流産、死産、夫の裏切り、離婚を乗り超えて。 ●再婚(2014年~)
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※前回からの続きです。

【前回の記事】
感無量の、七五三。




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夫の体調がこの先どうなるのか、本当に癌ではないのか、
鬱が悪化したり長引いたりしないか…、
とにかく色々な事がグレーゾーンで、
命のこと、身体のこと、経済的なことなど
不安要素を挙げればキリがありませんでしたが、
全てがうまくいくと信じて前へ進んでいくことを決めました。


中でも大きな判断は、
胃癌が発覚する10日ほど前に契約書を交わしていたマンションのこと。
日に日に建設が進むそのマンションに、
近い将来自分たちが入居する日を夢見て、信じて…、
その新居に合わせた家具選びを始めることにしました。





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さて、今回の引っ越しを機に、
私たち家族はある大きな決断をしていました。
それは今使っている物は、家具も家電も全て処分すること。
新居に運び込む物は全て新品にすること。
断捨離ならぬ、全断捨です!


全捨離(ぜんしゃり)とは、
スピリチュアル研究科の櫻庭露樹さんが提唱されているもので、
家にあるモノの8割を手放すことが全捨離の定義となっています。
全捨離することの一番のメリットは
運気が良くなったり、波動が上がること。
人生が変わるそうです。






私たちにとって、全捨離するにはベストタイミングでした。
そもそもが再婚同士の私たち夫婦。
結婚当時、夫が所有していたマンションに
私が引っ越してくる形で新生活が始まりました。

その際に家の中にあった家具や家電は
夫が前妻との生活で使っていた物でした。
カーテンや食器、炊飯器など比較的小さな物は買い替えましたが
ダイニングテーブルやソファ、洗濯機、テレビ、冷蔵庫など、
大きな家具・家電を買い替えることはしませんでした。
例えば家具はカリモクなど、割とどれもが高級だったので、
貧乏性の私には捨て辛かったのもあります。

唯一、洗濯機だけは少し不快感があって、
夫から「気になるなら買い直そう」と言ってもらっていたけれど、
物に罪は無いし、全てが購入して数年しか経っておらず
新しくてまだまだ使える物であったので勿体なくも感じていて、
壊れたら買い替えようと思っていました。
(早く壊れろ、壊れろ…)と念じながら使っていたけれど、
結局しぶとく壊れなかったので、そのまま使う羽目に。笑




ただ、夫の胃癌事件(!)が起きてから、
スピリチュアルや運気についてより一層興味を持つようになり、
自分なりに勉強した結果、それがあまりよろしくないことを知りました。




物には記憶が宿るのだそうです。
物は、見てきたものを記憶しているのです。
そして、物は人と同様にエネルギーを発します。


よって、「過去」ではなく「今」を生きたいのであれば、
過去と繋がっている物は思い切って捨てる必要があるし、
低波動を放ってくる物も手放す必要がある、
ということに気付きました。



夫が前妻との結婚生活で使っていたもの、
意識せずとも見れば思わず過去を連想してしまう物は
夫のためにも、私のためにも、いさぎよく手放すことにしました。

ちょうどそのマンションに住んでから約10年での引っ越しとなり、
買い替え時期としてもタイミングが良かったです。





あまりに辛い事が続き、
夫も私も、心身ともに大ダメージを受けていました。
何もかもを捨てて、心機一転、新生活をスタートさせたい!
という気持ちが大きかったのです。




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2023.02.11
例の『今年叶えたいこと100
のリストが完成しつつあるのですが、その中の一つに



【夫の不調】カテゴリを完成させる





というのを挙げています。
今年こそ…、今年こそはUPし終えたいなぁと!




