総勢9名の生誕100年大集合 生誕記念17名出陣 若き日の苦く青臭き思い出の連鎖が自己を形成する映画人生たち
総勢9名の生誕100年大集合 生誕記念17名出陣 若き日の苦く青臭き思い出の連鎖が自己を形成する映画人生たち
先人たちへの感謝の意思を持つ機会の一つが生誕の記念特集です。
無知だからという己の知識不足を武器にして、歴史や過去は関係ないとか、頭のぶっとんだとんでもないギザギザナイフの先輩後輩たちも存在します。
現在の日本に映画大手4社が存在していることは、先人たちの形成の尽力や、最盛期の形成、引き継いできた蓄積のおかげです。他国には大手映画さえない国が膨大に存在しています。
現在も大手4社以上がある国は日本とアメリカくらいだという現実があっても、日本をアメリカと比べ貶めて、外国ばかりを素晴らしいと誇張して、日本はレベルが低いなどと馬鹿にする連中がいることに驚かされます。日本は日本のやり方、アメリカはアメリカのやり方がある。日本を貶める意味で比較することは時に危険です。
無理に誇り過ぎることは危険ですが
「実は日本映画って本当に凄いんです」
少なくとも過去においては、日本に居ながら、日本映画の歴代上位になることは、そのまま世界上位であった。
大手部分に戻りますが、例えば抗日映画(=日本人が敵として登場する許せない反日映画)の多い韓国は、大手映画会社さえない文化レベルが乏しい国です。日本のように民主主義的に民間であるべきが、共産主義的に政治の国策プロパガンダで外国にエンタメを無理矢理ゴリ押ししている恥な連中がこの大手が1社もない悲しい韓国です。この時点で日本と同じように比較することがおかしいわけですが、わからないのは旧統一教会信者そのものの韓国信者です。
これらを知るだけでも、ほとんどの外国では当たり前ではないことが、日本では当たり前であることに、少しは感謝が生まれてきます。靖国神社が近所だからという理由で、普通に参拝する習慣と似ているかもしれません。
その感謝は、名の知れぬ裏方の方々の泥を飲むような努力と蓄積の上に成り立っていることを忘れてはなりませんし、大手や小規模含む数多くの映画会社、名作・秀作・ヒット作たち、これらを中央の目立つ部分で支えた著名な映画人たちが存在は後世に伝えるべきわかりやすい要素です。
無名な方々への感謝もありますが、その無名な方々が支えてきた著名人たちの名前を引き継ぐことも無名な方々の活動に感謝する機会になります。
前回記事
ライバルドイツに響いた「あの日の声」勢が伝える今の声 知られざる両輪60年越えの歴代大驚異・高倉健から北大路欣也 犬役のライオン髭は何故に文化功労者
総勢9名の生誕100年大集合 若き日の苦き思い出の連鎖が自己を形成する映画人生たち
2024年は多くの映画関係者たちが
生誕や没後などの記念年を迎えています。
その主な人物たちに”独自な取り上げ方”で迫ります。
一部の外国人を除いては日本を支えた映画人たちです。
<2024年に映画系の生誕の特集が行われた主な17名の重要人物と主な関連情報情報>
石井輝男 生誕100年 映画監督(巨匠) 中規模 東映チャンネル 1、2月 13本
岡本喜八 生誕100年 映画監督(名匠) 小規模 WOWOW 2月 5本
淡島千景 生誕100年 名俳優、元宝塚歴代上位の俳優 小規模 東映チャンネル 2月 3本
岡田茂 生誕100年 名映画製作者、東映2代目社長、日本映画界の会長 大規模 東映チャンネル 3月 15本
☆高峰秀子 生誕100年 名俳優 大規模 衛星劇場、BS松竹東急 3、4月 19本
高田宏治 生誕90年 名脚本家 小規模 東映チャンネル 4月 数本のみ
近衛十四郎 生誕110年 時代劇スター、時代劇助演 小規模 東映チャンネル 4月 数本のみ
笠智衆 生誕120年 助演系の名俳優 中規模 日本映画専門チャンネル、衛星劇場、東映チャンネル 5月 映画8本、テレビ含むと10本越え
渡瀬恒彦 生誕80年 スター俳優 大規模 東映チャンネル 7、8月 18本
中島貞夫 生誕90年 映画監督(巨匠)、大学教授 中規模 東映チャンネル 8月 9本
降旗康男 生誕90年 映画監督(巨匠) 小規模 東映チャンネル 7本
