Momentum/Bunny Brunel - 1989.01.15 Sun
[sales data] 1989 [producer] Bunny Brunel [member] Bunny Brunel(b/key) John Wackerman(ds/per) Frank Gambale(g) Kei Akagi(key/p) Patrick Moraz(key) | ![]() Momentum |
人気セッションベーシスト、バニー・ブルネルさんが1989年にリリースしたソロ作品。
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同年(1989年)渡辺香津美さんの「Kilowatt」にジョン・ワッカーマンと参加しており、
ギャンバレさんが意図的に香津美さんチックにギターを弾いており
突き抜けないフュージョン末期のサウンド&作風から姉妹作品とされています。
個人的にはパトリック・モラーツさん目当てで購入したのですが「Miami」1曲だけの
参加でした(泣)
チック・コリア・バンドでも活躍していたのでもう少し、スポットが当たっても
いい人材だと思うのですが、ベーシストの大きな壁である神格化されたジャコを越えるのは一苦労で
知る人ぞ知る的ミュージシャン扱いですが最近ではトニー・マカパイン、デニス・チェンバースと
CABでコテコテのハードフュージョンをかましているので要チェックです。
(1999年の楽器フェアのデモンストレーションの様子)
Human Interface/Patrick Moraz - 1987.01.15 Thu
[sales data] 1987 [producer] Patrick Moraz Barry Radman [member] Patrick Moraz(synthe) | ![]() Human Interface |
モラーツさんがムーディー・ブルース在籍中の1987年にリリースしたソロ作品で
ジャケットが表現している「文明同士の接触」をテーマにしたコンセプトアルバム。
MTVのようなビジュアル先行の風潮を良しとせず
「音を聴いただけで映像が頭にうかんでくるレコード制作」を目的とした
米Capitol Records傘下Cinemaという新興レーベルから発売されたため
ニューエイジにカテゴライズされてしまいプログレファンの耳には
届かなかったかもしれませんがなかなかの力作です。
モラーツ談
「このアルバムのコンセプトは人が機械と接する時に覚える面倒くささやいらだちについてさ。
テクノロジーがあまりにも発達しずぎて、人がそれについてゆけなくなってしまっている。
でもそんな事じゃコンピューターと人との間の距離はちっとも縮まらない。
そこで僕が提案したかったのはコンピューターに対しても人間に接するのと同じ感覚で
接していけばいいという事さ。するとコンピューターはとてつもない自由を人間に
与えてくれるのだからね」
基本ミニマルミュージックですがモラーツの特徴はパーカッシヴなことで
本作では「九州(太古の神話)」でシンセと雅楽を融合してエスニックな世界を表現していますが、
テーマが「人間と機械」なので仕方ありませんが、
打ち込みではなく和太鼓やドラムなどのバンドスタイルで録音して欲しかったなと・・・
例えばYES人脈でブルフォードさんが叩いて、ハウさんがちょろっとギター弾くだけで別次元の作品に
なっていたと思います。
Time Code/Patrick Moraz - 1984.01.15 Sun
[sales data] 1984 [producer] Barry Radman Patrick Moraz [member] Patrick Moraz (All instruments/ chants/programming) John McBurnie(vo/bvo) John Avila(b/vo/bvo) ***** Gregory Scott Alban(ds) Kitty Bruce(vo) Lyn 'Cecil' Collins(bvo) Bill Bruford(ds) Gregg Jackman(chanting vo) | ![]() Time Code |
今まで一貫して個性的な作品を連発していたモラーツさんが、初めてヒットを意識して?
