いよいよファン君が動き出すということで、彼の知略が発揮されることを楽しみにしていましたが…。タイタニア 第12話 「エーメンタール潜入」 の感想です。
知略と言うほどでも無かったような。張りぼてを使った陽動は、ドイツの天才用兵家ロンメルの得意技で、伝統ある作戦ではあります。そういえば、ロンメルとファンは境遇が似ているかもしれません。元貴族のエリートが多いドイツ軍上層部にあって、中流家庭出身で若くして元帥になった彼は異色だったのですが、それにより上層部の嫉妬を買って失脚してしまったのでした。
アルセス邸襲撃は単に力押しで、アクションもショボイのでなんだかなぁと思いながら見ていましたが、ラストは引き込まれました。特にアルセスが鏡を見るシーンはなかなかの迫力。彼は、今後もわかりやすい敵役として活躍してくれそうです。
さて、これで1クール終わったわけですが、依然として盛り上がらない印象ですね。主役であるファンとジュスランの活躍が、ほとんど見られないからでしょうけれど。軍事や政治の描写もいまいち薄いように感じます。マイペースでやっているのかもしれませんが、1月から新番組がたくさん始まるので、切られないためにはここで盛り上げておくべきだったのでは。
僕としては、視聴はなるべく続けたいですが、感想は今後は定期的にではなく、何か動きがあったときに気が向いたら書こうと思います。
ファン君はどうやってタイタニアと戦う理由を見つけるのかなと思っていたのですが、なるほどこういうことですか。タイタニア 第10話 「エウリヤ崩壊」 の感想です。
ベルティエ元参謀長は、謀略が好きなタイプの軍人のようで、同じく謀略好きのイドリスとウマが合うようです。でも謀略に頼るのはどうなんだろう。
旧日本陸軍も、謀略が大好きでした。謀略で満州国を作って傀儡にし、さらに謀略で中国に戦争をしかけた。それによって当初は有利に事を運んだけれど、謀略であることはバレバレなので国際的な支持は得られず、結局は世界中を敵に回して戦争する羽目になったのでした。謀略は効果絶大なこともあるけれど、副作用もとても大きいのですよね。
ベルティエはリラを使ってファンを引っ張り出すという謀略を思いついたようだけれど、これがファンがタイタニアに敵対するキッカケになり、彼らは高いツケを払うことになる、という展開なのかなーと思っています。
ただ、ファンがリラにあそこまで拘る理由が、いまいちわからないですね。常に思い出の財布をもてあそんでいて、ずいぶんご執心のようですが、リラがしたことといえば、ファンの財布をスッたことと、ハニートラップを仕掛けてレジスタンスに引き入れようとしたことですよね。ファン君は、そういう酷い仕打ちに萌えるという属性なのでしょうか。なかなかマニアックだと言えます。
今回もリディアがちらっと登場。なにげに皆勤賞ではないのかな。海賊がどうの、手柄がどうのという生臭い話をしているときに、花を愛でることが「戦争よりは趣味が良い」としれっと言ってのけることが、彼女の役割なのでしょう。
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可愛くて頭が良くて行動力があるお姫様、となれば周囲が放っておかないでしょう。タイタニア 第9話 「小さな風」 の感想です。
イギリスのダイアナ妃を思い出しますが、彼女の全盛期はそれはすごい人気でした。彼女のおかげで親英感情がアップしたので、それだけでも政治的効果はすごくあったはずです。英国民をひとつにまとめる働きもしたでしょう。その後いろいろあってバッシングもあったけれど、最後まで愛され続けていたと思います。民衆はお姫様が大好きなんですね。
だからアジュマーンがリディアを見て、これは逸材かもしれないと思ったのは確実でしょう。可愛いお姫様というだけで価値があるのに、さらに行動力と頭の良さを備えているですから。世間知らずで怖いもの知らずということはあるにしても。
ジュスランがリディアの頼みを聞いてアジュマーンと交渉したのは、それを察したからでしょう。アジュマーンはきっとリディアの価値に気付いているから、多少の頼みは聞き入れるはず、と読んでいたはずです。
でもバルアミー君は、そんなジュスランを見て感服したようです。小さな国のために、自分の立場が不利になるようなことをするなんて素晴らしい、と。でもそれは買いかぶりですね。とんだお人よしです。
ジュスランとリディアが出合って交渉する場面は、緊張感があって良かったのでは。王族としての威厳を保とうとするリディアと、それに敬意を払いつつも自分の意思は通すジュスラン。短いシーンだったけれど、二人のそれぞれの性格と、頭の良さが表れていました。
ここだけ見ると一休みのようなエピソードでしたが、ナレーションによれば、リディアはタイタニアを変える人物なのですね。ジュスランとファンのストーリーにリディアがどうからんでくるのか、楽しみにしておきます。
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題名の通り、今後の展開のための「出会い」をお膳立てした回でした。タイタニア 第8話 「ふたつの出会い」 の感想です。
