ストラップ 
2015/01/31 Sat. 21:10 [edit]
あとはケースがほしいところ、ベニヤ板で四角い箱を作れば、このサイズなら十分OKでしょう、当面はナップサックみたいな布袋でもいいかな。
category: 手工・修理
昨日の荷物 
2015/01/29 Thu. 22:38 [edit]
2014年作、スティーブン・マーフィーのお弟子さんで匿名の製作者による、6コース、アルト・リュートです。調弦は①コースがAで、ギターの5ポジション・セーハと同じ音域。
使われている木材が気に入りました。ボウルのリブはトネリコで、野球バットでお馴染みの木材、ネックとペグボックスはブナで、木槌や鉋台、頑丈な工作台などに使われる木です、ブリッジはサクラ、こんな日常見慣れた木で出来ていると何かほっとします。
指板はペア(梨)で全体に明るい色調で整い、細かいことを気にしなければ素朴で美しい外観です。時間をかけずざっくりと作られた感じですが、外見だけ綺麗に出来た楽器とは違い、音や機能など、さすが筋の良さを感じる。ペグはココボロ材で具合良く、弦高やスペーシングなど大事なところはしっかり神経を払ってあります。
ダブル・フレットのニガ味の効いた音。
スプルースは上質、この楽器ではロゼッタ彫りも完璧じゃないけど健闘している。
アルト・サイズのリュートで弦長は53cm、音域は高くなるほど、半球ボディの"コヮン"と鳴る音の特色が際立ってきて、和音も鮮やかになり、フランチェスコ.da.ミラノ、P.アテニャンなんか心地良く弾けそうです。
category: リュート
T.ヘンゲルブロック:J.B.バッハ 管弦楽組曲ほか 
2015/01/27 Tue. 22:03 [edit]
メインとなる1枚目はバッハ一族の一人、ヨハン・ベルンハルト・バッハの管弦楽組曲の4曲と2枚目のCDはJ.F.ファッシュ、G.P.テレマン、J.ルートヴィヒ.バッハ、J.D.ゼレンカの管弦楽組曲という組み合わせです。組曲全曲については大変なので、冒頭に置かれたフランス風序曲の聴き比べをします。
CD1
ヨハン・ベルンハルト・バッハ(1676-1749)
組曲第1番 ト短調
組曲第2番 ト長調
組曲第3番 ホ短調
組曲第4番 ニ長調
CD2
J.F.ファッシュ(1688-1758)
組曲 ハ長調
G.P.テレマン(1681-1767)
組曲 ト短調「ミュゼット」
J.L.バッハ(1677-1731)
組曲 ト長調
J.D.ゼレンカ(1679-1745)
7声の序曲ヘ長調
トーマス・ヘンゲルブロック指揮
フライブルク・バロックオーケストラ
CD1
大バッハの又従兄、J.ベルンハルト・バッハの作品は殆どが失われ、この4曲は貴重なもの、ヘンゲルブロック指揮、フライブルク・バロックOの優れた演奏で聴けるのは有難い。4曲通して聴いて思ったのはいずれも標準的で良く出来たフランス風序曲であること、気品があり、独特の灰汁の強さのようなものがない、逆に言えばもう少し押すところがほしいと言える。第2番と4番の中間のアレグロは3拍子で大バッハの管弦楽組曲第4番と同じリズムで心地よい。
しかし、Wikipediaにまでベルンハルトの音楽性はテレマンに似ているとあるが、本当だろうか?CD2のファッシュならそれも言えるが。
CD2
1曲目のJ.F.ファッシュの序曲ハ長調はグラーヴェにおけるパッセージの切れ、アレグロのフーガの各パートが噛み合う、テレマンやグラウプナーに近い活力に満ちた感覚はとても良い、ファゴットが難しそうなソロを吹く場面も聴きどころ。
2曲目、テレマンの序曲ト短調はさすが並みの作曲家とは違う一捻りがある、フランス風序曲の様式を消化し尽くし、斬新な感覚を聴かせる、中間のフーガが二つのリズムパターンが混在するように聴こえ不思議な魅力、続く舞曲も含めテレマンらしいエスプリの効いた曲だ。当時の人気ランキング一位というのがわかる気がする、ファッシュも上位にくるでしょう。
