423.武庫川源流を訪ねるバス&ウォーク
「はじめに」
3月27日(水)実施。県民局主催の武庫川のルーツを訪ねるバス&ウォークにガイドとして同行する。参加者32名。スタッフ7名(うちガイド3名)。今年で3回目。応募者が多く、今回もキャンセル待ちが30名もいたようだ。
三田駅前を発車、母子(もうし)まで40分の車中でエコグループ・武庫川会長が武庫川エコハイクの概要を説明する。2007年以来17年、200回を達成、参加人員は延べ約8,500名にのぼる人気ハイキングである。私鉄ハイキングのように歩くだけでなく、武庫川流域の自然や環境、歴史・伝承などを学習するウォーキングである。スタッフの高齢化で、今年度から月1回からペースを落として続けていく。
三田駅前発
武庫川エコハイクの説明 200回 参加者延べ8500人
「母子」
天気快晴、車窓から有馬富士が青空に浮かぶ。標高を上げ、そば道場や花のじゅうたんで有名な永沢寺を過ぎて母子に入り、最初の訪問地「茶香房きらめき」に立ち寄る。標高450m、三田のチベットと言われる母子はお茶の生産地で、その加工場である。寒い。お茶のサービスを受ける。一番茶には早いが、最後のほうじ茶を積んだばかりという。今日唯一のお土産どころで多くの人がお茶を買う。小生は蒸し茶と丹波黒豆納豆。
母子 茶香房きらめき
母子茶のサービス
母子茶販売
お土産にお茶を
「近畿自然歩道」
3班に分かれて、近畿自然歩道を龍蔵寺へ歩く。約5km、途中稲荷神社、ミツマタ群生地に寄る。沿道には茶畑が広がる。有名な母子そば屋はコロナ禍で足が途絶えたか、閉鎖されていた。武庫川の源流の愛宕山648mは双耳峰でおっぱいの形の丘に見える。「愛宕山」・「金」と書かれた灯篭は金毘羅参りの参道であったことを示している。
近畿自然歩道を歩く
近畿自然歩道から愛宕山
近畿自然歩道 茶畑を歩く
「稲荷神社」
集落が途絶えてしばらくで稲荷神社に到着する。オーバーハングする巨岩の下に2社が祀られている。ここに来ると恐怖の念に襲われる。磐座で昔の祭祀の跡ではないか思われる。
稲荷神社
稲荷神社
「ミツマタ群落」
摂丹国境510mを越える。愛宕山への登山道を分けて、ミツマタ群生地に到着。最上段の杉林から俯瞰するミツマタは白く輝いて見える。群落を下っていく。雨上がりの翌日であったが坂道は思ったよりも乾いている。ミツマタのトンネルだ。沈丁花の香りが漂う。最下段の林道から眺める花は黄金色に輝く。5分咲きといったところか、今年は桜をはじめ開花が遅い。10年以上前から比較すると、雑木が目立ち、お花畑とはいかないがそれでも感動的である。
ミツマタ群落を上から見ると白い
ミツマタ群落中段
ミツマタのトンネルを下る
下段の林道から見上げるミツマタは黄金色
林道を下りてきた 梅とサンシウユ
「龍蔵寺」
林道を下って龍蔵寺到着。本堂でお昼です。住職がハーモニカで歓迎。次いでお寺の周辺に咲く春の花のスライドショウ。ありがたいお話を聴くのかと思ったら大違い。住職とは10年来の顔見知りだがどこでハーモニカを習ったんだろう。♪はーるになれば、しがこも解けて、どじょっこだの・・・。♬春のうららの墨田川・・・。思わず口ずさむ。境内に出ては、お花の観察、説明。もう少しお話を聴きたいが、タイムアウト。バスの待つデカンショ街道へ参道を歩く。田口池から振り返る愛宕山は双子の頭を揃えている。
龍蔵寺山門
境内を流れる龍蔵寺川(武庫川源流)
♪はーるになれば、しがこもとけて ハーモニカで歓迎
龍蔵寺
住職を囲んで集合写真
田口池から愛宕山を振り返る
「栗栖野残石公園」
デカンショ街道でバスに乗り込んで、5分で栗栖野残石公園。篠山城築城に使った残石で石垣を造っている。途中の道路にも残石を転がしてある。家康が天下普請で築造した城なのでこの石はどこの藩が担当したのはかわからない。まるに井の家紋がくっきり残っているのは誰かがいたずらしたのではないか。400年以上経過したにしてはっきりしている。
デカンショ街道でバスを待つ
栗栖野残石公園
「武庫川起点」
武庫川起点へ歩く。田松川と真南条川が合流するところを武庫川の起点と定めてこから65kmで大阪湾にそそぐ。愛宕山に端を発して龍蔵寺川から真南条川と名を変えてきた流れを加えると、実際は70kmを超えるだろう。一方の田松川は加古川とを結ぶ運河で、武庫川の水運を利用して篠山の農産物や木材を運ぶために造った。明治8年に完成したものの、その後の鉄道や車の発達でほとんど用をなさなかった。今となっては、先見の明がなかったというべきか。
武庫川起点 左:真南条川、右:田松川
武庫川起点を見る
「谷中分水界」
JR篠山口駅までバスに乗り、駅前から歩いて田松川の谷中分水界を見に歩く。分水界は山稜であることが多いが、武庫川の場合は平地(田んぼ)にある。これを谷中分水界という。田松川が水門で仕切られ、一方は加古川の支流である篠山川へ、もう片方は武庫川につながる。第1、第2の2つの水門の開閉によりどちらへ水を流すか決めている。現在は第1水門が開かれて篠山側の加古川に流れている。誰が流れをコントロールしているのだろうか。
JR篠山口駅前 谷中分水界説明板
谷中分水界 田松川 第1水門
加古川(篠山川)へ
武庫川へ
「おわりに」
これで今日の予定は終わる。篠山口駅からバスに乗り終点の三田駅まで30分である。スタッフの反省会で、一人の高齢女性が傾斜した山道で足を滑らせ転落したことを知る。幸い落ちたところは休耕田でけがはなかったようでほっとする。
JR篠山口駅から乗車 帰途につく
本日のルート 実線は歩行 点線はバス
バスに乗ったとはいえ、今日の歩数は18000歩、高齢者には厳しかったようである。お疲れさんでした。
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