碍子の取替 と ジャンパ線取外し 送電線取替工事:まっくろクロスケ:SSブログ
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碍子の取替 と ジャンパ線取外し 送電線取替工事 [送電線]

写真の上のカーソルがの場合はクリックすると拡大します。
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前々記事で送電線のスペーサーの取外し工事を紹介しました。
その次の作業が下記の取替手順の中の③の「ジャンパ線取外し と 碍子の取替」です。本記事では赤色文字の③~⑥を紹介したいと思います。赤色文字以外の着色文字をクリックすると、その記事を表示いたします。
クリックすると拡大 送電線取替工事手順
 ① スパイラルロッドの取外し
 ② 4導体用スペーサーの取外し
  ジャンパ線取外し & 碍子の取替
  滑車の取付 
  2本送電線の連続化
クリックすると拡大  吊り下げ金具の取付
 ⑦ 4本の送電線の内2本の新旧交換
 ⑧ 2本送電線の連続化    と同じ
 ⑨ 滑車への送電線かけ換え と同じ
 ⑩ 4本の送電線の内2本の新旧交換
 ⑪ 吊り下げ金具の取外し
クリックすると拡大 ⑫ 碍子に送電線取り付け
 ⑬ 滑車の取外し
 ⑭ 4導体用スペーサーの取付
 ⑮ スパイラルロッドの取付
 ⑯ 点検(スパイラルロッドとスペーサー)
 ⑰ ジャンパ線の設置(プレハブジャンパ)
クリックすると拡大クリックすると拡大 他の送電線に関する記事
 〇 架空地線交換工事
 〇 取替工事期間中の春一番
 〇 中国の送電線

