シティ・オブ・ゴッド
フェルナンド・メイレレス
監督の「ナイロビの蜂」
いよいよ今週末公開ですね。
今日は、彼の前作
シティ・オブ・ゴッドを紹介。
ナイロビでは、どんな風景をみせてくれるのかしら・・。
シティ・オブ・ゴッド (2002 ブラジル)
監督 フェルナンド・ナイレレス
出 アレキサンドレ・ロドリゲス
レアンドロ・フィルミノ・ダ・オラ
セウ・ジョルジ
60年代後半のブラジル、リオデジャネイロ郊外の公営住宅。
「シティ・オブ・ゴッド」と呼ばれるスラム街には、チンピラたちで溢れていた
写真家を夢見る少年ブスカペが、60年代後半からの、街での出来事を語る・・・バイオレンス青春映画。
感想 ブラジル映画・・・初めてです。ブラジルって、サッカーや、サンバ、など、陽気で明るいイメージしかもっていなかったのですが、
こんな暴力的な生活場もあるんですね。
かなり、衝撃的な作品でした。大人が、銃を持って撃ち合うっていう映画はよく見かけますが、ここでは子供も
当たり前のように、使っています。銃を持つこと、撃つことが、一種の快感のよう。憧れでもあるのかしら。
よく環境は人を変えるといいますけど、生まれたときから、日常が暴力に包まれた世界だと、
それは、異常でもなんでもなく普通のことと思ってしまうのでしょうね。いや~、驚きました。
この映画は、130分ちょい、決して、短い映画ではないのですが、サンバのBGMに乗せて、軽快に物語が進んでいくので、
あっという間という感じです。さらに、ストーリーは盛りだくさん。
語り手は、ブスカペという少年で、彼一人は、まともな人生を歩んでいるようです。それでも友人のためにコカインを手に入れようと
しているのだから、普通とはいえないのかな。ただ、彼は暴力を客観的に観ることが出来る立場にいるっていうこと。
お兄さんが、ギャング団の一味でも決して染まらなかったのは、彼に夢があったからでしょうね。
暴力に依存している人たちは、夢自体が、人を殺すことになっているんですものね。
映画では、年代ごとにいくつかのストーリーが語られます。
どれも面白かったですね。それぞれにドラマ性があるんですよね。例えば、中盤に出てくる、アパートの物語。
ここは、ブスカペの同級生ネギーニュのシマについてのお話なのですが、一回観ただけでは、整理しきれないほど、
次から次へと人の名前が出てきます。だからといって、混乱はしないの。筋はよくわかります。
でも一回ではもったいないかな。かなり濃い話だったから、注意深く聞いてみたいもの。
一番、強烈なお話は、リトル・ゼの物語でしょうか。リトル・ゼは昔の名をリトル・ダイスといって、ギャングの世界に憧れを
もっていた少年です。かれが、どんな風にして下から這い上がって、現在の位置を勝ち取ったのかが、よくわかるストーリー
になっているんですけれども、正直言って、寒気がしましたよ。
子供のうちからそんなこと思っているのね~って恐怖の一言。
その他には、リトル・ゼとセヌーラの2大勢力の激しい対立。
途中から参入する2枚目マネの変わりようにも驚きましたね。最初は堅気だったんですけれどね、それがね・・・笑
ちょっぴり、笑っていいのかしらね。いやいや、むなしさを感じなくてはいけないのかしらね。
リトル・ゼと途中で決別をしたベネの存在も、忘れられませんでしたね。
まさに暴力の連鎖です。強いものが勝ち、弱いものが負けるという動物並みの世界。
結構、繋がりのある人間関係になっています。何度も観て楽しめそうな
作品です。それにしても、この作品、音声だけ聞いていると、とてもバイオレンス映画には見えません。
拳銃の音すら、素敵な音楽の一部として聞こえてくるから不思議です。もちろん、内容は、バイオレンスよ。
そして、悲壮感が全然感じられないのも、不思議ですね。全体のトーンが終始明るいんです。
冒頭の鳥のシーン・・・・、自分が鳥の気持ちになったようでしたよ・笑
