久々の映画記事更新w
以前に挑戦した3D映画「センター・オブ・ジ・アース(以下:地底探検)」が色々と残念な形に終わってしまったので、今度こそはと言う思いで再び3Dに挑戦すべく、いま話題の「アバター」を観てきました。
結構ネタバレになっているかも知れないので、これから観ようと言う方はご注意を!
資源が枯渇してしまった未来の地球。パンドラと言う惑星に新たな資源を発見したが、そこには未開の部族が住んでいるのでなんとか外交的に彼らを取り除いて、地下に眠る資源を頂戴しよう。そのために「アバター」と呼ばれる、その部族を模した筐体を製造し、そこに人間の神経をリンクさせて部族の中に潜入させると言った内容。
結論から言えば、映像的にはなるほど納得の行くものでした。3Dの特性を生かしたアングルが多様されていて、天高くそびえる巨木のでかさに圧倒され、高所から落下するときの無重力感に目がくらみ、そして何より、俳優たちの肉体が手に取るように実感できるリアルさには感動すら覚えるほど。正にバーチャルリアリティを体感したような趣きがありました。
アミューズメントパークのアトラクションと言った具合で、とても楽しませてもらいましたが、3D眼鏡の落ち着きが悪く、鼻の上でなかなか安定しないので集中力をそがれることもありました。私は眼鏡をしてその上に掛けていたのですが、試しに眼鏡を取った状態で3D眼鏡をしてみても同じ印象。鼻のパットのところが低すぎるような。日本人用にはちょっとサイズが合わないかも。
「地底探検」ではまだまだ違和感のあった3D映像でしたが、さすがに「アバター」では滑らかでした。しかしやはり普通の映画を観るよりは何倍か目が疲れました。焦点を合わせる筋肉を相当酷使しているようです。でも目の運動にはなったかな?
映画の内容としては、地球人による侵略ものと言ったカテゴリになるかと思いますが、未開の地へ侵攻し現地人を排除しまくった白人の歴史を映したものであったとも言えます。決して面白くなかったと言うわけではないのですが、「コイツらは野蛮人だから蹴散らしてしまえ!」って、今時こんな空気読まない馬鹿な欧米人を描くのは、白人による自虐ネタってことなんでしょうかね。
是非とも、クジラやイルカの捕獲に反対して強硬に及ぶ団体にこの映画を見せて、「お前らのやっていることはこう言うことなんだよ!」と言ってやりたいところ。まあ彼らが観てもどうせ自覚症状がないのだから、まさか自分たちのことだとは気付く頭もないでしょうけど。
パンドラと言う惑星についての生態も少し説明しておきましょうか。基本的には原始的な生活をしている部族なのですが、この星に生い茂る植物は電気的やらなんやらのネットワークを結んでいて、それは動物の肉体にも及び、触手みたいのを繋ぎ合わせるとお互いにリンクできるようになっている。例えば、馬や翼竜にリンクして自在に操ることが出来、一種のアプリケーションみたいに機能するのです。
ここら辺のディテールはなかなか面白いのですが、それを地球の科学者がデジタルな言葉で説明してしまったものだから、安直で薄っぺらい印象を与えてしまったのは残念だったか。何かもっとスピリチュアルな神秘性が演出できれば、実体を持った存在感あるものになったかと思います。異星人が全てCGだったから余計に、「設定」優先で作り物じみた印象を与えてしまったと感じました。
さて主人公はと言うと、負傷して半身不随となった元海兵隊員のジェイク。彼は自分のアバターで異星人の身体を手に入れ未開部族の中へと潜入。勇気のある彼は仲間として認められ、次第に部族の中に馴染んで行く。ときに友情を結び、そして愛を育む。と言った、異星人との文化交流の架け橋となります。
最初は任務であったわけですが、アバターへリンクを繰り返す内に、やがてどちらか現実か分からなくなり異星人の文化に教化されて行く。作中では美談として語られますが、どこか「ネット廃人」の行く末を見るようでちょっと怖いと思う展開だったりします(笑)
パンドラで行われる作戦とは、異星人の生活を踏みにじって地球人の欲っするままに開拓するとても理不尽なものだったわけで、ジェイクがそれに反旗を翻すのは当然の決断と言えます。作戦の軍事部隊は遂に強硬姿勢を見せ、武力に任せて侵攻を始める。それに対してジェイクは地域に住む部族に協力を仰ぎ、大軍勢を引き連れて反撃に出るわけですが・・・。
うーん、ここら辺の方法論は如何なものだったかと。「力には力で!」このいかにも西欧的な「肉食系」の論理にはがっかり。これでは結局、どちらもやっていることは「相手を打ち負かすこと」になってしまう。もっと美しい解決策はなかったのかと思ってしまいました。これは酷かったな。
脳みそまで筋肉で出来ていそうな軍人と、金のことしか頭にない資産家かぶれっぽい作戦監督みたいなヤツに終始ムカムカし、更に前半では、まだステレオタイプな馬鹿なアメリカ人でしかなった主人公にもムカムカされられました(笑)
「やっぱりアメリカ人ってヤツは!」と思わされてしまう辺り、色々と問題の多い映画ではありましたが、「3D映画を楽しむんだ!」と割り切って観るには良いサンプルだったと思います。それでも感動的な場面も結構ありましたよ。
全体的な印象としては、「エヴァンゲリヲン」と「風の谷のナウシカ」を掛け合わせたような雰囲気もあったかと(笑)なんか「シンクロ率」みたいな解析とか、「ラン♪ランララ♪ランランラン♪」と聞こえてきそうな場面があったり、「王蟲の暴走」とイメージが重なる場面があったり・・・(笑)
主人公ジェイクに味方する女パイロット(ミシェル・ロドリゲス)が可愛かったですね。出るとこに出たら「ツンデレ属性」として愛でられること間違いなし。
そして異星人の族長の娘でジェイクと契りを交わすことになる、ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)もまた可愛かった!基本的にCGに変換されてて、見た目は爬虫類っぽくて多少グロテスクなのですが、それが段々可愛く見えてくるからキャラの魅力の賜物なのでしょう。
そんなわけで、方法論としては間違っていたかも知れませんが、さすがハリウッドだけあってそれなりには楽しく魅せてくれる映画ではありました。
@ちぇっそ@
タグ : アバター(Avatar)
2010/01/24 14:30 |
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