Double Barreled Soul/Jack Mcduff & David Newman - 1967.08.08 Tue
[sales data] 1967 (Rec:1967/8/8&9) [producer] Lew Futterman Joel Dorn [member] Jack McDuff(org) David Newman(sax/fl) Danny Turner(sax/fl) Leo Johnson(sax/fl) Melvin Sparks(g) Abe Blassingame(ds) | Double Barreled Soul/ Jack Mcduff & David Newman |
ジャック・マクダフさんと「デヴィッド・“ファットヘッド”・ニューマン」さんの共同名義作品。
ニューマンさんの他、ダニー・ターナーさん、レオ・ジョンソンさんと3人の管物奏者が参加し
マクダフさんの作品でこれだけホーン色の強い作品は過去にあったかな?
というほどサックスとフルートが活躍している作品です。
そのため楽しみにしていたギターのメルヴィン・スパークスさんの存在感は薄いです(苦笑)
共同名義のデヴィッド・ニューマンさんはテキサス生まれのテキサスホンカーということで、
ソウルフルで野太いサックスを聴かせてくれます。
ニックネーム「ファットヘッド」とは、愚か者とか、間抜けを指すスラングで、
高校の音楽の授業中、当時あまり楽譜が読めなかったデヴィッドさんが楽譜スタンドを逆さにして
スーザのマーチを暗譜で吹いたのを見た教師が彼を揶揄してそう呼んで以来、
定着してしまったとのことです(笑)
長年レイ・チャールスのバンドメンバーとして活躍していたため、R&B系ミュージシャンと
思われているようですが、しっかりとハードバップなジャズ作品もリリースしており、
共演もアレサ・フランクリン、B.B.キング、スタンレー・タレンタイン、エリック・クラプトンなど
幅広い活躍をされています。
代表曲の「ハード・タイムス」は多くのミュージシャンにカバーされウィルトン・フェルダーさんも
お気に入りでクルセイダースのライヴ定番曲でもあります。
Hot Barbeque/Brother Jack McDuff - 1965.10.19 Tue
[sales data] 1966 (Rec:1965/10/19) [producer] Peter Paul [member] Jack McDuff(org) Red Holloway(sax) George Benson(g) Joe Dukes (ds) | Hot Barbeque/Brother Jack McDuff |
肉にかぶりつくジャック・マクダフさんのジャケットが豪快(笑)
もう気分は「ホット・バーベキュー!」
7曲中5曲がマクダフさんのオリジナル。
アップテンポな曲とスローな曲を交互に配した並びで緩急つけていますが
ベンソンさんが格段目立っているわけではないのですが「Cry Me a River」のギターには
マスカレードでスパークする予兆を感じます。
ベンソンさんはマクダフさんの作品に複数参加していますが
華々しくソロデビューを飾り多忙になったからかこの後のマクグリフさんのアルバムでは
パット・マルティーノさんやメルヴィン・スパークスさんがギターを弾いているので
興味の枝葉はまだまだ伸びます(笑)
Brother Jack McDuff Live!/Brother Jack McDuff - 1963.06.05 Wed
[sales data] 1963 (Rec:1963/6/5) [producer] Lew Futterman Peter Paul [member] Jack McDuff(org) Red Holloway(sax) George Benson(g) Joe Dukes(ds) | Brother Jack McDuff Live! |
ジャズオルガンでは圧倒的にブルーノートのジミー・スミスさんが有名ですが、
多くのギタリストと名盤を残しているプレステッジの星「ブラザー・ジャック・マクダフ」さんのライヴです。
最初はピアノを弾いていたそうですが、独学で勉強して1957年にオルガンに転向したとのことです。
(あの高速フットベースは独学で生まれたんですね)
このライブの肝は何と言ってもマグダフバンド加入直後のジョージ・ベンソンさんの参加ですが、
マグダフバンドのサポートで録音したソロデビュー作(The New Boss Guitar)以前なので、
未確認ですがこのライヴがジョージ・ベンソンの公式初録音作品ということになるのでは
ないかと思います。
驚くことにマグダフさんはレッド・ホロウェイさんのサックス同様、全く無名のベンソンさんにも
かなり長めのギターソロを取らせています。
拍手が不自然に編集されているのが気になりますが、熱い演奏は余すことなく収録されています。
最近のCDは1963年10月3日サンフランシスコで行われた「Live! at the Jazz Workshop」と2in1に
なっているようです。
Screamin/Jack Mcduff - 1962.10.23 Tue
