かつての新聞地方紙ドメインも業者に取られているっぽい話 - 空中の杜

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旧名「空気を読まない中杜カズサ」。

かつての新聞地方紙ドメインも業者に取られているっぽい話

 最近、長年貯めるだけ貯めて未整理状態だった情報を、いろいろまとめています。そのうちのひとつが、『訂正information』における一次ソース、報道ソースまとめ。これは、現在ネットにおけるニュースの入手元がどうしてもポータルや大手のサイトに偏ってしまい、細かいニュースが入ってこない、また視点もそういうところに固定されてしまうという問題があるので、出来るだけ一次、もしくはそれに近い独自のニュースソースをとってこれるようにと、いろいろなところから探してはまとめています。

まだほんのとっかかりですが、報道のほうはこんな感じ。

teisei.info

 これとは別に、官公庁などからのニュースソースを調べつつ作成していますが、まだまだ全然ですので、こちらは形になったら。

さて、今日はこれを作りながら発見したものなど。

 

 

地方紙サイトの異常

さて、上の報道局リストでは、様々な資料を使っているのですが、ちょっと古いものだと、既に活動停止したした新聞社が掲載されていることがあります。近年は新聞も不況で、地方紙が幾つか潰れているのですね。

さて、そういうサイトにリンクすると、ちょっと驚くことがあります。

 

まず、名古屋の地方紙、「名古屋タイムス」のリンク(http://www.meitai.net/)を踏んでみたのですが……

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なんかFX商材のサイトに変わってしまっています。

 

さらに、「岡山日日新聞社」(http://www.okanichi.co.jp/)のリンクに行くと……。

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なんか経営系のページですが、新聞とは全く関係なさそう。ただ一目見た感じでは、何かの記事には見えてしまいましたが。

 

そして「南紀州新聞社」(http://www.minamikisyu.co.jp/)。

 f:id:nakakzs:20140704050212p:plain

なんかエステ系のサイトになっています。

 

このように、新聞社らしからぬ広告が表示されます。 

 

活動を停止した地方紙と、そのドメインの失効後

まあネットに詳しい人にはわかるでしょうが、この手のサイト、数多い広告サイトの定番なのですね。じゃあどうして新聞社のサイトに現れるのか。

まあお察しの方も多いと思いますが、これらの新聞社、すでに倒産、もしくは譲渡して名前を変更しています

「名古屋タイムス」は2008年休刊。 

 ■(archive)【さよなら名古屋タイムズ】 夕刊紙休刊 ネットもお別れ : 47トピックス - 47NEWS(よんななニュース)

「岡山日日新聞社」は2011年に自己破産で倒産。

 ■地方紙発行の「岡山日日新聞新社」が自己破産申請し倒産 国内倒産 - 不景気.com

「南紀州新聞社」ですが、ここは2011年に南紀州新聞社から熊野新聞社に社名を変更し、その時ドメインも変わった模様。

 ■Kumanoshimbun Online≪熊野新聞・ヤタガラス≫ (リンク切れ)

 更に言うと、ドメインが.jpなどに移転しているサイトがあるのですが、旧ドメインからリダイレクトされずに放置され、そっちが乗っ取られている感じになっている?というところもありました。

 

よくあるドメイン占拠

しかしこういった、サイトがいきなり広告っぽいサイトに変化しているという現象は停止した新聞社に始まったことではありません。以前から倒産などでサイトが閉鎖し、ドメインが失効したタイミングで他の業者が乗っ取る(とはいっても一応正規手続きなのですが)ということがよくあります。

かつては放映が終了して何年か経ったアニメや、発売後何年か経ったゲームタイトルの公式ページが、何故か他の業者のものに変わっていることが多数ありました。何年か前に調べた人がいた記憶がありますが、その時は廃品回収業者が占拠しているケースが多かったですね。

  

これは、かつて一定以上使用されて、集客されたドメインが、SEO対策において力があるため、また、旧来のコンテンツを目的としたユーザーがここに来ることもあるため、安くて非常にお得なドメインを手に入れられるためにこうした失効後の取得がよく行われていると思われます。

ただ、これは元の会社のイメージにとってあまりよろしいものではない場合が多数あります。そこにあるものを期待して来たのに、表示されるのはよく分からない広告だった場合、先の企業の名前を傷つけることもありえます。もし企業が倒産していたとしても、関連会社や業界はまだあることが大半ですし、それでなくても名前は残り続けていることも多いわけですから、いらないところで名誉が傷つく可能性もあると。特に詐欺系、悪徳商法系なら被害は甚大ですね(つかすでに2005年には警察から警告されていたようで)。

■参考:ハイエナ業者のドメインジャック?ドメイン失効するとどうなる?

 

今はこういった危険性が浸透したせいか、コンテンツは終了しても会社がある場合は、今はたいてい継続してドメインを持ち続けている場合が多いようです。ただ、やはりそういうのが行き渡らず、最初の新聞社のようにされてしまうドメインはあるということでしょう。

しかし、新聞という有力な情報ソースのサイトまでも、こういうドメイン失効→乗っ取りにあってしまうとなると、やはりネットの情報というものの信頼性についていろいろ考えるところはありますね。特に上の新聞社でも二社は存続先や関連企業があるのだから、ちゃんとキープしておくべきだったのではと。

 

今現役のサイトのドメインも、数年後にはどうなっているやら

昔はアニメやゲームのドメイン、そして今は新聞社。でも今後マスメディアがこのようなことに気をつけて改善しても、おそらく他の業界で似たことは繰り返されるのでしょうね。今や企業名のみならず、製品名や作品名など、無数のドメインがとられているのですから。

 

でも数年後、サイトを見返してみると、今絶好調なサイト、超有名なサイトもいきなりその手の乗っ取ったとこの広告が表示されるような羽目になっているのかもしれません。それがネットの世界。時代は流れ続け、栄枯盛衰の繰り返し。