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※前回からの続きです。

【前回の記事】
幼稚園の、合否発表。





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* マンション購入
* マンション売却
* 幼稚園受験
* 七五三…、


夫に胃癌の疑いがかかったり、鬱を発症したのは
よりによって“人生における大きなイベント”を複数抱えている年でした。

その全てが私ひとりにのしかかってくるわけで、
正直苦しかったり逃げ出したくなることもありましたが、
それでも一つずつこなしていくしかありません。
ただひたすらポジティブなことだけを引き寄せようと
当時の私はずっと気を張っていました。
ネガティブな事をイメージしたら駄目だと自分に言い聞かせ、
苦しい時ほど無理やり笑うようにしていました。

そして実際に、状況は少しずつ、少しずつ、前へと進んでいました。
今日は娘の七五三のお話を書き残しておこうと思います。



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娘の七五三の前撮りをすることになりました。
もうこれは私にとっては、本当に特別なイベントでした



と言うのも2020年3月
夫に胃癌(ステージ4)の疑いがかかった時に、
ふと頭によぎったのが、この七五三のことでした。
お医者様から受けた説明や、自分なりに勉強して得た情報から、
おそらくはスキルス胃癌というもので、
その場合はあっと言う間に、それこそ『年』ではなく
『月』単位で亡くなってしまう可能性があることを覚悟していました。

夫は娘の七五三の晴れ姿を見ることが出来るのだろうか、
いや厳しいかもしれないなと、思いました。

抗がん剤治療が始まったら髪が抜けてしまうから
今のうちにもう前撮りを済ませてしまおうか、
でも万一コロナに感染してしまったらそれこそ治療が出来ないので
変に外部と接触しない方が良いのだろうか。
だけど夫に万一のことがあったら…
まだ2歳の娘に夫の記憶は残るのだろうか。
家族写真を撮っておいた方が良いのではないか。
最後の家族写真を…。

などと色々な思いが頭をめぐって、
悩み、迷い、苦しかったのを覚えています。
だけど結果的に私が下した決断は、前撮りを急ぐことはしないということ。
夫に奇跡が起きることを信じていたのだと思います。




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そんな日から半年以上が過ぎて…、


2020年10月、



私たち家族はフォトスタジオにいました。




娘の七五三の前撮りです。
感無量です!!
まさかこの日を家族3人で無事に迎えているなんて。

娘には申し訳ないけれど、娘の成長というよりは、
夫の生存の方に自分の気持ちがフォーカスされていました。
夫がきていて、今この場にいる、
という奇跡に感動と感謝の気持ちでいっぱいでした。


私たちにとっては、本当に本当に奇跡の家族写真でした。

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娘の成長を、ふたりで共に見守ることが出来るだなんて、
一度は諦めかけた未来だったけれど。

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この先どうなるかは分からないけれど…、
ひとまず夫は、娘の晴れ姿を見ることが叶ったのでした。

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さて、ここからはちょっとした失敗談を。
七五三の写真撮影の相場と言えば、どれくらいなのでしょうか。

我が家は、と言うか私が、なのですが…、
娘の七五三の時には夫はこの世にいないであろう、
と覚悟を決めていたので、
いざ奇跡が起き、家族写真が撮れるようになった!
ということで舞い上げってしまい、完全に金銭感覚が狂っておりました。

色んなプランがある中で選択したのは、
【前撮り+お詣り当日の衣装レンタル】のコース。
前撮りの時にもらえるデータ数によって金額が大きく異なり、
結果的に8万円くらいのコースで契約しました。

一応事前に3つのスタジオでサービスと料金の比較をし、
20万を超えるコースなんかもあったので、
自分の中では8万円のコースは「真ん中くらいで妥協した」
くらいの感覚だったのだけれど、後で周りの人に話したところ、
皆口をそろえて「高ーーーっ!」と驚いていたので、
確かに冷静になってみたら確かに高いよな、と。



当時の夫の医療費が高額だったり、
新築マンションの購入や幼稚園への入園費など、
大きな出費が続いていたので、
ちょっと金銭感覚が狂ってしまっていました。

後日、データや立派なアルバムが送られてきて、
ここまで写真要らなかったかも…と反省した私です。



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和装と洋装の両方で撮影してもらいました。
当時の娘(3歳)はさほど興味が無さそうだったので
衣装は私が選びました。笑


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慣れない場所で、慣れない衣装を身にまとって
慣れない人に囲まれて、慣れない写真撮影。
繊細な娘のことだから泣いたりして大変なことになるのでは…
と不安もあったのですが、スタッフの方々はプロですね!