マルチェロ・マストロヤンニ 生誕100年 イタリアの国民俳優 小規模 WOWOW 5本
☆乙羽信子 生誕100年 名俳優、元宝塚歴代上位の俳優 大規模 衛星劇場、東映チャンネル、新東宝チャンネル 9、10月 15本
榎本健一 生誕120年 国民的喜劇俳優 小規模 東映チャンネル 新東宝チャンネル 10月 3本
力道山 生誕100年 力士、プロレスラー、国民的人気のスポーツ選手 小規模 衛星劇場 11月 3本
石原裕次郎 生誕90年 国民的映画大スター&名歌手 小規模(映画としては) チャンネルNECO 12月 5本 ホームドラマチャンネルはテレビドラマのみ *記事公開時点の情報
☆鶴田浩二 生誕100年 国民的映画大スター&名歌手 大規模 東映チャンネル(12月10本~2025年3月の4ヵ月 計本数?) 日本映画専門チャンネル(同12~1月) 4本 最低44本本越え? 新東宝チャンネル? *記事公開時点の情報
*上から映画が放送された生誕記念の放送月順
*12月の情報の更新次第では追加で情報を更新予定 ・最初の更新は12月1日、2度目12月3日
*別月に及ぶ再放送は含みません。例えば岡本喜八の生誕100年の2月でしたが、3月に再放送がされています。
上記16名のうち、生誕100年は、石井輝男、岡本喜八、淡島千景、岡田茂、高峰秀子、マルチェロ・マストロヤンニ、乙羽信子、力道山、鶴田浩二の9名です。
石井輝男 岡本喜八 淡島千景 岡田茂 高峰秀子 マルチェロ・マストロヤンニ 乙羽信子 力道山 鶴田浩二
他の上記の17名に含まれていない生誕記念系 里見浩太朗 赤木春恵 古賀政男
他の上記の17名に含まれていない生誕記念系は、里見浩太朗(国民的時代劇スター)は11月に生誕90年、赤木春恵(テレビや映画の助演の名女優)は生誕100年、古賀政男(国民的作曲家、映画でも複数代表作)の生誕120年です。
国民的時代劇スター里見浩太朗の生誕特集は、11月から12月にかけて時代劇専門チャンネルのみで、テレビドラマと12月に特番が放送、生誕記念として映画が含まれていないため、上記に含んでいません。石原裕次郎と里見は同い年、裕次郎が1980年代に50代前半で亡くなったため、意外に感じる方がいるかもしれません。それは里見浩太朗が、なんと70年近くの長期間の活動を続けているという証です。
赤木春恵は、映画最盛期は全てが脇役や端役(戦前含むと300本以上の出演)のため、映画としての特集が組みにくい現実が大きく、「徹子の部屋」の生誕100年特集で数分の生前の映像が流れたのみです。
古賀政男(その曲は「古賀メロディー」ともいわれる言葉が定着)は、BS放送で2時間の特番が放送されていますが、テレビ系の映画の生誕特集は無いようです。
里見浩太朗 赤木春恵 古賀政男 古賀メロディー 徹子の部屋
<石井輝男編>
戦後の日本映画上位の観客動員監督の一人の娯楽の巨匠・石井輝男の場合は、CS放送の衛星劇場の「新・監督は語る「石井輝男」」が放送され、個人的にも録画して視聴、映画に関わり始めた頃の東宝時代のことを話していたのが印象的です。インタビューの冒頭に、戦後直後の東宝時代の話をしていますが、彼はかなり東宝に苦い思い出があるようで、それは有名な東宝の労働争議(東宝争議)の時に東宝の重役たちから「こんなこと(労働争議)やめろ、お前たち左翼だろ」などの趣旨の厳しい差別的な言葉(罵声)を浴びせられたようで、これが映画人生において大きな出来事だったようです。監督数85本越えの戦後デビュー監督上位の多作も、この苦しみや青く苦い記憶が実現に招いたはずです。
番組データリンク
新・監督は語る「石井輝男」
石井輝男 新・監督は語る 東宝の労働争議 東宝争議 衛星劇場
その後、新東宝、そして東映の流れですが、左翼映画を撮ることはなく、常に娯楽映画を撮り続けるポリシーを貫いたように思えます。彼なりの若き日の苦い思い出の連鎖が、新東宝時代の「スーパージャイアンツシリーズ」や東映時代の「網走番外地シリーズ」など映画人生を形成してきたのだと、映画のみだとなかなかわかり知れない部分を感じさせてくれました。
甦るヒーローライブラリー 第31集 劇場版 スーパージャイアンツ コレクターズDVD<HDリマスター版> [ 宇津井健 ]
