ちょっとお話 2007年07月
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永遠のとなり   著  白石一文

永遠のとなり   著  白石一文

部下の自殺をきっかけに
うつ病にかかった青野精一郎。
やがて会社を辞め妻子とも別れることとなり、
故郷・博多に戻る。
そこで出会うのは小学校以来の親友津田敦。
九年前にがんを発症し、
結婚と離婚をくりかえす敦であった。
2人はともにこれからの人生を考え始める・・・。



感想   今作が10冊目になる白石氏の新作です。
主人公は損保会社に勤めている50歳、目の前の男。
久しぶりの故郷で親友の敦こと・・あっちゃんと出会い
親交を深めていきます。
お互いの今までの人生を語り合います。


女性から見たら、2人ともに、褒められた人生を送ってきたとは
到底思えません。病気になってしまったことに関しては
同情を感じるものの、
女性&家族に対して思いやりをもって接してきたと思えない分、
自分勝手な人生ではなかったかと思うところがあります。
それは、自分が女性だからでしょうか。
影で泣いているだろう人が
思い浮かんでしまうのですよね。
精一郎・・せいちゃんは若い女と浮気も経験していますし、
あっちゃんは、奥さんがいるのに愛人宅に入りびたり
ですからね。好き勝手にやってきたには違いないです。
でもそんな男2人でも
温め合う友情関係には素直に、共感覚えるところが
あります。いいな~~うらやましいな~~と。
もし、自分が男だったら・・・そんな関係
築けたらどんなにいいか・・・と思えるからです。
読みながら
ここでは自分が女ということを忘れて
違った見方で2人をみてやればいいのかもしれないと・・・思って
おりました。
関係者ではないのですから寛大にみることができるでしょう。

男の人ってこんなこと考えているのね・・・・。

人生もそろそろ終盤にさしかかってきて
お互いが
どう生きていけばいいか真剣に考える時がきてしまったのですよね。
そういう心の葛藤を素直に話せるのは
友人であり、癒してくれる場所は
故郷でもあるのです。
博多弁の語りが
その土地のにおい&雰囲気をリアルに感じさせてくれます。
私にとっては馴染みのない土地ですが、なぜか
親しみを感じさせるのです。

 白石さんも主人公たちと同じ1958年生まれ。
東京の出版社の第一線で働いて、うつ病になり、退社して、生まれ育った福岡市に帰ったということ・・・


ご自分を投影した物語なのですね。


<私は、私という人間のことが本当に嫌いだった>

人生はいわば階段や梯子を登るようなものだ。
みんな一段一段、自分の前に用意された長い階段を、梯子を
登っていく。一段登るというのは、その段を強く踏みつけ、全体重をかけるということである。
問題はその踏みつけ方にある。
自己嫌悪の強い人間は、一段踏むたびにその段を踏み壊してしまう。
梯子を思い浮かべるとすれば、足を掛けていた段を次の段に上がる
たびに一本一本折りつづけてきたことになる。

(本文より・・)

自己分析している文章で、精一郎の心の闇が見えたような気がします。


またこんな言葉もありました・・・・。

「わしらは毎日生まれて毎日死によるんよ。
明日生まれんのが死ぬていうことやろ」(105ページ)


ストレートな分、重かったです。


「人間は生きたがる動物であり、死にたがる動物でもある」(196ページ)

「人間はさ、自分というこの狭苦しい、別に面白くも何ともないような弱っちい世界からどうしても抜き出すことができんのよ。その小さな世界を折り合いをつけて生きていくしかないんよ。幸福というのは、
人それぞれのそういう折り合いのつけ方でしかないんやろうとわしは
思うよ。」(190ページ)


相変わらずの、深い文章には
いつも心を動かされます。
ちょっと暗めのお話ですが
生き方に迷った方には
いいのではないでしょうか・・。
生きていくってどういうことなのだろう・・・と
真剣に考えてみたくなります。
とくに男性にお勧めかもしれません。


今回も料理場面が出てきますが
あっちゃんの焼いたトルコ風鰆の塩焼きが美味しそうです。
食べたいです・・・笑
それにしても精一郎の子どもは素っ気無いのではないかと
思うのは私だけでしょうか・・・。


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八日目の蝉

八日目の蝉  著  角田光代





感想   角田さんの新境地といわれる長編サスペンス。
実は角田さんの長編を読むのは初めてです。
(過去、児童書と短編のみ・・・)
読者ファンも多く、話題作もいくつかあったにも
かかわらず、なかなかきっかけがなく
ここまできてしまいました。
(どちらかとうと男性作家の方が優先なので・・・・)
でも読んでよかったです。
これをきかっけにもっと角田さんの本を読んでみようという
気持ちにもなりました。


面白かったです。
0章尾、1章、2章という構成になっております。
1章では誘拐犯の希和子が主人公で
逃走記録(薫の成長記録でもある・・)のようになっており
2章では、事件のその後、
成長した薫の近況が描かれている・・という
形でした。
やはり、一番、胸に迫ってきたのは
2章の薫に関してでしょうか・・。

サスペンスとありますが、単なるハラハラドキドキ感だけで終るのではなく現代の母親・子の関係&家族関係をも考えてみることが
できるとても深い作品になっていたと思います。
読む人が自分たちに当てはめて
いろいろなことを思い感じることがあるのではないでしょうか。
ただし、女性に関して。
この作品は男性については、どうしようもない
存在としてだけしか描かれていなかったように思います。
口ではうまいこと言っておりますが、結局のところ
ずるいですからね・・・。



与えられた運命をいかに生き抜くか・・・。


第1章での主人公、希和子は、不倫相手の男性の子を堕胎した
という過去をもっております。
希和子は犯罪者でもありますが、
同時に被害者でもあるのです。
男に振り回され、人生の大事な時を、棒に振ってしまったのですから。
同時に、本妻からは嫌がらせを受け、
傷つけられる言葉も沢山浴びせられます・・・。
つらい時期を過ごしていたのです。

