Doin' Allright/Dexter Gordon - 1961.08.15 Tue
[sales data] 1961/8 (Rec:1961/5/6) [producer] Alfred Lion [member] Dexter Gordon(sax) Freddie Hubbard(tp) Horace Parlan(p) George Tucker(b) Al Harewood(ds) | ![]() Doin' Allright/Dexter Gordon |
1940年代からバド・パウエル、マックス・ローチ、アート・ブレイキーなどの凄腕と共演し
1986年にバド・パウエルさんの実話をもとにした映画「ラウンド・ミッドナイト」で
主役を務めたデクスター・ゴードンさんのソロ作品。
本作はフレディ・ハバートさんとの2菅にホレス・パーラン・トリオのクインテット編成。
何でも50年代ゴードンさんは麻薬中毒のためほぼ半引退状態だったらしいのですが、
完全復活を遂げた作品になるようです。
ゴードンさんはハンコックさんのアルバムでしか聴いたことがないのですが
スタンリーさんと比べると脱力系というか「ジャズはその人柄が出る」と言われますが
とても温和な方なのだそうで、どっしり構えた存在感溢れる内容です。
サックスとトランペットの2菅は互いに刺激しあってリエゾンしていくのが理想形なのでしょうが
ここでのハバートさんはゴードンさんに寄り添い盛り上げ役に徹する控えめな演奏です。
パーランさんのピアノトリオもゴードンさんのおおらかさをバックアップすることに
徹した演奏です(パーランさんが一生懸命苦手なバラードを演奏するのも一興です(笑)
Up & Down/Horace Parlan - 1961.06.18 Sun
[sales data] 1961 (Rec:1961/6/18) [producer] Alfred Lion [member] Horace Parlan(p) Booker Ervin(sax) Grant Green(g) George Tucker(b) Al Harewood(ds) | ![]() Up & Down/Horace Parlan |
ホレス・パーランさんの作品にギターが入った作品がないのでグラント・グリーンさんが
入れば面白いのにと思っていたらちゃんとありました。
ブッカー・アービンさんはお初ですが、パーランさんとは50年代にチャーリー・ミンガスの
バンドで一緒に活動し、退団後に「プレイハウス・フォー」というバンドを組むのですが
そのメンバーがアービン+パーランさんのピアノトリオだったということなので、
本作は「プレイハウス・フォー」+グラント・グリーンということになります。
「プレイハウス・フォー」名義ではアルバムはリリースされていませんが、アービンさんの作品で
パーランさんのピアノトリオが参加しいる「That's It」というアルバムがあります。
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それなりにリード楽器のソロタイムは取られているのですがパーランさんもアービンさんも
グラントさんも何とはなしにお互いに遠慮している感じで、誰か一人でもグイグイ引っ張って行く
「俺様」タイプだったらもっと良かったかもしれません。
1960~1961年の1年間で6枚のハイペースでアルバムをリリースしてきたパーランさんは
何故か急に沈黙し1962年はアルバムは1枚もリリースせず
1963年に「Happy Frame of Mind」を出すと完全に消えてしまいます。
(理由わからず)
その後1973年にアメリカからデンマークに渡り、コペンハーゲンに定住して
スティープルチェイス・レーベルの一連の録音によって世界的に有名になったとのことです。
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Goin Home
On the Spur of the Moment/Horace Parlan - 1961.03.18 Sat
[sales data] 1961 (Rec:1961/3/18) [producer] Alfred Lion [member] Horace Parlan(p) Tommy Turrentine(tp) Stanley Turrentine(sax) George Tucker(b) Al Harewood(ds) | ![]() On the Spur of the Moment/Horace Parlan |
ライオンさんにすればパーランさんはスタンリーさんとの相性が良いとの判断なのでしょう。
「Speakin' My Piece」と同メンバーでスタンリーさんの「Comin' Your Way」(1/20)を
録音して立て続けに同面子で3作目です。
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「Speakin' My Piece」ではタレンタイン兄弟が前に出すぎていると感じましたが、
本作はほどよく力関係が均等にならされているように思います。
スタンリーさんは日本ではあまり人気がないようですが、確かにルー・ドナルドソンさんの
ような味わいは感じませんが、パーランさんとの軽薄なノリは相性が良いように思います。
兄さんはね・・・遠慮がちというか音が突き抜けないんだよね・・・(惜しい)
Headin' South/Horace Parlan - 1960.12.06 Tue
