Blues Power/West Road Blues Band - 1975.04.01 Tue
[sales data] 1975/4/1 [producer] 三浦光紀 [member] 永井"ホトケ"隆(vo) 塩次伸二(g) 山岸潤史(g) 小堀正(b) 松本照夫(ds) ***** 佐藤博(p) 井出隆一(p) 金子マリ(bvo) 妹尾隆一郎(harp) | ![]() |
以前、日本にブルースが根付かない理由を自分なりに分析したことがありましたが
70年代を代表する日本三大ブルースバンドの一つのウエスト・ロード・ブルース・バンド。
たまたま2000年頃の再結成のライヴを拝見する機会があり、永井"ホトケ"隆さんの年齢を感じさせない
パフォーマンスに感激して興味を持ったバンドです。
このバンドについては塩次&山岸が在籍したブルースバンドという程度しか知識がないので
簡単に調べてみると、同志社大の軽音サークル"ライラック・レインボー"のメンバーを中心に
幾度かのメンバーチェンジをしながらCCRなどの米南部指向の強い曲をカバー演奏し
1972年にこのアルバムメンバーで結成(この年、B.B.キング大阪公演の前座に抜擢されたとのこと)
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1974年に徳間と契約し、ロック・ブルース専門レーベルバーボン・レコードの
第一弾アーチストとして本作をリリース。
バーボン・レコードのことを少し補足しておくと、70年代の日本ロックの黎明期、
ロックが定着し多様化し、個性的なアーチストが登場してくるのですが、それらの受け皿として
ロック及びニューミュージック専門レーベルが続々設立されます。
まずは日本コロンビアの「マッシュルーム」、キング系列の「ベルウッド」に端を発し
「ニュー・モーニング」「ショーボート」そして「バーボン」などが誕生。
「ニュー・モーニング」「ショーボート」がニューミュージック色の濃いレーベルなのに対し
バーボンはロック色の強いレーベルであることと東京よりもローカルに重点を置いた
アーチスト構成であることが特徴的で、他に上田正樹、あんぜんバンド、紫などがいました。
さて60年代のゴールデン・カップス、ブルース・クリエイション、パワーハウスに次いで登場した
70年代の日本のブルースバンドとはどんなものか興味津々で聴いたのですが
「どこか物足りない・・・」
あの時のライヴで感じた永井さんの魂のボーカルが全然自分の中に入ってこない・・・
Tボーンウォーカー、BBキング,バディガイ、エルモアジェームスブルースなどのカバー集で
「Blues After Hours」を除いて全て英語歌詞なので、
演奏がそこそこ巧いブルース好きな日本のミュージシャンがそれっぽくブルースを
カバー演奏しているという感じで、この程度なら竹田和夫曰くの米英の場末の酒場には
もっとブルースを感じさせる無名のブルースバンドがいると思います。
日本に定着していないブルースを「ブルースっぽく演ってる」と感じてしまうのは
ライヴ回数を数多く重ねたため「小慣れた演奏」が逆効果で日本人としてブルースを
演奏するたどたどしさがないというかもたつきがないというか
日本人としてのブルースの解釈が音として確立されていないので、
ブルースの表面をなぞっている(カバー)だけと感じさせてしまうことは残念です。
このことはクラプトンなどが本場ブルースを模倣したホワイトブルーの壁であり
これをどう個性を発揮して乗り越えるのかというのが難しいところ。
英語で格好よくブルース歌ってもブルースを解しない日本人にはそれっぽくしか
聴こえないのに、何故、日本語で歌わない・・・
言い換えれば、自分達のメッセージを伝える手段に何故ブルースを選んだのか?
という根本的な欲求(日本のブルースバンドとしてのオリジナリティ)が上手く伝わってきません。
演奏は巧いだけに(サポートの佐藤博と井出隆一の鍵盤がいい味出していると思う)
日本人にしか表現できないブルースを追求して欲しかった・・・
ジミヘンの金言
「ブルースを演るのは簡単だが、感じるのは難しい・・・」
(PS)山岸潤史、ウエスト・ロード・ブルース・バンド結成を語る
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監修のほどよろしくお願いいたします
こんにちは。
コメントありがとうございます。
これからしばらく山岸さん関連記事が続きますのでお暇でしたら
拙い本文の監修のほどよろしくお願いいたします。
(PS)
domon@guitarさんの山岸さん関連の膨大な記事を少しづつ読ませていただいており
山岸愛がこの作品から始まったのは存じておりますよ(笑)
コメントありがとうございます。
これからしばらく山岸さん関連記事が続きますのでお暇でしたら
拙い本文の監修のほどよろしくお願いいたします。
(PS)
domon@guitarさんの山岸さん関連の膨大な記事を少しづつ読ませていただいており
山岸愛がこの作品から始まったのは存じておりますよ(笑)
(私めのブログでも取り上げていますのでよろしければご覧くださいませ。便乗恐縮です)
今日、高円寺次郎吉でホトケさんと山岸さんのDuoライブありますが、行けません。残念!