今週の考察をまとめましょう。
[フォトパドック]
「エルトンバローズ、ナミュール、バルサムノートの3頭が写真では良く見えました」
[第1773回【マイルCS × 過去データ分析】前走東京重賞で3着以内だった馬に注目! ]
これまでのデータから人気でも軸はブレイディヴェーグとしたい。4歳馬、前走2番人気、前走東京のG2府中牝馬Sで1着、ルメール騎手が継続騎乗の予定とデータ的には欠点がない。昨秋にはエリザベス女王杯を制しており、京都外回りコースも経験済。スムーズなレース運びができれば、勝機はかなりありそうだ。
ナミュールも推奨したい一頭。前走東京G1の安田記念で2着。前走安田記念は4番人気だっただけにデータ上は優勝の可能性は薄いが、それでも末脚は強烈。昨年のように展開がハマればマイルCS連覇があっておかしくない。これら牝馬2頭のワンツーも十分にある。
他では近2年勝ち馬を出している前走富士S組から1・2着のジュンブロッサム、ソウルラッシュ。外国馬チャリンも今回ムーア騎手へ乗り替わる予定で、注意しておきたい。大穴ならばオオバンブルマイ。4歳馬で前走G1組、前走スプリンターズSは追走で手一杯だったが、距離が伸びて末脚が生きる展開になれば激走があっておかしくない。
[単勝二頭流]
セリフォス
石 一昨年のマイルCS以降は勝ち鞍がないんだけど、負けたレースはそれぞれ敗因がはっきりしていて、たとえば近走のマイラーズCはソウルラッシュに負けているけど、当時の見解にも「調教が危うい」ということで評価を落としたように、レースに臨む臨戦過程ではなかったし、安田記念はこの馬が苦手な緩い馬場、前走も明らかに余裕残しの仕上げ。
編 力負けではなかったと。
石 まったく。去年のマイルCSにしても、差し・追い込み決着を先行しちゃっているので。ただ、今回はさっきも言ったように、去年よりも遅くなる公算が高くで、ポジションを取りに行く川田騎手の乗り方がハマる可能性があるし、道中溜めて直線で脚を伸ばすという点でも優れた馬。良馬場前提にはなるけど、巻き返せる一頭でしょう。
フィアスプライド
石 そう、ヴィクトリアマイルは差し馬が上位を占めるなか、唯一先行して2着に好走。そして安田記念はロマンチックウォリアーと0.5秒差、2着ナミュールと0.4秒差なのに、このオッズ差はないでしょう。今回は安田記念よりも流れは緩むし、前走から距離短縮ローテはヴィクトリアマイルと同じ。中山マイルでターコイズSを含め2勝しているように、持続力もあれば、速い脚も使える先行馬なので、緩い流れとこの枠は好材料。6歳牝馬ということで人気になりづらいけど、近走の成績は額面通りかそれ以上に受け取っていい馬だね。
バルサムノート
石 これも展開面で有利なのと、あとは前走が高評価なんだ。
編 富士Sの5着。
石 そう。富士Sの速いペースを逃げて5着、しかも1400mからの距離延長ローテで好走したのは、けっこうすごいよ。
編 差し決着でしたからね。
石 今回は内枠を引けたし、前走と同距離ローテ。道中脚を溜めるような乗り方をすれば、速い上がりも使える馬だし。
[YouTube動画]
マイルチャンピオンS 2024消去データ
該当馬ジュンブロッサム、セリフォス、ソウルラッシュ、ナミュール、ブレイディヴェーグ
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展開
先行するのは
①コムストックロード ③バルサムノート ⑧フィアスプライド ⑪チャリン ⑰エルトンバローズ
中団からは
②ブレイディヴェーグ ⑤ジュンブロッサム ⑦マテンロウスカイ ⑨ニホンピロキーフ ⑩レイベリング ⑫アルナシーム ⑬ソウルラッシュ ⑭ウインマーベル ⑮セリフォス
後方からは
④ナミュール ⑥オオバンブルマイ ⑯タイムトゥヘヴン
逃げ先行馬は少なく、このメンバーなら自然と前目に行きそうな馬を先行馬としました。ハイペースにはならないでしょう。
アギョウさんによると
○末脚勝負になりやすい
○大きな枠順傾向はない
石橋さんによると
石 いや、脚質に関わらずということで。実際、先週は先行馬の好走が多かったし。ただ、今年のマイルCSは阪神改修の影響で、いつもと違ってBコースで行われるので、荒れた内よりも外めを走れる差し馬有利となる可能性があるとは思っているけど。
血統
亀谷敬正さん レイベリングとチャリン
水上学さん 本命馬ソウルラッシュ お宝馬フィアスプライド
境和樹さん オオバンブルマイ
調教
調教評価で評判のアギョウさんのS評価はオオバンブルマイとソウルラッシュでした。本命はソウルラッシュ
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まとめ
まずは、データでふるいにかけます。
JRAホームページ・今週の注目レースマイルチャンピオンシップ(GⅠ)
過去10年(阪神開催含む)外国馬チャリンはかなり甘く判断しています。
1⃣前走好走馬が中心
