2013年08月 - 宝塚やまぼうしとハナミズキの山歩道
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2013/08/31

060.ミヤマアカネ

 赤とんぼの中でも日本一美しいのがミヤマアカネ。かつて全国各地で普通に見られたトンボだが今や絶滅危惧種指定されて兵庫県下では逆瀬川、仁川周辺ほか僅かの地域しか生息しない。近くの西山小学校とともに長年生態調査を続けている足立先生の指導の下、逆瀬川でマーキング調査を行う。

逆瀬川で
 7月~8月にかけて川で羽化したミヤマアカネは炎天下でも日陰に入らず川原で過ごし、秋になるとオスは真っ赤に色づき活発に分散活動する。翅の途中にある茶色い帯が特徴的である。逆瀬川駅から2,3分遡ったヨシのしげる川原に下りるとあちこちの葉に止まっているのが見える。幼い成虫はあまり飛び回らないので、網で簡単に捕まえられ、手のひらにおいても逃げないのである。死んだふりをしているのだそうです。マジックペンで後翅にすばやく定められた番号を記入して、そのまま元のヨシの葉に戻します。しばらくすると飛び去っていきます。

マーキングしたミヤマアカネ♂
 私に与えられた番号がT-11である。十数名が参加したので、50匹はマーキングできたと思います。今までの調査では、神戸、甲山、蓬莱峡、川西方面で見つかっているそうですが、真っ赤に色づいて我が家の庭に飛んでくることを期待したいものです。
2013/08/22

059.西光寺山のサギソウ

 8月山歩会サギソウの西光寺山行きは猛暑のため中止することにした。炎天下の山登りはシニア諸氏にとっては自殺行為に等しいと判断した次第だがこれは正解だったようだ。数日後、六甲山自然観察会で熱中症で倒れた人をヘリで救出する事態が発生した。
 
 サギソウだけは是非見ておきたいとの思いで、妻とともに山麓の自生地を車で訪ねた。宝塚から意外に近く、約1時間少々で西光寺山麓に到着。お目当ての自生地を探す。近畿自然歩道の道標にはサギソウ自生地の地図とそこまでの距離が表示してあるが、それと思しきところには看板もなく深い藪である。藪中に低い鉄条網を発見して奥へ入ってみたら、突然湿地が現れ、観察用の木道まである。知る人ぞ知るといった場所で一般ハイカーは間違いなく通過してしまう。持ち帰る不心得者対策だろう。それなら案内板から消してしまったらいいのにと思う。期待した以上にざっと100本ぐらいが開花していた。木道からは望遠レンズがないと撮影できないので、湿地内に入ったのであろう足跡があちこちにある。
 
 実はこの場所は以前から知っていたが、今日はもう一つの自生地が目当てある。ここで場所を明かすことはできないが、その湿地には驚くほどのサギソウが咲いていたのである。数百本、それ以上かもしれない。もう雑草といっていいほどに無造作に咲き誇っている。こうなるとありがたみがなくなるが、サギソウは今田町の町花として大事に保護されている。8月いっぱいは楽しめそうだ。帰路の宝塚西谷の路上温度計は39℃を指していた。
 

 西光寺山713m

 案内にある自生地

 もう一つの自生地

 あちこちに群生するサギソウ

サギソウUP(8月21日)
 
 
 
2013/08/20

058.GPSのこと

 山歩きの友、GPSを更新した。2002年から10年以上もお世話になっていたGAMIN 製SUMMITがついに故障、液晶表示がおかしくなってしまった。深い森や谷あいでは受信感度が落ちたが、それでも道に迷った時にはずいぶん助けられた。
 新機種は同じGARMIN 製etrex30。受信感度は格段に良好で、しかも電池が25時間持つから安心だ。25000分の1地形図もついている。画面が小さいので見にくいが辛抱しよう。試験的に六甲山で使ってみた。PCに接続すれば、写真のように地図上に歩いたルートが記録される。高度を含めた三次元情報、歩行距離、時間、デジカメと組み合わせると撮影ポイントもわかる。あらかじめルートを設定して置くこともできるので道迷いも防げる。
 
