束縛するための術。日向の『拘束』にあたる。
"扶起":召喚獣を呼び出すための合図。主に対象を噛み砕こうとする「咬獣」、特定のモノや存在を見つけ出すことが出来る全身に瞳を持つ豚を召喚する「明獣」、対象を貫くためのドリルのような角を持った「貫獣」などのバリエーションがある。
"御示":牧野からの銃弾を防御した術。口頭で術名を言わなくても発動した。シールドのようなものか。
"消":作中では月宮のマンションの扉を消すのに用いられた。詳細不明。
"陣形開掘":おそらく空間から脱出するための出口を開くための術。日向の『開口』にあたる。
"咒葬【蓮華】":花村曰く「大技」で、尚も「手加減抜き」と言う広範囲殲滅術。詠唱は長く"四東円帝 八掛英霊 急呼清除 願乞"となっている。
"開錠勅令":神の遺産にかけられた108の鍵とセキュリティを一度に解錠して見せた大規模解呪術。"この扉を開けるための障害を全部取り払う""浸食""洗脳""制限排除"の四つの項目を組み合わせた大技。五巻では簡易版なのか"浸食""障害排除"で続の封印を解いた。
"強制転送":対象を強制的に転送させる術。日向の『転移』にあたる。
"高速転移":緊急時など、とにかくその場から離れるための即発の術。『転移』や“強制転送”と比べて、おそらく術の発動は早いが、転移距離が短かったり、あいまいだったりするものだと思われる。ちなみに日向もほぼ同名の術を一度使ったことがある(日向の「反転」の項目参照)
偽造:正式名称不明。桃瀬を通じて尚から渡された即死性の呪いを込められた毒針を偽造し、一時的に身体機能を麻痺させ仮死状態にする程度のものとすり替えた。本物の毒針の形状から考えても特注品に見えるため、おそらく尚が術で偽造したのではないかと思われる。
"捧身業火":「ほうしんごうか」。二十枚以上の術札を一度に使用し自身の心身を燃料として炎燃・自爆する捨て身技。圧倒的な熱量なのか、あるいは自分自身を燃料としているせいか、術の途中で自分の体が燃え尽きて崩壊することもある(尚は実際術の途中で左手が崩壊した)。尚が最後に使った技で、皐を巻き込み自爆した。
三叉槍
尚が愛用する三叉に分かれたショートスピアタイプの槍。その先端は槍として機能し、その柄尻には銃口が開けられており、相手を銃撃することも出来る。特に記載はないが、おそらく呪符によって生み出していると思われる。
ダウジング
アンソニーとレベッカと名付けたダウジング棒によるダウジング。月宮が住むマンションの部屋を探り当てたが、おそらく冗談で本当は呪符で察知したものと思われる。
ネックレス
桃瀬を通じて尚から渡された十字架のついたネックレス。中央の宝石はボタンのように押すことが可能。内部には皐によって穢され強い毒素を持った何らかの神の力が封じ込められており、発動と同時に最も近くにいる天使である続を攻撃対象にその体内へ濃密に圧縮された負の力(毒素)が侵入する仕組み。
指輪
桃瀬を通じて皐から渡された、神の力が込められた指輪。これを使うことで尚の死の呪いは三割解けるようで、里堂の襲撃時にはこれによって発作を一時的に抑えることに成功した。しかし、使用するとバレるようになっているようで、すぐに桃瀬から連絡が入ってしまった。<
毒針
桃瀬を通じて皐から渡された、毒針。二本渡され、続の側近の花村と日向を殺すために与えられた。即死の呪いが込められており、神候補の続すら殺せるほどの呪い。尚はこれを皐に向けて二本とも使用したが、堕天使が毒に耐性があったため、殺害には至らず、体の動きを麻痺させる程度だった(ただし尚からすればそれで十分だったわけだが)。
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