娘は本当に楽しそうにはしゃいでいて、終始笑顔でした。

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何はともあれ、我が家にとってこれほどまでに
感慨深い家族写真は後にも先にも他には無いであろうと思います。
これらを見返す度に、当時の苦しみと喜びが入り混じったような
何とも複雑な思いがこみ上げてきます。




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2023.01.22
※前回からの続きです。

【前回の記事】
幼稚園の、合否発表。




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2020年8月

夫に胃癌(ステージ4)の疑いがかかった日から、
5ヶ月の月日が流れていました。



検査手術(腹腔鏡手術)まで受けたものの、
結局、胃癌と確定することは出来ず、
であれば血液の癌の可能性があるとのことで
消化器外科から血液内科へと回されたのですが
そこでも癌と確定することは出来ず、
かと言って100%健康であるとも言えず。



「これらの症状が出てきたら、改めて受診してください。」


と、いくつか危険な症状を説明されて経過観察に。


ひとまずは安心したものの、一方で
「ある日突然、説明された症状が出てくるかもしれない」
という漠然とした不安を抱えながらの日々。
加えて夫は死と向き合った恐怖からうつ病を発症し、
心療内科に通い始め、仕事も休職していた頃でした。


そんな2020年8月に、私たち夫婦の結婚記念日を迎えたのですが、
これには驚かされました!


夫からお花をプレゼントされたのです

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正直に言うと、
この頃の私は心身ともにあまりに過酷な日々が続いていたため、
結婚記念日の存在をスッカリ忘れておりました。

でも夫は覚えていてくれて、
私に何かをしてあげたいと計画してくれ、
それを実行してくれた。

何よりも誰よりもピンクが好きな私に、あえて黄色のブーケを選んだこと。
死産で亡くした息子(父親は、元夫)のことを想ってのことなのでしょう。



そして、こんなにも素敵なメッセージが添えられていました。

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夫婦なのだから、どちらかが弱っている時には
もう片方が踏ん張って支えるのは当たり前のこと。
何も特別なことなどしているつもりはなかったけれど、
改めてこんな風にお花と共に感謝されると、やっぱり嬉しいですね


仮にあの時に胃癌だと確定されていれば、
余命いくばくもないという状況だったにも関わらず、
夫は今、生きていて、無事にこの日を迎えられたこと。
きっと私たち夫婦にとって、
これほどまでに感慨深い結婚記念日は後にも先にも無いでしょう。


こんなにも素敵なサプライズを計画してくれていたなんて
きっとうつ病の治療も、良い方向に進んでいるのだろうと感じられ、
少しホっとしたりもしました。





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2022.12.17
※前回からの続きです。

【前回の記事】
幼稚園受験。





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娘の幼稚園の合否発表は、郵送でされるとのことでした。
配達日指定で届くそうですが
同日の午前中に園でも選考結果を張り出すので
希望者は見に行ってもOKとのこと。


待っていれば届くのだろうけど、
せっかくのイベント(?)なので、園まで見に行くことにしました!























合 格 していました




嬉しくて、嬉しくて、たまりませんでした。
さすがに娘はまだ何も状況を把握していないけれど
親としては娘にとって大切な幼児期を
是非この幼稚園で過ごさせていただきたいと強く願っていました。

そして万一ここに落ちてしまった場合、
もう他に行きたいと思える幼稚園が無かったので
安堵感でいっぱいになりました。

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ちなみに親子面接は、コロナ禍のためか
親は1名のみで良いということで、私が娘と2人で受けていました。
我が家としてはコロナに救われましたね…
この頃の夫はまだ鬱真っ只中で、表情も言動もまともとは言い難く、
もし彼も参加することになっていたら、結果は少し違ったかもしれません。



次から次へと災難に見舞われた我が家ですが、


少しずつ…、

一歩ずつ…、



良い方向に進んでいることを、
ちょっぴり実感出来た一日でもありました




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2022.11.24
※前回からの続きです。

【前回の記事】
娘の幼稚園探し。




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机上で情報収集を始めた時点から
我が家の教育方針に一番近い!と気に入っていた幼稚園は、
実際に見学に行き、在園児や先生方の何気ない姿に触れたことで
より一層、ここに娘を入園させたい!という気持ちが固まりました。



