水上学の血統トレジャーハンティング

【マイルCS】3度目の正直

◎本命馬
⑬ソウルラッシュ
阪神施行のおととし4着、京都に戻った去年は僅差2着。今年こそソウルラッシュの悲願達成を期待したい。

年齢的に6歳になるときついG1であるのは承知。近10年で6歳は【1-1-0-17】、7歳以上は馬券圏なし。その意味ではラストチャンスかもしれない。ステップは去年とは違い、一昨年とおなじ富士S2着からの臨戦となるが、一昨年は阪神の坂がこたえたとみる。直線平坦の方が切れるタイプだ。リピーターレースの傾向も強みだ。

コンスタントに上がり33秒台を使えるし、展開にも左右されない。高速馬場も荒れ芝も不問。冷静に見れば、去年苦杯を嘗めさせられたナミュールが中間22キロ増の発表、ブレイディヴェーグは初マイル、セリフォスは安定味を欠いてきた。欧州馬チャリンは良馬場では厳しいだろう。となれば、近2年より相手は楽だ。本命を献上する。

$お宝馬
⑧フィアスプライド
週前半の当コンテンツで挙げた「距離短縮組の連対条件」に合致した唯一の馬。ヴィクトリアマイル2着のあとも、実際の差は着順ほど負けていない。母の母はダート寄りの血統ではあるが、近親には凱旋門賞3着&セントレジャー勝ち馬もおり、この牝系にキングマンボが掛かった母の血なら、マイルCSの好走傾向にも合致する。

同じディープ産駒として、欧州系の母父に、ダート強めで芝兼用牝系をかませた配合という意味では、かつて同レースで好走を繰り返したフィエロと近いイメージだ。

上位評価
⑤ジュンブロッサム、④ナミュール
押さえに
⑰エルトンバローズ、⑦マテンロウスカイ、②ブレイディヴェーグ





境和樹の穴馬券ネオメソッド

京都11R マイルCS(G1)(芝1600m)

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直近の京都芝1600m重賞にヒントを求めたい今年のマイルCS。

先週のデイリー杯2歳Sを予想した際にも指摘した通り、直近の同コース重賞では、米国ダート血統が存在感を見せています。

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昨年のデイリー杯2歳Sを勝ったジャンタルマンタル、今年のシンザン記念を制したノーブルロジャーは、ともにパレスマリス産駒。パレスマリスは、現役時代にベルモントS、メトロポリタンHと米国ダートGⅠを2勝した馬。

今年のシンザン記念では、勝ち馬ノーブルロジャー以下、2着エコロブルームが母父キャンディライド(パシフィッククラシックS勝ち、種牡馬としてもガンランナーを輩出)、3着ウォーターリヒトが父ドレフォン(ブリーダーズCスプリント勝ち)と、米国ダート血統保持馬が上位を独占しています。

その他、京都金杯を8人気で勝ったコレペティトールが母父コロナドズクエスト。マイラーズCで6人気3着のニホンピロキーフが母父スウェプトオーヴァーボード。先週行われたデイリー杯2歳Sでは、母父エンパイアメーカーのドラゴンブーストが2着と連対を果たしています。

京都マイル重賞は、米国ダート血統がトレンド。これを重視して、今年のマイルCSでは米国ダート血統を持った馬を穴馬候補として抽出します。

⑥オオバンブルマイ
(父ディスクリートキャット)

⑨ニホンピロキーフ
(母父スウェプトオーヴァーボード)

⑭ウインマーベル
(父アイルハヴアナザー)

⑥オオバンブルマイは、父ディスクリートキャットが現役時代にダ1600mのシガーマイルHを勝っており、テーマに該当する存在。

2走前のキーランドCで目の覚めるような末脚を繰り出し1200m適性を感じさせましたが、前走のスプリンターズSは最内枠が祟った面があったとはいえ追走に苦労しており、やはりGⅠレベルになるともう少し距離が欲しいという印象を受けました。

しかも、直線では前が微妙に狭く目一杯追えないシーンもあって、それで0.6秒差なら着順以上の評価が必要です。

距離延長で変わり身を見せる公算大。馬券的妙味もあって楽しみな一戦です。





馬券情報・最前線(美浦編)

ググっても出ない馬券話
マイルCS
ルメール・ファーストの結果はいかに…!?