でも、だからといって彼女の行為を正当化はできないのが
現実です。親から子どもを盗むことはどんなことがあっても
してはいけないのですよ・・・。
この家庭・・・夫婦に問題があったとしても(ダブル不倫をしていた)
赤ちゃんに何かしていたというわけではなかったですよね。
人並みに子には愛情は持っていたに違いありません。
たとえそれが他人からみたらそうではなくても、
夫婦は夫婦なりに子を愛おしく思っていたに違いないのです。
自分達夫婦の子ですもの・・。
薫が赤ちゃんのうちからひどい仕打ちを受けていた
わけでもないのです。
それを黙って盗んでしまったのですよ・・・。
ある家庭から・・・一番大切なものを。

希和子は本当の親以上に薫に関して愛情をもって育ててきたと
思います。
でも私は愛情の強さ云々より、
人の運命(薫の運命)を変えてしまった責任の方が
問題ではないかなと思えるのです。


2章を読むと
この薫の実母の姿が浮き彫りになってきます。
父親は(希和子の不倫相手ですね・・)
煮え切らない嫌なやつではありましたが、同時に
奥さんも、夫以外にも男を作っていたようでした・
あまり褒められた人物たちではないように感じます。
どっちもどっちの夫婦・・。
誘拐された薫が手元に戻ってからの
夫婦の姿をみていても
とても子に対して愛情を寄せて育て上げるという
能力があるようには感じられません。
終始、自分達の立場を考えようとしてしまう・・


家事も適当、部屋も汚くしてしまう、だらしない母。
でも、
この夫婦のありようは、誘拐という事件によって
そうなってしまった・・というところもあるのではないでしょうか。
彼ら夫婦の運命を変えたのは誘拐だったのです。

そのことがなければ、少なくとも、今よりは
ましな家庭を作れたかもしれません。
いや・・ダブル不倫をするような夫婦だもの、
同じこと・・じゃないか・・・と考える方も
いるかもしれないけれど、私はそうじゃないかもと
思う部分もあるのです。


子を生む前はどうしようもない人でも子を産んで変わることは
あるかもしれませんよね。
子を育てていく過程で親は成長し、学んでいくところが
あるはずだから。その学ぶ過程を、失ってしまった
からこそ、そこからこの夫婦はどんどん思ってもいなかった
方向に向かっていった気がします。


結局、
希和子も本来の母親も
ともに被害者でもあったと言えるかもしれません。
一番いけないのは男・・・・。


でもそんな男に振り回される女も
どこか愚かしい気がします。
愛しているから、振り回されるのかしら・・。
見極める力が欲しい・・・・。
自分を見失ってしまうのは悲しいことだと
思うけれど、そうなってしまうのが異性を愛することかも
しれないですよね。特に女の方がそういう傾向にありがち。


どうして子にこだわるのでしょう・。
それはやっぱり自分の中から生まれた命だからでしょうね・・。
希和子がこだわるのは生まれだすことができなかった命
だからでしょうね・・・。
子は可愛いですもの。
自分が愛情を注げば注ぐほど
返してくれます。



七日目に死を迎えるはずの蝉が八日目も生きていたら・・・・


題名から引き出される意味・・・。
薫の人生の選択に
誰もが心を動かされたと
思います。
希望を感じさせる結末で本当良かったと思います。
希和子との
すれ違いの場面はまるで映画のようでもありました。


とても後味の良い作品でした。

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バトンです

いつもお世話になっております終日暖気の武田さんから
バトンをいただきました。
大きくルール違反をしておりますが、
お許しくださいね。
バトンを回す人が4人もいないので題名に
もってこれないのです。(お知り合いの多くの方が
お答えしているようで・・・・)
ごめんなさい・・バトンになってしまい
申し訳ないです。
さて・・

ルールから紹介・・。
今回、↑の理由で他のかたに回しませんので
希望の方がありましたらどうぞお持ちくださいね・・。

1)必ずバトン回す人の大切な方々を題名に書いて
  驚かせてください!
  
 ごめん・・なさい
2)回ってきた質問には等身大の自分で答えましょう!

  ハイ☆
3)やらない子は、月に変わってお仕置きです!
 
  懐かしい言葉・・・
4)ルールは必ず記載してください!

  ハ~~イ☆

では、いきます~~~

1 おいくつですか?
   え~~~と、え~~~とえ~~~と・・・
   時間切れです・・・・・笑

2 ご職業は?
   専業主婦です。


3 資格は持ってる?
   秘書検定・・・あと自動車免許(これしか役立っていない    けど)


4 今、悩みが何かありますか?
   子どもの目が悪くて・・・
   

5 あなたの性格を一言で言うと?
   真面目かな・・・・・・・
   


6 誰かに似てるって言われたことある?
    今までで2回ほど、
    見知らぬ人に「○○○さんじゃない?」と声を
    かけられたことがあります。まあ・・どこにでもいる
    ありふれた顔なんでしょう・・・笑


7 人見知りしちゃう?
    すると思うけれど・・もうこの年だからね・・・。
    ずうずうしさもでてきているかな・・・。

    

8 ギャンブルは好き?
    好きではありません。
    堅実に生きています・・・笑


9 好きな食べ物飲み物、嫌いな食べ物飲み物は?
     好きな食べ物・・・おすし・紅茶・・
あと・・好き
     嫌いな食べ物・・うなぎ・コーヒー・・

10 恋人はいる?
     主人はいますけれど、恋人はいないわ・・・・
     残念ながら・・・笑

11 彼氏・彼女にするならこんな人が理想(5つ)

 
   包容力がある人 笑顔が素敵な人 誠実な人  夢がある人
      あと・・・あと・・・5番目は
      少しの欠点もあっていいよ・・笑
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↑こんな状態でもOK・・・


12 彼氏・彼女と喧嘩した時、自分から謝れますか?

彼氏でしょ?いや~~~、
     付き合っている初期は、自分からってことも
     あるけれど、慣れ親しんでくるとね・・。
     意味もなく謝ることはないかな・・。
     今なんてもう・・・素直さがかけてきているもの・・

     
13 親友と呼べるお友達は何人いる?

     一人・・・かな



14 バトンを回してきたあの人…正直この人のコトは○○である。
     
     ○○は・・・憧れ・・・です。
     文章から漂う雰囲気が
     知性ある上品な奥様・・・と
     感じられるわ~~~
     鑑賞作品が良質なものが多くて・・
     参考になります・・。

     



15 ペットは何を飼っている?