過去10年の3着以内馬延べ30頭中29頭は、前走の着順が1着、もしくは2着以下に敗れていたものの1着馬とのタイム差が0.5秒以内だった。一方、前走の着順が2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0.6秒以上だった馬は3着内率1.6%と苦戦している。0.6秒以上のタイム差で敗れた直後の馬は評価を下げるべきだろう。〔表1〕
〔表1〕 前走の着順ならびに1着馬とのタイム差別成績(過去10年)
前走の着順ならびに1着馬とのタイム差 成績 勝率 連対率 3着内率
着順が1着、もしくは2着以下で1着馬とのタイム差が0.5秒以内 9-10-10-80 8.3% 17.4% 26.6%
着順が2着以下、かつ1着馬とのタイム差が0.6秒以上 1-0-0-62 1.6% 1.6% 1.6%
コムストックロード、ブレイディヴェーグ、バルサムノート、ナミュール、ジュンブロッサム、マテンロウスカイ、フィアスプライド、ニホンピロキーフ、レイベリング、チャリン、アルナシーム、ソウルラッシュ、ウインマーベル、セリフォス、エルトンバローズ
2⃣前走で上位人気だった馬が好成績
前走の単勝人気別成績を見ると、前走で2番人気以内だった馬が3着内率34.5%と優秀な成績を収めている。一方、7番人気以下だった馬は全て4着以下に敗れている。直近のレースを比較する際は、前走での単勝人気もチェックしておきたい。〔表3〕
〔表3〕 前走の単勝人気別成績(過去10年)
前走の単勝人気 成績 勝率 連対率 3着内率
2番人気以内 8-6-5-36 14.5% 25.5% 34.5%
3~6番人気 2-4-5-56 3.0% 9.0% 16.4%
7番人気以下 0-0-0-50 0% 0% 0%
ブレイディヴェーグ、ナミュール、ジュンブロッサム、フィアスプライド、ニホンピロキーフ、レイベリング、チャリン、ソウルラッシュ、セリフォス、エルトンバローズ
3⃣前走の距離やマイル実績の有無が明暗を分ける
過去6年の3着以内馬延べ18頭中10頭は、前走の距離が1600メートル超だった。1600メートル超だった馬は3着内率が33.3%となっている。一方、1600メートル以下だった馬は同11.3%とやや苦戦している。〔表5〕
〔表5〕 前走の距離別成績(過去6年)
前走の距離 成績 勝率 連対率 3着内率
1600m以下 3-3-2-63 4.2% 8.5% 11.3%
1600m超 3-3-4-20 10.0% 20.0% 33.3%
なお、前走の距離が1600メートル以下だったにもかかわらず3着以内に入った8頭のうち7頭は、前年以降のJRAの1600メートルのGⅠ・GⅡを優勝した経験がある馬だった。マイルのGⅠ・GⅡを勝っているような、距離適性を証明済みの実績馬でない限り、マイル以下のレースから臨む馬は疑ってかかった方がよさそうだ。〔表6〕
ブレイディヴェーグ、フィアスプライド、ニホンピロキーフ、エルトンバローズ
〔表6〕 前走の距離が1600メートル以下だった馬の、前年以降のJRAの1600メートルのGⅠ・GⅡを優勝した経験の有無別成績(過去6年)
経験の有無 成績 勝率 連対率 3着内率
あり 3-3-1-16 13.0% 26.1% 30.4%
なし 0-0-1-47 0% 0% 2.1%
ナミュール、チャリン、ソウルラッシュ、ジュンブロッサムは富士S(GII)勝ち
ブレイディヴェーグ、フィアスプライド、ニホンピロキーフ、エルトンバローズ、ナミュール、チャリン、ソウルラッシュ、ジュンブロッサム
さらに勝ち馬は
過去6年の優勝馬(阪神開催含む)
1⃣前走がGⅠ・GⅡ以外だった馬は勝っていない
ブレイディヴェーグ、フィアスプライド、エルトンバローズ、ナミュール、チャリン、ソウルラッシュ、ジュンブロッサム
2⃣キャリア14戦以内
ブレイディヴェーグ、エルトンバローズ
3⃣前走の単勝人気が3番人気以内
ブレイディヴェーグ
先週のレガレイラとイメージが被るルメール騎手の御手馬が1頭残りました。
先週は抜けた1人気でしたが、今回は混戦の1人気4倍を超えています。
田原基成さんは
・ブレイディヴェーグ
昨年のエリザベス女王杯勝ち馬がマイルに参戦。これだけでも異例なのだが、この馬自身マイル経験がなく、馬主の使い分けを否が応でも感じるローテーションだ。芝2200mだったとはいえ、開催終盤の京都芝外回りだったエリザベス女王杯は標準レベルのパフォーマンス。高速馬場なら牡馬も含めた国内トップクラスだが、馬場コンディション次第で印の位置を変えたい。
トーセンラーが初マイルで勝っています。京都が得意な馬でした。ブレイディヴェーグ関西圏の競馬は2週前から栗東入りしていたようですが、今回は直前輸送。使い分けで出走など万全を期した出走とは言えないところが嫌われているようです。
本命は②ブレイディヴェーグ
相手はフィアスプライド、ニホンピロキーフ、エルトンバローズ、ナミュール、チャリン、ソウルラッシュ、ジュンブロッサムになりますが、ニホンピロキーフは要らないと思うので⑧フィアスプライド ⑰エルトンバローズ ④ナミュール ⑪チャリン ⑬ソウルラッシュ ⑤ジュンブロッサム
馬券は買いませんが買うなら②ブレイディヴェーグの単勝
Thoughts on マイルチャンピオンシップ展望 (訂正あり)