今更誰にも薦めないけど俺は楽しかったファミコンソフト10作 - 機械

今更誰にも薦めないけど俺は楽しかったファミコンソフト10作

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 こちらを読みまして、「何それ面白そう俺もやる」って思ったので俺もやります。

選考基準1:俺の趣味
選考基準2:特にファミコンの作法や背景を知らなくても楽しめる
選考基準3:最近のハードで直系の続編、ないしシリーズ作が発売されていない(長寿シリーズ化していない)
選考基準4:1メーカーにつき1タイトル
選考基準5:最近のハードで出ていないものなら別に移植ものでも良い

 レギュレーションはまるっとお借りしますが、「ファミコンを遊んだことのない人に薦める」という前提はスルー。セレクションの体で昔話がしたいだけです。

 

クルクルランド(任天堂 1984/11/22)

 
 アクションやシューティング等、反射神経を要するゲームの面白さのひとつは「上達を実感出来る事」だと思います。

 直進しかできないプレイヤーキャラのグルッピー。方向転換がしたければ、画面中に配置されたポールを掴んでぐるっと回るしかないという独特の操作法。

 最初は狙った場所へ行くのさえ覚つかないんですが、人間の適応力ってのは大したもんで。タイミングを見計らって腕を伸ばす・引っ込める。それだけの操作でポールの隙間を縦横無尽に駆けめぐる事ができるようになります。

 金塊を掘り出すギャリンギャリンというSEがまた良い。ギャリンギャリンギャリギャリギャリン。金塊の配置パターンを見きって連続的に掘り出すその心地よさ。それを味わうために、いつの間にか効率的な軌道を考えたりしていて、ああ、上達してんなあと実感。

 効率といえば話変わりますけど、「ふっかつのじゅもん」とか入力する際、カーソルを最短ルートで動かすことに心血を注いだりしませんでしたか? しませんでしたか。そうですか。

 この頃のゲームにはエンディングという概念がなくて、ただただステージ数やハイスコアを伸ばすことが目的でした。そんな中、確実に上達しているという実感は遊び続けることの大きなモチベーションになっていた事は間違いありません。

 ただ、1P時にラバートラップに挟まれて脱出不能になるのだけはいまだに納得いかない。

 

いっき(サン電子 1985/11/28)

 
 なんで俺はこれ買ったんだろうな……。

 当時、ファミコンは持っていないけれどソフトだけは買ってもらって、友達の家で遊ばせてもらうという子が結構いました。俺も発売から3年間ぐらいは本体を買ってもらえなくって、親戚の家で遊んだものです。

 年に2回、誕生日とクリスマスだけに、毎日遊べるわけでもないファミコンソフトを買ってもらう。それがどれだけ特別なものだったことか。

 その状況で選んだのがこれ。最初が任天堂のピンボールで2番めに買ってもらったのがこれ。チョイスが渋すぎるだろう当時の俺。

 よくクソゲー扱いされますが、別にそんな事はないと思ってます。勝手にホーミングして放たれる鎌は素早い忍者もドスドス倒せて結構楽しかったよ。

 槍玉に挙げられがちなのが竹槍で、取ると武器が飛び道具の鎌から前方のごく狭い範囲しか攻撃できない竹槍になってしまいます。「弱体化するパワーアップって何だよ!!」と言われますが、これ倒した敵の点数がアップする稼ぎ用のアイテムなんですよね。一定時間で鎌に戻るし、これをもってクソゲー呼ばわりはレビューとしては筋が悪いんじゃないかなあ。俺は取らないけど。死ぬから。

「何で大根でスピードアップ?」というツッコミもよく見たものですが、世界で一番有名なヒゲのおっさんがキノコ食って巨大化してるんだから何をいまさら。

 と、フォローはするものの別にこのゲームをお薦めもしませんが。もっと面白いゲームいっぱいあるよ。

 なお、PS3で「いっきおんらいん」が販売されており選考基準3のレギュレーション違反をしていますが、ダウンロード専売のリメイクは除外ということでひとつよろしくお願いします。

 

キン肉マン マッスルタッグマッチ(バンダイ 1985/11/08)

 
 どうせみんなブロッケンJr.の話をするんだろ? 俺もそうだよ!!

