ちょっとお話 2006年05月
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魅せられて  

魅せられて  (1996  アメリカ・イギリス・イタリア・
              フランス)

監督: ベルナルド・ベルトルッチ 
製作: ジェレミー・トーマス 
脚本: スーザン・ミノー 
撮影: ダリウス・コンジ 
音楽: リチャード・ハートレイ 
 
出演: リヴ・タイラー 
シニード・キューザック
ジェレミー・アイアンズ
ジャン・マレー 
ドナル・マッキャン 
D・W・モフェット 
カルロ・チェッキ 
ステファニア・サンドレッリ 
レイチェル・ワイズ 
ロベルト・ジベッティ
ジョセフ・ファインズ
イグナチオ・オリヴァ

 
自殺した母の詩を手掛かりに、
19歳のルーシー(タイラー)は、
イタリアはトスカーナを訪れる。
自分の父親を探す目的もある。
彫刻家夫妻の家に滞在した彼女は、初恋の相手ニコロ(ジベッティ)に再会する。しかし、彼にはガールフレンドがいた。
ルーシーは、末期の白血病患者アレックス(アイアンズ)に悩みを打ち明ける。


感想 ベルトルッチ監督作品でしたが
リヴ・タイラー 主演ということで、そんなに観る気が
しなかったんですよね。特に彼女が好きというわけでもなかったしね。
でも今回、レイチェル・ワイズが出ているとあらたに知って
手を出してみました。

さすがに、映像は綺麗だな・・・って感想。
青春映画ですかね。
父親探しという目的の他に、リヴの処女喪失というものも
描かれていて・・。これといった大きなテーマはなく、
ひと夏の少女の成長物語という雰囲気でした。
始まりは、ロック調の今風音楽ですが
イタリアに着いてからはモーツァルトが流れます。
(クラリネット協奏曲イ長調K.622第2楽章アダージョ!)
この曲は「 愛と哀しみの果て(シドニー・ポラック1985)」でも
使われていた曲でとっても印象的。
好きなんですよね。
イタリアのこの風景にはモーツァルトがよく似合いますね。
そこに住む人々とのかかわりによって
彼女は徐々に、色んなものを吸収していくのです。
とはいっても、とくに感動するエピソードがあったり、
面白いお話が描かれるわけではなく、
ただ淡々とした日常が流れるというだけですので
やや退屈さを感じることもありますね。
ここは一緒になってバカンスにきた気分になろうと
浸ってみるしかないですね。内容を別にしても映像では癒されるはずですから・・・笑
ひと夏の経験というと語りつくされた感もしますし、
新鮮味はないのですが、アメリカ青春映画でもよくありますよね・・
他とは違う、上品ないやらしさを感じます。ベルトルッチだからと
思って観ているからでしょうか。
当初の目的も達成し(父親探しのことね)
彼女も体を許し・・・って(、新しい恋人ができたわけですけどね・・・)いい想い出になった・・めでたしめでたしと
ということで気分よく観終わることができます。
これで男に捨てられたとなれば、わだかまりが残ります・・笑
リヴちゃんのお相手が、感じのよい青年で私的にはうれしかったです。
なぜか、鏡を舐めまくるシーンが印象的でしたが、
犬のように舐めていたのよね・・・、何の意味があって
ああいう風にふざけあっているのかはよくわからなかったですね。
冒頭で、リヴのビデオを撮ってくれた顔の見えない
人の存在もどう意味があったのかと考えるとわからないですしね。
できれば、自殺した母の秘密にもっと迫るとか、
恋愛部分に注目するならば、もっと胸キュン的なエピソードを描いて
くれるとか。。。なにか、お話にインパクトあるものが欲しかった気もします。

ジェレミー・アイアンズ はもっと話に絡んでくるのかと思っていましたがそうでもなかったのが残念。てっきり、リヴちゃんのお相手になる
年上のおじ様か思っていました。でも今回は死期の迫った病人役だったのでいつもはない同情心が芽生えておりました。

あ・・・レイチェル・ワイズですが、
奔放娘役で出てきますよ。もう登場シーンから、胸ポロリンだったので正直驚きました。

ちなみに、もっと驚いたのが、出番が少なかったけれど
ジョセフ・ファインズが出演していたこと。
それでもお顔の印象が強いから見つけやすかったです。

主演のリヴ・タイラーはオーディションで選ばれ、実質的にメジャー・デビューということなので、そういう意味では貴重な作品かも
しれませんね。
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家   (1976年   アメリカ)

監督: ダン・カーティス 
製作: ダン・カーティス 
原作: ロバート・マラスコ
脚本: ウィリアム・F・ノーラン 
ダン・カーティス 
撮影: ジャック・マルクェ
音楽: ロバート・コバート  
出演: カレン・ブラック 
オリヴァー・リード 
バージェス・メレディス 
アイリーン・ヘッカート 
ベティ・デイヴィス  リー・ハーコート・モンゴメリー 

夏のバカンスを過ごすため、ニューイングランドの古い豪邸にやって来た一家。だが、伯母(B・デイヴィス)は体調を崩し、夫(O・リード)は何かに憑かれたようになる。
妻(K・ブラック)は邸の持ち主である老兄妹から、
彼らの母への食事を頼まれる。
しかし、その人物は決して彼女の前に姿を現さない。
しだいに屋敷の持つ異様さに気づき始めるのだが・・



感想   わざわざレンタルしてみました。
無性に70年代ホラーがみたくなったもので。
あまり怖くはなかったです。
でも70年代の作品でしか味わうことの出来ない
あの古臭さが良かったです。

ショッキング的なことは起こらないのですが、何か変?
どうしてだろう?というじわじわ漂う精神的な
怖さが何ともいえませんでした。

夫のオリヴァー・リードが、屋敷のプールで
突然豹変するんですよね。
そこは見所だったな。
なにせあまりにも前半大きなことが起こらないから
あ・・きたきたきた・・・・!!と思って
思わずのめりこんでみてしまいましたよ。
うん・・怖くないっていいましたけれど、
ここだけはお勧めかな・・・笑
やはり一番怖いのは人間。

あと、怪しいサングラスの男。
とくに怖さは感じなんですけれど、サングラスかけて
にこっと笑う、お顔が妙にインパクトありましたね。

最後は、
きっとそうなんじゃないかな・・・っていう想像通り

とくにレンタルしてまで観る作品でもなかったかもしれません・・笑

ダヴィンチ・コード

ダヴィンチ・コード  (2006  アメリカ)

監督:ロン・ハワード
出演:トム・ハンクス
   オドレイ・トトゥ
   イアン・マッケラン
   ジャン・レノ
   ポール・ベタニー
   アルフレッド・モリーナ
 

ルーヴル美術館で館長のジャック・ソニエールが
殺害される。
奇妙な体勢で横たわり周囲には不可解な暗号らしきものが・・。
フランス司法警察のファーシュ警部は宗教象徴学の権威で講演のためパリに滞在していたハーバード大学教授ロバート・ラングドンに
協力をお願いする。
やがてルーヴルで死体を検証している2人のもとに
暗号解読官ソフィー・ヌヴーが現われる。

感想  原作読んでいる人にとってはう~~んっていう作品なのかな。
カンヌでも色々言われていたしね・。あ・・それはキリストに関する
新事実として描かれていることへの反発かな。
私は原作読んでいるけれど、目で楽しむことができる喜びを
感じられて、面白かったですよ。
もともとスピード感があるストーリーが、さらにハイスピードに
なっていたという感じはしたけれど、これは時間が限られる
映画だからしょうがないと思っているしね。
まるで「24」のキーファのような、トムと、オドレイちゃんの
活躍。一体いつ休んでいるのやらといった過酷な謎解きでしたね。
暗号解読は、悩まずすんなり・・。
頭の中を数字が飛び交うシーンはあったものの・・
結論が早くでるのは、気持ちいいです・・・・笑
まあ・・深く知りたければ原作でということでしょうね。