が、実際にお話をうかがってみると
どうやらそれは狭き門のようで。


と言うのも、『2歳児保育』から来られているご家庭が
優先的に入園出来るシステムだそうで、
私は勉強不足のためその辺の知識がなかったのだけど、
どうやらこの「優先入園」を目的として
この2歳児保育を利用される方が多いのだそう。

2歳児クラスの方はほぼ全員そのまま入園を希望されるので
残る募集枠はたったの3~5名ほどになることを知り、
あまりの少なさにショックを受けました…。



でも仕方ない!
気持ちを切り替えて受験の準備を始めました。
まずはペンを買いに行くところから初めて(笑)、
ドキドキしながら願書を仕上げ、
提出日に持って行って受験料も支払い完了!

選考方法は、親子面接と、
子供の行動観察と、先生方との簡単な会話から
総合的に判定されるとのこと。

とは言え、面接もそこまで大したことは聞かれない、
という噂をちらっと聞いたりしていたので
何の準備もせずに当日を迎えたのですが…
想像していた以上にガッツリと質問されたので













スクリーンショット (162)


私の脳内には、突如ダチョウ俱楽部が登場しました!笑
(あの頃はまだ竜ちゃん、ご存命だったのよね…。)





親への質問は2点。


① 最近、お子さんを褒めたエピソードを教えてください。

② お子さんが外でお友達と遊んでいて、
(わざとではなく)相手のお友達に怪我をさせられてしまいました。
その時にどのように対応するか教えてください。


2つ目の質問は、これはもう想定外も良いところ
頭の中がパニックでした!


でも全て、正直に答えました。
婚活もそうだと思うのだけど、
取り繕った自分を評価されたって、嬉しいのは一時的で
長い目で見れば結局自分が苦しくなる。

ありのままを話して、
それで「うちとは合わない」と思うのであれば、
落としていただいた方が、お互いのため。
ありのままの私たちを見て、判定してもらうのが一番だと思うので
素直な気持ちで答えました。



娘の行動観察(グループ)と先生との会話は
親とは離れて別室に連れて行かれて行われたので
そこで何がどのように行われたのかは、よく分かりません。

少なくとも親子面接での娘の受け答えは
特に問題無さそうだったので、これでもし不合格だった場合は
完全に私のせいだなとは思いました。





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2022.11.23
※前回からの続きです。

【前回の記事】
マルチタスク。




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私は決して教育熱心な母でもないけれど、
幼児期というのはとても大切な期間なのだろうな、
という漠然とした考えがありました。

この時期の教育や体験、出会いが
人格形成において大きく影響すると思ったので
親として、娘が3年間通うことになる幼稚園選びは
責任の伴う作業でした。



子育ての先輩である友人から
「幼稚園選びはめちゃくちゃ大変だった!」
「奥さんがものすごく苦労していた!」
という話をよく聞いていたので覚悟はしていたけれど
やはり大変でしたねぇ…



何も知らないド素人なので、
まずは「幼稚園ってどれくらい費用がかかるの?」
という勉強からスタート
幼児教育無償化と聞いたことはあるけれど、
本当に自己負担ゼロなの?!というところからの勉強でした。笑

結論として、自己負担はゼロではありません!笑
無償となるのは保育料のみ(上限額あり)。
例えば給食費、送迎費、制服・教材費、PTA会費、行事費などは自己負担。
ちなみに私立は公立の2、4倍くらいの費用になるそうです。


うちは都会に比べると私立幼稚園の数もさほど多くないので
まだマシなのだろうとは思うけれど、
それでも幼稚園の特色が我が家の教育方針と一致しているのか、
という研究から始まり、
園バスの有無、お弁当or給食など、
親の負担面まで考慮して総合的に考え、
最終的に1つの園に絞るというのはなかなか大変でした。
私の場合はよりによって、夫を支えながらの園探しだったので