GPSはカーナビはもちろん携帯やスマホにもついているのが多く、道案内に応用されている。アメリカが軍事用に打ち上げた約30基の衛星を利用するが、これらは地球上20,000kmを周回しており、最低4基の衛星をとらえないと正確な三次元位置情報は得られない。今、日本では準天頂衛星を打ち上げようとしている(すでに1基は打ち上げられた)。天頂に4基上がれば、アメリカのGPS衛星と合わせて、常時正確な位置情報が得られるようになる。

GPS(位置誤差は±10m以内)
 

ルート図(歩行の軌跡)
2013/08/15

057.終戦の日

 お盆もおわり、セミの声も少し小さくなったような気がする。毎年のことだが、暑い夏の日のセミの声に、遠く幼い日の記憶がよみがえる。
 
  物心ついた最初の記憶は終戦の年だったように思う。千葉の片田舎に生まれ育った私は、父親とともに、東京空襲に向かうB29の編隊を見上げていた。グラマン機が自分の家をめがけるかのように正面から機銃掃射を浴びせてきた。思わず私は障子の影に隠れた。薬きょうが屋根瓦に当たる音を聞いた。そのとき国鉄の停車場で何人かが亡くなったと後で聞いた。空襲警報発令のサイレンの中で、防空頭巾をかぶり、手を引かれて防空壕に逃げ込んだ。そこには一心に無事を祈る祖母の姿があった・・・。サイレンの真似をするのがうまかったとあとで母親に聞いた。家に兵隊さんがたくさんやってきた。芋の炊き出しをした。おもえば本土防衛のため九十九里浜に向かう兵隊さんだったのだろう。玉音放送の記憶はない。
 
今日815日は68回目の終戦記念日。祖国のために殉じた兵士に尊崇の念を忘れまい。今日ある日本の平和に感謝の気持ちがあふれる。合掌

ふるさとの町(昭和20年代)
2013/08/14

056.四万十市

 4日連続で40℃を超えた四万十市はどんなところだろうと地図で調べてみた。清流四万十川流域で何で日本一の高温になるのか。国土地理院とグーグルマップを重ね合わせてみた。気象庁の情報から、電子基準点72mのある場所がアメダス観測点と思われる。
 
 海岸から数十km内陸で1000m近い山々に囲まれている。川が合流してきて少し開けた場所で、盆地といわれればその通りで海風はここまで届かない。フェーンの影響もありそうだ。しかしアメダスの観測点を見ると、西と北は舗装道路、南と東は中学校の入口と駐車場である。ちょうどコンクリートかアスファルトに囲まれた場所に設置してあり、これでは焼けた路面の照り返し温度を測っているみたいなものだ。
 
 ちなみに我が家から最も近いアメダス豊中は昨日39.8℃で全国2位を記録したが、伊丹空港にあり、これは滑走路の温度を測っているみたいなものだ。高温記録を出している各地のアメダス測定ポイントをもう一度点検してみる必要がありそうだ。

国土地理院とGOOGLEマップより

アメダス(コンクリ―ト、アスファルトに囲まれている)
 
2013/08/13

055.六甲納涼ハイク

 地上は灼熱地獄なので六甲山へ脱出する。環境科の団体30名ほどが、ケーブル駅から神戸ゴルフ場を経て記念碑台の自然保護センターへ歩く。六甲の歴史や地質を勉強して、午後から北側の自然観察路(ノースロード)をぐるりと観察して回る。案内は六甲山自然案内人のベテランガイド。
 
 ケーブルで750mの山上につくと、やっぱり涼しい。5℃は違いそうだ。今は端境期であまり花はないといいつつも、次から次へと何十種類も草花木の説明を受けるが、まったく頭に入りません。少しだけ記憶に残ったものだけご紹介します。まずは、ケーブルを降りるとすぐに目に飛び込んでくるのが「フサフジウツギ」。地上でもブッドレアといって栽培されていると聞くが、ムラサキ色の房状の花をつけて六甲を彩っているといっていい。フジウツギは希少種だが、こちらは外来種。

六甲を彩るフサフジウツギ
松の木高く、ぎーぎーと甲高い声で鳴いているのはエゾゼミ。六甲山上だけに生息していて、さかさまに木に止まって鳴くのだそうだが、姿は見えず。大きなセミで背中にWの模様があるという。ネットから写真を拝借。