3曲目、大バッハの遠戚になるJ.ルートヴィヒ.バッハの序曲はこの2枚組の中で最もフランス風というか、リュリに始まるルイ王朝の音楽を彷彿させる、この曲はそういう意味で逸品、気に入ってしまった。遠い親戚より近くの他人と言うが、バッハ一族らしい作風というのは存在しない、各々が学んだ地の影響を受けてそれぞれの道を歩んでいる。
4曲目、ボヘミア出身で後にドレスデンで活躍したヤン・ディスマス・ゼレンカの序曲ヘ長調、最後を飾るにふさわしい堂々たる序曲、リピートを行えば長大な曲になるはず、グラーヴェの和声進行が充実したもの、アレグロのフーガがじっくりと構成され、活気に満ちた聴き応えのあるもの、最後のグラーヴェでも凄く意外な和声進行を聴かせて終わる。
それにしてもドイツ系の作曲家達が似たようなフランス序曲をいっぱい書いているが、この形式に飽きることはなく、数だけ楽しめる。
category: ルネサンス・バロック
盤面印刷、入れ違い 
2015/01/26 Mon. 22:55 [edit]
名の知れたエラート盤だが、CD1とCD2の盤面印刷が入れ違いになっている!;
"CD1"を聴きはじめていい曲だと思いつつ、曲は短調のはずが長調?・・ファッシュの曲だったのだ;ちょっと困惑ぎみなので、レビューはあらためて(笑)
category: ルネサンス・バロック
マンユウの細い糸 
2015/01/25 Sun. 18:41 [edit]
現在、私のリュートにはナイロン弦は1本も使っていません。ナイロンの難点は温度差によるピッチの狂いが大きいことです。温度が上がると膨張してピッチは下がりそうなところ、上がります、おそらく純粋なナイロン分子で出来ていて、温度が上がると分子の運動が活発になり、縮もうとする力が働きピッチが上がる、この要素が強いのではないかと思います。ただし温度が上がり過ぎると融解してくるでしょう。
ナイロン弦の特性
一方バロックリュートの⑤コース等に使っているナイルガットのNG82~88くらいのやや太いものは温度が下がるとピッチが上がるという逆の変化が起きます;こちらは単純な温度による膨張、収縮かもしれない?細いナイルガットは問題ないのですが。
万鮪を試したところ
よって同じ楽器にナイロンとナイルガットを併用すると冬は厄介です。唯一フロロカーボンだけは温度による変化が少なく、湿度の影響はまったくないので、この点助かる素材です。
今回、⑤コースや低音のほうのオクターヴ弦にもいけるんじゃないかと思い、万鮪の20号(径0.74mm)、22号(径0.78mm)など取り寄せました。
これで、ピッチ不安定の悩みが解消するかと思いきや・・・音がよくない!;どうもここに使うには万鮪は軟質過ぎて倍音が足りない、ナイルガットに戻すとさすがに音は良い。
今回の買い物は無駄になっちゃった;まあ何かに使えるでしょう、釣とか(笑)
ただし、⑥コース以下の低音弦に使った万鮪(40号以上)は良好です。
category: 楽器について
大型魚用釣糸:マンユウ90号 
2015/01/21 Wed. 21:13 [edit]
今や私にとって必需品となった、呉羽の大型魚用釣糸"万鮪"ですが、釣人以上に号数に拘っています(笑)現在のラインナップには80号(径1.48mm)の次は100号(径1.66mm)しかないのですが、中間の径がほしかったところ、旧ラインナップには90号(径1.57mm)があって、在庫品を注文しました。素材のフロロカーボンはリュートの低音弦としてちょうど良い比重にあり、この万鮪の質(硬度)もちょうど良い。
値段も下がってお得・・30mもあり、残りの人生で使い切れません;
この13コースリュートの⑪コースには
C♮ではちょっと緩いかな;
弦長69.5cm、⑪コースのテンションはA=415hzで2.6kg