カーチェイス・・・沢山出てきましたけれど、
オドレイちゃんのバックでの走りが私・・見応えありましたよ。
すごい・・うまいわ・・笑
私も真似したい・・。なんたって運転ベタで・・・。
あと彼女の服装。とってもシンプルでしたけれど、お似合いでしたわ。
知的で落ち着いた感じがして好感もてました。
あの大きく開いた胸もとがポイントかしら。アクセサリーもさりげなくつけていて、素敵だったわ。
今回彼女には、大人の魅力を感じました。でも可愛い・・。
彼女が、ソニエールと長らく疎遠になっていた理由は確か
秘密を知ってしまったからですよね。
回想でさりげなく描かれていたけれど、あれは、文章で読んだ時は
結構衝撃的でしたね。映像でも観てみたかったですね。
わりとさらり・・・とだったので、初めての人は理解しがたかったのでは。 シラスに関しても回想で過去を紹介していましたが、あれももっと知りたいところでしょ・・・。
これは短い時間で多くの説明をしなくてはいけないのでしょうがなく・・作る側としてはぎりぎりの方法であったことでしょう。
そういう意味では頑張ったんだな・・・って思います。


トム・ハンクス
なんていうかな、もっと知的なイメージを想像していたので
彼と聞いた時、??はありました。でも、見慣れてしまえば
平気かも。ただ、彼のアクション・・(っていっても、走っているだけだけど・・)がありましたよね?あんなに走って息切れしないかな・・ってちょっと心配してしまいましたよ。

ポール・ベターニ。
何よりこの映画では彼が一番目立っていたし、実際
熱演でしたよね。
だってあんな色白な姿だし・・、痛痛しいお姿を披露するたびに
心が痛みました。


イアン・マッケラン・・。ロード~以外では久しぶりだったかしら。
いや、「輝きの海」でもお目にかかったわね。
さすがに存在感があるのよね。作品が引き締まるわ。
彼の語りには、思わず、引き込まれてしまいましたよ。
熱い・・。

ジャン・レノ
え・・・いた?・・笑  いえいえ、いましたよね。
でも地味な扱いでしたよね。
いつも取り逃がしてばっかりで。

アルフレッド・モリーナ
悪役でしたね。「フリーダ」の夫だよね。私はスパイダーマン2は
観ていないので、悪役での彼は初めてだわ。


豪華な出演者。
ヨーロッパ各地でのロケ。
とくにルーヴル美術館は必見ですよね。
行って見たいわ・・あんなところにも、こんなところにも。

内容には全然ふれていませんけれど、ミステリーなので
ご勘弁を。
自分の頭の中だけで想像していた世界が
目でも確認できたことが
何より楽しいことでありました。


ところで、この映画公開前日
26日だったかなフジでダヴィンチコード特集、
やっておりましたね。
米倉涼子さんがレポートしていたやつ。
モナリザの秘密にも迫っていて
大変興味深かったです。
本当のところ、謎解き部分では映画以上に面白かったのでした。
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パッション・・・ダヴィンチ・コードを見て

昨日ダヴィンチ・コードを観てきました。
色々言われているけれど
私は面白かったですね。感想はのちほど。
今調べてみたら、原作は昨年の2月に読んでいました。
やっぱりね・・・記憶が遠いと思った・・・笑
頭の中で想像していた世界が、映像化によって目で
楽しむことができるのですよ。それだけでも興味深いことですよね。

ところで・・・この映画の前に、キリストについての知識を得ておくのもいいのでは。ということで
今回はパッションを紹介。


パッション    (2004  米) 

監督  メル・ギブソン 
出  ジム・カヴィーゼル(イエス)   
   モニカ・ベルッチ(マグダラのマリア)
   マヤ・モルゲンステルン(イエスの母マリア)

俳優であり、アカデミー賞監督賞にも輝いたことのあるメル・ギブソンが12年もの構想年月をかけ、私財を投じ、キリスト
の最後の12時間と復活を描いた作品。

感想    キリストの最後の12時間は有名なお話だと思いますので、あらすじは省略。
もし、あまり知らないのならば、事前に予備知識を入れておいた方がいいと思います。
私は、一応知識入れていきました。あやふやな知識しかなかったものですから。
こういった出来事をこの機会、映像という形でしっかりと目に焼き付けられたのは、非常に良い経験だったと
思います。
これ、拷問映画だとか、つらいシーンを延々観続けるのは耐えられないとか、ホラー観た方がましだとか、
様々なこと言われていましたよね。でもそういう理由でこの映画を敬遠したらもったいないと思います。
クリスチャンじゃあなくても、観る価値は充分ある映画だと思うし、心に響くものが絶対あると思います。
私は、この映画、今のところ(2004上半期)、映画館で観た中では、一番泣けた映画でした。もう号泣き・・
キリスト教というのは、このイエスの受難後に本格的に広まりを始めた宗教ですよね。
復活信仰ともいえるわけです。だから、熱心なキリスト教徒であるギブソン監督は、この受難から復活にかけてを
赤裸々に描いて、自分たちが信仰している宗教というものを新たに見つめなおそうと試みたのだと思います。受難がなければ
復活はありえなかったということなんでしょうね。
監督のもつイエスのイメージというものが、多少なりとも入り込んでいるのでしょうね。でもそれがいいのか、悪いのかは
専門家でない私には、よくわかりません。ほとんど事実に忠実だとは思いますが、細かい点まで事実かどうかも
判断することはできません。過去作品と比較する事だってできません。
観たものそのままに率直な感想を述べることしかできませんが、なんというのか、観て良かったと思える映画でした。
感動作とはちょと違うし、誰にでもお薦めできる作品とは思いませんが、私の中での評価は高いです。
私、イエスに対して、興味を感じている部分はありますが、だからといって、この映画から、信仰にのめりこんでいくということもないと思います。 映画自体は、キリストの説く教えを明確に描いていないので、彼の全体像は分かりずらいと思います。
だけど、痛めつけられる過程で、時折挿入される過去のエピソードから、見受けられる彼の姿は、とっても尊いものを感じます。
オーラを感じるんですよね。もう、ジム・カヴィーゼルがイエスそのもの。説いている言葉も、素直に心に響いてきます。
        
そんな彼が、捕まる前にユダの裏切りを察し、一人ゲツセマネの園で祈る姿には、胸打たれました。
ああ~、彼も人間として思い悩んでいるんだなっていうのが、よくわかったからです。
また、十字架に張り付けにされながら、「彼らは自分たちのしている事がわからないのです~、許したまえ~」とわが身の苦痛
さを振り切って祈る様にも胸打たれました。さらに極めつけは、十字架を運んでいる際の母マリアとイエスとの会話。
「私が傍にいますよ~」「今新しく変わろうとしているのです。」(だったかな)。印象深い場面で、ここでは涙が止まらなくって。
ここに回想場面をもってくるところは、キツカッたな~。

人々の罪を償う上で、自ら肉体を差し出したという彼の、その存在をしっかり受け止めてあげたいと
思いました。  そういう死に様を記憶に残してあげたいと思いました。
ムチ打たれて苦痛に耐えるイエスは、何を考え、何を信じ続けたのでしょう。弟子に裏切られた時の気持ち、
どんなだったか。息子の辛い姿を、現実として目をそむけず、見続けた母、、マリアの心境はいかなるものだったのか。言葉では
表現できないでしょうね・・・きっと。
取り乱さず、感情を押し殺す様は、見ていてつらかったけど、普通では考えられないことだけど、ああ・・・これが聖母マリア様
なのだと思うと納得すら感じました。  