だから戦闘シーンはオマケですね。当たり前の結果すぎて書くことがありません。ファン君がとっとと逃げたのは面白ポイントでしたが。
ところで、CGは1話は悪くないかなと思ったのですが、その後劣化しています。例えば艦が撃たれるシーンで、1話では”折れ曲がる”などダメージ演出があってから爆散していましたが、今回は撃たれてもボーンと爆炎が上がるだけで、明らかに手抜き。タイタニア側は使いまわしばかりだし、お金が無いのでしょうか。あと、『正直じいさん号』のモデリングやレンダリングは何とかならないのかな。あえて80年代テイストなのか…
タイタニアは酷いね。エルビング王国はタイタニアの敗残兵を匿ったのに、褒めるどころか破産に追い詰めるとは無体な話です。ヒロインが人質という展開は銀河英雄伝説そのままですが、リディアは10歳だそうなので嫁じゃないのでしょう…。典型的な田中芳樹作品のヒロインで、強くて賢い女の子のようです。彼女がどうタイタニアを変えるのでしょうか。
ファン君はドクター・リーと盟友に。役者は揃いつつあるようですが、彼らは先ず何よりも、タイタニアと戦う理由を見つけることが必要でしょう。
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どんなに強力であっても、海賊が正規の軍隊と正面から戦うのは無理があるよなぁ。タイタニア 第7話 「流星の旗のもとに」 の感想です。
海賊が国家を超越した時代も、過去にはありました。例えばヴァイキングですね。彼らはヨーロッパ中を荒らしまわりましたが、特にイギリスは事実上ヴァイキングに占領されていて(ノルマン・コンクエスト)、今のイギリス王室や貴族はヴァイキングの末裔と言うことができます。でもそれが可能だったのは、当時のヨーロッパがいわゆる『中世の暗黒時代』で、政治も経済も軍隊もグダグダだったからでしょう。翻って流星旗軍の連中は、覇権の絶頂にあるタイタニアに対抗しようというのですから、ずいぶんハードルが高いと言えます。
要塞を占領することに成功したようですが、手薄な辺境の要塞を占領するのは難しくないのであって、難しいのはそれを維持することですよね。フォークランド紛争では、アルゼンチンはイギリス軍の守備するフォークランドをあっさりと占領しましたが、駆けつけてきたイギリスの先鋭部隊によってあっさり再占領されています。アルゼンチンのほうが地の利があり、兵力も多かったのに。そもそも海賊は拠点防衛が得意とは思えません。
ファン君が流星旗軍に加わることを辞退したのは、これらのことを百も承知だからでしょう。会議で反対意見を言っていたドクター・リー氏も同様です。でも主人公であるファン君としては、このまま傍観しているわけにも行かないでしょうから、次回どのように動くのが楽しみにしています。
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会戦そのものはあっけなかったですが、テュランジアの無能さとタイタニアの有能さを、鮮明に描きたかったということでしょう。タイタニア 第6話 「シラクサ星域会戦」 の感想です。
タイタニアに反旗を翻したからには、当然、周辺国との根回しも完了していて、反タイタニアの一斉蜂起をする準備が出来ていると思っていたのですが、そうではありませんでした。タイタニアの強硬姿勢に焦って、慌てて周辺国の協力をとりつけに走る始末。ちょっと考えられないような無能ぶりですが、『組織』ではこういうことはありえます。
ありえないような愚かな決定を、優秀な人がいるはずの『組織』が行ってしまうことはよくあるものです。日本政府や役所を見ていればわかりますし、会社や学校でも、組織が大きくなるとありがちなはず。『組織』というものはうまく運営しないと、とめどなくダメになり得るのです。
テュランジアの様子を見ると、三人のリーダー格がいて、特に誰がトップというのは無さそうです。これだけでもダメっぽい組織ですね。あの三人の背後にはぞれぞれの派閥があって、その間の根回しとか調整とか妥協とか紆余曲折を経て、意思決定が為されるのでしょう。そうして決まったものは、当初の目的を見失った意味不明なものになりがちで、しかも誰も責任を取らないということになります。老化して動脈硬化した組織です。
一方でタイタニア側は、アジュマーン藩王を頂点にしたシンプルで効率のよい組織のようです。4公爵は競い合って切磋琢磨していますが、、少なくともアリアバートとジュスランの間には横の連携がしっかりあり、アイデアを授けたりそれを受け入れたりする柔軟性もあります。実にステキ組織です。タイタニアにも長い歴史があるのに、こんな若々しい組織でいられるのは奇跡的と思えますが、厳しい実力主義の専制国家だから、というのはあるのでしょう。
しかし戦闘になると、些細なことでも戦況はひっくり返ります。テュランジア側にも一瞬だけチャンスがありました。ワイゲルト砲は威力絶大でしたが、アリアバート艦隊はその運用に不慣れだったのか、斉射後に陣形の乱れがあったようです。ワイズ中佐はそれを目ざとく見つけました。「最も大きな危険は勝利の瞬間にある」とナポレオンも言いましたが、『攻撃の限界点』を狙って反撃するのはセオリーです。