[sales data] 1961 (Rec:1960/12/6) [producer] Alfred Lion [member] Horace Parlan(p) George Tucker(b) Al Harewood(ds) Ray Barretto(congas) | ![]() Headin' South/Horace Parlan |
タッカーさんのブイブイベースから快調な滑り出し。
本作はレイ・ベレットさんがコンガで参加しているので、陽気さが増し増しです。
個人的にはパーランさんはピアノトリオだけの方が和音にスキマの空いた独特のピアノ音が
楽しめるので好みです。
(「Low Down」などはパーランさんしかできないロール奏法です)
ただしパーランさんはバラード曲を弾くのがめっぽう苦手なことは秘密です(笑)
Speakin' My Piece/Horace Parlan - 1960.07.14 Thu
[sales data] 1960 (Rec:1960/7/14) [producer] Alfred Lion [member] Horace Parlan(p) Tommy Turrentine(tp) Stanley Turrentine(sax) George Tucker(b) Al Harewood (ds) | ![]() Speakin' My Piece/Horace Parlan |
「Us Three」で抜群のコンビネーションを披露した3人はスタンリー・タレンタインさんの
ブルーノートにおける初リーダー作「Look Out」に参加し、
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本作は更にお兄さんのトミー・タレンタインさんが加わった作品です。
(私、スタンリーさんにお兄さんがいることをこの作品で初めて知りました)
悪くないけどスタンリー兄弟が前に出すぎ(苦笑)
「Oh So Blue」はスタンリー兄弟、パーランとバランスよくソロを分け合っていますが
全体的にこういう展開なら良かったのに、先輩格のスタンリーさんのマイペースぶりに
パーランさんは口出しすることは出来なかったんでしょうね、きっと。
Us Three/Horace Parlan - 1960.04.20 Wed
[sales data] 1960 (Rec:1960/4/20) [producer] Alfred Lion [member] Horace Parlan(p) George Tucker(b) Al Harewood(ds) | ![]() Us Three/Horace Parlan |
パーランさんは60~61年のわずか1年間に6枚のアルバムを録音するのですが、
本作から5連続でリズム隊がジョージ・タッカー&アル・ヘアウッドに固定されます。
私が好きなピアノは跳ねる感じの音であることと、ここにこの音が欲しいと感じるジャストの
タイミングの入り方なのですが、その条件をほぼ満たしているのがこの作品で
ジャズピアノが苦手な私の長年のコンプレックスを払拭してくれる糸口になるかもしれない
可能性を大いに秘めています。
(「Us Three」、「Wadin'」と「Return Engagement」の3曲はパーランさんオリジナル)
数多いとは言えませんが今まで聴いたピアノトリオの作品で絶賛した作品なんてあったかな?
ただパーランさんは反復演奏が多いことと、やはり使える音数に制限が生じるため、
それを個性と捉えても、数多く聴いていくとややマンネリな感じはします。
多分この作品の肝はジョー・タッカーさんの黒いベースにシャキシャキ切り込んでいく
ヘアウッドさんのブラシ。
とにかくこの「ポン♪ポン♪ポン♪ポン♪」という骨太のウォーキンベースをデカい音で
体全体で聴いて欲しい。
「US THREE」(俺たち、仲良し3人組!(笑)
Movin' & Groovin'/Horace Parlan - 1960.02.29 Mon
[sales data] 1960 (Rec:1960/2/29) [producer] Alfred Lion [member] Horace Parlan(p) Sam Jones(b) Al Harewood(ds) | ![]() Movin' & Groovin'/Horace Parlan |
「ホレス」と言えば「シルヴァー」というのがジャズ業界の相場ですが、
どこで間違ったのか?私の場合はまず先に「ホレス・パ―ラン」さんのピアノに
接することになりました。
50年代前半よりソニー・スティットさんやチャールズ・ミンガスさんの下で活躍し
ルー・ドナルドさんの作品の演奏をライオンさんに認められやっとリリースされることになった
初ソロアルバム。
ルーさんの「Sunny Side Up」のリズム隊がそのまま参加したスタンダード集。
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少年時代にポリオを患い、そのため右手の薬指と小指が動かないハンデを克服するため
猛練習の末、独自の演奏技巧(鍵盤の押さえ方など)を発展させた奏法で
右手のハンデは全く感じさせないのでですが、表現が難しいのですが、健常者と違って、
鍵盤を指で押さえられない空間の音というか「間」というか、音飛びしそうなギリのタイミングの
短いタッチの弾け方が特長的です。
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(画像で右手の指が思いっきり上に反っているのが確認できます)
ね、気になるピアニストでしょ?(笑)