観終わった後、今の世の中、罪深いことが多いよな~って思い、なんだか、無性にせつなくなってきたりしましたよ。
「家族を愛することは当たりまえ、敵を愛せよ、隣人を愛せよ~」って言う言葉が、頭の中ぐるぐる回っていましたよ。
やっぱり凄い方なんだなって思ってしまいました。
ところで・・・あのサタン・・・すご~く目つき悪かったよね。ありゃ~、怖いわ(笑

ナイロビの蜂 

ナイロビの蜂  (2006年 イギリス)

監督  フェルナンド・メイレレス
出   レイフ・ファインズ(ジャスティン)
レイチェル・ワイズ(テッサ)
    ダニー・ヒューストン(サンディ・ウッドロウ)
    ビル・ナイ(サー・バーナード・ぺレグリン)
    ピート・ポスルスウェイト(ロービア)

製作:サイモン・チャニング=ウィリアムズ
脚本:ジェフリー・ケイン
原作:ジョン・ル・カレ
音楽:アルベルト・イグレシアス


原作はジョン・ル・カレの『ナイロビの蜂』。
情熱的な若妻テッサと、植物を愛する穏やかな
外交官の夫ジャスティン。
2人は 結婚し夫の駐在先のナイロビで暮らしていた。仕事で旅立つ
妻を2日前に見送ったばかりのジャスティンの元に
妻の死の知らせが届く。
妻の死に疑問をもったジャスティンは、
真相を独自に調べ始める。
そして、アフリカで横行する薬物実験、
官僚と大手製薬会社との癒着にたどり着く・・。
テッサの想いを引き継ぐジャスティンだが・・。


感想  レイフファン必見の映画です。
賞を受賞したのはレイチェルですが、私は、レイフも
かなり・・良かったと思います。
むしろ、レイチェルより良かったのではと・・・笑
私はずいぶん前に原作を読みました。
これに彼が主演するとわかってすぐ手を出したのです。
詳細は忘れてしまっていたのですが、主だったストーリーは把握していたということで、いわゆる予備知識ありの状態でした。
ですから、え・・・甘いラブ・ストーリーじゃあないの~
こんなに社会的な要素が含まれていたの~~というような
意外だった的な・・感想は持ちませんでした。
原作どおり・・・だと・・笑
(巷の宣伝によるとロマンス色が強い感じですけど、ちょっと違いますよね。)
原作はスローテンポの展開なので読むのが、苦痛でしたので、
映画のような早いスピードで進んでくれた方が私にはかえって
ありがたかったです。本を読んだ限り
ラブ・ロマンス的なものに関しては感情移入しにくかったように記憶しています。でも、映画では、
生身の人間が演じているでしょ。心の動きが、表情、行動で
リアルに伝わってくるんですよね。
ですから、夫婦のあり方というものが
強く感じ取れましたね。

さて・・この物語は
一つのジャンルには当てはまらない作品です。
ラブと(夫婦愛の再確認?)と社会派サスペンス。
2つの観点から感想書きますね。


社会派ということで。
ナイロビの現状が描き出されます。
医療も満足に受けられない人々。
貧しい生活を送っている人々たちを、利用しようとする
権力者たち・・。
どんな状況下で生きていようとも与えられた命の
重さに違いはありません。
いとも簡単に捨て去ってもいい命など
どこにもないのです。
でも・・・だからといって、そういう現状を見て見ぬふりするのが
多くの人たち。なぜなら、どこかで、なにをしても
変わることなど何もないと考えるからかもしれません。それは
映画、冒頭の外交官ジャスティンも同様だったでしょう。
でも、ジャスティンは変わっていきます。
彼を動かしたのは、妻への死が原因で、愛を知ることによって
彼は人としてとっても魅力的な人物になっていったと思うのです。
事なかれ主義から、自分の信念を貫くほどの熱い人物に
なっていったこと・・。映画後半、飛行機に子どもを乗せようと
する試みもその表れであるでしょう。
でも、ことはそんな簡単には収拾しないのが、現実。
ここらへんはちょっと複雑な思いも感じなくはなかったですね・・・。

映画を観ながら自分達も、何か得るものが、あったはず。
何かできることから始めようという精神をもつようになれたの
ならば、そういった意味において
この作品は非常に価値あるものだと思うのです。

さて・・次に夫婦愛・・。
語らせると長いよ・・・笑
ジャスティンを動かしたのは、まさに妻への思いからに
違いありません。

この夫婦・・私たち一般人の夫婦関係とは
また異質であると思えるところもあります。

夫婦関係があまり描かれていない分、
妻の夫への愛がわかりにくいとも
思います。(映画においては夫の心の動きの方が明確・・
だからそちらの方が断然感情移入できますね・・レイフだし・・。)

彼らの結びつきをみると、ジャスティンは、テッサの押せ押せムードに巻き込まれて、強引に結婚させられてしまったという様子が伺えますよね。愛人でも妻でもいいから連れてって・・というプロポーズは
どうかと思えますしね・・。好きといえば・・ってね・・笑

ジャスティンにしてみれば、嫌いじゃあないけれど、まさか、こんなに早く結婚を考えるとは・・と思っていたんじゃないの?映画を観る限りはテッサは、ジャスティンを自分の信念を貫くための手段として
考えていたように思われます。

これが、そもそもこの夫婦の、結婚にいたるまでの過程で
納得いかない点を感じる部分ではあるでしょう。

「あなたといると安心するの」
というテッサのいう安心とは
仕事ができる環境ということのように感じられます。

テッサにとっての、夫というのは
一般的のそれとは大きく違うように感じます。

雨の降る中・・遅くまで仕事をしてきた妻を
1人膝を抱えて待ている夫。身重の妻の体を案じての夫なのに
妻は「待っていなくても・・いいのに・・・」
なんて。そりゃ・・・夫・・レイフは可哀想・・。

でも、テッサは別に悪気はなかったのかも。
それがテッサの夫に対する愛情。自分のために夫が
つらい思い・・苦痛を感じているのをすまなく感じるのが
テッサなのです。

だから、夫を守るために真実をいわなかったというのは
テッサなりの愛です。テッサは弱くないのです。
限りなく強い・・。強すぎてかえってジャスティンには理解の出来ない存在でもあったのですよね。

私は、普通人だから、そんな大きな愛はなく、
あなた・・助けて・・・と告白しちゃうタイプですかね。

つまり、テッサは、女性的な要素を持ちながら
精神は男性的なように感じますね。

夫の・・妻の人生に干渉しないという考え方と
妻の・・・肝心なことは何一つ夫には伝えない・・・という・・
考え方。

すべてを分かち合ってこその夫婦・・・という私の考えとは
違う夫婦像です。
それはやはり気にはかかります。
2人がどんなにか信頼しあい
愛し合っていたというものには感じられなかったからね。
でもそれが逆に後半の展開にいきてきたと思うのです。
後半・・・彼の愛再確認もしくは、真実の愛に到達する過程には
やっぱりうるうるしてきたのです。
ジャスティンはテッサ=自分の愛した人はどんな人かということを
知る中で、新たな愛を見つけ出していったといっていいでしょう。
それは真実の愛です。
そうね・・倦怠期の夫、もしくは妻が、お互いの伴侶の
新たな面を発見し、再び愛を確認するような心境よね・・
あ・・倦怠期ではありませんが・・・笑


2人が出発した時点では(結婚・・当初)
心底わかりあっていたとはいえない・・・
結婚してもやはりお互いの心の中にまでは
入っていかない夫婦だったのだから、やはりわかりあっていたとは
いえない・・・どこか溝があったのでは・・。