 当時大人気だったキン肉マンを題材にした超人プロレスゲーム。時折リング上に投げ込まれる光の玉を取ると各超人の必殺技が使えるようになるんですが、キャラクターのひとり、ブロッケンJr.の吐く毒ガスが異常に強くてバランス崩壊。対戦時は使用が禁止されるのが常でした。そもそも「ナチスガス殺法」は色々とアウトすぎる。

 実際は光の玉を取らせないように妨害すれば結構勝てるのですが、玉の発生位置はランダムで完全には防げない事と、毒ガスを食らうと一歩も動けずハメ殺される理不尽さがブロッケンJr.最強伝説を確固たるものとしています。

 マリオブラザーズの昔から、足の引っ張り合いや理不尽なパワーバランスで喧嘩になるところまでがファミコンの思い出。当時はこれでもすごく楽しかったんだな。

 とはいえバンダイのおかげで長らくキャラゲー不信が染み付いてて自分では絶対買わなかったけども。メリメリ腹が減って死に至るオバQは地獄だったなあ……。鬼太郎は面白かった。

 今はキャラで誤魔化すだけでは売れないのでゲームの質も上がって随分安心して買えるようになったよね、と書いた所でジョジョASBがフラッシュバックし、やっぱりバンダイは信用ならねぇと思い直すなど。予約して発売日に買ったしまだ手元にあるよファッキン。

 

ディグダグII(ナムコ 1986/04/18)

 
 ナムコから1作だけ選ぶというのは任天堂並に難しい。最初にカルノフが思いつくのはもう俺の体質なんで仕方ないんですが、あれはデコ枠なので除外。

 今でも遊びたいのは何かなーと考えたら、前作に比べてマイナーなディグダグIIになりました。島をドリルで突き崩して敵をまとめて葬るという豪快なコンセプト。敵は相変わらずプーカとファイガの2種類しかいないのですが、下手に種類を増やすよりもこの2匹がわちゃわちゃっと攻めてくるのがいい。昔のアーケードゲームらしい。

 前作同様、ポンプを打ち込んで生かさず殺さず敵の動きを止める他に、地面にヒビをいれてモンスターの進行をコントロールできる辺りがテクニカル。上手いことヒビを入れて、敵をかわし集めて、まとめてドーン!! 爽快。

 ナムコの中ではどうにも存在感薄いけど俺は好き。なお次点はキングオブキングス。対戦が終わらないゲーム。

 

影の伝説(タイトー 1986/04/18)

 
 ディグダグ2と発売日が一緒だった。顔のないピクトグラムのようなキャラが印象深い影の伝説。リアル等身のキャラクタをファミコンのドット絵で描こうとしたからこその味わい。いいねぇ。

 アクションゲームは動かすことの気持ちよさが肝ですが、このゲームはなんといってもジャンプが気持ちいい。ぐっとしゃがんで一瞬の間をおいてパーンと飛ぶ。高い木の枝に飛び移り、そこからさらに大ジャンプ。あんまり意味ないし、制動が効かなくなるからむしろ不利なんだけど、むやみやたらとジャンプしまくった記憶が。

 術丸を取った時だけ使える八方手裏剣の術も当時のファミコンゲームとしては大分派手な技で楽しかったし、巻物を取ったら煙に当てられた蚊のようにポトポト落ちてくる敵忍者の図も馬鹿馬鹿しくて素敵。

 あと霧姫救出の音楽が好きです。そして敵城からの脱出中に再度姫をさらわれる影の無能伝説。を、何度も繰り返す。こいつらこのループで発電でもしてんのか。

 

マイティボンジャック(テクモ 1986/04/24)

 
 これはディグダグIIと影の伝説の翌週に発売か。固まってるなあ。

 アクションゲームは動かすことの気持ちよさが肝ですが、このゲームはなんといってもジャンプが気持ちいい。と、影の伝説からコピペ。

 といっても影の伝説とは全く別種の気持ちよさ。ボンジャックの基本アクションはジャンプしかなくて、敵は倒さず避けるもの。要のジャンプは空中でキュキュっと制動が効くようになっていて、敢えてジャンプを途中で止めたり、ボタン連打で空中を滑空するなどして敵の間を素早く駆け抜ける。

 攻撃ができなくてもアクションってこんなに楽しくできるんだ、と目から鱗。いざとなったらアイテムで敵を全部コインにできるしね。

 隠し通路や隠しアイテムが多くて、知らないと完全攻略は難しいのだけど、偶然自分で見つけた時は嬉しかったな。レトロゲームの良さがぎゅっと詰まってて、これは今やっても絶対に面白い。

 

ドラえもん(ハドソン 1986/12/12)

 

 ハドソンの藤子不二雄キャラゲーは忍者ハットリくんとドラえもんの2作でどちらも良作。修行と称してチクワと鉄アレイを投げつけてくる父親の話はいまでも語りぐさですが、ここはあえてドラえもんの方を取りあげたい。

 このゲーム、ドラえもんのくせに妙に怖いんですよね。開拓編、コーヤコーヤ星の荒れ果てたフィールドとか、魔境編の暗い洞窟に古代遺跡。海底編は下に行くにしたがってどんどん暗くなって、終いには骸骨とかが敵として出てくる始末。