そんな中でも、ある1つの幼稚園が我が家に一番合っていると感じ、
保育見学を申し込みました。
この頃の夫は、まだ人と会ったり話すことが苦痛でしたが
娘の人生がかかったイベントなので
無理をして一緒に参加してくれることになりました。

見学に行き、私の気持ちは固まりました!
と言うのも、想像以上の園で感動すら覚えたのです。
当日触れ合った園児たちがみな姿勢良く座り、
とてもお行儀が良かったこと、
それでいて笑顔でのびのびと楽しそうに過ごしている姿を見て、
「遊び」と「学び」のバランスが良い環境だと感じました。

またどの先生方も温かく優しい雰囲気が印象的で
この後も何度か訪れたのですが、
訪れる度にどんどんこの園を好きになって行きました。
娘の大切な幼児期を、ぜひともこの幼稚園で過ごさせてやりたい!!
そんな気持ちでいっぱいになりました。


夫も同じ気持ちだと言っていたけれど、
後から聞いたら見学に行った頃のことはよく覚えていないそうです。
確かに夫は表情が死んでいました…。
先生方が夫に話しかけてくれていましたが
普段は温和でコミュニケーションスキルも高いはずの夫が
終始無表情で、「はい」とか一言の返事をするのが精一杯。
言葉のキャッチボールが出来ていなかったです。

もちろん先生方は夫が鬱を患って治療中である、
という事情などご存知ではないので
ただの感じの悪い父親にうつっているのではないか、
受験の合否に影響しないかと、少し不安になったくらいでした。







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2022.11.12

※前回からの続きです。

【前回の記事】
抗うつ剤の、効果。




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2020年は怒涛の一年でした。
幸せな未来を想像して、マンション購入を決意したのが2月のこと。
いくつものモデルルームを見て回り、
その中から予算オーバーながらも気に入った一軒にしぼり、
「仕事を頑張るモチベーションになる!」と、
夫が意気揚々と契約書にサインしたのは3月。

そしてそのたった10日後に…、




まさかの胃癌の疑い…。
幸せの絶頂から地獄に突き落とされたような気持ちでした。


ステージ4でもう手術も出来なくて、おそらくはスキルス胃癌のため
数ヶ月であっという間に亡くなってしまうだろうこと、
1年後に完成予定で建設が進んでいるこのマンションの完成も、
夫は見届けることが出来ないのだろうと、
本人には言わないものの、私は内心覚悟していたのでした。


いやもはやマンションの完成云々よりも、
夫の身体がこうなった以上、契約すらが白紙に戻り、
ここに住むのは憧れで終わってしまうのだろうと諦めかけていた時に、
まさかの奇跡が起きて、胃癌の疑いがほぼ消える!

今後の経過観察が必要だったり、
悪性リンパ種など、胃ではなく血液の癌の疑いは若干残るものの、
ひとまず命がどうこうという話ではなくなり、
一度は諦めかけたマンション購入を、
諦めずに済むのだと喜んでいたのも束の間。





今度は心療内科に通い、鬱の診断を受け、
抗うつ剤を処方されている以上、



【うつ病だと住宅ローンの審査通過が難しい】



という現実と向き合わねばならなくなりました。




と言うのも、団体信用生命保険に加入できないことが原因です。
住宅ローンを利用するためには、団体信用生命保険に加入する必要があります。
この団体信用生命保険とは、
債務者が亡くなったときにローン残債がなくなる仕組み。
団体信用生命保険に加入していなければ
金融機関側が債務を回収できなくなるので、
住宅ローンを組む人は加入必須とされています。

しかし、うつ病の場合は健康状態のチェックで引っかかってしまうため、
団体信用生命保険に加入することができず、
結果的に住宅ローンの審査に通りづらくなる、というわけです。




夫の命はひとまずは助かったものの、
今度は資金面(住宅ローン)の問題で
購入を断念しなければならない可能性が出て来ました。



マンション購入の契約者は夫なので、
不動産会社の営業担当者からの連絡は全て夫に来ていましたが、
胃癌の疑いがかかったり、その後に鬱を患ったり、
次々と問題が降りかかるなかで、今後契約がどうなるのかという話を
夫本人にするのは酷だろうということで
担当者からの連絡は全て私が引き受けることとなりました。


