を利用して、パン生地を発酵させるのが一般的だったと妻から聞いていたのですが、ジャガイモで天然酵母!?生のジャガイモを水に浸けて何日か置いて発酵させるのだろうか・・。
頭の中には小学校の理科の授業で、さつまいもとジャガイモの栽培観察をしたときに、半分腐って教室中に異臭を漂わせていた思い出がよぎり(汗)、なかなか作る気にならなかったのですが、妻の持っていた古い本を見てみると、茹でて潰したジャガイモを使用し、全粒粉と水、砂糖で作るとの事。
まあ、試しにやってみようと思い酵母を仕込み、それでパンを焼いてみたところ、今までリンゴでしか天然酵母を作ったことがなかったのですが、予想に反して上手く焼き上がりました。おー、すごいジャガイモ天然酵母!天然酵母でパンを作るのも発酵に時間がかかるし、酵母を作るのも面倒だしで普段はやらないのですが、またすぐ焼いてみたいと思います。
酵母が生き物なだけにパン作りはほんと難しいですね。特に天然酵母となると、酵母の元気さの違いによって発酵にかける時間も違ってきますし、気温によっても左右されますからなかなかいつも同じように焼きあげることができません。(何よりパン作りの経験が少ないのです・・)
このジャガイモの天然酵母ですが、あるパン職人の方が1970年代?にフランスで発行した本
の中に載っていたものです。私もジャガイモ酵母は初めて作りましたが、砂糖の量がかなり多いので、本当にこれでいいの?と疑問を抱きました。ほぼ忠実にレシピに基ずいて紹介したいと思います。水、小麦粉、ジャガイモ、気候とフランスと日本とでは違いますので、お作りになる場合は何度かお試しになって、ご自分の納得のいくジャガイモ酵母を育てていただければと思います。
材料
ジャガイモ・・・ 中1個(150gほど)
全粒粉・・・ 250g
砂糖・・・ 125g
茹で汁・・・ 250cc〜350cc(レシピでは水の量がもっと多いのですが、これくらいで良いと思います)
・ジャガイモは皮つきでも皮を剥いてもどちらでも構いません。皮つきなら皮をよく洗い、半分に切って柔らかくなるまで茹でます。
・茹で上がったらジャガイモを取り出し皮をむき、容器に入れてフォーク等を使って、マッシュポテトを作るように潰します。
・ジャガイモが冷めたら、そこへ全粒粉、砂糖を入れ
冷ましたジャガイモの茹で汁(分量ぶん)を少しずつダマにならないように注意しながら加えていき、よく混ぜあわせます。ホットケーキの種と同じくらいの固さで良いと思います。
・混ぜたらラップをして、布巾等をかけて(直射日光が当たらないように)25℃くらいのところで三日間置いておきます。温度変化のあまりないところの方がいいようです。
・清潔な容器を使用。密閉できる容器を使う必要はありません。
・これで三日ほど放置しました。その間に1日に一回、容器ごと回すように揺すって中身を軽く混ぜ合わせました。嫌な匂いはありません、発酵したアルコールのような香りが若干します。
・気温が低かったり、あまり発酵が進んでいない場合は、さらにもう一日置いてもいいかもしれません。だいたいこういう状態になれば大丈夫だと思います。
・上の写真のパンは冷蔵庫に3日ほど置いた酵母だねを使って焼いたものです。酵母だねはこのままで1週間ほど保存できると書かれています。さらに長く酵母を保存する場合は、容器の中に全粒個を軽く一掴み入れて、スプーン等で混ぜ合わせラップをし、25℃くらいのところに、また24時間放置します。それを冷蔵庫に入れて保管します。
これを何度か繰り返すことで、酵母を長生きさせることができますが、
腐ったような匂いがしたり、種が妙に粘ついている場合は、悪い菌が繁殖しているので使用はやめてください。(写真は全粒粉を足して、24時間置いた写真です(作り始めて5日経過)。粉をエサにして酵母がまた元気になります。一回目の時より泡の立ち方が良いです。)
このじゃがいも酵母を使って、これで3回目のパンです。酵母だねを仕込み初めてから、8日目の酵母です。最初に作った時よりも更に漬物のような香りがありました。焼きあがってまだ熱いうちに切ってみましたが、天然酵母を使って焼いたパンは、重みがあって中がしっとりとし、モチモチ感があるところが好きです。
さて、この酵母ダネを使ったパンの材料です。
パンの作り方ですが、私もネットを使って「天然酵母パンの作り方」で検索して、それを参考にしながら作っていますので、申し訳ありませんがここでは詳しい作り方は省略させていただきます。要点だけ書いておきます。
酵母だね・・・ 100g
小麦粉・・・ 300g
塩・・・ 5〜6g
オリーブオイル・・・ テーブルスプーン2杯
ぬるま湯・・・ 140ccほど
※フランスの小麦粉には薄力、強力といったものがありません(いわゆる中力粉というもの)。なので小麦粉と書いておきました。強力粉か薄力と強力を半々に混ぜたものをお使いになってください。
一次発酵で2時間が経過したころ、このあたりでパンチを一度入れます→(うち粉をした台に生地を取り出し、優しく広げたものを三つ折りにし、90℃回転させてさらに二つ折りに。)
5時間ほど経過して、一次発酵が終わりガス抜きをしたら、うち粉をした台に生地を取り出し、優しく広げたものを三つ折りにし、90℃回転させてさらに二つ折りして、表面を張るように丸く丸めます。
二次発酵→焼成となります。(成型前にベンチタイムはとったりとらなかったり)
・この日は気温も高く、28〜30℃ほどありました。一次発酵に5〜6時間、二次発酵に1時間半〜2時間ほど。(はたしてこれが正解なのか分かりません。)
・普通発酵を上手く促すために、砂糖かハチミツを入れるのですが、この酵母ダネには多めの砂糖が入っていますから、私はいれませんでした。
・途中パンチを入れる時に、ボウルから出してうち粉をふりながらやっていますので、最後の二次発酵をする段階で、最初の生地より小麦粉が追加された分、しっかりした固さになっています。生地はバケットを作る時よりも水分量が少ないです。
・焼成する時に銅板は使っていません。オーブンにスチーム機能が付いていないので、鉄板に石炭のような石をいくつも置いて、そこに熱湯をかけてオーブン内に蒸気を作っています。
・焼成時間は最初230℃で15分ほど、温度を220℃に下げて20分。パンを取り出して、底の中央を指でコンコンと叩いた時の音で、焼きが十分かどうかチェックしています。足りないようであればさらに5分追加して焼きます。
パンはまだまだ勉強ですね〜。奥が深いだけに上手くできたときは嬉しいですよね。私もしばらくこのジャガイモ酵母を使ってパンを焼いてみたと思います。
何か質問がありましたら、遠慮なくおっしゃってください!( ^ω^ )