インスト曲もあることはありますが、全体的にボーカリストを5人も使った歌って踊れる
デジポップです。
(共同プロデューサーは以後、ムーディー・ブルースのプロデュースも担当するバリィ・ラドマン)
基本モラーツのマルチ録音ですが、ブルフォードが「Life in the Underworld」1曲のみ
シンセドラムで参加しています。
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ジェネシスが1983年にエレポップで大躍進し、大ヒットした「Mama」はドラムマシンと
コード・シーケンサーで作った曲だったので、
ブルフォードと進めていたシンセとドラムマシンの楽曲アイディアが先取りされたと思ったか
どうか分かりませんが、大きく感化されいつものモラーツっぽい理屈っぽさが抜かれている分、
トニー・バンクスっぽくて聴きやすいですが、プログレファンがその良さを見出すのは難しい内容です・・・
Long Distance Voyager/The Moody Blues - 1981.05.15 Fri
80年代に入りMTVを中心とした商業音楽のゴリ押しに嫌気がさし洋楽最新ヒット曲には
全く興味がなくなり、独り黙々とレコードレンタル店に足を運んでは70年代ロックを
漁り聴くスタイルが定着していたので、この頃モラーツがムーディー・ブルースに
加入していたことは全然知りませんでした。
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ムーディー・ブルースはプログレに分類されることが多いですが、ヒットチャートに曲を贈り込むなど
商業的に成功しているので、私のプログレ感とは微妙に異なるのですが、モラーツが加入する頃の
バンド状況を調べてみると、1972年バンド活動を停止し、各メンバーそれぞれがソロ活動に勤しみ、
1978年に5年ぶりに「Octave」をリリース(その後キーボード兼リーダーのマイク・ピンダーが脱退)
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そして更に3年ぶりの1981年に「本作」をリリースするなど活動スパンが長く空いているため
今まで縞梟のプログレデータベースにひっかからなかったのかもしれません。
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しっかり聴いたのは「童夢」(1971年)だけで正直どういうバンドなのかよく分かりませんので、
80年代に突如現れたシンフォニックロックバンドというノリで聴いてみました。
理由はよく分かりませんが邦タイトルは最初「天海冥」で最近は「魂の叫び」に
変わっているようです。
モラーツはYESのリック・ウェイクマンに続きマイク・ピンダーの代役ということで、
プログレ最強ヘルパーなどと陰口叩かれますが、シングル「The Voice」「Gemini Dream」がヒットし、
アルバムも全米1位を獲得し、代役のお釣りがくるほどの貢献度です。
OPからモラーツのシンセ炸裂ですが、全体的にほどよくバッキングに徹しているという印象で
ジェフ・リンのワンマン体制なELOの役割分担を、バンドメンバーそれぞれがバランスよく
持ち味を発揮しており、この作品はエイジア登場前のプログレポップ作品の成功例の1枚と
考えられているようです。
モラーツはこの後、1991年までソロ活動と併行してムーディー・ブルースのメンバーとして
本作を含めアルバム5枚に参加していますが、最終的にギャラの問題でトラブルとなり
脱退してしまったようです(苦笑)
Coexistence/Patrick Moraz Syrinx - 1980.01.15 Tue
[sales data] 1980 [producer] Patrick Moraz [member] Patrick Moraz(synthe/key/etc) Syrinx(pan pipe) ***** Richie Morales(ds/tympani/gongs) Johh Wooloff(g) | ![]() |
ジャケットはいかにもプログレっぽい感じですが、モラーツとパンパイプ奏者である
ルーマニア人のシランクスさんとの異色共演作品。
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パンパイプはSYRINXとも言われ、今回奏者名と同じなのでややこしいのですが、
ギリシア神話の牧羊神パンが手にする葦笛(パンフルート)の別名で、
世界で最も古い楽器の一つと言われているようです。
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ジェスロ・タルやフォーカスのタイス・ファン・レールのようにフルートをリード楽器に使う
バンドもあることはありますが、ジャケット内側に写るシンセ機材ならパンパイプの音は
簡単に作れるんじゃないか?という野暮な突っ込みは心の奥にしまって(笑)
民族音楽フェチのモラーツがパンパイプの生音にこだわった趣味性の高い作品といえるでしょう。
フォルクローレ的なパンパイプの素朴な叙情性を活かすため、モラーツはいつもより控えめに
シンセでシンフォニックパートを奏で、古代楽器と現代楽器の時代を超えた優雅なコラボを
楽しんでいます。
3/Patrick Moraz - 1978.01.15 Sun
[sales data] 1978 [producer] Patrick Moraz [member] Patrick Moraz (vocoder/sinthe/p/org/etc) Djalma Correia(per/etc) The Percussionists of Rio de Janeiro (per) | ![]() |
モラーツのラテン三作品と称されるものはコンセプトや流れといったものは特にないので、
どこから聴いても問題ありませんが、三部作最終章となる本作はややラテンネタ切れなのか?
打楽器奏者はジャウマ・コレアさんのみの起用で(The Percussionists of Rio de Janeiroの
音源も追加使用)どちらかというとラテン音楽よりシンセ技術の魅力に取りつかれ
シンセを駆使して、多重録音に凝ったほぼマルチプレイ作品です。
(モラーツさんヴォコーダーで歌も歌います(笑)
Out in the Sun/Patrick Moraz - 1977.08.15 Mon
YES脱退後にリリースしたラテン三部作の中核を成すモラーツのソロセカンドアルバムは
メインホースの同僚だったジーン・リストリとの共同プロデュース作品。
ラテンパーカッションを多用したパーカッシブな演奏のためラテン三部作と言われていますが、
そこまでラテン色は強くなくモラーツの細かな鍵盤ギミックも堪能でき、
メロディもスティックスやクイーンのようなポップな一面ものぞくラテン・クロスオーバー?