この頃の夫には、マンションのことを考えたり
大きな決断を下す、ということは難しかったです。
私としても、何の不安も抱えずに治療に専念してほしかったので
一人で対応してきました。



このまま購入できるのか、それとも諦めざるを得ないのか、
大きな問題がずっと宙ぶらりんな状態で、


オプション申し込み、
インテリア相談会、
住宅ローン申し込みなど、


本来ならばワクワクするようなイベントのはずなのに、
次々と色々な締め切りに追われて、精神的に辛かったです。


今後もし、胃癌の疑いが再発したり、
胃癌ではないにしろ血液の癌だと確定診断されれば、
仕事を休むことが増えたり、治療費だって必要になってくるでしょう。
仮に購入が可能だったとしても、
そもそも予算オーバーだったこの物件は諦めた方が良いのでは、
という迷いもあったりしました。

それらを全て、ひとりで抱え込む辛さ…。
そしてその辛さを隠して、夫と子の前では笑顔で暮らす苦しさ。
本当の自分を見失ってしまいそうな、
そんなギリギリのところで生きていました。



この時、すでにマンションは完売していました。
夫の状態次第では、我が家の分の1戸だけがキャンセルになり、
また買い手を探さなければならない。
私も辛かったけれど、営業さんからしても
非常に手のかかるお客だったことと思います。




:::::

ちなみにネットで検索してみても、
うつ病の方は住宅購入を断念されているケースが多いようでした。
とは言え、ネットは偏った情報を拾いやすいので話半分で見ていましたが、
外資系保険会社のセールスマンをしている友人がいるため
今の状況を話して相談してみたところ、
やはり保険加入は厳しい(=住宅ローンの審査に通らない)のではないか、
という回答でした。


ネガティブな事がたくさん起きる中で、
(病気ゆえ)ネガティブな人と一緒に暮らしながら、
前向きな気持ちでい続けることの難しさ…。

私は元々、強い人間ではありません。
HSPという気質もあり人一倍繊細で、ストレス耐性も低いです。
守るべきものがないと、とっくに駄目になっていたと思います。
夫や娘のために、私まで壊れてしまってはいけない、
その一心で踏ん張っていました。








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2022.11.06
※前回からの続きです。

【前回の記事】
支える側の、辛さ。




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クリニックで処方された薬を飲んでも、
夫の状態はなかなか改善されませんでした。

副作用がマイルドで中止もしやすいお薬なので
仕方がないことかもしれませんが、
現状、とても辛くて1日でも早く楽になりたかった私たちは、
とてもガッカリしてしまいました。



結局、しばらく飲み続けながら様子を見たものの
あまり変化がなかったため、薬の量を増やすことになってしまいました。

ちなみに私は最初だけ診察室にも一緒に入ったけれど、
2回目からは病院までは付き添って、
(↑ひとりで車の運転をさせるのが不安だったので)
診察中は近所のお店で時間をつぶし、
夫にはひとりで受診してもらうようにしました。
カウンセリングなのでね、私がいない方が自由に話せて良いかなと。


なので薬の処方に関しては
直接先生のお話を聞いたわけではなくて
夫から簡単な報告を聞くだけだったので詳細は把握していないのですが
飲む種類や量が増えたり、減らしたり…、
そんなことの繰り返しだったと記憶しています。







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2022.11.05
※前回からの続きです。

【前回の記事】
癌と鬱。






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心療内科に通うことになった夫との生活は、きつかった。
仕事も休職することになったので、24時間一緒。
病気がそうさせているのだから仕方ないけれど、
言動がおかしいので見ていて怖いし、
元々『ひとりの時間』が無いと無理な私にとってはまるで拷問。
(同じHSPの方なら分かっていただけるかと…)