なお、2つの11コースリュートは弦長が66、67cmと短く、100号がテンションではちょうどいいところでしたが、ちょっと太すぎて音が不明瞭でもある、90号のほうが響きが良くなる可能性もあるので試してみます。こんな使われ方、釣糸メーカーには不本意かと思いますが、"本物の弦"以上に具合が良いんです。
category: 楽器について
スキャロップ指板 
2015/01/19 Mon. 23:49 [edit]
19世紀ギターにもこのタイプがあって、さすがにこちらではチョーキングはやらないでしょうから、大袈裟に掘り下げてはありません。
フレットはありますが張り出させず、指板の起伏の頂点に沿って打ち込んであります。力を入れて押え込むと音程が不正確になるので、適正に押える慣れが必要と思われます。
先日、11コースluteのフレットを太いものに替えたと書きました、太いといっても僅かなことで、弦高としては大して変りませんが;細いフレットより押えが効き、ビリにくくなったようです、要するにスキャロップに近くなったと言えるかも。
じつはバロックリュートでは装飾ヴィヴラートを適切な場面で使いますが、チョーキングに近い大きな揺らしもあれば、微かな揺らしもあり、多様です。太いフレットなら押え込みを強めたり緩めたりの方法で、微かなヴィヴラートがやりやすそうです。
category: 楽器について
S.クイケン:ハイドン 交響曲第92番「オックスフォード」 
2015/01/18 Sun. 23:31 [edit]
シギスヴァルト・クイケン指揮
ラ・プティット・バンド
1991年 Virgin Classics
第一楽章、序奏は引きずらず、さらりと始める、主部の動機①は属七和音の落ち着かない雰囲気であえて始め、②25小節から主和音の総奏でがっちり安定する、ここのスタカートの付いた跳躍の力感は痛快、しかし始めの動機は楽章のメインである。
スタカートは音を明確に打ち出すのが目的で、必ずしも"短く切る"とは限らず、響きの量感を得るため、弦楽など若干伸ばすことがあっていいでしょう、荒っぽくなってはいけない。
展開部は第二主題で力強く開始、各パートが複雑に絡む聴きどころ、115小節から展開部最後まで転調しながらぐいぐい迫ってくるのが良い。
クイケンは清涼な弱奏ときっぱりと鋭いダイナミズム、柔と剛の対比はまさに的を得た感覚。
第二楽章、弦の聴きどころ、大袈裟な表情は付けず、涼しげに始める、中間部の短調は予測どおり、キビキビと押し寄せる。
メヌエット、快速ぎみで重っ苦しくないのがいい、ダイナミズムはズバっとくる鋭さで決める。
終楽章は結構快速で、構築感をがっちり決める緻密さ、展開部はゾクゾク来る、全楽章そうだが、tpが透明によくとおり、timpも良い意味で粗野な感覚で効いている。
これは「オックスフォード」指折りの好演奏だ。
category: F.J.ハイドン
フレットの弦高調整 
2015/01/18 Sun. 19:46 [edit]
このリュート、一度弦高を下げる修理はしてもらったのですが、古い楽器だけあって、ヤワなんでしょうか、また少しネックが前倒れしてきたようです。さらに修理となると今度はネックの付け替えしかなさそうです^^;まあ、今のところ弾き辛いというほどではありません、願わくばよく押える7、8ポジションあたりがもうちょい低いと助かる・・
強調図
当面はフレット弦を強調図のようにハイポジションに向けて徐々に太いものに巻き替えて使います、まあ気休め程度かもしれませんが(笑)写真ではほとんどわかりません。
めったに押えない貼りフレットはそのままでいい、というかこの楽器は元々貼りフレットは無かったです。
さらにブリッジ穴を広げて、5コースまで"2回通し止め"にしました、これで結構低めに弦が止まります。
いかにピッチを低く緩めに張っても、変形なし、とはいきませんね;
category: 楽器について
T.コープマン:ハイドン オルガン協奏曲No.1ほか 
2015/01/14 Wed. 22:20 [edit]
・オルガン協奏曲第1番 ハ長調 Hob.XVIII:1