碍子(がいし)もジャンパ線も鉄塔に付属しているものです。つまり今回の作業は鉄塔および鉄塔近くの送電線での作業になります。
送電線用鉄塔には大別して耐張型鉄塔と懸垂型鉄塔があります。 耐張型鉄塔は電線の張力を鉄塔で受けるために、碍子(ガイシ)が水平に取り付けられています。一方、懸垂型鉄塔は重力と風の水平力を鉄塔で受けるタイプで、碍子はV型に取り付けられて送電線を吊り下げています。
耐張型鉄塔(左)では送電線は一旦切断されているので電気の通り道となるジャンパ線が碍子の下にぶら下っています。懸垂型鉄塔(右)では単に送電線を吊り下げているだけでジャンパ線はありません。そのような構造の違いがあることから送電線の取替工事では耐張型鉄塔の工事は複雑なのに対して、懸垂型鉄塔の工事はシンプルです。先ずは懸垂型鉄塔での工事から紹介していきたいと思います。
 耐張型鉄塔 24鉄塔 25鉄塔 28鉄塔 30鉄塔 31鉄塔 32鉄塔
 懸垂型鉄塔 26鉄塔 27鉄塔 29鉄塔
耐張型鉄塔(水平碍子)        懸垂型鉄塔(V型碍子)
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こちらはスパイラルロッドやスペーサーの取外し工事の写真を撮った2日後の写真です。鉄塔の右の一番上(上段)のV型碍子の取替工事が始まっています。
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同じ鉄塔の下から撮った写真です。中段にも2名の作業員の方が作業をしていることが分かりました。上段の送電線はすでに碍子と送電線が離れていました。
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こちらは上の写真の翌日に撮った2段目です。碍子は送電線から外され垂直になった状態でした。この写真を冒頭に使わさせてもらいました。左側が古い碍子ですが、右側はすでに新しい碍子が吊り下げられていました。古い碍子の端にはアークホーン(ループ状の金属)が付いているので新しい碍子と区別が出来ます。新しい碍子のアークホーンは全てが完成してから最後に取り付けられるようです。新旧の送電線を接続して4.1km引張って入れ替えるための滑車が、すでに4つ配置されています。
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上段の送電線はすでに新しい碍子がV型に設置され送電線の交換用の滑車も取り付けられていました。
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上の写真の11分後には中段の古い碍子の方は地上に下されて、下段の工事も進んでいました。この写真はクリックすると特別に大きく拡大するので、上段、中段、下段の工事の状況がよく分かると思います。
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下段部分を拡大いたしました。3本の碍子を見ることが出来ます。垂直に持ち上げられているのは古い碍子です。V型の左側が新しい碍子で、右側が古い碍子です。右側も新しい碍子に取り換えて滑車を取り付けると、新旧の送電線の入れ替え工事の準備工事は完了です。
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送電線の上に立って作業をしているところを拡大いたしました。
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ここからは耐張型鉄塔の碍子の取替工事を紹介します。こちらの写真は工事前の碍子とジャンパ線です。3本の碍子で送電線の張力を鉄塔に伝えていのす。碍子の下にぶら下っている4本の電線がジャンパ線です。1本の碍子は10個ごとに黒い碍子が入れられています。つまり1本の碍子気35個の碍子で作られていることが分かります。この35個の碍子て50万ボルト(500KV)の電圧をぜつえんしているのです。上のV型の懸垂型鉄塔の碍子も数えていただくと分かると思いますが35個です。
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同じタイプの碍子(ガイシ)の図をネットから転用させていただきました。これは 500kV 3連耐張装置(210kN懸垂がいし)と呼ばれるタイプです。この図でも1本35個の碍子で構成されています。
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この鉄塔では一番下である下段から工事が始まりました。始まったのは上の懸垂型鉄塔の工事の2日目でした。この時の時間は9時42分でした。
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55分後に分かりましたが、この作業の主に目的はジャンパ線の取外しでした。
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作業場所の拡大した写真を紹介します。
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次に写真を取りに来た時にはジャンパ線はすでに外されていました。この時の時間は10時37分なので最初に工事の写真を撮ってから55分後でした。9時から作業が始まったとすると開始から1時間37分以下で取り外されたことになります。結構早いです。
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上の段の工事も若干の時間差がありましたが並行して行われて3段のジャンパ線取外しは1日で終了いたしました。写真は中段で、時間は上の写真と同じ10時37分です。
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下段の碍子の取外し工事です。この写真は15時51分に撮ったものです。
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少し広い範囲の写真です。上の段はすでに新しい碍子に替わっていました。古い碍子は3本でしたが新しい碍子は2本でした。
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右側が古い碍子で、左側が3本であることが分かってもらえると思います。左側の上の2段はすでに2本タイプの新しい碍子に交換されています。3本から2本になったのは51年間(=2017年-1966年)の間に強度が上がったか、信頼性が上がったのではないかと思われます。
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3段共に新しい碍子に交換できました。上の写真の9日後の写真です。その間に他の鉄塔の工事も行ったのだと思います。
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これが新しい2本タイプの碍子です。まだ作業は終わっていません。新旧の送電線を入れ替えるための準備工事が残っているのです。古い送電線をワイヤーでつないで4.1kmの範囲を1本にする工事があるのです。
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最初に滑車を取り付けます。懸垂型鉄塔では1ケ所に4個の滑車を取り付けていますが、耐張型鉄塔では1ケ所に取り付ける滑車は2個なのです。耐張型鉄塔の両側の送電線は交換時でも2本は張力をかけておく必要があるので、2本は滑車に乗せて、2本は碍子につないでおく必要があるのです。
つまり4本を一緒に滑車に乗せることが出来ないので2個だけなのです。
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滑車が取り付けられた部分を拡大いたしました。まだワイヤーや電線は滑車には通されていません。
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次の作業の写真を紹介します。右と左で別の目的の作業をしています。左側は送電線の内2本にワイヤーをつなぎ4.1㎞を1本の送電線にする作業です。最初に説明した全体の作業手順の中の⑤の「2本送電線の連続化」です。
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その接続部分です。取り付けたり外したりが容易なようなジョイントになっているようです。
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右側の作業は吊り下げ金具を通しているのです。4本の送電線の内2本ずつ入れ替えますが入れ替えのために移動する送電線を碍子につないだ送電線で吊り下げるための金具を取り付けているのです。これが⑥の「吊り下げ金具の取付」です。ロープが1本張ってありますが、新旧の電線の交換作業の直前に、このロープを隣の鉄塔から引張って吊り金具を配置するのだと思います。
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これが吊り下げ金具です。この吊り金具が鉄塔間の約400mに均等に配置されます。この鉄塔の隣りの鉄塔までの距離は413mです。全てロープでつながっていて終わった後に手繰り寄せることで全て回収できる仕組みです。
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配置された吊り金具です。ただし、この時ではなく新旧の電線の交換作業の直前に配置されました。金具の上側の送電線は耐張型鉄塔の碍子に固定されていて、下側が連続化された送電線で滑車に通されています。
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交換する電線2本が滑車に通されました。
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これが完成したした状態です。
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右側だけを拡大いたしました。この写真はクリックすると特別に大きく拡大(幅で5.2倍に拡大)いたします。
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赤い部分がワイヤー(左)と送電線(右)の接続部分です。これで4.1㎞が1本でつながりました。接続部分が滑車などに引っかからないようにスムーズな形状なっています。
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一番下の段(下段)を工事中に真下から撮った写真です。上段と同じ工事の状態で17日後なので送電線の新旧入れ替え工事を含めて1段あたり平均で8.5日と計算されます。本写真はクリックすると幅で4.5倍に拡大いたします。
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完成した状態を下から見ました。V型碍子の懸垂型鉄塔では3段共に滑車を4個づつ計12個を取り付けますが、この 耐張型鉄塔では一番上の段(上段)に2個だけつけています。この後、2本の送電線を左から右に引っ張って古い送電線を新しい送電線に取り換えます。さらに2本を取り換えると、次に中断の作業を行い、最後に下段の作業を行います。左側の3段が全て終了すると、今度は右側の取替工事が行われます。本写真をクリックすると特別に大きく拡大するように設定いたしました。
電線の詳しい取り換え方法はこちらです。→ポチッ
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tarou