日本の特撮映画の歴史に一役買った「スーパージャイアンツシリーズ」、石井監督は全9本のうち、1本目から6本目までの大半を手がけました。
<岡本喜八編>
>名匠・岡本喜八の生誕100年がWOWOWの5本のみとかなり小規模でした。現在も比較的ファンの多い監督ですが、生誕100年という節目の割には小規模に感じ、彼が活躍した東宝も関与している日本映画専門が無視していたことに驚かされました。以前の同チャンネルの特集時に以前の特集時のインタビューに、監督の妻と娘が登場したことを思い出します。
これは生誕90年時よりも評価を落としたともいえます。岡本監督を名匠と捉えるか、巨匠と捉えるのか、個人的には名匠、その理由は監督数が40本に届かず(同東宝系の黒澤明の計31本、単独30本、共同1本よりは上)、もちろん秀作は10本を越していますが、明確な代表作が10本の到達していないからです。比較的監督数も評価になります。
岡本喜八 黒澤明 WOWOW
<岡田茂編>
>岡田茂の生誕100年は1か月に集中的に膨大な15本を放送するという東映チャンネルとしても珍しい特集でした。晩年の日本アカデミー賞の会長を長年務めるなどの複数の理由から日本映画界のドンともいわれました。放送された映画は1950『きけ、わだつみの声』など、東映が大映の配給を受けていた戦後直後の東横映画時代にさかのぼるため、国民3俳優の片岡千恵蔵や市川右太衛門、月形龍之介などの大俳優につながる東映の歴史そのものの評価を感じます。大川博初代社長死後の直後に、岡田と並んで東映の2代目社長候補でもあった片岡千恵蔵(本名・植木正義)を非常に尊敬していた複数のエピソードも有名です。千恵蔵が学歴を理由に、岡田に社長を譲った話は非常に有名です。
岡田茂
東映チャンネル きけ、わだつみの声 日本アカデミー賞の会長 日本映画界のドン 東横映画 片岡千恵蔵 市川右太衛門 月形龍之介
<淡島千景、乙羽信子編>
>淡島千景の生誕100年が非常に小規模だったことに驚きました。松竹の衛星劇場でも特集が行われるかと思いましたが、行われませんでした。たった3本ということに驚きました。逆に笠智衆の生誕120年が行われたことに驚きました。
本数はまったく10本に至りませんでしたが、映画最盛期の中心的な活動の松竹はもちろんですが、東映の出演も複数あり、映画界として、きちんと評価していこうという流れを感じさせてくれました。
乙羽信子がここまで大きく取り上げられたことに少々驚きました。夫の新藤兼人との名コンビの成功を強く重視した評価と考えられます。映画本数や巨匠・名匠数の多さは淡島千景のほうが格上なのですが、名コンビがないことが乙羽信子よりも弱く捉えられたものと考えられます。名コンビがある俳優は、日本の歴代でも人数が限られるためかなり限られてしまうため、映画本数や巨匠・名匠数以上に評価されるということの表れです。当たり前といえば当たり前なのですが、その当たり前がきちんと反映されたことに驚きました。
淡島千景 乙羽信子 新藤兼人
<高峰秀子編>
>高峰秀子の生誕100年の場合は生誕100年特集として以外の映画放送の日本映画専門チャンネルやWOWOWを含むと21本を確認しています。高峰秀子は、娯楽映画(俳優中心や大衆向け)は弱く、左翼系(監督主体のいわゆる作家物)の映画に大きく貢献した実力派系女優です。
高峰秀子
自身の書籍も知られ、娯楽作が弱い左翼系女優としての定着が強く、現在もマスコミが大好きな女優です。
特集はもっと幅の広い映画を放送するかと予想していましたが、そうではありませんでした。戦前の貴重な映画出演も多数あるため、レア映画は少なかった点は残念、生誕90年の特集時よりもレア度が落ちてしまったように思えます。
<高田宏治編>
高田宏治は、2024年11月時点、上記16名の生誕特集の中で唯一の存命の人物です。1934年〈昭和9年〉4月7日生まれの90歳、特集の際には本人の10分枠のインタビューが放送されていました。2024年11月時点の、日本の映画系脚本家として最上位に高齢で、日本の現役の映画脚本家の中で上位数選の実積を持つ大物脚本家、映画脚本数135本越えは存命の脚本家の最多です。