・オルガンとヴァイオリンのための協奏曲ヘ長調 Hob.XVIII:6
・オルガン協奏曲第2番 ニ長調 Hob.XVIII:2
アムステルダム・バロック管弦楽団
キャスリーン・マンソン(ヴァイオリン)
トン・コープマン(指揮&オルガン・ソロ)
2009年録音、CHALLENGE CLASSICS
まずはお馴染み、オルガン協奏曲第1番、前奏から過去の演奏よりさらに細やかな味わいが聴ける、たとえば前奏の最後のところ、
譜例の37小節、タイで繋がるラをふっと弱音にし、一瞬ブレスを入れた感じで次を滑らかに演奏、伸び伸びした中にどこまでも音楽性を忍ばせた細心の演奏でもある。コープマンのソロは流石、装飾も楽しませながらの達演、オケパートにも適宜装飾を加えている。
第一楽章前奏の副主題であろうか、この旋律がいい、
これが展開部の最後にこのように発展して出てくるが、聴けるのはここ一回だけ、
健康的な幸福感で素晴らしい。ハイドン24歳の頃の初期作品だそうだが、この包容力は天才と言わざるを得ない。
第二楽章はオルガンの細やかなソロをじっくり楽しませる。終楽章は快活なリズムでオルガン・ソロのパッセージの切れが心地よい。
2曲目、オルガンとヴァイオリンのための協奏曲は作風としてはHob.XVIII:1に近いようだ。共通のテーマを鍵盤とvlが掛け合ったり、並進行したり、典型的な二重協奏曲の書法、C.マンソンとコープマン2人の息はぴたりと合っているが、手作りなvlと機械仕掛け風のオルガンとの違いが面白い。第二楽章では一段と細やかに聴かせる。
3曲目、オルガン協奏曲 第2番、親しみやすい第1番に対し、第2番はぐっと凝った内容、息の長い主題旋律は使わず、長大に組み上げられた第一楽章、展開部では転調しながら反復進行するというのはよくある書法だが、この曲では15回も繰りかえされる、只ならぬ曲だ;展開部の締めくくりの不協和音が印象的。第二楽章アダージョの簡潔な前奏も只ならぬ雰囲気、バックは殆ど和声伴奏と言ってよく、即興性を帯びたオルガンのソロが続く長い楽章だが、かっちりと形式をまとめるハイドンでは珍しいのではないだろうか。終楽章も一言では言えない充実感、快活なリズムが一貫され、オルガンのソロもそれを基調とする、左手パートの多くはアルペッジョでやはりリズムを取り、最後まで引きつけていく。
category: F.J.ハイドン
冬の楽器練習 
2015/01/13 Tue. 21:41 [edit]
M.オッティガー 2011年
製作後4年弱にして、ようやく鳴りだした気がします。単に指と耳が馴れてきたせいかもしれませんが^^;最低音のCまで深く鳴りだしたような?緩い弦の楽器は材料がこなれてくるのに時間がかかるかもしれません。リュートがどんな具合に鳴っているのか、奏者自身には聴こえずらいところがあります、奏者の耳は響板の後方にあるわけで、他の人に弾いてもらって、本当の鳴りっぷりがわかります、ギターも同様です。
こちらは製作後8年となる、13コースlute、
M.オッティガー 2007年
8年なんてまだ新品といえる経年ですが、この楽器は褐色化が早いです、リュートの前面は無塗装に近いせいもあります。この楽器もしばらく休ませておいたら、鳴りが眠っている感じがします、人間と同様ウォーミングアップが要りそうです。
・・ワインの「香りが閉じている、デキャンターに移そう」ってのと同じか(笑)
category: 楽器について
クラシック遍歴(1) 
2015/01/12 Mon. 00:10 [edit]
まずはいろんな曲を知ろうとFMのクラシック番組のエアチェックを続ける。ビデオデッキに音声のみ、留守録機能を使って録り溜め、お気に入りをカセットにダビングしていった、VHSビデオデッキはカセットデッキなんかより優れ物でワウフラッターなど起きず、長時間録音できるので重宝した。やがて自分の好きな方向が定まってくる、しかし普通にレコード店に置いてあるものではない、昔は何ヵ月かかるか見当もつかない入荷を待っていた、特にアルヒーフ盤など;