SORIさん こんばんは
今日は、気持ち良い秋晴れになりましたね。
ブログを見て送電線の作業は、どれも高所で
大変な仕事だと言うことが分かりました。

by tarou (2017-10-26 17:52) 

SORI

tarouさん こんばんは
今日、いい洗濯日和だったようです。送電線取替工事での気になっていた前半の作業を、やっと掲載することが出来ました。
by SORI (2017-10-26 18:30) 

なんだかなぁ〜!! 横 濱男

送電線工事・・・天気の良い穏やかな日ばかりだと、良いですけどね。

by なんだかなぁ〜!! 横 濱男 (2017-10-26 18:48) 

夏炉冬扇

高いところで本当にお仕事の方ごくろうさま。
青空も今日までのようです。
by 夏炉冬扇 (2017-10-26 19:22) 

みぃにゃん

こんばんは。見てるだけでくらくらしそうです。雨の時などは作業はしないのでしょうか?
by みぃにゃん (2017-10-26 21:21) 

SORI

なんだかなぁ〜!! 横 濱男さん こんばんは
雨の日も強風の日もありました。そのような日は送電線に上がる工事は休みにしていたようです。一度、送電線の電線にぶら下ると簡単には降りてこれないので、天気予報とにらめっこだったと思います。
by SORI (2017-10-26 21:33) 

SORI

夏炉冬扇さん こんばんは
たいへんな仕事だと思います。注目度も高い仕事ですね。
こちらの明日の天気は晴れるようです。明後日から雨が降るようです。
by SORI (2017-10-26 21:36) 

SORI

みぃにゃんさん こんばんは
強風の時は工事は休みにしていたようでした。小雨の日も工事をやっている時もありました。やはり危険なのは風なのだと思います。地上で20m/sの風速でも100mの高さだと40m/s以上の暴風になるようです。
by SORI (2017-10-26 21:49) 

kazu-kun2626

真夏と真冬は作業出来ないでしょうね
へんな話、生理現象はどうするんでしょうね
簡単には降りられませんよね。
by kazu-kun2626 (2017-10-27 06:49) 

Rinko

見ているといろんな所がムズムズしてきます。苦笑
電線に直接乗って作業なさっているんですねー。
↑kazu-kun2626さんのおっしゃている生理現象はどうしているんでしょうか。私も気になります^^;
by Rinko (2017-10-27 07:39) 

SORI

kazu-kun2626さん おはようございます。
お昼の食事の時は降りてくるように計画されているようなので、約4時間は我慢しないといけないと思います。みんなプロなので大丈夫だとは思いますが、万が一のためのものは持っているのかもしれません。
by SORI (2017-10-27 10:03) 

SORI

Rinkoさん おはようございます。
確かに電線の上に立って作業をされていますね。命綱は付けているとは言えすごいです。一般の人で、100mの高さの電線や碍子の上に立てる人は少ないと思います。私は100%出来ないことを断言できます。
by SORI (2017-10-27 10:11) 

チャー

凄いですね〜!ちゃんと人がいますね(^^;
あんな高い所での作業 どうやっているのだろう?と思っていました やぁー見れば見るほど 細かい作業ですね 又又 感謝感謝です
by チャー (2017-10-27 10:48) 

そら

大変な仕事ですね!
こうして私たちの電気は守られているんですねぇ
今の世の中電気なしでは生きて行けないですから、ありがたいことです!
by そら (2017-10-27 13:33) 

SORI

チャーさん こんばんは
紹介した内容を見ていただいてうれしいです。
私も手順を含めて送電線の交換方法を初めて知りました。
by SORI (2017-10-27 18:35) 

SORI

そらさん こんばんは
電気のある生活の歴史は短いのに、今では欠かせないものになりました。それを守っている仕事なのですね。
by SORI (2017-10-27 19:35) 

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