 音楽も怖い。魔境編で中ボス倒した後とか寂しくて泣きそうになるし、海底編でドラゴンが不意打ちで出てきたときの音楽は怖くて泣きそうになる。全体的に殺伐感が拭えない。ドラえもんなのに。

 ゲーム自体は探索系のアクション&シューティングとしてよく出来てます。何度も死ぬけれど、やってるうちにひみつ道具の在処も覚えてだんだん先に進めるようになってくる。見つけたひみつ道具はどれも大幅にパワーアップさせてくれるし、音楽が怖いせいか、ゲットしたときの明るいファンファーレがなお一層嬉しいのでした。

 アニメや漫画という子供向けの素材を使いながら、子供にクリア出来ないようなキャラゲーが乱発される中で、ちゃんとターゲットの子供がクリアできるゲーム。しかしながらぬるい訳ではなく、練習と熟練が必要となる良いバランス。当時のハドソンが人気メーカーであったのは然もありなんというところでしょう。

 無くなっちゃったけどね、ハドソン。

 

ヒットラーの復活 TOP SECRET(カプコン 1988/07/02)

 
 バイオニックコマンドーは俺の中で続編としてカウントしてませんので、ダウンロード版のリメイクのみということでレギュレーション的にはセーフ。実際全く別のゲームだしなアレ。

 これは小学生の頃友達んちで見たきりで、俺が実際遊んだのはもうPS2の時代ですよ。その時でも最高に面白かった。良質なゲームは古びないね。

 特筆すべきはアクションゲームなのにジャンプがないこと。先に書いた影の伝説やマイティボンジャック、あるいは言わずと知れたスーパマリオを例にしても分かる通り、ジャンプの気持ちよさはアクションゲームの面白さにおいて大きなウェイトを占めると俺は思ってます。

 そのジャンプを一切排除。代わりにあるのはワイヤーアクション。アンカー付きのワイヤーを天井や壁に突き刺し手繰り寄せ、上のフロアに登る、敵の攻撃を避ける、振り子のように勢いを付けて前方へ大ジャンプ。そのまま空中でワイヤーを飛ばして更に天井に突き刺せば、スパイダーマンのように空を舞う。

 これが慣れると病みつきで。特殊な操作だからこそ自在に操っているという実感が強くあるのはクルクルランドにも通じる何か。というのはこじつけか。

 クリアしたときには心底遊んで良かったと思ったもんです。

 

マニアックマンション(ジャレコ 1988/09/13)

 
 怖えんだよ。このゲーム本当に怖えんだよ。

 ファミコンのホラーゲームとしてはよくカプコンのスウィートホームが話題に挙がりますが、あちらの霊やら呪いやらなんというか直接的な恐怖に対して、こちらはサイコな恐怖。

 監禁された恋人を救出するために、友人二人を連れてマッドサイエンティストの屋敷に潜入する主人公でいぶ。三人をザッピングしながら屋敷を探索するアドベンチャーゲームなんですが、これがまあよく死ぬ。

 屋敷は事あるごとにメルトダウンして吹っ飛ぶし、屋敷内の危険物をいじりまわして死んだり、住人やよく分かんない生物の逆鱗に触れて殺される。あるいは殺されずとも、住人の皆さんはもれなく気が狂っているので見つかると地下牢に叩きこまれます。地下牢には先客の白骨死体。

 キッチンにはなぜかチェーンソー、壁や冷蔵庫には赤いシミ。細かいディティールで頭のおかしさを丹念に描写したうえで住人との遭遇を演出。全員がレゴ人形のような貼り付いた笑顔のまま死んだり殺したりされるのでもうホント怖い。

 未だにクリアしてないし、今からやってやろうという気もないのだけど、あまりにも印象が強いのでじゃじゃ丸くんを押しのけてジャレコ枠に入りました。

 

サンサーラ・ナーガ(ビクター音楽産業 1990/03/23)

 
 キャラデザが桜玉吉だと言うだけで買ったんだよねえ。スライムに相当する敵が「みじんこ」なのな。「みじんこぴんぴん現象」の。

 俺はRPGのストーリーにはあまり興味がなくて、クリアするとスパッと忘れちゃうタイプです。このゲームもご多分に漏れずなのですが、一方でシステム面が印象深い。

 竜使いを目指す主人公が、卵を手に入れ竜を孵して、赤ちゃんから育てる。ある程度育ったところで旅に連れ出し、倒した敵を餌として与えると、食べた餌によって竜はモリモリ成長していく。育て方で性格が変わったりなど、レベルアップで画一的に強くなっていく他のRPGとはまた違った味わい。

