青田から青田へと陽はゆるぎなく (紀)
この地方ではだいたいが5月の連休に田植えを済ませる。
それから約ひと月、入梅の頃ともなると稲は青々と茂り、
風が吹くたびに一斉になびく様子は、青田波とも呼ばれて美しい。
日本の豊かな四季には、桜や紅葉といった代表的な風景があるが、
この青田時の眺めの満足感というのは、水耕民族としての原風景だからかもしれない。
こうして胎内回帰のような風景を眺めていると、
今しも中空に禍々しい粒子が浮遊し、ある時は降り注いでいるなどと誰が想像できようか。
このような時期に青森県では原発推進派の現職知事が、
間近に迫った知事選で圧倒的に優勢だという。
青森県では現在2基の原発が建設中だが、いまの時世を押しても推進しなければならない訳とは、
やはり2000億円という交付金が枷なのだろうか。
知事選については他県のものが口をはさむべきではないだろうが、
ことはこれからの原発政策に大きな影響を与える選挙である。
「じょっぱり」を誇りにしてきた青森県の方々、信じています。
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こんなことを書く南亭ではなかった。
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