M.アンドレとF.ブリュッヘン - Classic音楽,リュート,宇宙
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M.アンドレとF.ブリュッヘン  

私がバロック音楽を好きになったきっかけは、子供の頃ラジオから何の曲とも知らず聴こえていた明るいトランペットと身近だったリコーダーのまあるい響きでした。M.アンドレはそのトランペットの魅力を次々聴かせてくれた人でもあります。
このテレマンのターフェル・ムジークの演奏者の顔ぶれは興味深いです。

telemann ta

1964年録音、指揮とリコーダー:F.ブリュッヘン、vl:J.シュレーダー、vc:A.ビルスマ、テオルボ:O.M=ドンボア、Cem:G.レオンハルトなど、古楽演奏の騎手となる人達です、そこにtpのM.アンドレが共演しているんですね。第2集の序曲と終曲でトランペットの名演を聴かせます。
演奏は全員、モダン楽器使用でしょう、チェンバロ、リコーダー、テオルボには区別ないでしょうが、ただしこのCDはターフェル・ムジーク第1集~3集からの抜粋盤でリコーダー、テオルボの入った曲は聴けません、全曲盤がほしいです;
まだ伝統的演奏が基盤にありますが古いとはあまり感じさせません。ヴァイオリンもあまり気張った弾き方でなく、随所に美しい装飾音を付け、符点の強調、レガートな緩叙楽章でソロ楽器に対し内声は適度に切って拍節感を出すところなど、古楽研究を確立しつつある過程も聴かれます。テレマンの快活な魅力も出し、この時期なりの完成度です。
アンドレのtpは室内楽的な柔らかい響きで「室内のトランペット」と呼ばれるオーボエと質の近い溶け合った響きです。こんな風に吹けるのは当時アンドレ以外そうはいなかったかも知れません。
ほぼ同時期と思いますが、アウグスト・ヴェンツィンガーがバーゼル・スコラ・カントルム合奏団でターフェル・ムジークを録音しています。こちらはオール古楽器で、エドワード・タールがナチュラル・トランペットで演奏していたのが注目でしたが、大らかさと同時に、こちらも一緒に演奏するバロック・オーボエと区別つきにくいほど室内的な響きが良かったです。
楽器はともかく、演奏内容ではブリュッヘンが一歩リードしている感があります。アンドレはナチュラル・トランペットでは不可能であろう装飾音を演奏していますが、楽器の機能を活かすのは大いに自然、モダンtpでこそできる美しい演奏となっています。
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category: G.P.テレマン

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