春はどこまで来ているか?
季節の移ろいと共に、寒さを感じる日が少なくなってきました。
日々の生活の中で、春の訪れを感じる事はたくさんあります。例えば・・・
蛇口から出てくる水が冷たくない、朝起きる時に躊躇わずに布団から出れる、食卓を新物の野菜が彩るetc
では、山を歩く時にはどこで春を感じるでしょうか? 私は普段山に行く時に、何かをもってして「春が来ている」とは感じずに、なんとなく「春だな~」とか、寒くなってくると「冬が近いな~」ぐらいの感覚で山を楽しんでいます。
そこで今回はちゃんと「春を探す」を目的に、ハイキングをしてみようと思い大阪の金剛山へと向かいました。
知っていなくても楽しめる
「何をもってして春が来ているか」の基準を、今回は「植物を見て春を感じよう」という事に設定。
私は植物に関する知識はほぼゼロ。人から教わった物を知っているレベルで、いつも山ではこれまでの経験則と自分の感覚を頼りに、四季の植物を楽しんでいるような人間です。
そんな私が「音痴」と言えるほど詳しくない植物を観察して、分からないなりに春を探しに山を歩いてみました。
何を見る(楽しむ)のか
今回訪れた金剛山の山頂には大阪府民の森「ちはや園地」があり、そこには野草が咲く遊歩道が。
季節的に、フクジュソウやマンサク、セツブンソウなどが見れるかな?カタクリにはちょっと早いかな?とか、
自分の持っている植物に関する知識を総動員して、ハイキングに挑みます。
色んなところを覗いてみる
先ずはバスで河内長野駅から、大阪唯一の村、千早赤阪村に架かる「金剛山ロープウェイ」(現在は休止中)下にあるバス停へ。 登山口から植林された森の中の登山道を登って行きます。
道中では植物の名前が分からなくとも、何かしら春っぽい物を探しながら歩きます。足元を見たり、登山道の脇を覗き込んだり、時には沢に手を突っ込んでみたり・・・。
玄人な方からすると見当違いな場所で立ち止まっているように見えたことでしょう。しかし当の本人は普段はやらない事をやっているので、それだけでも楽しいものです。
但し、あまり集中して足元ばかり見ていると、リスク管理が疎かに。「状況を把握した上でリスクコントロールをする」の鉄則を守った上で楽しみます。
いよいよ山上、春を探してみる
そんなこんなでキョロキョロしながら、歩いているとあっという間に山上の遊歩道に。春を探しながらも日陰にはまだたくさんの霜柱が。
3月である事と、標高を考えるとまだまだ冬の存在感を感じました。登りで汗をかいていた私も立ち止まって草木の中の「春探し」をしているとブルッと冬に押されがちに。ちはや園地から先ではインサレーションウェアを一枚追加して、春を探します。
まずは野草園の「しゃくなげの路」を歩きます。遊歩道までの登山道の周りの木々は、ほぼ杉のみだったので頭上の植物を見上げる事もなく歩きましたが、ここからは上(木)も見ながら歩きます。上と下を交互に見る感じなので、歩行ペースがいい感じに下がり、それにつられて心拍数も最適な感じになっていました
(何の話し?と思われた方、「体調コントロールハイキング@生駒山」の記事もお読みください)。
綺麗に咲いている花発見。テンションがあがります。
遊歩道の両側を見ながら歩いていると、咲いてましたフクジュソウ。ぽつぽつと咲いていたのですが、先に進むと群生していました。鮮やかな黄色に春らしさを感じながら暫し観察。やはり探している物が見つかると、テンションがあがり少しだけ得したような気にも。
「これは幸先が良い」と考えながら、「かたくりの路」へと歩を進めます。あればラッキーと思いながら探したカタクリですが、やはりまだ早かったよう・・・見つけることができませんでした。
山歩きのモチベーションに、花などの植物や鳥など小動物を観察するのも「あり」だなと、自分にとっては新たな発見となり、それだけでも登った甲斐があるなとつくづく思いました。
ここから先は観光登山気分
「かたくりの路」を抜けたら、展望台で景色を眺めダイヤモンドトレールを経由し「大阪府最高地点」を踏んだら、山上のメジャースポットを巡るツアーに。
葛木神社や転法輪寺、そしてかの有名なライブカメラが設置されている山頂広場など、見どころの多いルートを楽しみます。
さすがに転法輪寺の「しだれ桜」や、山頂広場の「金剛桜」はまだまだ咲きそうな気配はなかったですが、それはまた次回のお楽しみとして。
ここ金剛山は「回数登山」も有名な、メジャー登山スポット。山頂広場では春のハイキングを楽しむ方が沢山。山頂からの景色を眺めたり、レジャーシートを敷いて寝転んだり、豪勢なお弁当を広げてランチを楽しんだり、皆さん思い思いの時間をすごしていました。気温が上がり、風も冷たくないこの時期はまったりと過ごす方が多く、着ているウェアも薄かったりと、こんな所でも春を感じる事が出来ました。
下山後のお楽しみを目指して、階段に挑む
下山には恐らく最もメジャーなルート「千早本道」ルートで下山します。その途中には千早城跡(楠木正成が詰め城としていた)など見どころもありますが、今回のテーマ「植物を見て春を感じる」に関しては私の素人選球眼ではさしたるものを発見できず、未達成感を感じながら、ひたすら階段の登山道を下って行きます。この後のお楽しみの為だけに、黙々と階段を下り続けます。
お待ちかね、下山後のお楽しみ
今回、気持ちの良い天気だったので、山上広場でお昼を食べても良かったのですが麓にある気になっていたお店に行くために、山の中では最低限の行動食にとどめておいて、こちらにお邪魔しました。
「もぐらの寝床」さんです。昔は「さくら茶屋」として営業されていた建物を使って、ピザ屋・レンタルスペース・日替わりカフェ(!)になっている、変わったお店(いい意味で、です)。こちらでピザとコーヒーをいただく事に。「山の上PIZZA」さんに、春菊のジェノベーゼとマルゲリータのハーフ&ハーフ、「本と珈琲 整」さんにハンドドリップのコーヒーをオーダー。一つ屋根の下、違うオーナーさんに注文&お支払い。お二人と少しお話しを。ここでは割愛しますが、なかなか面白い話しを聞けました。
窓の向こうでは小さな畑をミニ耕運機で耕している風景が。そんなところにも春を感じたり・・・。
食後はバスが来るまで、登山口周辺をウロウロ。梅が満開を迎えていました。
如何でしたでしょうか?この記事がアップされる頃には、各地の山で気温も上がり芽吹いているお花や植物も増え、皆さんも色々山で発見されている事かと思います。
目的をもって「あれを見に行こう」と決め打つのも良いですが、ふわっとしたテーマで春を探しに行く事も楽しかったりします。「出会えた事の運、出会わなかった事も運」という、ゆる~いスタンスで、季節を探しに山へ行きませんか?
好日山荘96名山には、サクッと登れて季節を楽しめる山も沢山あります。
この春のハイキングの参考にしてみては如何でしょうか?
好日山荘マガジンライター:菰下 了
この記事を書いたのは「好日山荘マガジン 編集部」
登山・クライミング・キャンプのプロ、好日山荘スタッフによる編集部。あなたのアウトドアライフを応援します!
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