     金魚・・(先日お祭りでゲットしてきて、今12匹・・)
これ書いたときはいたのに・・。
     UPする頃には・・全滅・・おお~~~泣



16 今までの自分の経験で面白い事や自慢できる事は?
     
     面白いこと・・・これはないかも・つまらない人生だわ・・
     自慢できること・・・役所さんに会ったことがある・・
               戦車を生で見た事がある・・・



17 このためなら1食抜ける!
     
     映画・・・(全然平気ですね・・)


18 趣味・特技(いくつでもOK)
      
     読書・・映画鑑賞・・音楽鑑賞    


19 好きなブランドはある?

     特に・・・今なし


20 今、行きたいとこは?


     国内でもいいの・・北海道あたりに


21 もし、自由に使える100万があったら何に使う?
    
     貯金。

22 未来の夢を語ってください

     子どもとショッピング・・。
     旅行・・・

  
23 その夢のために何かしていることはある?
      
      貯金


貯金ばかりで・・・現実的過ぎて嫌ね・・・笑


バトンを回す4人の紹介をお願いします。
 
      ごめんなさい・・パス~~

●ルール●
1)必ずバトン回す4人の大切な方々を題名に書いて
  驚かせてください!
2)回ってきた質問には等身大の自分で答えましょう!
3)やらない子は、月に変わってお仕置きです!
4)ルールは必ず記載してください!

1 おいくつですか?
2 ご職業は?
3 資格は持ってる?
4 今、悩みが何かありますか?
5 あなたの性格を一言で言うと?
6 誰かに似てるって言われたことある?
7 人見知りしちゃう?
8 ギャンブルは好き?
9 好きな食べ物飲み物、嫌いな食べ物飲み物は?
10 恋人はいる?
11 彼氏・彼女にするならこんな人が理想(5つ)
12 彼氏・彼女と喧嘩した時、自分から謝れますか?
13 親友と呼べるお友達は何人いる?
14 バトンを回してきたあの人…正直この人のコトは○○である。
15 ペットは何を飼っている?
16 今までの自分の経験で面白い事や自慢できる事は?
17 このためなら1食抜ける!
18 趣味・特技(いくつでもOK)
19 好きなブランドはある?
20 今、行きたいとこは?
21 もし、自由に使える100万があったら何に使う?
22 未来の夢を語ってください
23 その夢のために何かしていることはある?


時間をかけたわりには
平凡な答えでした。
楽しいバトンでした。武田さん・・ありがとうございます~~~

視姦

視姦<未>  (1998  イギリス)



THE GOVERNESS


監督: サンドラ・ゴールドバッハー
製作総指揮: サラ・カーティス
サリー・ヒビン
脚本: サンドラ・ゴールドバッハー
撮影: アシュレイ・ロウ
編集: イザベル・ロレント
音楽: エドワード・シェアマー
出演: ミニー・ドライヴァー
ジョナサン・リス=マイヤーズ
トム・ウィルキンソン
ハリエット・ウォルター
フローレンス・ホース



感想  いつもお世話になっている気まぐれ映画日記のリカさんの
ところからの情報。早速鑑賞しました。

これも・・エロチックコーナー作品ですが、
かなり・・アダルト要素で引っ張っておりまして
相当レンタルに勇気がいるもののように感じます。
まず、DVDパッケージが無駄にいやらしい・・・笑
なぜ、ああいうショットを使うのか理解できないですね・・。

宣伝文句がいやらしい・・・・笑
父親と息子と関係をもった家庭教師という紹介文ですが、
実際は、大したことありません。
息子との恋愛というものは、実際あったの?という程度の
描き方ですし、父親との恋愛は、
ただ、むやみに彼女が誘いをかけたものではありませんし、
ごく自然の流れの延長上と感じます。

この間違った宣伝で
たぶん、多くの人が鑑賞の機会をなくしてしまっているのは
残念なことですね・・


まず、キャストを見てくださいね。
 ミニー・ドライヴァー
ジョナサン・リス=マイヤーズ
トム・ウィルキンソン

ね・・。そんないやらしい映画には感じないでしょ・・。
トム・ウィルキンソン ですよ・・・
ある程度の基準点はクリアーしていたと思います。

当時のユダヤ人の扱いや
風習。
また女性の自立という意味でも興味深い内容に
感じました。
ただ、息子ジョナサン・リス=マイヤーズ の
存在がいかしきれていないこと。
あれじゃあ・・ただのイカレタ男の子にしか
みえず、もうちょっとなんとかできなかったかな・・・と
思います。また無駄に裸体をさらけだしすぎ・・・笑
家庭教師に愛を拒まれてなぜの、海で裸になるのか
理解できないもの・・・。

トム・ウィルキンソン 扮する父親に関しても
もうちょっと、気持ちの揺れを
丁寧に描いてくれたら良かったのにな・・・・と
思わなくもありません。
どこまで愛があったのか・・・
どこにこだわりがあったのか・・・
もっと知りたかったですからね・・。

彼女の才能の豊かさにある意味
恐れを感じたのかもしれませんね・・・。


冷たく感じる海の風景が忘れられませんでした。
ミニーの裸にはなにも感じませんでしたが
写真は綺麗でした。
さすがにアップはちょっと・・と思いましたが。


興味深い作品でした。
あ・・・できれば題名もなんとかして欲しいです。
検索しても妙なものがヒットしますから・・・・笑

近況報告

夏休みに入り・・・自由がきかなくなって
しまっております。
更新はまったり・・です。
HPからなのでネットも4年ちょっとしているわけですが、
その間、お友達も次々といなくなって
寂しい限り。
やっぱり、同じ調子で、続けていくのって大変なのですよね。
最近閉じた方が
誰も期待をしていないのに、「書かされている」という意識がある・・・・なんのためにやっているのかわからなくなるときが
ある・・・・・ということをおっしゃっておりました。
わかるわ~~~~と納得しながら読んでおりました・・。
私も年月の中で、時々そういう思いが沸いてきたりしたときも
ありました。
でも、最近は映画の感想や本の感想はある意味、私にとっては
覚書でも・・ある・・・と
いうことを忘れないようにしているので
結構、楽な気持ちで
続けることができていますね・・・・。
まあ、記録しておかないと、忘れてしまうというのがありますけど・
・・・笑

