Don't Look Back(新惑星着陸)/Boston - 1978.08.15 Tue
[sales data] 1978/8 [producer] Tom Scholz [member] Brad Delp(vo) Tom Scholz(g/b/org/p/etc) Barry Goudreau(g) Fran Sheehan(b/per) Sib Hashian(ds/per) |
ミックスダウンに1年2ヶ月を費やし緻密に計算されたボストンの新作は
スティクスやジャーニーが開拓にもたついていたアメリカンハードという次世代音楽を
いとも簡単に作ってしまったという感じでした。
このアルバム全編で使用しているトム・シュルツさんが使用したギターエフェクトが
とても心地よく、楽曲自体は単調なR&R物でも別次元の楽曲と聴かせてしまう
サウンドマジックがあります。
ボストンは作詞作曲、編曲、演奏、サウンド・エンジニアリング、総合プロデュースと
レコーディングプロセスのほとんど全てをトムさんんが行うソロ・プロジェクトなので
正直他メンバーの存在感は薄いのですが、2007年のボーカルのブラッド・デルプさんの自殺は
トムさんが原因だとデルプさんの奥様に訴えられる裁判がありましたが、
2015年に訴訟は取り合下げられるきな臭い騒動がありました。
ボストンはレコード会社とどういう契約になっているのか分かりませんが
とにかくアルバムリリース間隔が異常に長く次のサードアルバムがリリースされるのは
8年後の1986年です。
幻想飛行/BOSTON - 1976.08.25 Wed
[sales data] 1976/8/25 [producer] John Boylan Tom Scholz [member] Tom Scholz(g/b/clavinet/org/etc) Brad Delp(vo/g) Sib Hashian(ds) Jim Masdea(ds) Barry Goudreau(g) Fran Sheehan(b) |
ギター多重録音によるハードで分厚いサウンドかつ耳心地良いメロデイとコーラスライン
今までとは異次元のロックサウンドを創出したボストンの登場はかなりインパクトがありました。
「ボストン=トム・シュルツさんのソロプロジェクト」と言って過言ではないのですが、
このマサチューセッツ工科大学で機械工学を学んだインテリさんは、卒業後ポラロイド社の
研究員として働くかたわら、自宅地下室をスタジオに改造し、作成したデモ・テープが
レコード会社に採用され世に出たのが本作です。
完璧主義者のショルツさんはプロデュース、エンジニア、アレンジ、オーバーダビング、
ミックスダウン、全てのレコーディング作業に鬼的に取り組み、ボーカルのブラッド・デルプさんと
他はトムさんがほぼ全ての楽器をマルチプレイで制作しており、更に使用機材(アンプ&エフェクター)の
殆どが自作ともうミュージシャンなのかエンジニアなのかその線引きいは曖昧です。
そもそもショルツさんのギタープレイ評をどうこういうのを見聞きしたことはありませんが
驚くことにアルバムには「No Computers Used」「No Synthesizers Used」とクレジットされており
最先端技術に人間の才能とハードワークが打ち勝った作品でもあります。
バンドメンバーはアルバム制作のためではなくアルバムプロモ―トのライヴを行うために
急遽オーディションで集めたととのことです。
米だけで1,700万枚、全世界で2,500万枚売の大ヒット。
ただあまりに緻密な音作りのため時間がかかり過ぎ、次作リリースまで約2年かかるなど
レコード会社がよく我慢して長期のアルバム制作スケジュールを許可したなと。
一発屋なのかなと思っていたら、その後も8年~11年間隔でアルバムを6枚リリースしており
最後に出したのが2013年なのでそろそろ新アルバムがリリースされるかもしれませんね(笑)