土塚理弘、五十嵐あぐり「BAMBOO BLADE」8巻
2008/03/26/Wed
「バンブレ新刊。この巻は室江高剣道部がタマちゃんの道場に稽古に行くお話と、鎌埼高校との練習試合がはじまる直前まで描かれてるのですけど、見どころはなんといってもコジロー先生が道場で格上の人にぼろぼろにされるとこ‥かな。石橋先生と試合することになっちゃって、かっこわるいとこみせられない!って奮起したはいいけれど、道場でこてんぱんにされるコジロー先生の姿は、どこか非情で、そして哀愁もあって、何より彼が強さをとり戻す予感がひしひしと伝わってきて、とてもよいお話じゃないかなって私は感じ入ったです。この話は、よいね。かつて学生のころの自分、そんな自分がいったいどんなふうに戦ってたのかなって、剣道の仕方が思いだせない、身体に靄がかかってるようだって述懐するコジローの感覚は、私にはどこかよくわかる気持な気がする。長いあいだ竹刀にふれてなかった、そんなときに久しぶりに稽古に臨んだりするとき、ひどく身体が思いのように動かなくて、その焦りはさらに身体を力ませてく。そんな経験ある人ならだれもが感づくような靄の感覚、スランプと迷いの心理の動きを、とてもていねいに描写してて、おどろいたです。ここからコジローが復活する。そんな予感があってわくわくする。何気なくキリノと通じあってる描写もよい感じ。コジロー先生、苦労するね。」
「思うように身体が動かない、どつぼにはまった感覚というのかしらね。そして疲労困憊するほどになって自分の剣道を思い出すという流れは、本当に感心するかしら。こういうところは非常に上手いのよね、この作品。」
「すごくていねい。以前もふれたかな(→バンブーブレード 第14話「さとりんの決意ともきゅもきゅ」)だけど、バンブレは、常人しかいないのだよね。ふつうの人しかなくて、すごい天才とかまんが的な誇張とかそういうのが露骨でなくて、みんなが自分の小さな限界のうちで必死になってがんばってる。作中別格のタマちゃんでさえ、いろいろなとこが未熟だって描かれてて、けして天才的な実力の持ち主として扱われてるわけでない。バンブレのそういった地に足のついた、質実な物語というのはけっこう稀有なものじゃないかなって私は思う。みんなが悩んで、そして生きてる。そういった息遣いが感じられるとこが、この作品はすごく素敵だな。愛おしく、感じちゃう。」
「それはいえるかしらね。もう8巻目だというのに試合ではそれほどの結果も出せてない室江高の様子を見ると、本当に部活としての部活ものを描きたいという作者の意図がすんなり伝わってくるといえるかしら。そういうことを素直にあらわされるということは、ひとつの才能であるのでしょう。」
「あとこの巻は、ミヤミヤとダンくんのいちゃつきっぷりがさいしょにみられるのもポイント高し、かな。この二人はほんと嫌味にならないくらい爽快でとてもよろし。おまけまんがはサヤが入部するきっかけを描いたもので、あはは、キリノの愛がサヤを導いたんだねー。それがわかっただけでよかったです。まぶしいキリノが表紙の8巻、次巻もまたこれならとても楽しみです。」
「次は鎌埼高校との練習試合がメインね。はてさて、どうなることかしら。‥しかし練習試合が多く描かれる作品だこと。ま、それがバンブレのユニークなるところなのでしょう。期待して待ちましょうか。」
土塚理弘、五十嵐あぐり「BAMBOO BLADE」8巻
「思うように身体が動かない、どつぼにはまった感覚というのかしらね。そして疲労困憊するほどになって自分の剣道を思い出すという流れは、本当に感心するかしら。こういうところは非常に上手いのよね、この作品。」
「すごくていねい。以前もふれたかな(→バンブーブレード 第14話「さとりんの決意ともきゅもきゅ」)だけど、バンブレは、常人しかいないのだよね。ふつうの人しかなくて、すごい天才とかまんが的な誇張とかそういうのが露骨でなくて、みんなが自分の小さな限界のうちで必死になってがんばってる。作中別格のタマちゃんでさえ、いろいろなとこが未熟だって描かれてて、けして天才的な実力の持ち主として扱われてるわけでない。バンブレのそういった地に足のついた、質実な物語というのはけっこう稀有なものじゃないかなって私は思う。みんなが悩んで、そして生きてる。そういった息遣いが感じられるとこが、この作品はすごく素敵だな。愛おしく、感じちゃう。」
「それはいえるかしらね。もう8巻目だというのに試合ではそれほどの結果も出せてない室江高の様子を見ると、本当に部活としての部活ものを描きたいという作者の意図がすんなり伝わってくるといえるかしら。そういうことを素直にあらわされるということは、ひとつの才能であるのでしょう。」
「あとこの巻は、ミヤミヤとダンくんのいちゃつきっぷりがさいしょにみられるのもポイント高し、かな。この二人はほんと嫌味にならないくらい爽快でとてもよろし。おまけまんがはサヤが入部するきっかけを描いたもので、あはは、キリノの愛がサヤを導いたんだねー。それがわかっただけでよかったです。まぶしいキリノが表紙の8巻、次巻もまたこれならとても楽しみです。」
「次は鎌埼高校との練習試合がメインね。はてさて、どうなることかしら。‥しかし練習試合が多く描かれる作品だこと。ま、それがバンブレのユニークなるところなのでしょう。期待して待ちましょうか。」
土塚理弘、五十嵐あぐり「BAMBOO BLADE」8巻