もちろん、コメント&TBはとってもうれしいです。
なにも反応がないのはつまらないですからね・・。
色んな方とお知り合いになることができるというのは
やっぱりブログの最大の魅力であろうかと思います。

ブログをやっているかたって、
身近な人に、私やっているのよ・・・・と申告しているのかしら・・。

私は、秘密・・なのですよ・・・。
人には言っていないの。

自分のまわりの映画のこと本のことを語り合う
人が少ないのですよね。みんな映画も本もほとんど
見たり、読んだり・・していないのですもの・・・泣。

だからこういったブログをやっているところもあります。
けっして友達がいないって・・笑・・・
わけじゃあなくって、
趣味の合う人が少ないかな・・・。
それに、マニアックな映画・・笑・・・や、個性的な本を・・
面と向かって人と話すのはちょっと勇気がいったりしますもの。


ブライペートのお友達とは大抵、別の話をしてしまいます。
やっぱり、子どもがらみのお付き合いが多いので
学校関係の話題が多いかな・・・。
そうやって、メリハリつけておりますので
意外と楽しくブログ生活ができたりしております。



・・・最近ちょこちょこ近況報告しておりますが、
この日常を書くというのは、いろいろと難しいところが
あったりしますよね。
あくまでも映画好きの主婦としておりますので
どこかで生活の臭いを出したくないと思っているところがあります・・・。
具体的にバンバン書いてもいいのだけれど・・
そうなると、どこかで何かを期待しているような
自分がいるのではないかと・・
思ったりしますしね・・・
それはそれでいいのだけれど、
あとで読み返すのが
なぜか気恥ずかしいです・・・。
ほら・・よく寝る前に文書をかくと
意外と感情的になったりするでしょ?
そんな風になりそうで恐いですね・・・。
映画や本の感想とはまた違ってくるのですよ。


だから、まあ・・・微妙な感じでいつも書いてみたりしております。そこまで
読んでいる人はいないかもしれないと思うけど
いるかも~~~~~しれませんしね・・・笑

バトンもいただいているのに
UPできず
ごめんなさい。
本も読んでいるけれど
なかなかUPできず・・・。

パソに向かってばかりいるわけにもいかないのですよね・・。
夏休みだというのに
弁当作りもあり・・
ほとんど、日常と変わりません。


ハリーは見に行けるかどうか・・・
微妙ですが
頑張りたいです・・・どういう風に・・・か・・笑


ぼちぼち、更新していきますので
今後ともよろしく・・・です。

小学五年生    著  重松 清  

小学五年生    著  重松 清    



17篇からなるショートストーリー。
主人公は、すべて小学5年生の男の子。




感想  短い話なので読みやすいです。
小学生にも良いでしょう。
うちは女ばかりなので、この年頃の男の子の
気持ちも扱い方もわからなところが多かった分、
勉強になりました。

学年では一つしか違わないのですが
4年と5年では成長に大きな変化があるのですね・・。

父親・友人を亡くしたり、親の離婚や
転校をしたりと、それぞれのお話の主人公は
悩み多いときを迎えます。

寂しさも悔しさも・・・感じる子どもたち。
異性へのほのかな気持ちを感じるのもこの頃からでしょうし、
カラダの変調に関しても
同時期なのでしょう・・・。


とくに男の子にお勧めでしょうね。
ああ・・・そんな気持ち感じたことあるかな・・・と
思ってもらえればいいのかなと思います。

  とくに印象的だったのは
  バスに乗って・・・プラネタリウム・・・葉桜・・・ですかね。

子どもも楽しく読みました。たまに、重松さんの作品って
子どもに読ませるにはドキ!!とした描写もありますけれど、
皆良作ですよね。


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ブラウン夫人のひめごと

ブラウン夫人のひめごと (2002  フランス)

24 HEURES DE LA VIE D'UNE FEMME
24 HOURS IN THE LIFE OF A WOMAN

秘密は誰かに話すもの(ビデオ題)


監督: ローラン・ブニーク
製作: エチエンヌ・コマール
ジャン・コタン
製作総指揮: フィリップ・ルー
原作: ステファン・ツヴァイク
脚本: ローラン・ブニーク
ジル・トーラン
撮影: ジル・アンリ
音楽: マイケル・ナイマン

出演: アニエス・ジャウィ
ミシェル・セロー
ベレニス・ベジョ
ニコライ・コスター=ワルドー
クレマン・ヴァン・デン・ベルグ
フランシス・バーバー
ブリュノ・スラグミュルデール
パスカル・グレゴリー


 ステファン・ツヴァイクの『女の二十四時間』を基に映画化。
年老いた元外交官のルイは
南仏の避暑地リビエラを訪れる。そこで
ひとりの少女オリビアに出会う。
恋人とけんか別れした彼女とひとときを過ごすことになった
彼は、思い出の女性について語って聞かせる。
10代のルイは、
ブラウン夫人と知り合うこととなる。
母親のことで悩みを抱えていたルイに
彼女・ブラウン夫人は青年将校との恋物語を語り始める



感想  予告で流れた音楽にひかれて鑑賞。
マイケル・ナイマンです。
やっぱりいい!!哀愁を帯びたメロディーが
男と女の恋愛劇にピッタシ・・。
もうそれを聞いているだけで満足。
また・・舞台になるリビエラの風景&衣装&調度品等が
素晴らしく、これもあわせて堪能できて
良かったです。
もちろん、素敵な男優さんもきちんと登場し、
そちらの目の保養もできました。
ラブシーンも、綺麗に撮れていましたし、
なかなか良くできておりました。