[sales data] 1962 (Rec:1962/10/23) [producer] Ozzie Cadena [member] Jack McDuff(org) Leo Wright(sax) Kenny Burrell(g) Joe Dukes(ds) | Screamin/Jack Mcduff |
マクダフさんはギタリストとの共演を好み、ビル・ジェニングス、グラント・グリーン、
ジョージ・ベンソンなどに次いで選んだのはケニー・バレルさん。
ケニー・バレルさんはジミー・スミスさんのパートナーというイメージが強いですが
ある意味、プレステッジからブルーノートへの挑戦状というような感じでしょうか。
軽快なナンバーが多く、1曲目からバレルさんのギターが踊るように鳴り響きますが
バレルさんがまともにソロを取っているのは「He's a Real Gone Guy」と
「One O'clock Jump」の2曲ぐらいで全体的にバッキングばかりでソロパートが少なめなのが
不満です。
その代わりと言っては何ですがレオ・ライトさんが暴れまくりです(笑)
Stitt Meets Brother Jack/Sonny Stitt with Jack Mcduff - 1962.02.16 Fri
[sales data] 1962 (Rec:1962/2/16) [producer] Esmond Edwards [member] Sonny Stitt(sax) Jack McDuff(org) Eddie Diehl(g) Art Taylor(ds) Ray Barretto(congas) | Stitt Meets Brother Jack/ Sonny Stitt with Jack Mcduff |
ジャズの識者には究極のB級盤とも言われているようです。
その理由はソニー・スティットさんという方は、1940年代後半からキャリアをスタートさせた
大ベテランなのですが、「チャーリー・パーカーの模倣者」と評され、生前に残した
100点以上の作品数の多さに反し誰もが認める決定的な名盤がないことが
最大の特徴なのだそうです(笑)
聴く前に上記の情報をインプットしたせいでもないでしょうが、確かにこれといって
書くことが浮かばないアーチストではあります。
(最初から最後まで無難な演奏が延々続く感じです・・・)
アルバムのことではないのですが、スティットさんの面白いエピソードをご紹介しておきます。
スティットさんは過去に麻薬密売の罪で収監されたことがあたったため1971年のジャズフェスに
出演予定で来日したものの強制送還されたそうです。
ようやく1978年9月25日「モントルー・ジャズ・フェスティバル・イン・ジャパン」で来日が叶い
喜んだスティットさんはフェスの約3週間前の1978年8月30日に王選手が800号ホームランを
放ったことを意識して武道館で自分のソロ・オーダーが回ってくると、王選手の一本足打法を
模した姿でテナー・サックスを吹いて会場が大変盛り上がったという逸話があります。
Brother Jack Meets The Boss/Jack Mcduff and Gene Ammons - 1962.01.23 Tue
[sales data] 1962 (Rec;1962/1/23) [producer] Esmond Edwards [member] Jack McDuff(org) Gene Ammons(sax) Harold Vick(sax) Eddie Diehl(g) Joe Dukes(ds) | Brother Jack Meets The Boss/ Jack Mcduff and Gene Ammons |
ジャック・マクダフとKISSのジーン・シモンズの共演作???
いえ違います、ジーン・アモンズさんです。
火を噴いたり血を流したり宙を飛んだりしませんのでご安心を(笑)
サックス奏者ジーン・'ボス'・アモンズさんとのハード・バップ・セッションです。
アモンズさんは「テナー・サクソフォン界のボス(The Boss)」と称されているようで
もう一人ハロルド・ヴィックさんの2菅が音を突き刺して演奏を引っ張るので
ありがちなオルガンジャズのようなユルユル感は少な目です。
エディー・ディールさんというギタリストはお初なのでそのキャリアを調べてみましたが
ベテランミュージシャンと紹介されているわりには驚くほど情報が少なく、
唯一ハンク・ジョーンズさんとの共演盤は名盤なことだけは分かりました。
今回はあまり興味の枝葉を辿らなくて済んでちょっとホッとしている自分がいます(笑)
Goodnight It's Time To Go/Jack McDuff - 1961.07.14 Fri
[sales data] 1961 (Rec/1961/7/14) [producer] Esmond Edwards [member] Jack McDuff(org) Harold Vick(sax) Grant Green(g) Joseph Thomas(ds) | Goodnight It's Time To Go/Jack McDuff |
「The Honey Dipper」に続きグラントさんは据え置きでサックスにハロルド・ヴィックさん