 それに対して主人公は成長せず、ステータスは装備品のみで決まる。にも関わらず最強の武器が結構早い段階で買えたりするし、それを買うために神聖な動物であるところの牛(世界観がヒンズー)を殺して闇で売りさばいた記憶が。思いおこすと無茶苦茶だなこれ。

 序盤でも踏み込む地形を間違えると鬼のように強い敵が出てきたり、町の人間に戦闘を仕掛けられたりと、自由度が高いっつーよりは単に自由奔放な作りなのですが、このゲームなりの文法を弁えていれば決して理不尽ではありません。

 ストーリーは覚えていないと書きましたが、ラストバトルの演出とか最後に手に入れたアイテムとかは25年前のゲームなのに未だに覚えてるんですよね。いい終わり方だったよ。

 2は途中で投げ出しちゃったんだけど、1・2合わせたGBA版のリメイクが評判良いようで。DS引っ張りだしてやってみるかなーと思案中。

 

暴れん坊天狗(メルダック 1990/12/14)

 
 異星人の襲来で滅亡の危機に瀕したアメリカ合衆国を救うため、日本より飛来した天狗の面が破壊の限りを尽くす、心温まるシューティングゲーム。

 対空ショットは天狗の目玉、対地ショットは吐き出す唾。破壊された建造物から放り出された市民を食っ、いや救出してパワーアップしながら、行け!! 暴れん坊天狗!! アメリカ全土を焦土に変えるのだ!!

 世間はスーパーファミコンの話題で持ちきりの中、ひっそりと発売されたこのゲーム。タイミングがご不憫ですが、仮に全力でプロモーションをかけて満を持したタイミングで発売されたとしても売れる姿が想像できないのでそれはそれで良かったのでしょう。つーか何で企画通ったんだこのゲーム。

 後に奇ゲーとして注目を浴びますが、奇抜すぎるそのビジュアルはさておき結構面白いんですよこれ。パワーアップで目玉が速射できるようになり、斜め上にも飛ぶようになって、唾と合わせて3WAYに。無数に飛び出す目玉と唾でニューヨークの摩天楼を思う存分大破壊。壊せるオブジェクトが多くて気持ちいいの。

 ライフ制で地形ダメージ以外では即死しないし、敵弾よりもマップ上のトラップ回避に主眼がおかれているので反射神経はそれほど要らず、弾除けが苦手でも楽しめる。今でも普通にお薦めできちゃうのでビックリだわ。

 ちなみに海外版は天狗では通じないと思ったのか、自機が落ち武者の生首になっています。気の利いたローカライズですね全く。

 

ラグランジュポイント(コナミ 1991/04/26)

 
 オレギィィィイ!! オレギてめえええええ!! って思ったことだけ強烈に覚えておりますわ。ぐぐったら皆同じで笑った。いや笑えない。

 コナミのファミコンソフトから一本選べと言われたらノータイムで悪魔城伝説なんですが、レギュレーションに合わないので悩んだ末、このラグランジュポイントになりました。次点は火の鳥 鳳凰編。

 みんなのトラウマ、中ボスのオレギさん。何の変哲もないマップでいきなり出てきて強制敗北イベントを発生させます。そのときの音楽!! 音楽が素晴らしい!!

 このゲームの中ボス戦BGMはイントロ部が抜群に格好いいのですが、それがフィールドでいきなり。ダンジョンの奥とかじゃなくてフィールド移動中にいきなり流れだす。確かそれが初めて聞く中ボス戦BGMだった気がする。その演出にズガンとやられた。

 コナミは昔から音に並々ならぬこだわりをもったメーカーでしたが、音質や曲の良さだけではなく、「入り」のタイミングまで演出に使われて、本当に忘れられないシーンです。

 更にオレギの野郎はその後も突然現れてろくでもないイベントを残していきます。おかげで他のボス全く覚えてねえよ……。

 あとなんかなかまがいっぱいいておもしろかったです。おわり。

 

おわり

  • 縛りを付けて作品を選ぶの楽しいですね。何となく自己紹介を書いている気分になりました
  • 書きたくても書けなかった作品が死ぬほどある。いっき如きにサン電子枠から押し出されたファンタジーゾーンが不憫でならない
  • おっさん共はみんなやろうぜ「俺セレクション」。いろんな人のが読みたい
  • 「プレイしたことを後悔する10作」とかも書けそうだけど、誰が書いても大体似通ったようなリストになると思うのでやらない
  • スーファミやメガドラでやっても面白そうですが、一番書きやすいのはなんとなくサターンな気がする
  • 数えたら12作あった