私好みの要素が沢山あった映画でしたけれど、
ちょっと・・・・・と
思うところもいろいろあったかな・・。

この映画、三つの時代が交差しておりまして、
題名のブラウン夫人のひめごと・・というのは
その中で語られるお話の一つです。


主人公は、初老の元外交官・・ルイ。
彼は暴力的な恋人と喧嘩別れした19歳のオリビアと出会い
彼女に自分の昔話を語ることとなります。

 ルイが青年だった時、1936年頃のリビエラでの
出来事を語るのです。

その頃、ルイの母親がテニスコーチと駆け落ちをしてしまうという
事件が発生。父親は嘆き、ルイもまたそんな母親に嫌悪感を感じます。まわりの大人たちは無責任に母親の悪口をいいあい、
いい加減、うんざりしていたとき・・・。
ブラウン夫人が話しかけるのです・・・。


「母親を悪者に思わないで・・・」

擁護派ですか・・・・笑


ブラウン夫人は、ルイに自分の経験談を語ります。
これが1913年頃のお話ですかね・・・。

そしてこれが本題の。。ひめごとなわけです。



現代のパートとあわせて、それぞれの時代が
行きつ戻りつでの
ストーリー展開ですが、わかりにくいということはありませんでした。
ただ、お互いの話がどのように影響されていくのかという
ことに関しては
現代のパートがやや弱いので、オリビアとルイという
男女の組合せを持ってきた意味がさほどなかったように
感じました。
もう少し、整理して組みたててもいいかな・・・と
思いましたね・・・。



ブラウン夫人のひめごと・・・・ですが、
う~~~ん、素敵な恋と思いたいのは
女性側だけかもしれません。
結果、お相手の素敵な男性はブラウン夫人を利用するだけ
利用としたという・・ことになるのですからね。

それでも夫人は
夫の墓にいっても、彼のことを思い出してしまう・・・と
いいます。

たった一晩の情事で、
それが、お相手の男性も同じ気持ちならば
まだしも・・・のちの彼の行為をみていると、
気持ちはなかったように感じます。
遊び?というか・・雰囲気に流されただけ・・みたいな・・。
それでも夫人は・・・思い出としていつまでも
語っていこうとする・・。
意外と、これって、騙された自分の恥?のような
お話になるわけだけど(いや・・それは言いすぎですかね・・。
一応、燃えたのだし・・・笑)
彼女はそうは思っていないわけですね・・。


私を変えた・・あの24時間ということになる・・・・笑

しかし、彼女にしてみれば、ああいう情熱的な出来事は
あとにも先にもこれだけだったと思われます。
貴重ですよね。当然、彼女の人生において、秘密の出来事・・。


そういう思い出の中に生きられる
所為もないイケメン貴族将校はある意味、幸せ者だと
思います。こんなにも思われて・・

いや、彼が好きというより・・
あんな普通では考えられない行動をした
私が好き・・・ということかもしれません。

誰でも一度はえ~~~~!!という行動を
起こしてしまうことがあるってことですか・・。



だから、ルイのお母さんの気持ちも理解してあげて・・という
流れになるのかもしれませんが、
そうやすやす、息子として母親の、情事を肯定することはできませんよね。


秘密は誰かに語るもの・・・

語った時点でもう秘密ではないけれど、
語りたくなるような秘密というものを
持っているというのも
素敵なことかもしれませんよね。


雰囲気のあるなかなか良い映画でした。

ブラウン夫人
を演じるのはアニエス・ジャウイ。
若いときのルイは、クレマン・ヴァン・デン・ベルグ。
「ニコラ」の少年です。
美青年になりましたね。

将校さんのニコライ・コスター=ワルドー も
なかなかの男前。
今後もチェックですね。

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ハードキャンディ

ハード キャンディ (2005  アメリカ)

HARD CANDY


監督: デヴィッド・スレイド
製作: マイケル・コールドウェル
デヴィッド・ヒギンス
リチャード・ハットン
ジョディ・パットン
製作総指揮: ポール・G・アレン
ローザンヌ・コーレンバーグ
脚本: ブライアン・ネルソン
撮影: ジョー・ウィレムズ
プロダクションデザイン: ジェレミー・リード
衣装デザイン: ジェニファー・ジョンソン
編集: アート・ジョーンズ
音楽: ハリー・エスコット
モリー・ナイマン

出演: パトリック・ウィルソン( ジェフ )
エレン・ペイジ  ( ヘイリー)
サンドラ・オー
ジェニファー・ホームズ
ギルバート・ジョン

14歳の少女、ヘイリー。彼女は、出会い系サイトで
32歳のカメラマン、ジェフと知り合う。2人はチャットの会話のあと
実際に合う約束を交わす。待ち合わせ場所はカフェ。
ジェフはヘイリーを気に入り、さりげなく自宅へと誘う。
ヘイリーは、彼の後について行くのだが…。




感想  サンダンス映画祭正式出品作品。
サンダンス・・・毎年強烈なものがでますね・・。
この作品の感想を先日お友達のカポさんに教えていただいて
俄然見る気がでてき、早速レンタル。
公開時の話題度は知っていたけれど、今までスルーしてきた
作品。だって、ラウル・(注・・オペラ座の怪人)のイメージを
壊されたくないから・・・。
でも、ここで勇気を出して、現実を見つめようと・・・笑


で・・・・鑑賞。
あ・・・・・ラウルじゃなくってここではジェフ役のパトリック・ウィルソン。

歌えばよかったのに・・・・・爆。
そうすれば、少女の心も和んで・・・。
そんなわけないですね。相手はどんな泣き言にも耳を貸さない
強い意志を行動力がありましたから。
顔はともかく、あの精神力と毒の効いた会話内容は
とても14歳には思えないです・・・。


内容は想像していたとおりの痛い~~ものでした。
撮影期間が短く、18日でしたっけ?
監督も新人さん。平行移動するカメラワーク、アップの多様
登場人物の少なさ・・(ほとんど2人)・・会話重視の心理劇
さらには、色調は赤をメインにしたもの。
見るものをひき付けて止まない力強さを終始
感じました。こういったストーリーは最後の最後にどう落ち着くかが
興味あるものですから、どうしても最後まで観てしまいます。
そして待ち受けていた結末。

案の定の後味の悪さ。そしてモヤモヤ感。。


彼女は友達の復讐のために
彼に制裁を加えたていたということかしら。でもそういいきれない
部分がありますよね・・。
社会的悪を懲らしめるため、女性代表とも見ることが
できますもの。
それにしてもなんと周到な準備に
過激な行為。

