「ヒューゴの不思議な発明」ぶらぼ~!! : シネマ親父の“日々是妄言”
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「ヒューゴの不思議な発明」ぶらぼ~!!

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 巨匠 マーティン・スコセッシ監督が贈る、初の3D映画。「ヒューゴの不思議な発明」(パラマウント ピクチャーズ ジャパン)アカデミー賞では、チョット残念な結果に終わっちゃいました(それでも、“5冠”!)が、そんなこととは関係なく、これは非常に素晴らしい映画でございますよ!


 1930年代のパリ。少年・ヒューゴ(エイサ・バターフィールド)は、時計職人の父(ジュード・ロウ)を博物館の火事で亡くしてから、同じ時計職人の叔父に引き取られ、駅の時計台で時計のネジを巻きながら、誰にも気付かれないように暮らしていた。或る日、構内のおもちゃ屋でネズミのおもちゃを盗もうとしたヒューゴは、店主のパパ・ジョルジュ(ベン・キングズレー)に見つかり、大切にしていた父の形見のノートを、取り上げられてしまう。そのノートには、父が博物館から持ち帰り今やヒューゴの宝物となった、壊れた機械人形の修理方法が書かれていた。そのノートを燃やすと告げた、パパ・ジョルジュの手から取り返すべく、家まで尾行するヒューゴ。そこでヒューゴは、パパ・ジョルジュの養女、イザベル(クロエ・グレース・モレッツ)と知り合う…。

 
 『スコセッシ監督が、3D映画を撮る』というニュースを初めて聞いた時、『へ?あの作風で、3Dにする意味があるのん?何を狙ってはるのさ??』って思いましたし、そのタイトル(「ヒューゴの不思議な発明」)を知った時には、『えらい随分とかわいいタイトルやなあ。何か、間違ってへん??』とも思いました。だってこれまでの“スコセッシ・フィルム”から受けるイメージからは、かなりかけ離れた感じを受けました(「タクシードライバー」「ディパーテッド」「シャッターアイランド」etc,etc…ね?全然違うでしょ!)もんで、正直『どないやねんな?』と、鑑賞前は思っておりました。が、これがまたすんばらしいの!映像は、ここ最近の3D映画の中では、出色と思える出来映えで、非常にクオリティの高さを感じました。3D映画の映像って、吾輩いつも暗めに感じられるのですが、この映画では特筆すべきことに、一切暗さが感じられませんでした。とても明るい上質な映像に仕上がっています。そして、ストーリーがまたイイ!そんなにメチャクチャ泣かせてやろうとか、感動的なシーンが盛り込まれてるワケではないのに、吾輩途中から何故かズ~ッとウルウルしっ放し(>_<)。何て優しくて、温かな演出!これがホントにスコセッシの映画??と、思わず疑いたくなるような嬉しい衝撃を受けちゃいました。
 あまり詳しく書くと、≪ネタバレ!≫になっちゃいますが、「月世界旅行」というSF映画の元祖のような映画と、その映画を撮った監督ジョルジュ・メリエスが、物語の重要なパートを占めています。最新鋭の3D映像を駆使しながらも、「月世界旅行」などの映画黎明期の映像も随所に散りばめられていて、何かとても懐かしい匂いのする、“映画愛”に満ち溢れた、大人も楽しめるファンタジー映画でございます。
 吾輩常に思っておりました。『子供も見るファンタジー映画で、やれ『殺す!』だの『戦う!』だのと、何でそんなダークやねんさ!(あ、別に特定のシリーズ映画を非難してるわけではないですよ…(^^;)暗くて怖いのが、ファンタジーやないで!』そういう意味で、明るくて夢に溢れた映像と、前向きでハッピーなストーリーの本作は、ホント『ファンタジーとはこうあるべき!』って、見本のような映画だと吾輩は思いました。とにかくすんばらしいのです!スコセッシ監督、齢69歳(!)驚きの新境地ですね。巨匠は、これからもまだまだ新鮮な驚きを、吾輩たちにスクリーンで見せてくれることと思います。

 「キック・アス」のクロエ・グレース・モレッツちゃんが、随分大きくなってたのには驚きました(コチラの記事の写真には、もっと驚きました!何?15歳??もお、大人やんか。「キック・アス」の続編、大丈夫かな~?)。でも、とても優しい“ホワっと”した感じがよかったです。あとヒューゴを演じたエイサ君。彼も将来が楽しみですね。くれぐれもホントに真っ直ぐ育ってね(最近子役が出てくると、こればっか(^^;)。そして何と言っても公安官役を演じた“怪優”サシャ・バロン・コーエンの異様とも言える存在感!彼がスクリーンいっぱいに段々ゆっくりと“どアップ”になってくるシーンがあるのですが、吾輩耐え切れずに爆笑してしまいました。或る意味、この映画の中で最も顕著に3Dの効果を認識できたシーンでしたので…(^^;。

 「ヒューゴの不思議な発明」は、ただいま全国ロードショー公開中です。“巨匠”スコセッシによる、映画という名のマジックを、あなたも是非!映画館でご覧ください。

~追記~
 ネットでは、皆様結構指摘されてますが、確かに邦題には難アリですね。この内容なら「ヒューゴ不思議な発明」と言うよりも、せめて「ヒューゴ不思議な発明」の方が、まだ的確だったような気がします。う~ん、難しいですな。
~追記②~
 「ハリ・ポタ」のラドクリフ君が、この映画と「ハリ・ポタ」のアカデミー賞での扱いの違いについて、怒ってるんだそうです。でもそれって、ただのイチャモンやん…(爆)。 

映画『ヒューゴの不思議な発明』 - シネマトゥデイ

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by mori2fm | 2012-03-04 22:37 | 映画評 外国映画 ハ行