太宰治の小説『二十世紀旗手』のサブタイトルに書かれている「生まれて、すみません」という言葉は有名だが、剽窃だという話もある。自分のようなものが生まれてきてろくなことはない、誕生日の日は呪われよと。
「生まれて、すみません」は、太宰の親友、山岸外史のいとこである若い寺内寿太郎が、この言葉を詩の冒頭の一句として作っていた。太宰と山岸が銀座を歩いていたとき、山岸が寺内のことを太宰に話し、その話の中で、この「生まれて、すみません」のことも話したのだという。太宰は、それをちゃっかり自身の作品の一部として使っていた。
世間の道徳に反することを散々やらかし、幾度も心中を失敗した太宰治。青年の作った「生まれて、すみません」という青い言葉に、如何ともし難い、おのれの精神構造を仮託したのだろう。桜桃忌、太宰治と境界性人格障害
反出生主義とは、ネットから引用すれば、「自分は生まれてこないほうがよかった(誕生の否定)」と、「人間は生まれない方が良い(出産の否定)」について考える思想とある。「アンチナタリズム」というのだそうだ。ショーペンハウアーがその提唱者と知って、いささか驚く。
人類は生まれてこないほうがいい、絶滅すべきだと、誕生害悪論まである、というのも知らなかった。この世の一番の害虫は人間であるとは、歴史を見たら分かる。戦争と汚職、略奪、公害、自然破壊と、いないほうが、地球は美しいままだろう。
そういう考え方ゆえに、結婚はしない、子どもも作らないという人もいるという。また、子どもができないのは、環境ホルモンによるものという本も、前に出ていた。自然は人間を絶滅する方向で、増殖させないようにコントロールしていると。
ショーペンハウアーのように、生きていること、そのものが苦なので、生まれてこないほうがいいのだ、というのは極論にも思える。人によっては、どんな苦難があっても、それを楽しむ人もいるし、貧乏も悲劇も、別に苦でもない人もいる。人それぞれで、ちょっとしたことでも不幸、と思う人もいれば、まだまだと旧約聖書のヨブのように、艱難辛苦は神が与えた試練で、それに耐えるのが行者のような人もいるだろう。
芥川龍之介の『河童』のように、生まれてくる子に意志があれば、そこに生まれたいかどうかを選択できる。子どもが、自分の生殺与奪の権を握っているなら、子どもは親を選べる。
わたしの知り合いで、一生独身を貫くという決意を持った男がいた。いまはどうしているのか消息が分からないが、高校生の彼は、わたしにそう話した。親とそりが合わないので、家を飛び出して、大学は北海道だったが、親の世話にはならないで、バイトしながら苦学して卒業した。国立大学だから学費は安いし、バイトで稼いだ金を学生たちに貸して、利息も得ていたという、つわものだった。その彼は自分の血を呪っていた。長男で姉も妹もいたが、男の子が一人だったので、自分が結婚しないで、跡継ぎを作らないと、家は断絶する。そうしてやりたいと。なぜか祖母に育てられ、両親には捨てられたという思いから、復讐のためにわざと自分の代で終わらせる、というのだ。そういう人間はあまりいないが、彼の生い立ちが不遇であったので、自分のような子孫はもう自分だけでいいと、終わらせる宣言までしていた。さみしい思いで、わたしはそれを聞いていた。
子どもはいらないという夫婦もいるだろう。教育費もかかるし、子育ても大変だから、いても一人でいいという人もいる。知人は三人の息子を育て、育て上げたのちに、家業の倒産などもあって離婚。やがて縁あって、二人の子連れ女性と再婚して、五人の子どもを、それぞれが結婚するまで面倒見て、別に、どうということもなく、大変とは思わなかったと、おっしゃった。確かに忙しく、あっという間に子育ては過ぎたが、その人は、自分の息子たちを見ていたら、自分のときとは違うなと思うそうだ。
彼が子育てしていたときは、多少熱があっても、親が学校に行かせた。いまは親に学校から連絡があって、迎えにこいという。自分の息子たちのときも、学校から連絡はあったが、先生には、歩けるんでしょう? 歩いて帰してくださいと電話で話した。ひどい親と思ったろうか。でも商売をやっているから、いちいちシャッターを下して、迎えに行ったりはしなかったと。いまは違う。仕事中でも呼び出しだ。保育園では、引取りの書類がないと引き渡せないと言われる。なんとも過保護で、でも何かあったら責任問題で、ルールで全てがんじがらめ。教育には時間と金がかかるので、子どもはいらないとノーキッズで夫婦だけで楽しむ人生もある。一人学校を終えるまで1500万円かかるとも言われていた。それよりは、その金で世界一周でもしましょうよ。と、なる。