最後の彼の言葉はどう判断するのでしょう?
俺はやっていないって?
じゃあ、彼の友達の方?
共犯者ってことかしら。
男たちはお互いに罪をなすりつけていたということかしら。

曖昧な部分が多い分、最後の結末に
本当にそれでいいのかな・・・納得できない自分が
いました。
う~~~ん、微妙。面白いけれど、可哀想という気持ちが
どこかに残ってしまいます。

男も男だと思うけれどチャットする女の子という存在も
どうかな・・・って思っているからだと思うのですよね。
リスクを当然承知の上での行動じゃないかな・・・って。
会話の内容も・・・意味深だしね。
これが、そういった行為(ネットでチャット)での出会いじゃあなくって、別の設定であきらかに、男が悪いと認識できたなら
女の子も行為にも違った感想がもてたように思います。


チャットで10代の女の子を誘う行為を続けているお兄さん。

彼が、何人かの女の子に誘いかけていたのもはっきりしているし、ネット上の言葉をみていても、下心があるに違いないとは充分
感じているけれど、なにぶん、彼の行為が描かれてわけでは
ないので、エロ度が露骨伝わってこないような気がします。
裏の顔って言うのか・・・・・。
ネットのときはネッチコクていやらしさが漂っていたけれど
そのあとは、裏の顔がみえてこなかったような気がしましたから・・。

彼が見た目もものすご~~~く、気持ち悪くって・・・笑・・、
部屋での行為も目つきとか・・仕草とかが・・・
気持ち悪い!!!!って、ビンビンに感じたのなら
彼女の仕打ちまた違った思いでみていたかもしれません。
でも、意外と見た目普通の人が
性犯罪を犯している例もありますから・・わからないか・・・。
一番騙されそうなのは自分かも・・・・笑


最後の告白で
ああ・・・・やったのか・・・・やっぱり
とは思うものの・・・どうもモヤモヤが・・
信じられないって思っていたところがあったので正直
あの告白はショックだったかも。だって、ラウルだもの・・笑



いろいろなこと
曖昧にしているのは、どう解釈してもらっても自由だと
いうことだと思いますが・・。

はっきりいって、わからないところが多い分
やりすぎだよ・・・と思ってしまうところもあったかな・・。



男にとってはキツイ映画であることだけは確かだと
思います。



パトリック・ウィルソン・・・オペラ座のときは↓このとおり
長髪でした。
今回は登場シーンではメガネもかけていて
新たな魅力。でも、頭頂部がちょっと薄かったことも同時に判明・・笑

少女を連れ出すときにミニに乗っていましたね・・・。
車のシーンはお洒落に撮れており、まるで車の宣伝みたい・・・・
女の子を乗せて快適に走ろう~~みたいな・・・笑。
うちもミニだからちょっと親近感・・。



なぜか、突然、サンドラ・オーが隣人として登場。
彼女の顔をみて心が和ごみましたが・・笑
彼にとってはなんの救いにもなっておりませんでした。
その後、なにか証言してくれるのかな・・。

同じ童話がモチーフなら
ローズインタイドランドのローズちゃんの残忍さのほうが
好き♪↑はリアルすぎるんだもの。


オペラ座の怪人での↓パトリック・ウィルソン
20070711111251.jpg



20070717102651.jpg



追伸・・リトルチルドレン見たいな~~

ヒストリー・オブ・バイオレンス

ヒストリー・オブ・バイオレンス (2005   アメリカ・カナダ)

A HISTORY OF VIOLENCE


監督: デヴィッド・クローネンバーグ
製作: クリス・ベンダー
デヴィッド・クローネンバーグ
J・C・スピンク
製作総指揮: ケント・オルターマン
ケイル・ボイター
ジョシュ・ブラウン
ジャスティス・グリーン
ロジャー・カス
トビー・エメリッヒ
原作: ジョン・ワグナー
ヴィンス・ロック
脚本: ジョシュ・オルソン
撮影: ピーター・サシツキー
プロダクションデザイン: キャロル・スピア
衣装デザイン: デニース・クローネンバーグ
編集: ロナルド・サンダース
音楽: ハワード・ショア
 
出演: ヴィゴ・モーテンセン (トム・ストール )
マリア・ベロ (エディ・ストール)
エド・ハリス (カール・フォガティ)
ウィリアム・ハート (リッチー・キューザック )
アシュトン・ホームズ (ジャック・ストール )
ハイディ・ヘイズ (サラ・ストール)
ピーター・マクニール (サム・カーニー保安官)
スティーヴン・マクハティ (レランド)
グレッグ・ブリック (ビリー)

田舎町でダイナーを経営するトム・ストールは、
弁護士の妻と2人の子どもと平穏な毎日を送っていた。
ある夜、彼の店が拳銃を持った2人組の強盗に襲われる。
トムは、2人を一瞬にして倒してしまい、一躍町の
英雄になる。
それから数日後、片目をえぐられた男がダイナーに現われ、
彼に向かって別人の名前を呼びかける。
人違いだと否定するトムだったが、その男は、以来執拗に家族につきまとい始める。


感想  面白かったです。オープニングから衝撃的シーン。
淡々とした、まるで日常のひとコマのように映るシーン。
彼らにとっては当たり前の行動なのでしょうか。・・・。
本当に恐ろしい・・。
そして、平穏な暮らしをしている夫婦たちのもとへ
ふってわいたある事件・・・・ダイナー襲撃事件・・・


この事件がきかっけで、街のヒーローとなってしまった
ヴィゴ・モーテンセン扮するトム・ストール。



やがて、彼のバーに訪れる謎の男、エド・ハリス。

カッコイイ~~~~♪
おぞましい顔でもいいです。
この映画を観たいと思った原因は
エド様にありますから・・。もう、感激。
しかし、存在感があったのに、あっけない退場の仕方で
少々残念。あの不気味さは最後まで続いて欲しかった気がします。


てっきり二重人格という・・わりとよくあるサイコサスペンスかな・・と思っていましたが、見事にはずれ・・。

まさか、トムが、本当に嘘をついているとは思わなかったです。
ヴィゴ、ひどいよ~~~!