また『柳生武芸帳』シリーズ、『仁義なき戦い』シリーズ、『極道の妻たち』シリーズの脚本参加が自身のベスト3といえる代表作であり、存命トップの娯楽映画の脚本家です。
『遊撃/映画監督 中島貞夫』に、脚本家の倉本聰(存命のテレビドラマ系の脚本家の事実上のトップ)とともに登場、この映画は中島貞夫のみではなく、周囲の大物や人物を出番は少ないながらも知る貴重な機会となる映画です。
次の生誕100年は今回の90年以上に盛大に行われそうです。
高田宏治 柳生武芸帳 仁義なき戦い 極道の妻たち 遊撃/映画監督 中島貞夫 倉本聰
柳生武芸帳 片目の十兵衛 【DVD】
シリーズ全9本中の5本目の『柳生武芸帳 片目の十兵衛』です。脚本なので当然ですが、高田宏治の名前もちゃんとあります。↓の近衛十四郎が主演
柳生武芸帳 片目の十兵衛
<近衛十四郎編>
近衛十四郎の生誕110年は生誕100年の2014年に比較的大規模に特集を展開したため、かなり小さなものに留まりました。今回の110年よりは10年前の100年のほうが、誰がどう考えても重要な節目だからです。東映作品としても、新たな蔵出しがなかなかない部分も影響しているかもしれません。10年前も放送された自身の映画主演最大の代表作『柳生武芸帳』シリーズや連続テレビドラマ『月影兵庫』などの娯楽作品が放送されました。
近衛十四郎 月影兵庫
<笠智衆編>
全体的には助演俳優の笠智衆、軽く450本を越す映画出演、助演作中心に少なめな主演作を放送されました、日本映画専門チャンネルはNHKの長編ドラマなどのテレビドラマを放送していました。巨匠・小津安二郎監督のテレビ初の『父ありき 4Kデジタル修復版(2K放送)』などが放送、4Kデジタル修復版が初という意味です。
本数が15本には到達していないため、判断は分かれますが、中規模の判断。日本映画専門チャンネル、衛星劇場、東映チャンネルで放送され、チャンネル数としては大規模やそれに近いともいえます。
小津安二郎 父ありき 4Kデジタル修復版
<渡瀬恒彦編>
>渡瀬恒彦の生誕80年は東映チャンネルのみでしたが、40年ほどにわたるスター俳優でもあり、かなり大規模に放送されました。映画に留まらず、テレビドラマも含めた18本でした。20本越えの2024年の生誕特集本数のベスト3(鶴田浩二(2025年の推定本数含む)と高峰秀子の19本に次ぐ放送本数3位です。
渡瀬恒彦
そのダンディズムさから、特に中年女性に高い人気のあった俳優、映画とドラマでバランスの良い本数の代表作を残している俳優でした。テレビの主演作は突き抜けた大ヒットドラマはありませんでしたが、長年にあたって安定の視聴率を維持した俳優です。実は意外と少ないタイプの俳優です。萬屋錦之介(=中村錦之助、彼も映画とドラマでバランスの良い本数の代表作、互いは中心の現代劇と時代劇の違いはあるものの、東映の先輩と後輩、もちろんデビューがテレビ最盛期の時代と、年齢が若かったこともありますが、映画とドラマのバランスが比較的とれている人物でした。
それと渡瀬恒彦は72歳という現代の高齢化する芸能界の中でも、かなりの早めな死去に、驚かされた人物です。2024年死去の西田敏行は76歳、それでも早めな印象があるくらいです。
萬屋錦之介 中村錦之助 西田敏行
<降旗康男編>
降旗康男の場合も高田宏治と似ていますが、次の100年に備えた特集だったと言えるかもしれません。高倉健とのコンビ(日本映画上位の40年越え)でも知られる監督です。巨匠とみるか名匠とみるか、判断は少し分かれますが、東映チャンネルは巨匠と紹介していまいた。映画は計49本と、大台の50本に届かずに何とも惜しい監督数で、遺作が高倉健の遺作『あなたへ』のでなかったことが逆に惜しいことのように思えてきます。名コンビで有終の美とはいかなった現実・・・
生誕90年【降旗康男の美学】と題し、巨匠・降旗康男の生誕90年記念特集!の付け加えの説明でした。
放送7本のうち1985『魔の刻』[R15]が東映初放送でした。松田優作の映画や「あぶない刑事シリーズ」などが名プロデューサー黒澤満が製作を手掛け、岩下志麻、坂上忍、岡田裕介(岡田茂の息子、のちの東映社長)まどの出演しているレアめな映画です。