3歳児の育児だけでもへとへとなのに、
家事もこなしつつ(夫が1日家にいることで料理の負担も増える…)、
鬱を患った夫を支え、励まし続ける生活は本当にきつかった。


立場上、私が不安な顔をしちゃいけないと思ったので
「大丈夫だよー」「絶対大丈夫だよー」って、
夫の前ではずっと笑顔を絶やさなかった。
ネガティブな言葉は発言しないように努めた。
本当はしんどくて苦しくて、
少しでも気を緩めたら今にも泣いてしまいそうなのに、
ずっと無理をしていました。




変な言い方だけれど、闘病生活は病を患っている人が主役。
いやそれはもちろんその通りで何も間違っていないのだけれど、
だけどね、実はそれを支える側にも結構な辛さがあって、
そしてそのことに周りは案外気に留めてくれないのだと
今回の体験を通じて感じたわけです。

夫は「辛い」って弱音をはける。
私にも言えるし、クリニックの先生にも相談出来る。
実際、クリニックに行くと少し心が楽になるらしい。
義実家に行けば、義父母は夫に声をかける。
「しんどいね。」「無理しなくて良いよ。」「ゆっくりで良いよ。」って。


夫を支えている私にも、また違った苦しみがあって
毎日本当に限界ギリギリのところで踏ん張っているのに、
皆が気に掛けるのは夫ばかりで、
私のそんな苦しみは完全にスルーされているようで
表現しようのない虚しさが込み上げてきたのを覚えています。






そんな中で、




私にこんな言葉をかけてくれた人がいた。






「辛いのに、まゆりんこは本当に頑張ってるね。

ありがとう。本当にありがとう。

〇〇くん(夫の名前)のために頑張ってくれて、本当にありがとうね。」







実家の母です。私の母。
セリフだけ見ると、一見義母のセリフのように感じるけれど、
そうではなくて私の母が言ってくれました。

コロナ禍でなかなか会えない分、余計な心配をかけたくないから、
実家の両親にもLINEや電話上で明るく振る舞っていたけれど
やっぱり母にはお見通しなのだなぁ…。




夫のために頑張ってくれてありがとうの一言にグっときた。
私のことも、夫のことも、
両方を大切に想ってくれていることが伝わってきて嬉しかった。



母があの時、


この言葉をかけてくれたことは


一生忘れない。








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2022.11.02

※前回からの続きです。

【前回の記事】
心療内科で、お薬が処方される。





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胃癌(ステージ4)の疑いがかかり、しかももう手術も出来ない状態。


5年生存率7、3%


それはつまり同じステージの患者が100人いるなかで、
5年後に生存している人はたったの約7人ということ。
極めて厳しい現実を突きつけられ、
医師から『セカンドライフ』という言葉が出るなど
を意識せざるを得なくなった状況で、
夫は心のバランスを崩してしまいました。


癌患者と、鬱。
自分なりに調べたところその関係性は密接で、
夫の身に起きたことが決して珍しいことではない、と知りました。





奇跡的に、本当に医者にも理解できないほどの奇跡が起きて、
急に胃癌の疑いがほぼ消える、
という嬉しい結果になったのは良かったけれど、
今度は心の病と闘うことになった私たち。

その頃の生活は本当に苦しくて辛くて、正直もう思い出したくありません。
胃癌の恐怖と戦う日々も相当辛かったけれど、
鬱を発症した夫を支える日々も、これまた壮絶でした…。



夫は不眠に悩み、
それまで好きだったはずの読書や映画鑑賞、
釣りなどにも全く無関心になり、ただ時間が過ぎるのを待つだけの日々。
1日がとても長く、苦痛だと。

心身の健康のために少しくらい運動をした方が良いだろうと
散歩に出掛けることもあったけれど
家で待つ私は、本当にちゃんと帰って来るのか、
毎回不安でたまりませんでした。
(どこかで良からぬことを考えて、もう二度と帰ってこないのでは、
という心配があったので。)

夜に眠れないのでお昼に仮眠をとることもあったけれど、
夫がひとりで部屋にこもる時には
ベルトや細いひもなど、首をしめるのに使えそうな物は
ひそかに片っ端から部屋から撤去したりもしていました。

大袈裟でもなんでもなく、
それがいつ実際に起きてもおかしくないくらいに
夫は毎日思いつめた表情でいたのです。






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2022.10.31