暴力以上にエッチシーンも、生々しく感じ(激しかった・・・笑)
両方あわせて強烈な印象をもたらせてくれた作品でした。


色んな意味で考えさせられる映画でしたね。
夫婦関係のあり方も考えましたし、
暴力そのものの意味も考えました。

 過去を隠していた夫を簡単に許せるのか?
それも、相当の悪事です。意味もなく人を殺めていたに違いないのです。善良な市民の顔をしたトムの印象が強いから、あまりピン!!とこないのでしょうが、これがもし、回想シーンとしてバンバン映りこんでいたらどうでしょう?現実として、トムの暴力を見せ付けられたら
観客としてもものすごい恐ろしさを感じたに違いありません。

 改心したのだから過去は問題にならないのでは・・やり直しはできるのでは・・。人生はいつだってやり直しができるんだから・・。
でも・・・トムの恐さは・・ふっとした瞬間に暴力が出てしまうところだと思います。セックスにしたって・・・・あんな風に過激に迫ってきちゃいますし・・・。奥さんとしては、その奥底に眠っているだろう
暴力にいいようのない不安を感じたに違いありません。


 暴力の意味は?
トムの過去に犯してきた暴力は、私欲のためや、権力を誇示するため・・・もはや快楽に似たようなものがあったに違いありません。
でも、善良な市民として生まれ変わったあとに
ふいに出てきてしまう暴力には納得できる理由がありましたよね。
家族を守るため、市民を守るため・・・・とか、または
愛を示すためとか・・・・ね。
でも、行為としてみてしまうと暴力は暴力でしかありませんよね。


彼の子どもが学校でいじめられている光景も映画では
描かれていました。子どもも父親の変化と共に暴力に対する
認識が変わってきていたように感じます。
逃げの姿勢から・・・積極的に攻撃する姿勢へ・・。

やられたらやり返す精神を身につけてしまっているような感じです。
これも父親の影響でしょうね。

暴力で物事は解決しないというのはわかっているのですが、
トムを最後まで苦しめた兄との話し合いは結局付かず。
暴力での解決でしたよね。
現実には話せばわかるということはありえないのかしら・・。
そうしなければいけない状況もあるのだろうか・・・。
なんだか複雑です。



ラスト・・・。
緊張感がこちらにも
伝わってくるものでしたよね。
私ならどうするかしら。。
そんな答えを突きつけられた感じでしたね・・。


余談ですが、奥さんのベットでのチアリーダー姿。
弁護さんなのに、やるときはやるのね・・・と
妙に感心してしまいました。積極的な姿がグットでした・・・笑





クローネンバーグ監督&モーテンセン主演最新作が
ありますね。

「Eastern Promises」予告編


楽しみ~~♪




history.jpg

見つめる女

見つめる女  (2004  イタリア)

LA SPETTATRICE
THE SPECTATOR[米]

監督: パオロ・フランキ
脚本: パオロ・フランキ
ハイドラン・シュリーフ
ディエゴ・リボン
撮影: ジュゼッペ・ランチ
音楽: カルロ・クリヴェッリ
 
出演: バルボラ・ボブローヴァ
アンドレア・レンツィ
ブリジット・カティヨン
キアラ・ピッキ
マッテオ・ムッソーニ
ジョルジオ・マルケージ


感想  いつもお世話になっているbe-inのゆーこさんからの
お勧め映画です。

劇場未公開映画・・それもイタリアです。
マニアックそうですよね・・・。
さすがに自分では探し出すことができず(内容もほとんど知らなかったので)ビデオ屋店員さんに聞くことに。

エロチック・・映画に置かれておりました。
え~~~~。
でも結論からいうと全然エロくないのです。おかしいな~~~笑
そんなシーンほとんどないもの・・・。
ビデオ屋さんももうちょっと考えて置き場において欲しいですわ。

これはラブロマンス・・・です。ミステリアスな雰囲気が
漂っておりましたけれど、
あらすじとしてはとってもシンプル~~~♪

「見つめる女」という題名のとおり、
気になる男性を陰からじ~~~と見つめ続ける女の人の話
なのです。

そうなると、ストーカーのような臭いを感じますよね。
でも・・悪さはしません・・・笑。


彼女=ヴァレリアは同時通訳のお仕事をしております。
自分の家の向かい側に住む、男性をのぞきみるのが日課。
そんなある日、通訳の仕事場に彼=マッシモが、現われ・・。
彼の通訳をすることに・・・。

ドキドキしてしまう彼女は、途中で、仕事が出来なくなり、
他の人に譲ってしまいます。

遠くでみていただけで幸せだったのに、声を聞く機会が急にでき、
戸惑ってしまったのですよね。

こういう心境わかりますね。理想の男性と思えていたときが幸せで
妙に現実的になってくると、自分はどうしていいかわからなくなってしまうという感覚。


でも、その声を聞いたことで彼への思いが深まり
彼がその後トリノからローマに引っ越したと聞き、思わず
電車に飛び乗ってしまうのです、。全てを捨てて・・・。
ものすごい行動力。



やがて彼には年上の彼女=フラヴィアがいることが判明。
ヴァレリアは彼女に接近し、タイプの仕事を手伝い始めるのです。
彼に近づくためにね・・。



ここから・・・突拍子もない行動にでるのか・・・
不可解な行動をするのか・・
と思いきやそうではないのです。真面目に働きます。

彼に近づくまであんなに行動的だったのに
その後はおとなしめ。



ラストも・意外です。
アメリカ映画でしたら、ストーカーされた男もやがて女性の思いに
気づき、相思相愛になりハッピーエンドという流れになるのですが
そうじゃない・・



なんで~~~~~
と思うところにこの映画のよさがあるのかもしれません。


もしかしたら、彼女には私達が想像しえない、
心の闇が隠されているのかもしれません。


そんな深読みもしてしまう・・・不思議な気分になる映画でした。
全体に暗めの雰囲気もなかなかいいですしね・・。
色彩が抑えめなの。


イタリア映画としては珍しいですよね。
ちょっとフランスぽい。
イタリア映画というと、最近の「赤いアモーレ」のような
情熱的な映画を想像してしまう私にとって
こういう、一歩手前のひく・・・といった
慎ましやかな彼女に新鮮なものを感じてしまうのでした。