自殺する人の心理では、生まれてこなければよかったと思うのだろうか。こんな欲悪にまみれた世の中なんていらないと。この世が地獄、ディストピアだと思うから、自分の子どもにもそんな思いはさせたくないと、世界はどんどん出生率が下がり続ける。フランスはこれに関しては優等生であったのが、いまや、2を割った。隣国の韓国は日本よりひどい。一人っ子政策を慌てて解禁した中国もそうで、一部アフリカの諸国だけは伸びているが、それもこれからはピークは過ぎて、人口減少に向かう。
最後はアダムとイブの二人だけになって、どうしようかと、二人で話し合って、子どもは作らないで、終わりにしましょうと、エデンの園に帰ってゆく。めでたしめでたし。それでいいのか。創世記が終世記で終わっても。
15日(金)は全国的に雲が広がり、雨の降るところが多いでしょう。また、南西諸島や九州南部では活発な雨雲が発生して雷を伴って雨が強く降る恐れもあります。気圧は、北海道を中心に北日本や関東北部で低下傾向です。16日(土)は全国的に大きく気圧が下がります。
「白菜和風クリーム煮」
「エビとブロッコリーのマヨネーズ和え」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
11月15日(金)の運勢
【一白水星】仕事はいくら好きでも思う存分やっちゃダメ。ブレーキをかけないと脳が限界を超えてしまう。真のうつ病はこういうときに起こるのね。疲れたり、面倒くさくなったり、さぼりたくなったり、でも必要だからやる。これぐらいでいい。やりたくない気持ちは神様のくれたブレーキ。
【二黒土星】なんとなくストレスが溜まってきたら、子どもの時のことを思い出しましょ。お菓子食べたり、バタバタ走ったり、マンガ何度も読み直したり、そんなことでも十分楽しかったあの頃。大人になると気に掛けすぎることが多くてストレスが溜まる。心の内側をミニマムにしてみる。
【三碧木星】運気充実。嫌なことを忘れる方法は、好きなことに興味を向けること。嫌なことを思い出しそうになったら、好きなことを考える。幸い一日の時間は限られていて、好きなことを考えていれば、一日は終わる。今日も好きなことをやって、好きな人のことを考えて、素敵な一日に。
【四緑木星】よきパートナーとは「不満を伝えられる相手」。四緑は優しいから「いつか向こうが気づくかも」とか「喧嘩はしたくない」と我慢する。でも無理は続かない。コツは「~するの止めて欲しいけど、それをどうするかは、あなたの自由」と相手を尊重しつつ、投げかける。強運。
【五黄土星】運は最初から当てにすると無くなるのよ。でも「やれるだけのことをやって、もう、後は運にお任せするしかない」って人が、運を味方につけられる。運にも心がある。がんばった人、誰かの役に立ちたい人の応援をしたいの。でもご心配なく。諦めない人にこの助っ人は強力だから。
【六白金星】自己承認欲求は、自分で自分を承認できればパーフェクトに解決。他人に承認させようとするから、苦しくなったり、面倒くさくなったりする。方法は、何かに夢中になること。夢中になることがなければ、それを探すこと。自分の足で自分の人生を歩くこと。本日運気強し。
【七赤金星】運命の人って、いるとしたら「世界の色を変えてくれる人」かな。あとは何かとタイミングの合う人ね。でも運命の人に拘りすぎると、出会えないかもしれない。だから自然体でね。人は理屈じゃなくて感情で動くのよ。笑顔や気配りで好かれる人を目指しましょ。金運よし。
【八白土星】日破。家族でも友人でも相手を理想化しちゃダメですよ。相手はあなたの理想のために生きてるわけじゃない。あなたも誰かの理想のために生きてるわけじゃない。理想は自分のために持つもの。みんな違っていい。「そんな考えもあるよね」って認められるといいわね。転倒注意。
【九紫火星】世の中、上には上がいるわ。でも才能が秀でている人が成功するわけじゃない。そのことが大好きで諦めない人が成功する。人の心を動かすのは才能より本気。孤立無援で戦っていると感じるときも見ている人は見ている。信頼は言葉ではなく行動から。愛も同じよ。運気よし。