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アーノンクールのハイドン 交響曲第94番、101番  

アーノンクールは現在でも好みの分かれる指揮者かもしれませんが、外面的に聴くだけでは、鋭どすぎるとか、ゴツくさい、とかで終わってしまうかもしれません。私も今一つ、解ったような解らないようなところがあって長く保留してありましたが、今日聴いてようやく解るようになった気がします。
ハイドン94番や101番はあまりにも多くの演奏を聴いてきただけに、アーノンクールの特徴が際立って聴けます。どんな大指揮者も気づかなかった作品の美質を見つけ、似たり寄ったりの世界から脱却しています。これらを聴いてはっと目覚めた気分です。さすがはT.ファイの師匠!

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まず94番、鋭く踏み込むような演奏が基調ですが、けっして一本調子にまとめようとしていない、多くの表現で細やかに音楽を紡いでいる。鋭いパーツもあれば、しなやかなパーツもあり絶妙に組み込んでいて、並みの内容じゃない、多くの表現要素が聴き取れます。
第一楽章序奏は意外なほどゆっくり聴かせますが、十分にその意味が伝わってきます。主部ではまずがっちりした構成感を聴かせますが、はっと驚くような弦のレガートな響きも聴かせます。
第二楽章のお馴染みのテーマは大抵はテヌートして素朴に弾きますが、ここもレガート(*カラヤンのレガートとはまったく違います)この楽章がこんなに気品よく聴けたのは初めてです。
メヌエットは快調、終楽章は速くしすぎず、やはり構成感をしっかり、さらに味わい深くきかせます。

101番の序奏もゆっくり、しかし間延びした感じはまったくない、何かが潜んでいます。主部はさすがキビキビした基調ですが、一言では言えない内容です。
第二楽章は超お馴染みですが、強弱表現など誰も気づかなかった表現も聴かせ、よくある、まったりと歌うだけの演奏じゃない、気品と味わい深さ、緊張感ももつ"時計"楽章です。メヌエットは長大ゆえに下手するとクドくて退屈ですが、それはありません。終楽章が異例なほどゆっくり、しかしその理由は聴けば十分わかります。

RCOの上手さがまた凄い、弦のレガートなところなど甘い安モンくさい弦楽ではなく、気品に満ちたものです、ビブラートを控えていますが、弦全員が一体に揃う、というより適度にサバけたような、涼風のような響きでじつに味わい深い。これは相応のシステムで聴く必要があります、ミニコンポじゃ伝わらないかもしれません。
これを期にアーノンクールもいろいろ聴きたいです。
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category: F.J.ハイドン

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