でも、その溝を妻の死をきかっけとして
埋めていったのではないかと・・・。
夫のほうが歩み寄ったという形ですが。

テッサの自分への愛は、大きかった。

彼女のもつ愛は、アフリカの民にたいして与えていた
愛と同じようなものだったような気がします。
比べちゃ・・悪いけれど、
彼女の夫への愛はアフリカの民と同じくらいに強かったん
じゃあないかな。人類愛みたいな感じ。
だから、普通人の夫婦の愛とはちょっと違うような・・。
彼女の愛が大きかったという表現は、そういった意味で使われていた
ような気がしますよ。

彼女なりの愛なので
私の夫への感情とは違うような気はするけれど。




地の果てで、やっと君に帰る。



ラストは、物哀しいものではあるけれど、
彼にとっては幸せな選択であったのかもしれませんね。

汗でにじんだTシャツ姿のレイフがとても素敵でした。
小汚くても魅力的。むしろそのほうがいい・・

あ・・・映像について。
回想を多くし、残酷な面は直接的にはみせず、
なにより、現場のリアル感を出すような演出でした。
ラブもサスペンスもバランスよく組み込まれていて
よく出来ていたんじゃあないかな・・。
前作の方が、力強さというものが感じられたけれど
これは原作ありの作品なので、これはこれでよかったと思っています。


ところで、思想の違う夫婦の姿といえば、
私は「追憶」を思い出すのですが、似ていませんか。
活動的な妻に対して何事も穏便に済まそうとする夫。
結局のところ妻の生き方を理解しがたい夫は、
妻と別れる決断をしてしまいます。愛していても、
生活できないということはあるものです。

でも、レイフ扮するジャスティンは
自分を変えていくんです。
そこがいいな・・・。でも愛する人はもういないというのも
むなしいですが・・。

この物語は彼なしでは成立しなかったのではないでしょうか。
ってそこまで言っていいのか・・笑



夫婦とはやはり相手の世界に入り込むことだと。
そういう意味では私はテッサへも
同じ思いを要求しますね。

死んじゃったけれどね。
彼女もまたジャスティンを思いやるべきでは・・。

やはり隠すのは
どうかと思うよね。

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スケルトン・キー

スケルトン・キー  (2004  アメリカ)


監督 イアン・ソフトリー 
脚本 アーレン・クルーガー
出演 ケイト・ハドソン、ジーナ・ローランズ、ジョン・ハート、ピーター・サースガード

大病院での仕事に嫌気がさした看護士のキャロライン。
新しい仕事先として
ルイジアナの大きな屋敷で住み込みの看護を選んだ。
お世話する患者ベン・デベローは
口が聞けず、体も麻痺して動かない・・。
その家にはベンの妻も一緒に暮らしていた。
彼女は、この家の各部屋をあける合鍵を渡すのだが、
唯一屋敷裏部屋の奥の部屋だけは開ける事ができなかった。
そのことに疑問をもつキャロライン。
しだいに、この家の異様な雰囲気を感じ始める・・。


感想 東京ファンタスティック映画祭では公開されたようですが
劇場公開なしで、DVD化になった作品です。未公開ということね♪
お友達のサイトさんで評判が良かったので、観て見ました。
面白かったわ・・・。
私は、最後の最後まで
全然気づきませんでした・・このオチに・・。
オカルト、ホラーという部類ですけれど
血が出るとか・・、グロイとか・・・そういった部類の
作品じゃあないので、割と、ホラー苦手な人も普通に
観ることができます。
隣人は静かに笑う・・・と同じような後味の悪さじゃん
と思っていたら同じ脚本家さんでしたね・・。
そっか・・・・だから似ていたんだ・・・。
思わず、最初から見直しましたよ。あ・・・そういうば、
ここにも、あそこにも伏線があったんじゃないの!!と新たな
発見ができたのが何より楽しかったな。

さて、この作品のポイントは
キャロラインが住み込みで働く土地に伝わる
“フードゥー”という呪術の存在。
これは、黒人達の間で長年伝わってきたものだそうです。
私・・初体験♪。興味深く観ましたよ。
あのレンガのかす?をまいて、危害を与える者は
入れないようにする作業・・なんて、なぜか、子どもの陣取りゲームみたいだな・・って思っていました。
昔ね・・エコエコアザラクという黒魔術を使った主人公が
出てくる漫画を見たことがあるのですが、あれと同じ雰囲気なの?って1人で考えていたんですけれど。
おまじないみたいなものは、どこか信じることはあるけれど、
こういった異様な世界にはまだ自分は入っていないな・・・笑
安全、安全・・・身は守れるわ。

怪しい人間は、最初からわかるけれど、
自分の想像と違った展開になっていったのには、驚きました。
笑わないケイトハドソンは、良かったです。ホラーでもいけるかも。
そしてピーター。やっぱり・・・って感じかな・・笑

一番怖かったのはね・・、
ジョン・ハートがいなくなったところ・・
だって、探しに探して見つけたのがあんなところなんて・・。
怖いよ・・・笑

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砂と霧の家

砂と霧の家 (2003年 米)

監督:ヴァディム・パールマン
出  ジェニファー・コネリー
   ベン・キングスレー
ショーレ・アグダシュルー

亡き父の形見であるその家に住むキャシーは、
政府の手違いから家を失ってしまう。
その家を購入したのは、祖国を追われたベラーニ元大佐一家。
 キャシーはなんとか家を取り戻そうとするのだが…。
アカデミー主演男優賞・助演女優賞・オリジナル作曲賞、世界の映画賞全9部門受賞17部門ノミネート


感想  いや~、久しぶりに暗い、暗すぎ・・・・の作品を
観ました。なにもこんなにまでしなくてもと
正直思っちゃいましたね。これを美しい感動作と表現するのは
どうかと・・・。
最初に、結果ありき・・の作品で、回想系の形をとっています。
ですから、もう、これは悲惨になりそう・・・というのが
想像ついてしまうんですよね。
ジェニファーとベン・キングスレーともに
一軒の家にこだわったゆえの悲劇。政府の手違いというけれど、
元々の家主ジェニファーにも、なんらかの落ち度が
あるわけでしょ。税金滞納とか・・。
家を愛しているわりには、
それをきちんと守ろうとする努力が足りなかったんじゃあないの
って思う私は厳しいかしら。
ベン・キングスレー側のほうもね、あんなに高い値段を条件に
出してしまうのは、ちょっと傲慢じゃあないかなと思うので
肩入れできないですよね。
そんなに双方意地張らないで
歩み寄ろうよ・・・って人事ながら
思ってしまいました。
しかし・・・・悲惨な話ですね。
いや・・○○○が、ああいう結果になってしまってから、
大佐の落ち込みようは、凄まじかったでしょ。
もちろん、溺愛していた子だものね・・
普通な神経ではいられないけれど、
すぐさま、ああいう行動をとる・・というのが
信じられないな。
やはり、彼の生き方というものからくるんだろうな・・。
何事においても、プライド高いし、決断したら、断固として
信念曲げないって感じだったものね。
双方ともに、感情移入はできないので、
わりと客観的に観てしまいました。
あの警察官の存在も不可解だよね・・笑
自分の家族を犠牲にして
何を考えているのやら・・・。
みんな、エゴまるだしの気がしました。
不安をあおるような空の、雲の動きが印象的だったな・・。
それにしてもジェニファーの短パン姿は
魅力的・・。


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恋はデジャ・ブ

恋はデジャ・ブ(1993  アメリカ)

監督 :ハロルド・ライミス
男優 :ビル・マーレイ
:クリス・エリオット
:スティーブン・トボロウスキー
女優 :アンディ・マクダウェル
音楽 :ジョージ・フェントン
脚本 :ハロルド・ライミス
製作 :ハロルド・ライミス

テレビのお天気キャスターをやっている気象予報官のフィル。
今日は田舎町で開かれる小さなお祭りの取材に行かなければならないのだ。女性プロデューサー、カメラマンとともに
現地に着いたフィル。
無事仕事を終えて帰ろうとしたところ、
気象悪化で足止めをくらってしまう。
しかたなく、一晩その場に泊まるが、朝起きてみると
今日も同じくお祭り日。そして昨日とまったく同じ人々との会話。
そう・・・・何度もリプレイされる毎日に
入り込んでしまったフィル。どうする・・・・?


