Hiding/Albert Lee - 1979.01.15 Mon
60年代前半から英国でHeads Hands & Feetのメンバーとして活躍し解散後に渡米し
ジョー・コッカーやエルミー・ハリスのバックバンドで活躍し人気セッションマンとしての
地位を獲得しリリースされたソロデビュー作品。
アルバムセッションはHeads Hands & Feet時代の同僚チャス・ホッジズ、ピート・ギャヴィンなどの
英国勢とエミルー・ハリスのホット・バンドのメンバーを中心とした米国勢の2部構成です。
ハイライト曲は1曲目のクラプトンをも唸らせたというカントリー・ボーイは音がいかにも
楽しそうにはじけ飛んでいてまさに神業。
人気セッションマン扱いなのが勿体無い逸材です。
このアルバムのギタープレイに脱帽したクラプトンに見初められクラプトンバンドの一員として
複数のアルバム制作に参加し、1979年にはクラプトンのツアーで来日も果たしました。
(クラブトンの武道館ライヴ盤には未収録ですがアルバート・リーの演奏コーナーあり)
Old Soldiers Never Die/Heads Hands & Feet - 1973.01.15 Mon
[sales data] 1973 [producer] Tony Colton [member] Albert Lee(g/key) Tony Colton(vo) Ray Smith(b) Chas Hodges(b/fiddle) Pete Gavin(ds) |
久々に英国の深い霧の奥から引き当てた掘り出し物でございます。
随分前にアルバート・リーがらみで購入していたのを忘れていたアルバムです。
このバンドのことをネットで調べていて大きな勘違いに気づいたのですが
あの米カントリー・ミュージックで縦横無尽に弾けるポップコーンギターを奏でていた
アルバート・リーさんは英国出身だったのですね(100%米人だと思っていました)
英国風のカントリー・ミュージックとは米国カントリー・ミュージックとどのように
異なった風景を聴かせてくれるのかと思ったオープニングから驚きましたが
大胆なオーケストラアレンジを施したまるでプロコルハルムのようなクラシカルな楽曲が
数曲収録されており(勿論アルバート・リーから想像できるカントリー風の楽曲もあり)
ジャンル的にはパブ・ロックに分類されるようですが、サウンド面ではもっと雑多で
ブリティッシュ・スワンプ・ロックとも言えるのではないでしょうか。
アルバート・リーはギター演奏の他、オルガンでもかなりの腕前を聴かせてくれます。
バンドはこのアルバム(3枚目)をリリース後に解散。
アリバート・リーは米国に渡り、ジョー・コッカーやエミルー・ハリス等と共演し
クラプトンバンドに加入するなど人気セッションマンとなります。
Tracks/Heads Hands & Feet - 1972.01.15 Sat
アルバート・リーが在籍していたHeads Hands & Feetのセカンドアルバム。
(エンジニアは前作に続いてエディ・オフォード)
前作からマイク・オニールが抜けた5人編成ですが、作風は前作と同じで
ブルース、カントリー、サイケ、ソウル、R&Bと幅広い音楽が混成した英国スワンプ・ロック。
(湿地帯の米国スワンプと比較してカラっとしているのが英国スワンプの特徴)
アルバート・リーのギターはバンドアンサンブルに合わせ大人しめですが、
要所要所のキメはとても格好いいです。
本ブログで扱う米国バンドはそれなりに商業的な成功を収めているため、ロック本などを
参考に比較的時系列でまとめやすいのですが、英国バンドはマイナーながら魅力的なバンドが
あまりに多く、個人で英国の深い霧の中を探索しているうちの興味の枝葉があまりに伸びすぎて
収集がつかなくなることが多いのですが(これはこれで大変楽しいのですが)
現在、英国トラッドフォークの編集を開始しており、いずれドカーンと大特集をやる予定なので
覚悟しておいてください!(笑)
Heads Hands & Feet - 1971.01.01 Fri
[sales data] 1971 [producer] Tony Colton [member] Ray Smith(vo/g) Tony Colton(vo) Albert Lee(g/key) Pete Gavin(ds) Chas Hodges(b/fiddle) Mike O'Neill(p/org) ***** Jerry Donahue(bvo) Ray Osborne(bvo) |
アルバート・リーはクリス・ファーロウのバック・バンドであるサンダーバーズで活躍し
1970年にリッチー・ブラックモア等とグリーン・ブルフロッグという覆面セッション・バンドに
参加した後、Heads Hands & Feetを結成。
このバンドはUKバンドにもかかわらず、デビュー時から米進出を狙っていたようで
米大手キャピトル・レコードからリリースされ、内容にも相当自信があったのか
米デビューアルバムは2枚組(英盤は1枚編集物)
一言でこのバンドの特徴を言い表すのは難しいのですが、楽曲は全曲トニー・コルトンが
手がけており、乗りのよいカントリー・ロックありプロコルハルム的なクラシカルなバラードあり、
英国風湿り気のあるフォークありと何でもありなのですが、その才能の引き出しの多さが
逆にバンドの特徴を明確にできなかったのがデメリットだったかもしれません。
キャピトルとしてはCSN&Yのようなバンドとして売りたっかたのかもしれませんが
演奏力はともかくメンバーの個性が弱く、お互いが刺激しあって表現力が増すというような
バンドポテンシャルは感じられません。
しかしアルバート・リーのギターは全編で冴え渡っており(アルバート・リーの代名詞でもある
「Country Boy」のオリジナルはこのアルバムに収録されています)スタイルこそ違いますが
ジミー・ペイジ、リッチー・ブラックモアと並ぶブリティッシュ・ロックを語る上では
外せないギター名手です。