相変わらず、わけもわからず外観的に気に入った曲を楽しんでいたが、少しずつ楽曲の形式をおよそ掴みながら聴くようになった。古典派のソナタ形式の曲などを軸に曲の構成に興味が湧いて、その分楽しめるようになった。
やがて自分でも何か演奏してみたいと思い、ギターを始めたが、主要なレパートリーが興味から外れたものが多く、バロックなどを本格的にやりたくてリュートに手をだす、子供と一緒に鍵盤も少し稽古した。楽器を習うからには和声なども齧ることになり、鑑賞の助けにもなった。
category: 複合話題
K.リヒター:J.S.バッハ カンタータ BWV51 
2015/01/10 Sat. 23:10 [edit]
リヒターは'60年前後にも一連のカンタータ録音をしていて、BWV51も、マリア・シュターダーがspを歌った旧盤があるのだが、再録音したのは、tpのP.ティボーを迎えてのことか、この作品はtpの名手が不可欠です。当時はゴットフリート・ライヒェのようなtpの達人が演奏したことでしょう。当盤のspはエディト・マティス。また新録音は旧盤のマルチ・マイクさながら、という感じじゃなく、自然な音場感のあるもの、各パートのバランスの良さは変らずです。
ソプラノ:エディト・マティス
トランペット:ピエール・ティボー
カール・リヒター指揮:ミュンヘン・バッハ管弦楽団
BWV51「全地よ、神にむかいて歓呼せよ」
1曲目、アリア「全地よ、神にむかいて歓呼せよ」からtpが活躍、ティボーのtpは明快でブリリアント、リヒターの演奏にはふさわしい、独唱にtp、弦楽がテーマを繰り返し重ねて行くコンチェルト風の形式。
2曲目、レチタティーヴォ「我らは宮にむかいて伏し拝む」、短調に変り、通奏低音のオスティナートにのせてレチタティーヴォが歌われる、後半はアリオーソ、
3曲目、アリア「いと高き者よ、汝の慈しみを」は前曲と同じく、イ短調で同じテーマを繰り返す通奏低音に自由な独唱旋律が見事に重ねられる。
4曲目、コラール「賛美と誉れ栄光」は2つのソロvlと通奏低音によるトリオに独唱がコラール旋律を歌う、このvlソロがまた美しい。
5曲目、前曲からアタッカで続くアリア「ハレルヤ」、フーガ形式だが厳密ではなく、独唱とtpの技巧的な要素を存分に盛り込み楽しませる。
BWV51は古楽のJ.E.ガーディナー、E.カークビー盤もお気に入りだが、リヒターによるスコアの全てをきっちり聴かせてくれる充足感は替え難い価値がある。
category: J.S.バッハ
カラヤン:ハイドン交響曲第101番「時計」 
2015/01/07 Wed. 21:22 [edit]
集中力を欠いてあまり聴けなかったが、手始めにカラヤンのハイドン「時計」、1971年EMI盤、昔FMでこの演奏を聴いて、第一楽章主部がプレストのテンポらしく、かなり速かったのを憶えていて、最近は分厚いオケ・サウンドでハイドンだのベートーヴェンだの聴き辛くなってきたところだが;のちのD.G盤よりカラヤンらしさの際立つ、ちょっと興味の湧いたLPです。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニーO
EMI 1971年
1971年、EMIの録音でD.G盤とは違ったサウンド、弦は幾分爽快だが、やや乾いた音とも言える。第一楽章序奏はゆっくり荘厳な感じに演奏、ただし最後はあまり伸ばさず、主部の急速なテンポへと繋ぐ、弱奏の開始に対し、総奏のボリュームが大きく、スケール感を出す。速いながらも可能な限りレガートに演奏、同時期にEMIに録音したモーツァルト交響曲と同質の演奏になっていて、スリリングであり流線的、J.カイルベルトとは対極の演奏と言える。第二楽章は平均的かややゆっくりテンポ、BPOの美音を十分に聴かせる。メヌエットはゆっくりめで壮大、D.G盤と同じだが、EMIは録音特性のせいかあまりゴツくさく響かない。終楽章は思ったほど速くはない、普通くらい、やはり総奏ではBPOフル編成のスケールでぶつけてくる。