ドラムにジョセフ・トーマスさん。
マクダフさんの初期はメンバーが固定されず、アルバムごとにメンバーが変わり
お初の方が多いのですが、ハロルド・ヴィックさんはマクダフさんの作品に多数参加している他
グラント・グリーン、ジョン・パットン、デューク・ピアラソン、ホレス・シルヴァー、
マッコイ・タイナー、ジョニー・ハモンドなどの作品でもお目にかけます。
ジョセフ・トーマス(Joe Dukes)さんは情報が少なく詳細は分かりませんでした。
オリジナルは2曲とザ・スパニエルズ、ベニー・グッドマン、フランク・シナトラなどのカバー曲。
全体的にまったりしたスローテンポの曲が多数収録されておりダラダラしたノリが続きますが
「McDuff Speaking」でビシっと決めます。
Kirks Work/Roland Kirk with Jack McDuff - 1961.07.11 Tue
[sales data] 1961 (Rec:1961/7/11) [producer] Esmond Edwards [member] Roland Kirk(sax/manzello/fl/etc) Jack McDuff(org) Joe Benjamin(b) Arthur Taylor(ds) | Kirks Work/ Roland Kirk with Jack McDuff |
カークさんのリーダー・アルバムとしては唯一、プレスティッジ・レコードで録音された作品です。
1967年の再発LPは「Funk Underneath」と改題されマクダフの文字が大きくなったジャケットに
変更さています。
既に多管演奏のスタイルではありますがデビュー間もないということもありますが、
後年のようにブローしまくりの咆哮ホーンではなくかなり抑えめのトーンに
ジャック・マクダフのしつこくないあっさりしたオルガン音がからむ感じです。
カークさんの作品を聴き倒したわけではないので、簡単に比較できませんが
すでに多管演奏のスタイルですが、カークさんがいたって普通のジャズマンとして演奏する
珍しい作品ではないでしょうか。
The Honey Dipper/Jack McDuff - 1961.02.03 Fri
[sales data] 1961 (Rec:1961/2/3) [producer] Esmond Edwards [member] Jack McDuff(org) Jimmy Forrest(sax) Grant Green(g) Ben Dixon(ds) | The Honey Dipper/Jack McDuff |
ブラック・ポップの大ヒット曲「「ハニー・ドリッパー」(シカゴのブルースシンガー、
ルーズヴェルト・サイクスのヒット曲)を取り上げた人気作品。
大ベテランのジミー・フォレストさんが参加していますが何と言ってもデビューしたばかりの
グラント・グリーンさん大登場です!
60年代のグラントさんの音源は殆どブルーノートなのでプレステッジに残した貴重な音源と
いうことになります。
グラントさんはセントルイス時代は何かと同郷のジミー・フォレストさんに目をかけてもらい
初レコーディングはジミー・フォレストさんの「All The Gin Is Gone」に参加し
のちにこのタイトル曲を自分のアルバム「グラントスタンド」の表題曲として収録します。
そんなこともあり力関係ではベテランのジミー・フォレストさんが咆哮しまくるので
グラントさんは新人らしく短いソロで熱くなりすぎないクールなソロを展開しています。
勿論このアルバムはジャック・、マクダフさんのソロアルバムなのですが・・・
Tough 'Duff/Jack McDuff - 1960.07.12 Tue
[sales data] 1960 (Rec:1960/7/12) [producer] Esmond Edwards [member] Jack McDuff(org) Jimmy Forrest(sax) Lem Winchester(vibraphone) Bill Elliot(ds) | Tough 'Duff/Jack McDuff |
本作はサックス&ヴィヴラフォンを入れたクインテット物。
サックスのジミー・フォレストさんはモダン・ジャズのひと世代前の主流ジャズだった
スウィング・ジャズ系ビッグ・バンドの活動が長かったためマイナーなポジションに
甘んじていますが、聴きやすさは抜群で初めてのシングル「Night Train」は
ビルーボードR&Bチャートで7週連続No.1を記録するビッグ・ヒットとなったようです。
ヴィヴラフォン奏者のレム・ウィンチェスターさんは元警察官という変わった経歴の持ち主で
ステージの演出だったのか?ライヴ中ロシアンルーレットで銃が暴発し亡くなるという
壮絶な最期を遂げています(苦笑)
マクダフさんもジミー・スミスさんほどではないにしろ多作家で年間3~4枚リリースの
ハイペースです(苦笑)
オルガン物は特にムーディーな質のものはダラダラ聴いていると萎えてしまうので、
共演者のキャリアを調べたりすると興味が増幅します。
そこで知らないミュージシャンへの興味の枝葉が伸びたら儲けものです(笑)