降旗康男 生誕90年【降旗康男の美学】 巨匠・降旗康男の生誕90年記念特集! 魔の刻 松田優作 あぶない刑事シリーズ 岩下志麻 坂上忍 岡田裕介
魔の刻 [ 岩下志麻 ]
<マルチェロ・マストロヤンニ編、Marcello Mastroianni>
WOWOWが外国映画のほうが強めなことが影響していますが、イタリア映画の歴史にもっとも貢献した俳優ともいえるマルチェロ・マストロヤンニの生誕100年の5本(名作『甘い生活』、『モン・パリ』など)を放送、個性のあるユーモアの演技の印象は強く、そこはミステリアスや家庭的、チャーミングな一面もありました。
それに、日本人の持つイタリア人男性のイメージの形成に良くも悪くも大きく貢献した俳優です。イタリア人が遊ぶ人で、女好きというイメージは、巨匠・フェデリコ・フェリーニとの名コンビの複数の名作の突き抜けた印象が一役は絡んでいるといえますし、フェリーニ映画は女性を多数はべらせたよな映像展開も多く、ハーレム要素も影響、そのイメージは最近の映画のみしかご存じない方は知るよしもありません。現実に女性が大好きで浮気話も有名、この女性好きの影響から、娘のキアラ・マストロヤンニに嫌われていたことも有名です
マルチェロ・マストロヤンニ 甘い生活 フェデリコ・フェリーニ モン・パリ キアラ・マストロヤンニ
1960年代の日本におけるイタリア映画の象徴的な俳優でもあります。当時のイタリア映画界と日本映画界を知らないと彼の印象を知る機会さえ少ないものだと考えられます。
<マルチェロ・マストロヤンニの生誕100年の5本の放送タイトル>
甘い生活
みんな元気
黒い瞳(1987)
ひきしお
モン・パリ
『みんな元気』、『黒い瞳(1987)』、『ひきしお』は、日本ではあまり多くは放送されていない映画で比較的レアでした。
みんな元気 黒い瞳(1987) ひきしお
モン・パリ [ カトリーヌ・ドヌーヴ ]
今回の生誕100年で放送された『モン・パリ』は、カトリーヌ・ドヌーヴとマルチェロ・マストロヤンニ主演作です。ヌーヴェルヴァーグの一人に数えられ、監督数の少ない名匠ジャック・ドゥミ(Jacques Demy)が監督の秀作です。彼の監督作の中で上位の代表作に含まれます。名匠級ですが、巨匠までには至りません。日本としては『シェルブールの雨傘』、『ロシュフォールの恋人たち』に次ぐ、事実上の3番目といえます。
日本でも評価されたミュージカル要素の『シェルブールの雨傘』がもっとも有名な監督、シェルブール~の好評を受けた『ロシュフォールの恋人たち』も上位の代表作です。カトリーヌ・ドヌーヴは2024年11月時点で1943年生まれの81歳、前回記事登場の北大路欣也と同い年、フランスの現役を代表する女優、俳優です。
カトリーヌ・ドヌーヴ ヌーヴェルヴァーグ ジャック・ドゥミ Jacques Demy
シェルブールの雨傘 ロシュフォールの恋人たち 北大路欣也
<榎本健一編>
榎本健一は生誕120年は国民的喜劇俳優でありながら、突き抜けた代表作や具体的な名作が少ないことの影響でしょう。主に3本とかなり小規模なものに留まりました。
東映チャンネルの2本のうち1956『宝島遠征』、『らくだの馬さん(1957)』が放送されましたが、どちらもあまり放送されていないレアめな映画、後作は国民的スター美空ひばりと比較的に少なめの共演作です。
榎本健一 宝島遠征 らくだの馬さん(1957) 美空ひばり
<力道山編>
>この中の映画人が中心だった以外では唯一、力士、プロレスラーで有名な力道山の生誕100年の特集が行われていました。国民的な人気を誇ったスポーツ系選手、実は在日朝鮮人なのですが、当時はあまり知られていませんでした。1970年代が全盛期の同朝鮮半島系の西城秀樹(20歳の時に帰化)とも通じる部分があるかと思いますが、子供たちの大半は彼が日本人だと思い込まされていました。テレビなどのマスコミの伝えないという罪は重いです。
力道山 在日朝鮮人 西城秀樹
美空ひばりが友情出演で一部にヒロイン的な役で出演の1955『力道山物語 怒涛の男』などが放送されました。
「力道山物語 怒涛の男」ポスター画像1
