X/Focus - 2012.11.05 Mon
[sales data] 2012/11/5 [producer] Bobby Jacobs Geert Scheijgrond [member] Thijs van Leer (Hammond org/fl/vocoder) Pierre van der Linden(ds/per) Menno Gootjes(g) Bobby Jacobs(b) Ivan Lins(vo) Berenice van Leer(vo) | ![]() X/Focus |
6年ぶりとなる作品ではギターが再び交代しメンノ・ホーチェスさん。
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前作からバンドは完全に「ナツメロバンド上等!」と開き直り、新装Focusのギタリストは
Focus信奉者でFocusの音を知り尽くしているミュージシャンが採用される傾向で
ホーチェスさんも見事アッカーマンがFocusの音として定着させたギターイメージを踏襲しており
むしろ今のアッカーマンさん本人の方がFocus時代のアッカーマンさんらしくないかもです(笑)
「前進もしないが後退もしないプログレ」
禅問答ような表現ですが(笑)例えばYESのように新しいことを演れば演るほど不評を買って
後退していくナツメロバンドと異なり、あえて「Focus Pocus」と「Sylvia」のフレーズを
繰り返しながらFocusという定位置にドシっと腰を据えて演りきっている点は骨太な感じはします。
ただこのやり方は昔のファンは好意的に捉えるかもしれませんが今の若い人たちの新しい感性に
刺激を与えているかどうかは不明(苦笑)
Focus 9 New Skin/Focus - 2006.09.25 Mon
[sales data] 2006/9/25 [producer] Geert Scheijgrond [member] Thijs van Leer(vo/org/p/fl) Niels van der Steenhoven(g) Bobby Jacobs(b) Pierre van der Linden(ds) Jo de Roeck(vo) | ![]() Focus 9 New Skin |
タイス・ヴァン・レアーに乗っ取られたFocusのトリビュートバンド「Hocus Pocus」を
母体としたアルバム「8」はいい意味で期待を裏切ってくれましたが、4年ぶりの作品は
「8」の肝であったヤン・ドゥメーさんが既に脱退しており、ギターは新しく
ニールス・ファン・デル・ステーンホーフェンさんに交代。
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ファンにとってちょっと嬉しいのはピエール・ファン・デル・リンデンさんが
復帰しています。
「New Skin」(脱皮)というタイトルから何かしらの新展開があるのかと思ったら
70年代のFocusに逆戻りで楽曲はFocusらしいフレ―ズ満載なので安心して聴けますが、
ひっかかる箇所が少ないというかパンチが弱いというか、基本「Focus Pocus」と「Sylvia」の
outakes集を繰り返し聴いている錯覚に襲われます。
ニールス・ファン・デル・ステーンホーフェンさんのギタースタイルがどういうものか
よく分かりませんが、ヤン・アッカーマンさんの影武者みたいな弾き方ではなく
ヤン・デュメーさんのように自分の音で弾いた方がもっと良かったと思います。
Rio On The Rocks/Jan Dumée - 2004.01.15 Thu
[sales data] 2004 [producer] Jan Dumée [member] Jan Dumée(g/per/p/vo/etc) Arthur Maia(b/per) Xande Figueiredo(ds) Robinho Lins(gnzá) Edward S. di Brito(vo) Marvio Ciribelli(synthe/etc) Marcos Suzano(per/tabla/etc) Remko de Landmeter(fl) Luis Alves(b) Chico Batera(ds/per) Bob Nagy(g) Carlos Duba(b) Alemão(vo) Chico Batera(cymbals) | ![]() Rio On The Rocks |
タイス・ヴァン・レアーに乗っ取られたFocusで活躍する傍らリオデ・ジャネイロで
レコーディングしたヤン・ドゥメーさんの初ソロアルバム。
元々ヤン・ドゥメーさんはジャズ畑のギタリストですが、ブラジルの音楽や文化に魅了され、
1991年頃からメインの活動場所をブラジルに移しているようです。
現地ミュージシャンサポートによるラテン系ジャズロックですが気になるほどラテン色は強くなく
バラード物ではFocusっぽいフレーズも聴かせたり、全体的に丁寧な演奏で、
しっかりドゥメーさんの主張する音楽を楽しむことができます。
Focus脱退後、元ユーライアヒープのジョン・ロートンとOTR(ON THE ROCKS)というバンドを結成し
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南米を中心としたミュージシャンとのコラボレーションに積極的に取り組んでいるようです。
そういえばフィル・マンザネラもラテン物にご執心だったので、二人の共演アルバムが
リリースされるなんてことはないのでしょうか(ちょっと期待)
