目白鍼灸院はがん専門の医療機関である帯津三敬病院と協力して鍼灸によるがん治療サポートをしています。
そのため、癌治療の一環として鍼灸治療を行う患者さんが多いのですが、癌治療中の患者さんから質問のメールをいただきました。
そのメールの内容は、おそらく多くの患者さんが抱くであろうものだったので、このブログで少し取り上げることにします。
質問①:癌の化学療法と鍼灸治療との関係について。
鍼灸治療は化学療法の代わりになるものなのか、それとも併用する治療法なのか?
私の答え:
鍼灸治療は、癌の西洋医学的な療法(化学療法・ホルモン療法・放射線療法など)と併用していくものです。
手術や抗がん剤・放射線などの副作用を軽減したり、免疫力を高める手助けをするのに、鍼灸治療はとても効果的だと考えています。
抗がん剤によっては消化管のダメージによる吐き気、食欲不振、便秘や下痢などに悩まされることが多く、これらの症状軽減にとくに効果的です。また、しびれや倦怠感、体力低下など幅広いケアを行います。
ご家庭で出来るお灸やローラー鍼などのセルフケアを覚えていただくとより効果的です。これらセルフケアの方法は症状や体質に合わせて指導します。
質問②:鍼灸治療は肌に傷をつけるので、癌の治療中には危険が大きいのではないか?
私の答え:
癌の治療中(化学療法・放射線療法など)は免疫力が著しく下がるので、確かに肌を傷つけるような治療は細心の注意が必要です。癌が治癒した場合でも、リンパ節を切除している場合、リンパ浮腫を発生させる危険性もあります。しかし、鍼はそっと肌に当てるだけでも効果があります。そのような鍼治療は皮下に刺しませんので、痛みも傷もできません。
灸治療の場合も同様で、肌に火傷をつくるような熱い灸だけが、お灸ではありません。ツボをやさしく暖めるような色々なタイプのお灸があります。
抗癌剤の種類によっては骨髄抑制と言われる白血球の低下も副作用として現れる場合があります。その場合でも出血を伴わないように子供用の刺さない鍼の道具や植物の種などを用いてツボ刺激を行ったり、また湯たんぽなどを利用して効果的にツボ刺激をするなど、患者さんの体調・病状、免疫状態に合わせた無理のない治療をします。
がんの患者さんの症例を多く診ているので、安心して治療を受けていただけると思います。
東洋医学は、まだあまり知られていない部分も多く、鍼灸で何ができるのか、どんな症状や病気に対して効果があるのか、患者さんにとって分かりにくいと思います。
がんの治療において鍼や灸によるサポートは最近さまざまな医療機関でも導入されてまいりました。抗癌剤の副作用を軽減する鍼灸治療や、癌性疼痛の鍼灸治療のエビデンスも日本だけでなく海外でも認められ、がんの治療における鍼灸は世界的な傾向になって行くものと思われます。
目白鍼灸院では、(癌の患者さんに限らず)患者さんの疑問に、出来る限り答えていくつもりです。御質問・御意見などありましたら、メールにてお答えいたします。
目白鍼灸院WEB・がんと鍼灸のページは
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