出演の最初のクレジットは、両名が同時に表記され、ひばりは(友情出演)の扱いです。
力道山は日本で活躍したスポーツ系の選手の中で最多ともいえる30本ほどの映画に出演(試合を撮影した記録映画(ドキュメンタリー映画概念やその一種))が多い
『力道山物語 怒涛の男』は、美空ひばりとの唯一の共演作のみに留まらず、国民的作曲家の古賀政男が製作に関与した珍しい映画です。
力道山物語 怒涛の男
【中古】力道山物語 怒涛の男 [DVD]
中古ですが、出回っている製品が少ないからでしょうか、DVDはかなりのプレミアム価格です。
「力道山物語 怒涛の男」画像2
<石原裕次郎編>
国民的映画スター&歌手の石原裕次郎の生誕90年企画は、11月末現時点で特集としての映画は放送されていませんでしたが、12月に情報jが更新され、日活系のCS放送局のチャンネルNECOで映画は5本が放送されます。
1950年代中盤から1960年代前半のいわゆる黄金の7年といわれる日本映画の最大の最盛期の主演映画の通算観客動員は最多(同時に現代劇最多)とされています。黄金の7年の2位が片岡千恵蔵(時代劇最多、トータルの観客動員は裕次郎よりも上)だと考えられます。
松竹系のホームドラマチャンネルは生誕90年として、「西部警察」や「大都会シリーズ」のテレビドラマ(助演出演と制作関与)が放送されおり、12月末(誕生日が12月28日)生まれだからです。また2025年の1月にかけてNHKなどのBSでも何らかの生誕90年特集が放送されるかもしれません。
チャンネルNECOの12月2日更新の記事と特集内容
【映画・チャンネルNECO×ホームドラマチャンネル コラボ企画】石原裕次郎 生誕90年特集
放送される5本は以前から放送されている映画ばかりに留まり、彼を知る人には新鮮さがなく、かなり薄塩な生誕90年の特集です。次の2034年の節目となる生誕100年はさらに盛大に行われることでしょう。
石原裕次郎 西部警察 大都会シリーズ チャンネルNECO ホームドラマチャンネル
<鶴田浩二編>
締めにふさわしいのが、国民的大スター鶴田浩二戦後の主演映画160本越えは、現存版含むと東映時代の大先輩の片岡千恵蔵と数本差で競り合いますが、戦後の世界1位の大記録に輝いています。
生誕100年企画としては2024でもっとも大規模です。東映チャンネルは12月~2025年3月の4ヵ月で放送予定、総本数不明、 日本映画専門チャンネルは2024年12から1月に4本、全体の総本数も現時点において不明ですが、最低20本以上と考えられます。この2チャンネル以外にも特集の可能性があります。
アメリカの2024年時点の現役上位の映画俳優のトム・クルーズも、彼の前では膝くらいの主演本数です。松竹時代にデビューしましたが、松竹で生誕100年特集がないことに驚きました。実は12月に松竹系のCSチャンネルの衛星劇場で『無法者の島』(貴重な未DVD化作品)が放送されますが、これは明確な生誕特集という形ではありません。
デビュー初期の松竹時代に高い人気を博した鶴田浩二ですが、2024年11月末時点の松竹系の生誕特集予定なし、”松竹が世に送り出した国民的映画スターなのに、松竹さんはなんて~どうして~こうも薄情なのだ!!”
感情的に物を言いましたが、松竹系の衛星劇場の『無法者の島』(現代劇、大映映画)の放送は、生誕100年特集に含まれないものですが、鶴田浩二の主演作であり、100年を祝うための映画放送だといえるものです。
鶴田浩二 トム・クルーズ 無法者の島
東映時代の映画のほとんどが1度は放送されているため、、初放送はあるのか、当然ながら製品未発売作はありますが、テレビドラマを含むレアタイトルは登場するのか、期待以上の予想外な展開に期待したいところです。
生誕100年【銀幕のスター・鶴田浩二 特集 Vol.1】 この東映チャンネルのリンクは12月中のみ、予告動画も視聴できます。
生誕100年【銀幕のスター・鶴田浩二 特集 Vol.1】
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2024/12/01 22:12 | 超大物俳優 | COMMENT(1) | TRACKBACK(0)