013.のじぎくの里 大塩日笠山
兵庫県の花「のじぎく」。姫路市大塩の里には、牧野富太郎博士から日本一の群落地と折り紙をつけられた自生のノジギクがあります。満開を迎えた11月21日、ノジギクを愛でながら日笠山連山を散策してきました。
山陽電鉄曽根駅で下車したのは2,3人だけ、ここは無人駅でほとんどの人は特急の停まる隣の大塩駅を利用するようです。それにはわけがあって、「黒岩十三仏」と呼ばれる十三体の仏像を岩に刻んだ磨崖仏があるからです。長方形の面には上段に五仏、下段に八仏の座像が刻まれ、銘文から永正2年(1505)のものとわかります。国道沿いの崖っぷちにあり誰も気が付かないようです。
<黒岩十三仏>
神社の中を通って日笠山へ続く道へ出ます。大塩から上ってくる道が 合流しますが、ここに日笠山のじぎく園があり、さくらもみじの斜面に一面にノジギクが咲いています。満開で多くの女性連れやご夫婦が散策しています。茶店や案内小屋があり、親切にガイドしてくれます。無料コーヒーまで用意されていました。のじぎく祭りで、園内には120個もの手製の灯篭が立てられ、一つ一つに俳句や短歌が添えられています。ガイドさんによれば、自生のものは斜面にあるごくわずかで、平地のものは手入れをして手厚く保護されているとのこと。交雑してしまって、よく見るとそれぞれの花びらが微妙に違っています。
日笠山62mに上り、さらに奥へ進むと北山で夫婦岩があります。ここにものじぎくが群生しています。案内所はありませんが、はるかに播磨灘を望む丘のノジギクはまた格別の趣があります。
<夫婦岩から播磨灘を望む>
連山の縦走にかかります。大北山、馬坂峠、赤山へと里山を進みますが、馬坂峠にもノジギクが群生していますがその数は少なくなっています。路傍にみられるノジギクは自生と思われますが可憐です。清勝寺山への上りにかかるところからは北に高御位山連山が望まれます。錦織の清勝寺山から日笠連山を振り返る。遠く六甲連山、明石大橋、淡路島、播磨灘、家島、小豆島、四国の山々を望むことができました。
麓に降りて、のじぎくの里公園に立ち寄り大塩駅に戻りました。こちらの公園は周囲にノジギクを配している町の公園と変わらず、あまり人気がなさそうで、近所の方々が犬の散歩や子どもたちが遊具で遊んでいました。最後にキバナノジギクをご紹介します。こちらも牧野富太郎博士の命名になるそうで、大塩駅を飾っていたものです。