感想
50回目のファースト・キスを鑑賞したとき、
この作品に設定が似ているという感想をいくつか拝見しました。
とっても気になったのでとうとう鑑賞。
ラブ・ロマンスというジャンルに置いてありましたが
コメディ色が強いと思いました。
もちろん、恋愛要素はありましたけれど、
それがメインだはなかったような気がしました。
おもしろおかしく作ってあったけれど、
実は、結構大事なメッセージを感じ取ることが
できる作品ですね。
まあ、真面目に考えなくても、ただ気楽に
観てもいいんですけどね。
どうしてそうなるの・・・・?っいう感じの
主人公の行動だけれど(いや、かなり思い切った行動を次から
次へとしていくんですよね・・笑)
自然と笑えてしまうのは不思議。実は不幸なことだし、
悲惨な運命でもあるわけだけれど、見方を変えればそうでもないってこと。主人公が、自分を納得させ、その状況を受け入れ
自分自身を変えていく過程が興味深かったな。

また同じ日々か・・・と嘆いているあなた・・。
でも同じ日というのは一つもないんですよね。
同じ日の繰り返しに見えても
行動や、言葉一つで、どんなふうにでも
変わっていくのですよ。
だから、今ある時間を大切にしなきゃ・・。

ビル・マーレイって最近
ジム・ジャームッシュ作品にも出演していますよね。
私はいまだ昔のイメージが強いな・・。



この手の話・・
同じ日が何度も繰り返されてしまうっていうのは、
北村薫の「ターン」と同じ。
邦画でも映画化されていますものね。
目新しいとは思わなかったのだけれど
明るい感じに仕上がっているのは
アメリカらしいですね。

個人的には、ビル・マーレイのピアノの演奏に、
ひき付けられました。
これは「ある日どこかで」と同じ曲でしたね。
素敵でした♪
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シェルタリング・スカイ

砂漠の映画では、
これが一番好き。
ということで、紹介。
感想は前のものですので・・。

シェルタリング・スカイ  (1990  アメリカ/イギリス)   

監督 ベルナルド・ベルトルッチ  
出  ジョン・マルコヴイッチ(ポート)
   デブラ・ウィンガー(キット)
   キャンベル・スコット(タナー)

第二次世界大戦直後、倦怠期に陥っている作曲家の夫ポートと作家の妻キットは、夫妻は関係を修復すべくニューヨークから
船で北アフリカを訪れ、そこから新たな旅を始める。旅の中で何を見つけ、何を失って行くのか。

感想  ポール・ボウルズのベストセラー小説を原作に、ベルトルッチ監督がラストエンペラーに続いて、描いた超大作。
舞台は北アフリカ。目の前に広がるのは延々と砂漠地帯。壮大な光景、エキゾチックな音楽、風土。月夜に照らし出される
ラクダの一行。沈みゆく太陽に光り輝く大地・・・。気持ちは観光者。主人公の二人は、到着後にこうつぶやきます。
私たちは観光客ではなく、旅行者だ・・・観光客はすぐ旅立つが旅行者は滞在するからです。
そんな背景の美しさに対して、描かれるテーマはかなり深いです。夫婦のあり方、失われてしまった愛・・・。
公開当初から観てみたかったのですが、ちょっと難解だと敬遠していて、今頃の鑑賞となりました。
この夫婦の有り方が、とっても興味深いのです。
昔のような愛が無くなってしまっている二人。人生にも行き詰まっているようにみえます。何となく二人で行動しているけれどしっくりはいかない夫婦。
この北アフリカの旅にはもう一人同行者がいます。タナーという
青年。妻はそのタナーと密かに愛し合っていますし、夫もそのことは気付いています。だから夫も平気で旅先で女を買うのです。
お互いの心はすれ違っているのに、離れることはできない関係。孤独になるのが怖いのか、愛を確認し合えるという希望を
失いたくないから傍にいるのか。それでも、精神的な拠り所をお互いに求めているように思えます。
人は誰でも失って初めてそのものの価値を見出すことが出来るんで
すよね。
肉体的な関係が伴わなかったとしてもかつて愛した二人なら、どこかに
分かり合える部分が残っているはずですよね。
初め3人だった旅もやがて2人、1人と状況を変えていきます。
タナーが別の街に去ってから、二人は自転車でツーリングをし、遥かかなた見渡せるがけっぷちにやってきます。
そこで自分たちの関係に初めて立ち入るって言うか、お互いの気持ちを
確認しあうのです。抱き合って・・・・・でもうまくいかない。キットにとってポートは孤独を恐れない、誰も必要としない人物に
しかみえないのです。自分が傍にいなくてもいいと思っています。でもポートは、彼女を愛している、必要だとつぶやく。
お互いの愛しかたがかみ合っていないような気がします。すれ違ってしまった心は、きっかけがないと1つにはならないのでしょうか。
そのきっかけが残酷なものだとしても、人は受け入れなくてはいけないのですよね。
シェルタリング・スカイ・・・。とてもいい題名だと思いませんか。美しく広がる空が私たちを守り、包み込んでくれている。
何から守ってくれているというのかしら・・・。1人になってからのキットの戸惑い・・・。自分の心の拠り所を探しに、砂漠の果ての果てまで放浪してしまう悲しさ。なんだかとってもせつないお話です。
作者のポール・ボウルズが冒頭場面に登場します。ナレーターでもあり、主人公たちを見守る立場の人物でもあります。
冷静な目で彼らを見ているのです。そしてラストも彼の言葉が聞えます。たぶんね、そうなんだよね・・・、と
うなずきながらこの言葉を聞くと思いますよ。この映画のラストにふさわしかったです。
坂本龍一の音楽が素晴らしくいいんですよね。この曲聴いただけで涙でそうになります。音楽が話しかけているんですよね。
せつないでしょう・・・・て。自分自身もとても癒される映画だと思いますので、未見の方は是非どうぞ。 Himmel_ueber_der_Wueste_721.jpg

イングリッシュ・ペイシェント

イングリッシュ・ペイシェント  (1996  アメリカ)

監督アンソニー・ミンゲラ
出 ジュリエット・ビノシュ
  レイフ・ファインズ
  クリスティン・トーマス
  コリン・ファース
  ウィレム・デフォー

第二次大戦下の1944年。
カナダ人看護婦ハナ(ジュリエット・ビノシュ)は、
大やけどを負い、記憶の大半を失った瀕死の男と
野戦病院で出会う。戦争で恋人も親友も失い、生きる気力を
なくしていた彼女。やがてその患者を1人で看護しようと決意し
仲間と離れ廃墟となった修道院をその場所に決める。
ハナの看護のおかげか、男は次第に記憶をよみがえらせ
そのたび、ハナに語ってきかせる。
彼は・・・アルマシー(レイフ・ファインズ)。
砂漠の地図 作りに参加する探検家だった。ある日、
サハラ砂漠で探検中の彼の前に、ジェフリー(コリン・ファース)
とその妻キャサリン(クリスティン・トーマス)が
現れ、地図作りに協力をするという。
美しいキャサリンにアルマシーは、心惹かれ・・