B面には104番「ロンドン」が入っているが、こちらはVPOと英デッカに録音した旧盤のほうが録音含め充実している。まあ、これも"巨匠の時代"のハイドン演奏でしょう、面白味で言えばバーンスタインといい勝負かと。
category: F.J.ハイドン
W.サヴァリッシュ:ベートーヴェン 交響曲第7番 
2015/01/05 Mon. 00:07 [edit]
今日はW.サヴァリッシュ指揮、RCOの第7番、そんな期待に応えてくれそう。
ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮
ロイヤル・コンセルトヘボウO
1991年録音、コンセルトヘボウ・アムステルダム
第一楽章主部は初めて聴いた頃、flで始まるメロディックな主題が、あとで下段のように単純化されて力強く聴かせるのがベートーヴェンらしくていいと思った。
そして1st vlが第二主題を奏でる中、2nd vlとvaがなだれ下るパッセージを弾く、ここがしっかり聴きたい。
展開部で出てくるここのカノン、じつに引き付ける。
長い展開部は素晴らしいが、ここも2nd vlのトレモロが明快にキビキビと聴こえてほしい、満足させるのはスウィトナー盤と当サヴァリッシュ盤のみ。
クライマックス、弦楽がカノンしているところの管楽器群(flパートのみ抜粋表示)の動きが対等に響いてほしい。(ちなみにフリッチャイは管を強調させている)
挙げればきりがないが;さすがサヴァリッシュはきちんと聴かせてくれる。
第二楽章は感傷過多にならず、スケルツォも手堅くまとめる。
終楽章はあのK.ベームでさえ、ちょっとエキサイトするが、サヴァリッシュはあくまで凛然とまとめて終わる。
かつてサヴァリッシュを「外科医のようだ」と仰った評論家がいるそうだが、円熟期のこの時点では「聖職者」と言いたい気がする。
category: ベートーヴェン
弾き始め 
2015/01/03 Sat. 22:37 [edit]
Weissの‘L'Infidele 、久しぶりにこの楽器で弾いてみました。
やはり経年のおかげか枯れた響きで、弱音にも良い感じの倍音を含む感じです。低音も緩い弦ですが反応が良いです。今日は部屋の湿度が25%だから余計なのかも(笑)、おのずと弾き方も変わってきます。
最近、重宝しているのが消せるボールペンです、鉛筆よりハッキリ書けてきれいに消せる、色ペンで運指の書き込みが見やすい、まめに書き込むようになりました。
category: 演奏について
六角形の謎Ⅱ 
2015/01/03 Sat. 15:15 [edit]
ドリルの刃先が六角形をしていて、それが木材の抵抗を受け、弾みながら六角にハマる瞬間だけ削っているんじゃないかと推測し、刃先を確かめたら・・・
"五角"なんですね!?ますます解らん(笑)
category: 複合話題
C.アバド指揮:モーツァルト クラリネット協奏曲ほか 
2015/01/03 Sat. 00:11 [edit]
年末に聴きそびれた盤を順に聴いています。11月に聴いたC.アバド指揮、モーツァルトとハイドンのコンチェルトが素晴らしかったのでもう1枚、クラリネット、フルート、ファゴットの協奏曲、いずれもソロはモーツァルトOのメンバーです。期待どおりだろうと安心して聴く。
クラリネット:Alessandro Carbonare
フルート:Jacques Zoon
ファゴット:Guilhaume Santana
指揮:Claudio Abbado
Mozart Orchestra
1曲目はライヴのクラリネット協奏曲 K622
