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2020-09-29 (Tue) 23:17

男を捨てた男

女を捨てるという言葉はあるが、男を捨てるという言葉はない。
男も従来の出世・金・女志向の生き方を捨て、男ジェンダーの呪縛から
逃れたいという願望を持つ人は少なからずいるとは思うが、自覚的生き
方として実践しているのは極少数である。
男を捨てるという言葉がないのは男=人間という思考が支配しているた
めであるかもしれないし、男が女性のように男中心の社会に異議申し立
てするというような動機を持たず、自らの生き方に葛藤する必要がなか
ったためもあるだろう。
男はおおい生き方に葛藤し、社会の男への圧力に抗議してもいいような
気もするが、自己に有利にも見える社会の在り方に異議を唱えるには女
性以上に社会の抑圧に対する思考の深化が必要なのであろう。
女性は男社会への抗議に敗れても女性の従来の役割期待に応えれば生活
が保障されるが、男が社会的期待に背けば社会の底辺に疎外されて終わ
りということも男が男ジェンダーから降りられない理由であるかもしれ
ない。
夫婦の共働き世帯で女性が仕事を辞めれば主婦という役割に収まれるが、
男が仕事を辞めて主夫に収まろうとしてもすんなり周囲が受け入れてく
れるものではないであろう。
女を捨てるという言葉が女性自らが口にできるほど軽いのりでもあるの
に対し、男を捨てるという言葉は社会的存在を放棄するや人間をやめる
というくらい深刻さが伴うので軽々しく口にできない。
男が男を捨てる決意をするときは、黙ってするのであって沈黙の決意で
あることを余儀なくされる。
誰も理解してくれないからである。多分フェミニストでさえも男を捨て
た男は選ばないかも知れない。
社会の片隅で誰にも注目されることなく、男を捨てた男は生きていかざ
るを得ないのである。
そういう生き方が人間らしい生き方なのだろうが。
偏哲

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最終更新日 : 2020-09-29

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