エゾゼミ
神戸ゴルフ場にかかると、おなじみのカワラナデシコ。ゴルフ場のフェンスのなかに群生しているのがマツムシソウ。最近のゴルフ場は農薬をあまり使わなくなったので、まるでゴルフ場に保護されているようである。望遠レンズがないので写真を撮れず。

カワラナデシコ
六甲山小学校近くの垣根に絡まってたくさんの黄色の花はキツリフネ。紫色のツリフネソウは良く見るがこれは珍しい。近くの高山植物園から逃げ出したのではといわれている。実に触れると種がはじけて面白い。

実のはじけるキツリフネ
おまけはタマアジサイ。六甲山小学校の石垣や、記念碑台に植えてありました。

タマアジサイ
 
2013/08/11

054.猛暑日

 立秋を過ぎたというのに、昨日今日の日本列島は灼熱地獄だ。甲府、熊谷など常連の都市ばかりでなく地方の村や町までが猛暑日となっている。2日間連続して40度を超えた高知県四万十市には驚かされる。地図で調べてみたら、清流四万十川の中流の山間部にある集落ではないか。盆地や、大都市の真ん中ならヒートアイランド現象やフェーン現象によると言われれば納得するが、何が原因なのだろうか。
 今日の午後3時の近畿アメダスをみたら猛暑日が地方都市に広がっていることがよくわかるし、大峰山系の奥深くにある上北山村も猛暑日になっている。四万十市に良く似た環境と思う。
 昔は百葉箱で気温を測っていたが、今は通風筒の中でファンを回してまわりの空気を送り込む方式とのことだが、測定方法に問題はないのだろうか。例年エアコンは使わないが、今日はたまらず、初めてエアコンを入れた。
*追記 8/12四万十市は41.0℃となり、日本最高記録を塗り替えた。

兵庫県アメダス気温 8/11 15:00
2013/08/07

053.立秋

 近畿は7/8の梅雨明け宣言後しばらく晴天が続いたものの、再び梅雨のような天候。それも、しとしと雨でなく、降れば豪雨、晴れれば猛暑の繰り返し。7月の日本列島は大雨と干天酷暑と異常な天候だった。そして今日8月7日は立秋。しかし今週の天気は酷暑が続く予報で、ほんとにどうなってしまったのか。
 それでも季節は確実に進んでいる。行者山には秋の七草キキョウが咲きはじめた。ママコナも今が盛りと咲き誇る。今日は宝塚花火大会。もうしばらくの辛抱だ。

キキョウ
 

ママコナ
 
2013/08/03

052.但馬 天滝とヤマビル

 MNCのバスツアーで養父市大屋にある天滝に行ってきました。兵庫県下で最大、日本の滝100選にも選定されている名瀑です。麓のレストハウス天滝から約2km(標高差300m),天滝渓谷を登ります。絶壁や丸太橋など危険なところもあり、きちんとしたハイキング装備が必要です。但馬地方の盆地は豊岡がしばしば高温で話題になるように、かなり暑いですが、ここ天滝渓谷は木陰で涼風が吹き抜けます。それでも往復2時間以上の山歩きは汗びっしょりになります。落差98m、その名の通り、天空から降ってくるような滝の流れは壮大です。

落差98mの天滝(標高550m)
 

天滝渓谷(7つの滝がある)
 ところが困ったことに登山道にはヤマビルがにょろにょろで、道の真ん中で鎌首を持ち上げて待ち構えています。立ち止まるとたちまち足に取りつき、体の中に侵入してきます。観察していると人間の体温を感じてか、尺取虫のように近寄ってきます。私は念のため、ズボンのすそを靴下で覆い、首には木の上からの侵入に備えてタオルを巻きました。登山道には、ところどころに塩が置いてありますが、ヒルにふりかけるとナメクジのようにしぼんでしまうようです。

ヤマビル(立ち止まると尺取虫のように近づいてくる)
 

登山道のヤマビル用の塩
 しかし、3人が被害にあって、中には下山してからズボンが血に染まっているのを他人から指摘されて気付く人も。夏の但馬はヤマビル対策必須と聞いていましたが、観光客も多く、整備された登山道にも出没するとは思ってもいませんでした。鹿に寄生しているので、鹿が増殖しているに違いありません。夏休みに但馬地方に出かける方はご用心を。