しかしテュランジア首脳部は、ワイゲルト砲の被害にパニックに陥っており、ワイズ中佐の進言を受け入れることはできませんでした。クラウゼヴィッツは「戦場は常に混乱しており、より混乱が少ないほうが勝つ」と言いました。アリアバート側も混乱していたが、テュランジア側のほうがさらに混乱していたということですね。
『暴虐な支配者 対 反乱勢力』という図式だけ見ると、支配者側が旧弊な体制で、反乱勢力が清新な組織、という印象を持ちますが、今回の話は、そんな単純な図式では無いことを示したいのでしょう。タイタニアのおかげでダメ組織が一掃されたとも言えます。でもそれが道義的に良いことなのかは別問題であり、この図式は銀河英雄伝説とも共通していますね。
ファン・ヒューリック君は今のところ、これといった信念の無い人のように見えるので、『民主主義の守護者』たる信念の塊だったヤン・ウェンリーのようには振舞わないでしょう。彼がどのように歴史に関わるのか楽しみです。
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国家間の軋轢と腹の読みあい。田中芳樹作品らしくなってきました。タイタニア 第5話 「憧れと、誇りと」 の感想です。
でもこれ、アニメオリジナルのエピソードのようですね。タイタニアが外からどう見られているかを表す、いいエピソードだと思えます。横暴な支配者として忌み嫌っている人々がいる一方で、有能で高貴な存在としてタイタニアを崇拝する人々もいるらしい。タイタニアにそんな資格があるのかと自問するジュスラン君も、らしくて良いです。
大公妃がなぜあの場で自殺したのかは、よくわかりません。自分がいると利用されるので、死んでタイタニアに尽くそうというヒロイズムからでしょうか。タイタニアとしては、彼女が死んで別の継承者が立てられるよりも、彼女が囚われていたほうがいろいろ利用できそうですが。
ともあれ、面白くなってきたと思います。次回は星間戦闘のようですし。アリアバートの汚名返上はあるでしょうか。
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ストーリーだけでなく、演出の間の取り方などもゆったりしていて、古いアニメを見ているような感じがあります。古い原作に合わせて敢えて古っぽくしているのかもしれません。まぁ、あまり急ぎすぎるとすぐに原作を使い果たしてしまいますね。2クール(26回)やるみたいですから。
原作は読んでいるのですが、覚えているのは1話ワイゲルト砲のところくらいで、他は綺麗サッパリ忘れています。つまり印象に残るようなストーリーでは無かったのだろうか?7都市物語とか灼熱の竜騎兵とかはもっと覚えているのですが。
おかげで新鮮な気持ちで見れています。でも地味な話ですよね。失業者のファン君はセコいレジスタンスに匿われる羽目になったようですが、獅子奮迅の活躍が見られるのでしょうか。あんまりそんな感じでも無いですが。
もう一方の主役であるはずのジュスランは、今のところ傍観者に徹しています。ジュスラン対ファンという構図にならないと面白くならないと思うのですが、それはいつのことでしょうか。銀英伝で冒頭からライバル対決があったのとは対照的な展開です。
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なぜ今更とは思いつつも、けっこう楽しく観られました。タイタニア 第1話 「ケルベロスの戦い」 の感想です。
原作既読なのですが、内容はほとんど忘れました。1巻が出たのは20年前なのですね… 銀河英雄伝説のヒットを受けて、似たような路線で書かれた作品ですが、作者もそれが嫌だったのか、3巻まで出して未完のまま放置されています。
それほど期待していなかったせいもあるでしょうけれど、全体的に良かったと思います。王宮のシーンは、タイタニアの破天荒さと、皇帝からも畏れられている様子がよく出ていました。
会戦シーンの映像はなかなかでは。あいかわらず艦の陣形が平面で表示されていて、「宇宙空間でこれは無いだろう」と思ったりしますが、立体的に表示されている映像もあったので、平面映像は陣形を指揮官に分かりやすく見せるため模式化したもの、と解釈するべきなのでしょう。
メカデザインは宮武一貴さんで、宇宙艦のデザインといえばこの人でしょう。 タイタニアとエウリアとで建艦思想に違いが見られて面白いです。
ワイゲルト砲で逆転する展開は覚えています。一種の機雷ですね。使い捨てのビーム兵器としては、かつて米軍が研究していた『核X線レーザー』があります。水爆が爆発するエネルギーを利用して一撃だけレーザーを撃つという乱暴な仕組みでしたが、モノにならなかったようで。そのあたりもアイデアの元ネタとしてあるのでしょう。
今のところは銀英伝のリメイクかと思うほど似ていますが、ここから原作のほうは会戦などのあまり無い、地味な展開になっていた気がします。いずれにしろ原作を大幅にいじる必要があるでしょうから、シリーズ構成の金巻兼一 氏の手腕に期待したいところです。
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