8/Focus - 2002.01.15 Tue
[sales data] 2002 [producer] Geert Scheygrond & Focus [member] Thijs van Leer(vo/key/fl) Jan Dumée(g) Bobby Jacobs(b) Bert Smaak(ds) ***** Geert Scheygrond(g) Ruben Van Roon(ds) | ![]() 8/Focus |
これは良い意味で期待を裏切った好アルバムです。
Focusは本ブログの常連とでもいいましょうか飽くなき探求でスカされっぱなしの
ヤン・アッカーマンとヨーデルなタイス・ヴァン・レアーの双頭バンドだったわけですが、
一時的にコンビが復活したこともありましたが、単発で終わりこのカルトバンドは
記憶の彼方に封印されていた2002年に24年ぶりに突如リリースされたFocus名義の8枚目。
このアルバムが誕生した裏話が面白いのですが、元々若手ミュージシャンがHocus Pocusという名の
Focusのトリビュートバンドで活動していたライヴのゲストにタイス・ヴァン・レアーを
呼んだのが始まりでゲスト出演のつもりがあまりのハマリ具合にタイス・ヴァン・レアーの
ライヴの参加数が増え、いつの間にかヨーデルおじさんにバンドが乗っ取られ
そのままFocus名義でアルバムを出しちゃったっていうんですよ(笑)
でまぁそんな感じですからFocusのトリビュート物という感じで期待しないで聴いてみたんですが
「これは紛れもなくFocusの新作じゃん・・・」
いや確かにそうなんですけど(笑)
ヤン・アッカーマンはいないし、アルバム制作の経緯も上記のようにノリで作ってしまった
ことから考えてもこんな良質なアルバムができるわけがない・・・
音はFocusなんですがまんまFocusではなく、2000年代の音に無理なく溶け込んでいるその成功要因は
ヤン・ドゥメーという若手ギタリストがFocusを心得ているといいましょうか
ヤン・アッカーマンの流れを巧く継承しているといいましょうか単なるヤン・アッカーマン節を
コピーするのとは違うギター奏法で「ヤン・アッカーマンの穴埋め」を100%こなしている
ということだと思うのです。
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残念ながらヤン・ドゥメーはこの後脱退してしまうのですが、ソロ・アルバムを複数枚
リリースしているようなのでちょっと探ってみようかと思います。
Focus con Proby/Focus - 1977.01.15 Sat
[sales data] 1977 [producer] Yde de Jong [member] Thijs Van Leer (vo/key/fl) Philip Catherine(g) Eef Albers(g) Bert Ruiter(b) Steve Smith(ds) P.J.Proby(vo) | ![]() |
タイス・ヴァン・レアーはバート・ロイター以外のメンバーを総入れ替えし
フィリップ・カテリーン、スティーヴ・スミス(>ジャーニー)に加え
全く毛色の違うアメリカ人のベテラン・シンガー、P.J.プロビーを専任ボーカルにして
(プロビーさんの詳細はよくわかりませんが60年代は女性に結構人気があったようです)
ヨーデルではない本格的な歌物に取り組み心機一転を図りますがセールスは不調で
バンドはこのアルバムを最後に解散します
このラインナップでのライヴはあったんでしょうかね?
ご存知の方、ご一報くださると幸いです。
Focus作品では何故か唯一入手難の作品のため、ファンの間であまり話題にならないのですが
本作品はカテリーン関連ではかなり弾きまくっていてギターがかなり目立つ作品なのですが、
気持ちよく歌うプロビーの歌物とインスト曲のバランスが悪く今まで通りインストアルバムに
統一すれば良かったのになと・・・
(Focusの看板ではなくP.J.プロビー with フィリップ・カテリーンというタイトルで
聴けばかなりすっきした印象に変わる作品です)
(この曲は唯一カテリーンの提供曲です)
小ネタですがバート・ロイターはEarth and Fireの(Earth,Wind and Fireじゃないよ(笑)
紅一点ジャーネイ・カーグマンと結婚して解散後はEarth and Fireに加入しています。
Ship Of Memories/Focus - 1976.05.15 Sat
[sales data] 1976 [producer] ubert Terheggen Mike Vernon [member] Thijs Van Leer (vo/key/fl) Jan Akkerman(g) Bert Ruiter(b) Pierre Van Der Linden(ds) David Kemper(ds) Martijn Dresden(b) Hans Cleuver(ds) | ![]() |
「Mother Focus」リリース後、新アルバム制作中にヤン・アッカーマンが脱退してしまっため
アルバムリリース延期の空白期間を埋めるためにリリースされた没テイク集。
没テイクというと聞こえが悪いので補足しておくと、殆どの曲が2~5分とFocus的には
短めなので、曲の肉付けが終わらなかった未完成曲と言った方が適切で
クォリティは低くありません。
又悪魔の呪文のU.S.シングルバージョンが収録されているのでファンは買わねばならない
仕様になっています(笑)
アルバムタイトルにファン・デル・リンデンの2分弱の小曲のタイトルが採用されていて