ブレイディヴェーグが別路線から、海外からチャリンが参戦したことで面白くなってきたが、その他の顔ぶれは昨年と大差がなく、いつものメンバーになるところだったマイルCS。

ルメール騎手が騎乗することもあり、ブレイディヴェーグが1番人気に推されるかもしれない。

これまで2000m前後を主戦場としてきたブレイディヴェーグ。

初めてのマイル戦がGⅠという楽ではない条件だが、そこには当然勝算があってのことだろう。

なぜ、マイル路線へ参戦してきたのか。

もっとも大きな理由はルメール騎手の手が足りないから、使い分けるため。

天皇賞・秋はローシャムパーク、エリザベス女王杯はレガレイラ、ジャパンカップにはチェルヴィニアとドゥレッツァ。

ブレイディヴェーグの始動は新潟記念の予定だったが、府中牝馬Sまでずれたことで、他の馬たちの予定に左右されることになってしまったのだ。

そこでルメール騎手が騎乗できるのがマイルCSだけだったというのが経緯。

もちろん、今年のマイルCSが京都で行われるため、外回りコースならマイルでも差し届くという自信があってのもの。ルメール・ファーストの選択でのマイル参戦ではあるが、むしろ功を奏する可能性も十分ある。

GⅠとなると、やはりルメール騎手の取捨選択がポイントになる。




日曜メインレース展望・柏木収保

【マイルCS予想】外国馬の通算成績[0-0-2-9] 苦戦傾向をチャリンは覆せるか

ビッグネームの来日が少なかった点も成績低迷の要因


 これまでマイルCSに出走した外国馬は、延べ11頭(欧州調教馬9頭、北米2頭)。

 通算成績[0-0-2-9]。3年連続出走した牝馬サプレザ(仏)が「3、4、3」着に健闘しただけで、ほかに善戦馬はいない。理由は日本の高速の芝に対応できなかったことに加え、G1を複数制しているようなビッグネームが少なかったことだ。

 ただ、サプレザはG1通算3勝馬で、輸入されて2020年の毎日杯を勝ったサトノインプレッサの母となり、2022年の京成杯を制したオニャンコポンの祖母になっている。

 今年の芦毛の外国馬チャリン(英、父ダークエンジェル)は、4歳の今年G1を3勝。かつてタイキシャトルが1分37秒4で制したジャックルマロワ賞(仏)では、60キロを背負い1分33秒98で3馬身差の独走だった。前走の重馬場の伝統の英G1(英アスコット競馬場)では、再び60キロで1分45秒98。にわかには信じがたいパワー勝負を2馬身差で勝っている。

 今年の欧州のマイル路線のチャンピオン格であり、これまでの欧州馬よりランクは断然上。さすがに高速レースでは過信できないが、京都の芝は少しタフになっているうえ、土曜日は降雨があった。1分31秒台の高速決着になっては苦しいが、ナミュール(父ハービンジャー)が1分32秒5で勝った昨年と同じような芝コンディションなら、凡走はないと思える。身体つきも、動きもパワー型の印象で、必ずしも軽快な動きではないが、重苦しいストライドではない。

 評価は大きく分かれて当然だが、陣営は京都の軽い芝のマイルCSの特徴を十分に知ったうえでの意欲的な遠征。鞍上はスノーフェアリーで京都のエリザベス女王杯2連勝のR.ムーアJ(ともに直線は芝の荒れた内を衝いた)。雨の影響が多少でもあるなら、チャリンは通用すると思える。

 愛国産のチャリンは、4代父ワージブ(’83)も、5代父トライマイベスト(’75)も輸入種牡馬。母ファトゥーンの父方祖父デインヒルも1996年は日本で供用されている。拡大した7代血統表のなかに、これまで日本に輸入された種牡馬が実に11頭もいる不思議な血統を秘め(セントクレスピン、快速サウンドトラックなど)、現代の欧州のトップホースとしてはきわめて珍しい血統背景の馬。これまでの外国馬とは違う結果が望める気がする。

 ナミュール、ブレイディヴェーグ本線。穴馬は武豊騎手のオオバンブルマイ。