2012年11月 - 宝塚やまぼうしとハナミズキの山歩道
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2012/11/26

013.のじぎくの里 大塩日笠山

 兵庫県の花「のじぎく」。姫路市大塩の里には、牧野富太郎博士から日本一の群落地と折り紙をつけられた自生のノジギクがあります。満開を迎えた11月21日、ノジギクを愛でながら日笠山連山を散策してきました。
山陽電鉄曽根駅で下車したのは2,3人だけ、ここは無人駅でほとんどの人は特急の停まる隣の大塩駅を利用するようです。それにはわけがあって、「黒岩十三仏」と呼ばれる十三体の仏像を岩に刻んだ磨崖仏があるからです。長方形の面には上段に五仏、下段に八仏の座像が刻まれ、銘文から永正2年(1505)のものとわかります。国道沿いの崖っぷちにあり誰も気が付かないようです。

<黒岩十三仏>
 神社の中を通って日笠山へ続く道へ出ます。大塩から上ってくる道が 合流しますが、ここに日笠山のじぎく園があり、さくらもみじの斜面に一面にノジギクが咲いています。満開で多くの女性連れやご夫婦が散策しています。茶店や案内小屋があり、親切にガイドしてくれます。無料コーヒーまで用意されていました。のじぎく祭りで、園内には120個もの手製の灯篭が立てられ、一つ一つに俳句や短歌が添えられています。ガイドさんによれば、自生のものは斜面にあるごくわずかで、平地のものは手入れをして手厚く保護されているとのこと。交雑してしまって、よく見るとそれぞれの花びらが微妙に違っています。

<純正種のノジギク>
日笠山62mに上り、さらに奥へ進むと北山で夫婦岩があります。ここにものじぎくが群生しています。案内所はありませんが、はるかに播磨灘を望む丘のノジギクはまた格別の趣があります。

<夫婦岩から播磨灘を望む>
連山の縦走にかかります。大北山、馬坂峠、赤山へと里山を進みますが、馬坂峠にもノジギクが群生していますがその数は少なくなっています。路傍にみられるノジギクは自生と思われますが可憐です。清勝寺山への上りにかかるところからは北に高御位山連山が望まれます。錦織の清勝寺山から日笠連山を振り返る。遠く六甲連山、明石大橋、淡路島、播磨灘、家島、小豆島、四国の山々を望むことができました。

<清勝寺山から日笠連山を望む>
麓に降りて、のじぎくの里公園に立ち寄り大塩駅に戻りました。こちらの公園は周囲にノジギクを配している町の公園と変わらず、あまり人気がなさそうで、近所の方々が犬の散歩や子どもたちが遊具で遊んでいました。最後にキバナノジギクをご紹介します。こちらも牧野富太郎博士の命名になるそうで、大塩駅を飾っていたものです。

<キバナノジギク>
歩いたルートです(クリック拡大)
 
 
2012/11/10

012.西宮船坂ビエンナーレ(4)

蓬莱峡にも作品が展示されています。歩いていくのは大変なので車で移動します。バスなら蓬莱峡下車です。作品よりも驚かされるのは山腹にあるブルートレイン客車と貨車です。どなたが何の目的でこんな場所においているのか?のぞいてみます。内部はきれいに清掃されていて、寝台車の2段ベッドに横たわることもできます。なんと水道もあるしトイレもあります。もちろん使えます。ビエンナーレの期間だけなのでしょうか・・・・。作品はそっちのけでしばらくこちらを楽しみました。

ブルートレイン

寝台車内部

貨車 このほかにも
まだまだたくさん紹介したいのですが、後は行ってみてのお楽しみ。パンフレットと案合図を添付しておきます。100円で購入したものです。

パンフレット表紙

船坂案合図
 
2012/11/09

011.西宮船坂ビエンナーレ(3)

小学校から外へ出てみる。作品は集落全体に点在していて、パンフレットの案合図に従って、善照寺、湯山街道、古民家、棚田など25か所の展示をぐるっと回わる。随所に学生が立ち、案内にあたっている。神戸学院大学、武庫川女子大学のようである。回るだけでも1時間はかかる。古民家と棚田にある「鳥」を紹介する。