第一楽章はやや快速なテンポ、前奏は歯切れよく快活に始まる、オケ全体の音が透明感をもって溶け合う、Carbonareのクラリネットは高域の艶やかさと低域の豊かさ、弱音を余韻のように伸ばして止める、いわゆるクラリネットの魅力を申し分なく聴かせる、適宜装飾やフェルマータの所に挿入句を入れる。第二楽章は美しさの極み、ソロとオケ共にぐっと遠のいたような弱奏を効果的に使う、しかしこの楽章は別れを告げるような切なさがあって、あまり頻繁に聴けない。終楽章が快活でやや救われるが。
2曲目もライヴで、フルート協奏曲第2番 K314
開始は期待通り爽快、Zoonのflはノンヴィブラートで入り、最後に程よくヴィブラートをつける、楽器は木製のモダン・フルート、flトラベルソではクロスフィンガリングを多用する難しい曲だそうだが、鮮やかにこなせるのはモダン楽器の勝利か、この曲でも適宜装飾を聴かせる。第二楽章、バスを区切ってリズム感も聴かせる、flソロと弱奏で支えるバックはこの楽章の魂を掴んでいる。終楽章、速めのテンポだが、アバドらしい巧みなデュナーミクで味わい深く整える。ロンド形式の中でフルートは即興的な挿入句も入れる。
3曲目はセッション録音のファゴット協奏曲 K191
ファゴットのためのコンチェルトと聞くと地味な先入観があるかもしれないが、これがじつに魅力な傑作。ファゴットはハイドンの協奏交響曲でもソロを担当したG.Santana、
第一楽章はハイドンに近いような健康的な楽しさの印象、18小節からのこの旋律(副主題か?)が印象的で良い、
これは始めとカデンツァの後の2回しか出てこない、こういう幸福な旋律はハイドンではよく出てきます。ファゴットの機能を万弁なく聴かせる凝ったソロパート、大きな跳躍を多用するのはモーツァルトらしい、オケパートの活用も聴き応えあり。第二楽章はvlに弱音器をつけ、これもハイドンの疾風怒涛期の緩抒楽章に似た静謐な響き、純粋で、切なくなるような要素はない。終楽章、ロンド主題はありふれた感じだが、ソロが入る間奏部は充実、ファゴットの技巧は申し分なく、バックのvl群がソロパートに置き替ったような部分も聴かせ、面白い。
コンチェルトのソロパートというのはよくよく聴けば、エチュードのパッセージみたいなのを延々聴くことになるが;出来が良ければいい曲になるんですね。
category: W.A.モーツァルト
六角形の謎 
2015/01/01 Thu. 21:39 [edit]
今年も気まぐれに書いていきます、気分の成り行きで書きかけたレビューを急遽変更したりしていますが、よろしくお付き合い下さい。
ホームセンターは元日も無休でやっているんですね。今日は息子の要望でこんな木工作をしました、オーディオ機をちょいと乗せる台座、極めて簡単な工作です。
こんな工作をしている方はお気づきかと思いますが、木ネジの頭を沈めるために、ドリルに面取り刃を付けて穴を広げますが、どうやってもこのように六角形に削れてしまうんです、決して円形にはならない?
これを見てふと思い出したのがこれ、
2006年、NASA探査機カッシーニ撮影
土星の北極に渦巻く六角形の嵐です、地球2個分の巨大な嵐の中に多数の小さな嵐が入れ子のように存在する、ボイジャー探査機による発見依頼ずっと存続している、なぜ六角形をしているのか、正確なメカニズムは不明とのこと、大気中にいくつかの定在波パターンが生じた結果という説もある。常に北極にあることから土星の自転は関係しているでしょうね、土星の風速は強いところで1800km/hになっている、この猛烈な風も当然関係しているでしょう。
面取り刃による六角形とはな~んも関係ないでしょうかね^^;あまりに似ているので・・ドリルが"回転"している、押し付ける力は"重力"に対応しているとは思いますが、ドリルの手ごたえに"一定の振動"も発生します。
円を充填していくと無限に六角形が拡がる
カーボンナノチューブ、六員環ネットワーク
正月早々、突拍子もない話でした(初笑)
category: 複合話題
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