現代文化論を終章まで読み進める。文化という言葉は身近だが、思考の
対象とすると奥の深いもののようである。
読んで得たヒントで何か書こうとも思ったが、頭の中でまだ整理できて
いないので止めておくことにする。
インターネットの時代の弊害についての章を読み尚更中途半端な知識で
の言説は控えようという気にもなった。
新聞に私立医大の学費値上げの記事があり、6年間の学費が4千万円近
くするということを知り別世界の話であると思った。
国立や公立の医学部の学費を調べてみると私立の文科系の学費より安い
という状況であることも分かった。
私立の医大や医学部というのは一部の資産家や高額所得者の子弟でなけ
れば入学できないもののようである。
医療のお世話にはなっている以外医者には縁のない人生であったためと
医療に対する興味というものを持ったことがないため、どういう人が医
者になるのかという知識もなかった。
町の医院にかかると毎日ルーティンワークで患者を診ているようで面白
くない仕事というイメージを持っていたが、実際の医療従事者というの
はどういう気持ちで患者に接しているのだろうか。
医療従事者の気持ちなど推測して語るには知識が余りにも不足している
が、私立医大の学費が高いことは自分の収入に比べれば分かる。
高い学費を払って入学するのはコストを超すリターンがあるとういうこ
とも想像できる。
私有財産制度の世の中であれば、医学部の学費を払える資力のある人だ
けが教育を受けられるという制度もあながち否定されるべきものとも言
えないのかもしれない。
医療費の殆どが公的医療保険の対象となり、公的医療保険制度の受益者
の一方が医者であるからといって医者の養成を公的動機に従わせよとい
う論理も通用しないかもしれない。
全医学部82校のうち31校が私立であるというのは少ないとは言えな
いような気がする。
3分の1強が一般の家庭では負担できない学費の私立医大とうのは社会
的公平が保たれているようには思えない。
普通の大学だって資力の差によって進学に影響はあるが、一般家庭が進
学できないというほどのものではない。
私立医大の学費の高さはすでに進学を阻む絶対的水準に達していると言
ってよいだろう。
私立医大への補助金を増やせば国公立医学部と同程度の学費の支払いに
できると思うが政府はどう考えているのだろうか。
明確な政策意図があるのかないのか知らぬが、一部の資産家や高所得者
の子弟しか入学できない大学というのは問題であるような気がする。
公共財とも言える教育の機会の格差は社会に悪い作用があるのではない
か。
偏哲
最終更新日 : 2020-09-28