あれだけの行動力が急に失速したのは
彼のお相手の年上の彼女のことも気にかけていたということですかな・・。お邪魔したくないという気持ち。
それよりなにより、彼とはそれ以上の関係(お付き合いする・・という)を望まなかったのか・・
う~~~ん、謎です。



お相手の彼の方ですが、もちろん、彼女が自分を追いかけて来たとは
知りません。つまり、思われているということは知らないの。
でも、頻繁に目にするたびに、気になってきて。

一方、お付き合いしている年上の彼女とは、なんだかうまくいかない様子。年上の彼女には亡くなった旦那さんがいて
その旦那さんを彼女はいまだに忘れられないからなんですよね。
自分との新しい出発に消極的な年上の彼女の
態度に、次第に愛が冷めていってしまうのを感じるのですよ。
それにプラス・魅惑的なストーカー彼女の出現でしょう?
彼も心が揺れます。


そして決定的な年上の彼女とのベットでのシーン。
コレ見て~~~。
事の最中にに、あんな覚めた目で、見つめられたらいやだな~~~笑



3人3様のそれぞれの心情が丁寧に描かれていて
とても好感もてる作品でした。

冒頭で、
雑貨店に立ち寄ったマッシモが
石=パワーストーンを買ってゆき、
彼と入れ違いに彼女も同じ物を買っていきます。
ひきつけられるオープニング

このパワーストーンは途中でまた出てきますけれど、
小道具の使い方も味があって良かったです。
ヴァレリアのロングコートや年上彼女のサングラス、
あと「チャオ~~」っていう挨拶の響きも、素敵に
感じました。
mitumeru.jpg

明日の記憶

明日の記憶 (2005   日本)

監督: 堤幸彦
原作: 荻原浩 『明日の記憶』(光文社刊)


出演: 渡辺謙 (佐伯雅行)
樋口可南子( 佐伯枝実子 )
坂口憲二 (伊東直也)
吹石一恵 (佐伯梨恵)
水川あさみ (生野啓子)
袴田吉彦
市川勇
松村邦洋
MCU
遠藤憲一
木野花
木梨憲武 木崎茂之(特別出演)
及川光博 (吉田武宏)
渡辺えり子( 浜野喜美子)
香川照之 (河村篤志)
大滝秀治 (菅原卯三郎)
田辺誠一

広告代理店に勤める49歳の佐伯雅行。
最近になって物忘れが激しくなり、不安を感じ病院へ。
そこで下された診断は“若年性アルツハイマー”。
妻の枝実子は2人で一緒に病と闘おうと
決心するのだが・・。


感想  地上波で放映されたのを録画して鑑賞。
公開時の評判は聞いていたのですが、なかなかレンタルとまでは
いかなくって・・。
つらい映画とわかっていると、進んで手がでません。

前に見た韓国映画の「私の頭の中の消しゴム」と同じような
テーマ。
ただ、こちらの方は、働き盛りのサラリーマン&奥様ということで
より身近に感じやすく、気持ちを入れ込みながら鑑賞できました。
人ごとではないよね・・・・・・。

見ていてつらくなるシーンの連続。
前半は、物忘れに気づき始める、謙さんの演技に釘付け。
自分だったらどうなるだろう・・・・、どうするだろうと・・常に
謙さん側の気持ちになって鑑賞。

まさか・・・自分がこのような病気になるなんて
思いもしていなかったに違いないのだから、事実を知った時の
衝撃は相当のものでしょう。
私だったら、耐えられるだろうか。
医者に向かって、怒り爆発させる謙さんの気持ち・・・
とってもわかります。
バリバリのエリートサラリーマンだものね・・・。
屈辱的な思いだって、感じたに違いありませんよ。


会社の人たちは皆、優しかったですね。
こんなに、いい人ばかりなの・・・という思いはありますけれど。
その中で、 田辺誠一の裏切りというか、出し抜いた行動もあったりして、それはそれで、充分ありえることかもしれないな・・・と
納得さえしてしまいましたよ。
でも、彼、謙さんが、退職で会社を立ち去る時、遠くで頭下げていましたよね。なんだか・・そういう、さり気ない気配りに
涙腺がゆるんでしまったりしましたね。

気配りといえば、
取引会社の香川さんも、相手を思いやる心・・・素敵で
でしたね。
最後の電話でのやりとりは
感動。
さすが香川さん。温かかった~~~~~。希望を感じる
優しい言葉でしたよね・・・。



後半は、謙さんより、奥様の樋口可南子に、感情移入。
介護の大変さという現実が押し寄せてくる日々。
ここに自分を重ねてしまいますね。
私だったらどうするだろう・・


絶対大丈夫って言い切れないわ。
在宅で2年だっけ?見ていたようだけれど、
実際はこんなにスムースにはいけないと思うから。
それに、留守中、心配で・・・・心配で働きにでるのも
躊躇ってしまいそう・・・。


謙さんと可南子さんの言い争い・・リアルでしたよね。
でも、現実ってもしかしたら、

こういういい争いの連続かも。
そりゃ・・・いつもいつも、神様のような穏やかな介護なんて
できやしないもの・・・。



考えさせられること多い作品でした。

そういえば、医者の
及川さんかな・・・人間は生まれて何年かは進化しているけれど
あとは退化する一方・・みたいなことを言っていましたね。
はっ!!とする言葉でしたわ。私なんてすでに体力的には下降にしているわけですから。いつまでも元気だと思っていてはいけないんだな・・って。


いつ、自分や家族が、この手の病気、または
生活変わるような病気になるかもしれないわけですから・・。
今生きていて、平和な生活を送れる幸せを
大切にしたいな・・・って思いますね。



追加・・吹石一恵 はこの映画では娘役で子どもも産んでいましたけれど、この間観た映画(紀子の食卓・・ね)では高校役でした。
同じ年度の映画みたいですけれど、
役のイメージが全然違うのよね。高校生にしては大人っぽいな・・・って思っていましたけれどね・。



asukioku.jpg

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  • レイフ・ファインズ好き
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