感想 久しぶりに
再見。
今回、巷の感想をあらためて拝見したところ、
賛否両論なんですね。知らなかった・・・・。
否定的な意見を読みながら
なるほど・・・・・と、大きくうなずいてしまいましたよ・・笑

でも・・・私は、好きなんですよ。
メロドラマが元々好きということもありますしね・・・。
なにしろ、彼主演だしね。
だからかな・・、結局、不倫映画じゃん・・・と言われても
気にならないんですよね。
他人を犠牲にしての恋愛。
冷静に考えれば、コリン・ファースも可哀想。
愛しているよ・・・って、ず~~と思ってきて
それが裏切られたんだから。
最後の彼の唐突とも思える行動は、混乱している
彼の気持ちそのものの表れだよね。
好きな相手を親友にとられて・・、
あ・・・わかるけれど、
でも相手はレイフだし・・・。私もどういっていいかわからないよ・・奥さんのキャサリンとは友達同士からの延長って
感じね。だから、彼女の方は、きっと、アルマシーへの愛とは
違った感情を彼に持っていたんでしょうね。
そんなこといっても、女としては贅沢よね。
夫は夫で嫌いじゃあないけれど、本当に愛しているのは
別の人よ・・・っていうのは夫には、残酷よね。
2人の男性はともに苛立ちますよね。
そんなに愛していたアルマシーを、
ある日突然(いや、悩んでいたのだとは思うが)
もうコレで終わりにしましょう・・・と、突き放すのは
そりゃ・やっぱり、残酷かもね。
アルマシーは、もう所有したくて、たまらない状態に
なっているもの。
色んな意味で、彼女、ずるいな・・・っていう部分は
あるけれど。
それも、これも・・・
愛するがゆえ・・・ってことですか。


レイフを中心に見ているので、何故か、気持ちは彼よりかな。
コリンも、彼女も可哀想だけれど、レイフだな・・一番は・・笑



映画前半、2人が砂漠から戻て
これで終りかと・・思いきや、
キャサリンがアルマシーの部屋を訪ねてきますね。
そこで・・・ラブ♪
印象的なお風呂のシーンになります・・・笑
繕いものなどしちゃって、まめなレイフ・・いえ、アルマシー。


<君の一番幸せな時は?
今よ。
君が一番不幸な時は?
それも今ね…>

<あなたは何が嫌い?
所有することと、
所有されること・・・>

大人のセリフですね・・。
なかなか現実では言わないですね・・・
だから、メロドラマですよね・・・



男の涙が、いいな・・・って思えた作品なんですよね。
号泣きするほど、
愛していたんだ・・・
そんなに彼女を・・・。
と思うと、こちらまで、つらくなるかな・・・。


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ちなみに、
砂漠といえば、
「シェルタリング・スカイ」。
こっちはもっと好き・・・笑

シティ・オブ・ゴッド 

フェルナンド・メイレレス
監督の「ナイロビの蜂」
いよいよ今週末公開ですね。
今日は、彼の前作
シティ・オブ・ゴッドを紹介。

ナイロビでは、どんな風景をみせてくれるのかしら・・。

 
シティ・オブ・ゴッド   (2002  ブラジル)  
監督  フェルナンド・ナイレレス 
  出  アレキサンドレ・ロドリゲス
     レアンドロ・フィルミノ・ダ・オラ
     セウ・ジョルジ
60年代後半のブラジル、リオデジャネイロ郊外の公営住宅。
「シティ・オブ・ゴッド」と呼ばれるスラム街には、チンピラたちで溢れていた
写真家を夢見る少年ブスカペが、60年代後半からの、街での出来事を語る・・・バイオレンス青春映画。


感想   ブラジル映画・・・初めてです。ブラジルって、サッカーや、サンバ、など、陽気で明るいイメージしかもっていなかったのですが、
こんな暴力的な生活場もあるんですね。
かなり、衝撃的な作品でした。大人が、銃を持って撃ち合うっていう映画はよく見かけますが、ここでは子供も
当たり前のように、使っています。銃を持つこと、撃つことが、一種の快感のよう。憧れでもあるのかしら。
よく環境は人を変えるといいますけど、生まれたときから、日常が暴力に包まれた世界だと、
それは、異常でもなんでもなく普通のことと思ってしまうのでしょうね。いや~、驚きました。
この映画は、130分ちょい、決して、短い映画ではないのですが、サンバのBGMに乗せて、軽快に物語が進んでいくので、
あっという間という感じです。さらに、ストーリーは盛りだくさん。
語り手は、ブスカペという少年で、彼一人は、まともな人生を歩んでいるようです。それでも友人のためにコカインを手に入れようと
しているのだから、普通とはいえないのかな。ただ、彼は暴力を客観的に観ることが出来る立場にいるっていうこと。
お兄さんが、ギャング団の一味でも決して染まらなかったのは、彼に夢があったからでしょうね。
暴力に依存している人たちは、夢自体が、人を殺すことになっているんですものね。
映画では、年代ごとにいくつかのストーリーが語られます。
どれも面白かったですね。それぞれにドラマ性があるんですよね。例えば、中盤に出てくる、アパートの物語。
ここは、ブスカペの同級生ネギーニュのシマについてのお話なのですが、一回観ただけでは、整理しきれないほど、
次から次へと人の名前が出てきます。だからといって、混乱はしないの。筋はよくわかります。
でも一回ではもったいないかな。かなり濃い話だったから、注意深く聞いてみたいもの。
一番、強烈なお話は、リトル・ゼの物語でしょうか。リトル・ゼは昔の名をリトル・ダイスといって、ギャングの世界に憧れを
もっていた少年です。かれが、どんな風にして下から這い上がって、現在の位置を勝ち取ったのかが、よくわかるストーリー
になっているんですけれども、正直言って、寒気がしましたよ。
子供のうちからそんなこと思っているのね~って恐怖の一言。
その他には、リトル・ゼとセヌーラの2大勢力の激しい対立。
途中から参入する2枚目マネの変わりようにも驚きましたね。最初は堅気だったんですけれどね、それがね・・・笑
ちょっぴり、笑っていいのかしらね。いやいや、むなしさを感じなくてはいけないのかしらね。
リトル・ゼと途中で決別をしたベネの存在も、忘れられませんでしたね。          
まさに暴力の連鎖です。強いものが勝ち、弱いものが負けるという動物並みの世界。
結構、繋がりのある人間関係になっています。何度も観て楽しめそうな
作品です。それにしても、この作品、音声だけ聞いていると、とてもバイオレンス映画には見えません。
拳銃の音すら、素敵な音楽の一部として聞こえてくるから不思議です。もちろん、内容は、バイオレンスよ。
そして、悲壮感が全然感じられないのも、不思議ですね。全体のトーンが終始明るいんです。
冒頭の鳥のシーン・・・・、自分が鳥の気持ちになったようでしたよ・笑
久々に興味深い作品でしたね。

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スカートの翼ひろげて

今日はこちら。
スカートの翼ひろげて♪

女性向けの映画ですね。
どんな状況下でも自分らしさを失わないで
前向きに生きたいな・・そんなことを感じた
作品でした。


ポール・ベタニーが、後半、主人公の
恋人役で出てきますので
そこのところも要チェックでは。軍服姿は素敵ですよ。
個人的にはレイチェル・ワイズが魅力的に感じました。
ともに5月は新作がありますので
楽しみですね。


スカートの翼ひろげて  (1998  イギリス)

