あなたの悪夢 冨安由真展 資生堂ギャラリー 6/23
めちゃくちゃ雨の日に、ネットでめちゃくちゃ評判の良い資生堂ギャラリーの「くりかえしみるゆめ」を見てきた。
めちゃくちゃ混んでた。
いや、どしゃぶりの土曜日の午後に、資生堂ビル半周するほど行列できるって何事よ。
ここ、今まで何年もちょいちょい来ているけど、行列なんて一回も見たことないわ。
とはいえもう会期末で、平日多分これないしこれ以上遅くなるともっと混むにきまっているし、というわけでおとなしく並んで見た。
中の階段まで行列だったけど、会場自体は入場制限がかかっていた。
一人出たら一人入れるシステムで、すし詰めにならずに程よい人数でよかったと思う。
写真は順不同。
階段踊り場、妙に人の気配のある椅子と動き続け方位磁針
ベニヤで作られた間取りの中、つい先ほどまで人のいたかのような調度品が並ぶ。
人の気配は全くない。
けれども調度品は全て何かがずれている。
HOUSEという単語以外潰された本たち
かけられている絵画もどこかおかしい。
黒電話の鳴り響く中、「この音って最近の若い子に通じるのかな?」と疑問に思う。
読みかけの本、飲みかけの何か
ティーカップの中には土くれが。
唯一天窓のある明るい部屋
その足元で砕け散るシャンデリア
雑然とした部屋
力なく曲がったままのスプーンたち
ブラウン管のテレビ、あやしげな本と手紙。
この引き出し最初あいてたんだけど、急にしまったので声が出てしまった。
妖精たちに関する本、飲みかけの何か
パンと、さび釘
いやさ、外で並んでる時は
「なんでこんなに混んでるんだよ~要はお化け屋敷じゃろ?こんなに混んでたら興ざめじゃんかよ~~」って思ってたんですよ。
ごめんね、すっかり忘れてたわ。私、お化け屋敷本気で苦手だったわ。一人参加つらかったわ。
人がいっぱいいてよかった。
作品の一つ一つはまあありがちなイメージというか。
不気味な絵画だって、まあこういう絵描く人いるよねってものだし、厨二といえばそうなのだ。けれどもこうして全体を組み上げると存在感がすごくて面白い。
ベニヤ板がハリボテ感があって嫌だという評判も聞いたけれど、非現実感があっていいんじゃないかなと思うよ。
だってこれに適当な黄ばんだ壁紙を張るなんて作者にとっては大した手間もないわけで。
敢えてそのままってことはこの現実とのずれをそのままにしたかったんじゃないかなと思うよ。
て言うか、これ以上怖いのやだ。