アッカーマン&タイス・ファン・レールの双頭体制のFOCUSは既に活動実態がないことを
明示しています。
Live At The BBC 1976/Focus - 1976.03.21 Sun
[sales data] 2004/6/1 [producer] unknown [member] Thijs Van Leer (vo/key/fl) Philip Catherine(g) Bert Ruiter(b) David Kemper(ds) | ![]() |
1976/3/21 London's New Victoria Theatre
日付を見るとFOCUS CON PROBY制作途中に行われたライヴで
数週間前にヤン・アッカーマンが脱退してしまったため急遽フィリップ・カテリーンが
代役を務めています。
(FOCUS CON PROBYに収録されるMaximumとSneezing Bullが演奏されています)
このライヴはフィリップ・カテリーンの正式加入がアナウンスされてのライヴなのかどうか
判然としませんが、FOCUS CON PROBYのメンバーとなる
スティーヴ・スミスとP.J.プロビーはまだメンバーに加わっていません。
Mother Focusからフュージョン路線に転向したので、ジャズ畑出身のカテリーンの演奏は
スンナリはまっていますが、その反面カテリーンで聴く悪魔の呪文は物凄く違和感があります(笑)
Mother Focus/Focus - 1975.01.15 Wed
[sales data] 1975 [producer] Hubert Terheggen [member] Thijs Van Leer(vo/key/fl) Jan Akkerman(g) Bert Ruiter(b) Colin Allen(ds) David Kemper(ds) | ![]() |
ヤン・アッカーマン在籍時最後のアルバム。
(レコーディング途中でドラムが再び交代)
プログレ人気の衰退と共に今までのような組曲形式の長編大作の楽曲は収録されず
ラジオ向けの小曲中心の力を抜いたフュージョン風アルバムでこれがあのFOCUS?と
拍子抜けするほど激変しています。
これはこれで好きな人もいるかもしれませんが、FOCUSファンの好き嫌いは
このアルバムではっきり別れます。
アッカーマンとタイス・ファン・レールの他バート・ルイターの楽曲も収録されてますが
収録曲で一番今までのFOCUSっぽいNO HANG UPSはPAUL STOPPELMANという人の外注作品です。
ヤン・アッカーマンはFOCUS時代のゴタゴタでバンド活動はウンザリなんだそうで
以後はソロとセッション中心の活動になります。
FOCUSはある意味「らしさ」を放棄したのだからアッカーマンがそのサウンドを継承すれば
良かったにと思うのですがアッカーマンはそういったファンの期待など全くお構いなく
奇妙な独自路線を突っ走ることとなります。
Hamburger Concerto/Focus - 1974.05.15 Wed
[sales data] 1974/5 [producer] Mike Vernon [member] Thijs Van Leer (vo/key/fl) Jan Akkerman(g) Bert Ruiter(b) Colin Allen(ds) | ![]() |
そろそろ悪魔の呪文の効果も薄れ始めバンドとしての新展開を求められる中
リズムの柱だったファン・デル・リンデンが脱退しアッカーマンとタイス・ファン・レールの
関係が危うくなりつつ組曲HAMBURGER CONCERTOを二人の心血を注ぎ込んで完成させ
辛うじてバンドの面子を保った最後のアルバム。
ファン・デル・リンデンに代わって参加したコリン・アレンはジョン・メイオールのブルースブレイカーズ~
ストーン・ザ・クロウズで活躍したバンド初の英国人で、人気のセッションマンとして
Bob Dylan, John Lee Hooker, Sonny Boy Williamson, Marc Bolan and T.Rex, Mick Taylor, Donovanなどの
アルバムに参加しています。
尚、この年、本アルバムツアーで初来日しました。
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Live At The Rainbow/Focus - 1973.05.05 Sat
[sales data] 1973 [producer] Mike Vernon [member] Thijs Van Leer(vo/key/fl) Jan Akkerman(g) Bert Ruiter(b) Pierre Van Der Linden(ds) | ![]() |
人気絶頂期のライブ盤(1973年5月5日ロンドン・レインボー・シアター)
選曲がほぼベストなのでFOCUS及びヤン・アッカーマンの入門編として最適な内容です
昔から名盤の誉れ高いアルバムなのですが、個人的にこのライヴ音源がベストライヴとは思えず
(映像も残っているので何かのプロモーション目的のライブだと思いますが総じて演奏が大人しい)
FOCUSがヒット曲、悪魔の呪文の一発屋と思われているのは緻密なスタジオワークが災いして、
ライヴの押しが弱い(いい意味でのフラではなく悪い意味での雑)からではないかと
勘ぐっています(録音状態が悪いこともあるのですが特にリズム隊の躍動感が乏しいです)
もっと他の楽曲も含め、未発表ライヴ音源と聞き比べてみたいところです。