この路線だけ聴いているとYESとの方向性の違いは明白ですが
「Time for a Change」のイントロ部のコード進行でYESに置き土産となった
「悟りの境地」のメロディが顔を出します。
The Story Of I/Patrick Moraz - 1976.06.15 Tue
YES在籍時は「リレイヤー」たった1枚のみの参加でしたが、前任者リック・ウェイクマンに
引けを取らない個性的なサウンドで強烈な印象を残し、今なおマニアックなファンが多い
パトリック・モラーツがYESメンバーソロプロジェクトシリーズとしてリリースした
初ソロアルバム。
注目すべきは参加メンバーで他のYESメンバーが身内を中心に固めたのに対して、
レイ・ゴメス、ジェフ・バーリン、アルフォンス・ムゾーンなどモラーツ独自のコネクションで
フュージョン系のミュージシャンを揃えています。
難解な曲構成という意味ではプログレですが、リズム&サウンド面はパーカッシブな
ラテン色の強い作品のため、YESに通じるプログレ作品を期待していたファンの多くは
あまりに個性的なサウンドに戸惑いを感じたと思います(笑)
モラーツのラテン熱は一時のものでなく、元々民族音楽に興味があったこともあり
メインホース解散後、ブラジル舞踏団に参加し、無名ながら来日も果たしているようです。
モラーツはYES次作の「Going For The One(究極)」のリハーサルにも参加しますが、
俺様気質で自分のアイディアを主張するも玉砕され、折り合いが合わずレコーディング前に
脱退してしまいますが(<リック・ウェイクマン出戻り)アルバム収録された
「悟りの境地」にはモラーツのアイディアが残されているとのことです。
もう1枚YESでその個性的な才能を聴かせて欲しかったですね・・・
Live In Concert(Newcastle City Hall 1974)/Refugee - 1974.06.16 Sun
[sales data] 2007 [producer] Brian Davison [member] Lee Jackson(vo/b/g) Patrick Moraz(p/key) Brian Davison(ds/per) | ![]() |
Newcastle City Hall 1974/6/16
2007年、突如Voiceprint Recordsというところから発売されたREFUGEEのライヴ。
(プロデュースはブライアン・デイヴィソンが担当しています)
オリジナルアルバムもそうでしたがサウンドはナイスそのものです。
モラーツはリレイヤーのインパクトが強すぎてここでの演奏はキース・エマーソンの
影武者のような演奏にとどまっています。
オリジナル曲+未発表曲やナイス時代の曲、御馴染みのディランのShe Belongs To Meのカバー
という構成ですが、やはりここはモラーツの弾くロンドやアメリカが聴きたかったですね。
ブライアン・デイヴィソンがかなりドラムの腕をあげたのに対しリー・ジャクソンの
ボーカルがバンドの質を落としているのは間違いありません・・・
Refugee(feat Patrick Moraz) - 1974.01.15 Tue
[sales data] 1974 [producer] John Burns Refugee [member] Lee Jackson(vo/b/g) Patrick Moraz(p/key) Brian Davison(ds/per) | ![]() |
ザ・ナイスの解散はキース・エマーソンがE,L&P結成のため突如決まったため
残された二人のメンバーは相当ご立腹だったようです。
(バンド名「Refugee」=難民というネーミングはエマーソンへの当てつけでしょうか?(笑)
その残されたナイスのリー・ジャクソンとブライアン・デイヴィソンが
当時まだ無名のパトリック・モラーツを起用し、活動期間わずか1年足らずにもかかわらず
プログレファンには人気の高いグループです。
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パトリック・モラーツはスイスから渡英しメインホースというバンドを結成しますが
就労ビザの問題で解散してしまい、その後ジャクソン・ハイツにセッションとして参加した際、
リー・ジャクソンが「キース・エマーソン以上の才能がある」と感じたため第二のナイスを画策し結成。
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モラーツは本作品の殆どの作曲を手がけ、その才能を遺憾なく発揮していますが
曲想はキース・エマーソンを意識した感じでまさにナイス再結成です(笑)
演奏力ではリー・ジャクソンのボーカルは相変わらずですが(苦笑)
ブライアン・デイヴィソンのドラムの腕はかなり向上しています。
(ブライアン・デイヴィソンはこの後、Gongにも参加したことがあるようです)
しかしアルバム発売後、モラーツはYESを脱退したリック・ウェイクマンの代役としてYESに引き抜かれ、
再び悲運に見舞われたトリオグループでもあります・・・