久々に興味深い作品でしたね。
監督の「ナイロビの蜂」
いよいよ今週末公開ですね。
今日は、彼の前作
シティ・オブ・ゴッドを紹介。
ナイロビでは、どんな風景をみせてくれるのかしら・・。
シティ・オブ・ゴッド (2002 ブラジル)
監督 フェルナンド・ナイレレス
出 アレキサンドレ・ロドリゲス
レアンドロ・フィルミノ・ダ・オラ
セウ・ジョルジ
60年代後半のブラジル、リオデジャネイロ郊外の公営住宅。
「シティ・オブ・ゴッド」と呼ばれるスラム街には、チンピラたちで溢れていた
写真家を夢見る少年ブスカペが、60年代後半からの、街での出来事を語る・・・バイオレンス青春映画。
感想 ブラジル映画・・・初めてです。ブラジルって、サッカーや、サンバ、など、陽気で明るいイメージしかもっていなかったのですが、
こんな暴力的な生活場もあるんですね。
かなり、衝撃的な作品でした。大人が、銃を持って撃ち合うっていう映画はよく見かけますが、ここでは子供も
当たり前のように、使っています。銃を持つこと、撃つことが、一種の快感のよう。憧れでもあるのかしら。
よく環境は人を変えるといいますけど、生まれたときから、日常が暴力に包まれた世界だと、
それは、異常でもなんでもなく普通のことと思ってしまうのでしょうね。いや~、驚きました。
この映画は、130分ちょい、決して、短い映画ではないのですが、サンバのBGMに乗せて、軽快に物語が進んでいくので、
あっという間という感じです。さらに、ストーリーは盛りだくさん。
語り手は、ブスカペという少年で、彼一人は、まともな人生を歩んでいるようです。それでも友人のためにコカインを手に入れようと
しているのだから、普通とはいえないのかな。ただ、彼は暴力を客観的に観ることが出来る立場にいるっていうこと。
お兄さんが、ギャング団の一味でも決して染まらなかったのは、彼に夢があったからでしょうね。
暴力に依存している人たちは、夢自体が、人を殺すことになっているんですものね。
映画では、年代ごとにいくつかのストーリーが語られます。
どれも面白かったですね。それぞれにドラマ性があるんですよね。例えば、中盤に出てくる、アパートの物語。
ここは、ブスカペの同級生ネギーニュのシマについてのお話なのですが、一回観ただけでは、整理しきれないほど、
次から次へと人の名前が出てきます。だからといって、混乱はしないの。筋はよくわかります。
でも一回ではもったいないかな。かなり濃い話だったから、注意深く聞いてみたいもの。
一番、強烈なお話は、リトル・ゼの物語でしょうか。リトル・ゼは昔の名をリトル・ダイスといって、ギャングの世界に憧れを
もっていた少年です。かれが、どんな風にして下から這い上がって、現在の位置を勝ち取ったのかが、よくわかるストーリー
になっているんですけれども、正直言って、寒気がしましたよ。
子供のうちからそんなこと思っているのね~って恐怖の一言。
その他には、リトル・ゼとセヌーラの2大勢力の激しい対立。
途中から参入する2枚目マネの変わりようにも驚きましたね。最初は堅気だったんですけれどね、それがね・・・笑
ちょっぴり、笑っていいのかしらね。いやいや、むなしさを感じなくてはいけないのかしらね。
リトル・ゼと途中で決別をしたベネの存在も、忘れられませんでしたね。
まさに暴力の連鎖です。強いものが勝ち、弱いものが負けるという動物並みの世界。
結構、繋がりのある人間関係になっています。何度も観て楽しめそうな
作品です。それにしても、この作品、音声だけ聞いていると、とてもバイオレンス映画には見えません。
拳銃の音すら、素敵な音楽の一部として聞こえてくるから不思議です。もちろん、内容は、バイオレンスよ。
そして、悲壮感が全然感じられないのも、不思議ですね。全体のトーンが終始明るいんです。
冒頭の鳥のシーン・・・・、自分が鳥の気持ちになったようでしたよ・笑
久々に興味深い作品でしたね。