監督  デヴィッド・リラード 
出  レイチェル・ワイズ(アグ) 
   キャサリン・マコーマック(ステラ)
   アンナ・フリエル(ブルー) 
   スティーヴン・マッキントッシュ(ジョー)
第二次大戦下。農場で働くために結成された農業促進婦人会の3人の女性、アグ、ステラ、ブルー。
彼女たちは、農場の一人息子でパイロット志望のジョーと親しくなる。
慣れない共同生活。それでも性に友情にと青春を謳歌していく毎日。しかし、戦争の暗い影は、彼女たちの
運命を変えていくのである。

感想   前半は、3人の女性のそれぞれの農場でのエピソードと恋の行方が淡々と綴られているのだけれど、
後半からは、ステラとジョーの恋物語中心になって話が進められていきます。
戦時中だというのに、なんだか妙に明るいんですよね。農場以外では皆必死になって戦っているんだろうに・・・と
思うほど、この3人の娘さん(とくに2人かな)は能天気過ぎるように思われます。
農場の一人息子のジョーに関心をもつのは、若い女性なら致し方がないのかな。他に楽しめるものもないのだから、
男に興味がいってしまうの?
いい気分はしなかったですけどしょうがないですね・・笑
ブルーはジョーを真っ先に誘います。この誘いに乗るジョーもジョーなんだよね。なんでこんな人に皆惹かれるのかな~
と疑問。これはスティーヴン・マッキントッシュという俳優がどうのこうのというより、ジョーという男性の性格に
魅力がわかないってことなのよ。   ブルーの次は、アグなのよ。
処女なんだけれど、お願いします・・ジョー~~ということで、彼女も接近してきます。
ジョーはね、モテモテなんですよ。笑
でも結局、ジョーは高嶺の花だと思っていたステラが好きで、ステラもジョーのことを好ましく思っていたと判明。
でもちょっと待って!。ステラはジョーが他の2人と関係を持っていたということを事前に知っているんだよ。
こんな下半身の軽い男に、どうして惹かれたのかが私にはよくわからないよ。
しかし、前半かなり、軽めの男にみえたジョーがステラとの恋を育む過程に至っては、純情そのものの一面を見せてくるんです。
どうせなら、最初からジョーのキャラを誠実な男性そのものにして欲しかったわ。
そうすれば、ラストにかけてのせつない展開ももっと盛り上がったと思うんですよね。
あの頃、(戦時中ね)切ない思い、つらい思いも沢山したけれど、常に前向きに生きた彼女たち・・・・。
今思えば、それも懐かしく、素晴らしい思い出になっているんだよ・・ていうことなんですよね。
戦時中でなくても青春の痛みっていうのは誰でもありますよね。失った恋は特に美しく思えるものね。
最後のステラの決断は、つらかったと思いますよ。
でもああいう決断ができるのが、ステラの魅力でもあるのだから、ジョーはその理由を知ることによって、潔く
心の整理をするべきだと思います。
映画の中で印象に残ったのは、結婚してすぐに相手を亡くしてしまったブルーのセリフ。
「大切な男を見つけたら絶対に手放してしまってはダメよ」って、これは説得力ありましたね。
泣けてきたよ。
結局主人公はステラということになりますよね。でもどうしても、レイチェル・ワイズに注目してしまいます。彼女しか
よく知らなかったからね。農場にいるときは、化粧っけもなくて目立たないのだけれど、ラストの再会場面では、
やっぱりレイチェルが一番目立っていると思うんだけどね。化粧すると映えるお顔なんだよね。
イギリスの田園風景ののどかさは、心が安らぎますね。戦時中なんだということを、忘れてしまうほどでした。
暗い話ではないので
意外と気軽に観ることができる一本です。

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レクイエム・フォー・ドリーム

連休中はバタバタしており、
かつ連休明けも、なかなか映画観る余裕がありません。
よって、旧作をいくつか紹介・・・。

なぜか、レクイエム・フォー・ドリーム♪
五月の清清しい季節になんですが・・・、
ややダークな路線で一本。

どんな映画かというとまあ、麻薬撲滅推進映画です。・・・笑。
今思うと、ちょっと説教臭い感じがしなくもないのですが
これを観た時はなんの予備知識もなかったもので、
とにかく、驚き・・・やるせない気分になった
印象深い一本なんです。
なにより、清楚なイメージのジェニファー・コネリーが、
あんなことにもこんなことにもなってしまったのが
衝撃だったのかもね。

ちなみに、私はこのサントラが好きです・・・♪
爽快な気分になるんだけどな・・。
こちらで→rennhttp://wmg.jp/artist/ost/WPCR000019051.html試聴できます。

以下感想・・

レクイエム・フォー・ドリーム   (2000  アメリカ)
監督  ダーレン・アロノフスキー    
出  ジャレッド・レト(ハリー)
   マーロン・ウェイアンズ(タイロン)
   エレン・バースティン(サラ)
   ジェニファー・コネリー(マリオン)
孤独な未亡人サラは、ある日お気に入りのテレビ番組からの出演依頼をうける。
喜んだサラは、思い出の赤いドレスを身につけるため、ダイエットを試みはじめる。が、次第に薬中毒に。
一方、一人息子のハリーは、麻薬の常習者。友人のタイロンに誘われ、麻薬売買に手をそめ始める。
恋人マリオンとのささやかな夢実現のために、お金がいるのだった。しかし、薬の魅力に段段とはまっていく。恋人マリオンも。
抜けられない所まで落ち、そこには悲惨な末路が用意されていた。

感想  「π」の監督さんっていうことしか知らなかったのですが、ビデオパッケージにひかれて(大きく見開いた目)、観てみました。
麻薬中毒になった人々の姿を描いた作品なんですけど、映像がとっても斬新なのです。分割場面の多用と、早回しあり、スロー
モーションありと、凝った作りになっていました。分割場面は昔「華麗なる賭け」で観た以来かな~。最初は違和感あるかも
しれないけれど、観なれてくると非常におもしろいものです。
若い恋人の2人は、最初から薬を嗜んでいます。こういう状況は他の映画でもよく見かけるのですが、目新しかったのは
この若者の母親=サラの扱い方。ハイな気分を得ようと思って、薬に手を出すわけじゃあないんです。目的はダイエット。
でもやせるための薬が、段段と精神をおかしくさせていっているとい事実。とっても怖いな~と思いました。お医者さんは
彼女が体の調子が悪いっていっても「大丈夫、大丈夫」なんていって、飲ませ続けているのです。
母親のもとを訪れた息子ハリーが異変に気付き、「ダイエット・ピルは飲んじゃあいけない。その医者は覚せい剤を出す医者だ」
っていっていたけど、医者なのに覚せい剤を出すの?・・・・、そういう医者もいるの?・・・と驚きました。そういう息子だって薬を
常習しているんです。だからこそ、母親の歯軋りだけで、アブナさを察知できるのに、何故それ以上、しつこく止めるように
いわなかったのかな。孤独な母親がうれしそうに話す姿に、強制的にどうこうしようという気にならなかったのかもしれなかったし
自分も似たような立場だったから、何もできなかったのかしらね。 でも後々のことを考えると、この時、2人ともスパッと薬から
手を引いていれば、悲惨な出来事にはならなかったはずだと思うんです。
夏、冬と過ぎ行く季節の中で、皆が、段段と変貌していう姿は、観ていてつらいものを感じます。薬ズケになっているので、
顔がやつれて行くんですよ。サラに関しては、髪の毛も逆立ってしまって、下手なホラーより断然怖いです。
サラが、見始める幻覚症状が、とても印象的でした。この映画を観た後、何気なく部屋にある冷蔵庫やテレビが、ずいぶんと不気味な
ものに感じたものです。
後半は坂を転がり落ちて行くように、悲惨に・・・。サラ、ハリー、友人タイロン、恋人マリオンのそれぞれの状況を矢継ぎ早に
映し出す映像には、のめり込んで観てしまいました。息もつかせないとはまさにこのことです。
とくにサラの精神科医による電気ショックは、体が震えるくらいリアルでした。
こんなどちらかというと気持ち悪い映像が続く中で、最後の最後の場面では、涙がこぼれてきてしまいました。感動って
いうより、せつなさ・・・・。なんていうか、そういう転落人生を向かえてしまっても、夢を見続けようとしているサラの姿に涙・・・。
赤い服=幸せの絶頂にこだわるサラが、痛々しくてたまらなかったです。そして
体をなげうってまでも手に入れたものにしがみついて、幸せを感じるマリオンの哀れさ。薬にために、すれ違っていってしまっている
ハリーとマリオンの2人
は、痛々しいです。
好みは分れるかもしれないけれど、とっても心動かされた映画でした。
もう1つ、この映画は音楽が非常に良かったです。ラストの映像にあの音楽がかかるだけで、胸が締め付けられるほど
せつなくなってしまいます。音楽は何度でも聴きたいな~と思いましたね。 requiem.jpg