旧湯山街道沿いの古民家2軒

作品「鳥」 手前は電球のひよこ
2012/11/08

010.西宮船坂ビエンナーレ(2)

小学校の教室には、19点のアートが展示されています。映像を使ったものが多く、入室してもそれがなんだか良くわかりません。前衛アートというのでしょうか。説明文を読んだり案内人に尋ねたりしますが、どう受け取るかは本人次第です。面白いと思ったのは、教室の扉を開けると音楽が流れて、窓ガラスに、先生と生徒が唱歌を歌っている影絵が浮かぶとか、5,6歳の幼児が母親の胎内にいた時の記憶を絵に描いたものです。数十枚の絵には、あったかい水の中にいたとか、まわりが肌色だったとか、目玉焼きを焼くジュート音がしたとか、記憶に残っているのでしょうか。

影絵 唱歌を歌う

胎内の記憶(6才の男児)
2012/11/07

009.西宮船坂ビエンナーレ

ビエンナーレとは2年に1回という意味だそうです。我が家から東六甲・盤滝トンネルで抜けて車で10分のところが西宮市船坂です。有馬街道に沿った標高400mの高地にあり、その寒冷な気候から、かっては高原野菜や寒天づくりが盛んであったのですが、温暖化と輸入品に押されて衰退してしまったようです。今は段々畑や茅葺民家など里山風景の残る過疎の集落です。

船坂集落
 
村おこしとして始まったのが船坂ビエンナーレ。里山を舞台に、内外の芸術家の作品展示、イベント、プロジェクトを1か月にわたって行う芸術祭です。今回のテーマは「結う」で、旧船坂小学校木造校舎、茅葺古民家、棚田などに加えて名勝:蓬莱峡も展示場所とするなどダイナミックな展開です。前回の2010年は20000人の方々が訪れたそうです。
 
まずはメイン会場の旧船坂小学校へ。明治5年創立、平成23年に137年の歴史の幕を閉じた学校は木造2階建て、山の分教場を思わせるレトロなたたずまいです。二宮金次郎の銅像が建つ校庭には万国旗ならず「生きろ」と書かれた数百の旗がたなびいています。これも一つのアートです。木造の校舎に入ると、廊下は鴬張りのごとくギシギシと鳴り、教室、校長室、用務員室、保健室、理科室、音楽室など昔のままに残り、郷愁を感じます。(続く)

旧船坂小学校(明治5年創立)
 
 
 
 
2012/11/04

008.紅葉の大山滝

東大山の一向平(いっこんなる)から加勢蛇川をさかのぼること1時間にある落差42mの二段の滝です。平成2年に「日本の滝百選」に選ばれた鳥取県下最大の名滝です。 大山滝までの行程は古来からの大山詣での古道で、たたら製鉄師や木地師の住居跡があり、またサワグルミの巨木など植生の豊かなところです。あいにくの荒天で、滝壺へは降りられませんでしたが、黄葉・紅葉の中の一筋の流れは趣がありました。

加勢蛇川へ下る
 

吊り橋を渡る
 

サワグルミの巨木 幹回り4.8m
 

大山滝
 
2012/11/03

007.大山初冠雪

11月1日シニア自然大学の研修旅行で奥大山を訪ねる。中国道から米子自動車道へ入るや天気が一変し、曇り空から雨模様へ変わる。休暇村奥大山では強風が加わり外気温は5℃、かと思えば晴れ間がのぞく。西高東低の冬型の典型である。現地ガイドの案内で黄葉、紅葉の織り成すサントリー天然水の森を歩く。標高は800mの切り開きから頂上部を雲に覆われた大山の山々が覗く。何やらうっすらと白いものが見えるが、山肌の色か雪か・・・。やはり雪だ。とすれば今年の初冠雪である。翌2日、奥大山のホテルから望む烏ケ山は白雪に覆われ、また鍵掛峠から望む大山は人工林の緑、落葉広葉樹林の黄葉・紅葉、白雪の峰々がグラデーションに輝いてみごとであった。

奥大山からの烏ケ山
 

鍵掛峠からの大山