180.オカリナで親孝行
義父は97歳を迎えた。数年前、田舎の大きな家から民間の老人施設に移っている。手押し車を押しながらの生活だが、病気はなく、まだ人様の世話にはなっていない。一人娘の妻は、話し相手にほぼ毎月帰省している。今夏は墓参を兼ねて、私も同行する。妻とは同郷の千葉である。
今回は自分が習っているオカリナを施設で演奏するという。入居者の娘が演奏するということで、施設では評判になっている。アナウンスで入居者が集まってくる。ほとんどが車いすだが、音楽は体にいいと意識があるのかないのかベッドに寝たままの人もいる。30分ほどの演奏だが後半はみんなで唄おうで、あらかじめ歌詞が用意してある。童謡が主体だが、「カモメの水兵さん」、「あめふり」などは合唱だ。アンコールは「あめふり」で、ピッチピッチチャプチャプランランランが乗りに乗った。義父は音痴だが、娘の演奏に鼻が高いことだろう。