Vフォー・ヴェンデッタ

Vフォー・ヴェンデッタ (2006 アメリカ)

監督ジェイムズ・マクティーグ
製作ジョエル・シルバー グラント・ヒル
アンディ・ウォシャウスキー
ラリー・ウォシャウスキー
脚本ウォシャウスキー兄弟
デイビッド・ロイド画によるコミックに基づく
(バーティゴ/DCコミックス刊)
製作総指揮ベンジャミン・ワイスブレン
撮影エイドリアン・ビドル, B.S.C.
美術オーウィン・パターソン
編集マーティン・ウォルシュ, A.C.E.
音楽ダリオ・マリアネリ


出 ナタリー・ポートマン
  ヒューゴ・ウィービング
  スティーブン・レイ
  ジョン・ハート

独裁国家と化した近未来の英国。
イヴィー(ナタリー・ポートマン)は禁止されている夜間外出を行ったことから警官達に取り囲まれる。そんな危機に見舞われたところを“V”と名乗る仮面の男(ヒューゴ・ウィービング)に
助けられる。
Vは、圧政から市民を救うため、そして個人的な恨みから
復讐の鬼と化していた。
Vは市民に国会議事堂前に集結するよう呼びかける。
決行は11月5日――“ガイ・フォークス・デー”・・
イヴィーはそんな彼の主張に疑問を感じてはいたのだが、やがて
彼女も彼に加担するようになる・・。


感想  まず、ガイ・フォークス・デーとは。
 1605年、11月5日。ガイ・フォークスは
火薬を詰めた36個の樽とともに、議事堂の地下道に潜伏している
ところを発見される。フォークスをはじめとする一派は
ジェイムズ一世を君主とする圧政に反発し、企てたのだ。
だが、結果、失敗、彼らは摘発され、フォークスは絞首刑・・。
 その反逆精神を、思い出し、彼らの無念をも晴らすべく
Vは同じような精神で政府に立ち向かうということ・・に。


一応↑書いてみました・・・笑。
ガイ・フォークスについては、全然知らなくって今回、
初めて聞きました。でもちゃんと、冒頭で説明が入るので安心しま
したよ。よくついていけない説明があったりするけれど、
わりとわかりやすく説明されていたんじゃないの?
重要なポイントでもあるしね。でしょ?
前知識なくても大丈夫だと思いましたけれどね。
ただ、この事件に対しての思い入れというか・・そういうものに関しては日本人にはないので、
割と客観的にみてしまいますよね。
復讐劇といっても、個人的な恨みから発展して
圧政に対する抵抗 、行き着くところ世界を変えよう・・革命という
かなりスケール大きな次元で物事を考えるので
思った以上に重めのお話。でも小難しいという印象は
感じなかったかな。やはり肩の力を抜いて気楽に楽しめるという
雰囲気。
これは、このVというキャラに原因があるのかもね。
ふるまいはいたって紳士的であり、その上、高尚の趣味を
もち、教養もあり、行動はスマート、ややコミカルさを持ち合わせているという実の面白みのある設定。個人的には
巌窟王にこだわりを持っていたり、ジュークボックスを愛用しているところなんか可愛かったりしますね。
復讐ということで、目指す人物を手際よく抹殺していくのだけれど、
お印としてお花なんか置いてきちゃって、なんかキザ・・笑
でも一貫して殺人に関しても自分なりの美学を持ち合わせている
ところなどカッコイイ人物像だったりしますよね。
でも、だからといって、Vの行為そのものがすんなり納得できるものではなく・・、彼の過去がわかるとはいえ、やや不明点が
残ることも沢山あるので、(あの収容所での実験後の彼は
どうやって生きてきたのか・・とか、そもそもあの実験が
よくわからなかったり・・・)感情移入できるかというと
う~~~んなんですよね。
Vのもと、皆が従うというのもちょっと怖い気がします。
未来のロンドンといっても、
市民生活にあまりハイテクさを感じなかったですね。
市民達もいつもテレビばかり観ている感じで
生活風景があまり伝わらなかったのは残念。


予告で観たイヴィーの坊主頭。
あれは印象的でしたけれど、実際、映画ではずいぶんあとになってから
登場してくるのですね。
私は最初からその頭で出ずっぱりかと思っていました。
そういう点ではナタリーの、長い髪もきちんと観ることができたし、
もちろん、綺麗な坊主頭も(いや・・本当にラインが綺麗よ)
オマケに予期せぬコスプレ姿も観ることができるので
ファンにはおいしい映画となったように
感じました。

結局、Vは仮面をはずしませんでしたね。
俺じゃないみたいなこといっていたから
相当・・・の姿なんだろうな・・。やっぱりやけどがひどかったのだろうか・・・。仮面で顔は見えなかったけれど、
その振舞い方で、表情が想像できたのは凄いよね。
これはヒューゴがうまいのかな・・・。


自己紹介したVに対して、
「あんた頭おかしいんじゃない?」
って真顔で言ったイヴィーには笑えたし、
エプロン姿のVをみても少しも動じないのはさすがね・・・って
思ったりしましたわ。(むしろ手の傷を気にしてたものね)
未来ではあのエプロンは普通なのかな。



冒頭の花火とクラッシック音楽と爆発の組合せは、
思わず目が釘付けになってしまいましたよ。予期せぬ出来事でしたからね。
あわせて同じような感覚は終盤にも出てくる爆発でも
感じましたわ。綺麗な光景で、すっきりした気分を感じながら
そんなこと感じる自分が嫌ね・・なんて
思ったりしましたよ。
何が善で何が悪かはわからないけれど、
やっぱり、暴力で片付けるのは
どうかとも思う部分もありますからね・・・。

誰かが立ち上がらなければ変わらないことって
あるのかもしれないけどね。
あの仮面の増殖・・・ちょっと怖い気がしませんか。
群集が一気団結したというよりも、一個人の力で
あそこまで洗脳できることができるという
行為自体がね・・。

ところで・・・イヴィーの拷問。
あれは、彼女のためを思っての行為ですか。
Vの思いやり?生き抜くすべを
教えてあげたともいえるんですからね。
でもあまりのも無茶な行動。
いかにも強引。私なら真実わかったらひくな・・・笑。
そんなにも愛していたのか・・・・



<思い出せ
11月5日の出来事を
火薬陰謀事件と反逆を
忘れることは許されぬ
人々の記憶の底にとどめておけ>

主演2人が頑張っていましたけれど、
私的には、スティーヴン・レイが、以外に出番多く
うれしかったりもします・・。頼りなんだかそうじゃないんだか
わからない雰囲気が好きだよ。ちなみに相棒は
モーリスのルパート・グレイヴスですって。気づかなかった・・・。

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