第411回 もう一つの祇園祭 後編
生稚児さんを乗せた馬が、八坂神社南楼門から出ていきます。
いよいよここから神輿が移動します。
撮影日は、2016年7月17日日曜日午後5時。
ここまでは、雨が降っていません。
生稚児さんを乗せた馬と入れ替わって、
新たに法被姿の担ぎ手の方々が境内に入って来られました。
新たに来られた方々の大旗と提灯に、「四若」と書かれています。
こちらは、「四若神輿会」の略です。
こちらは、祇園の北端若松町・若竹町の住民による団体です。
「三若会」「四若会」「錦神輿会」の皆さんが、
八坂神社拝殿南側に集結されました。
ここで、神輿渡御直前の簡単な集会が始まります。
簡単な連絡事項の後、責任者の方がこうおっしゃいました。
「祇園祭は観光イベントやない。神事なんや。
そやから、けがと事故を絶対出さんようにしっかりいこう」
この段階で、拝殿に一斉に担ぎ手の皆さんが上がられます。
そして、前回ブログにも出てきた角材を神輿に据え付けます。
まず、「三若会」の皆さんが八坂神社本堂の前に集結します。
こちらは、素戔嗚尊(すさのおのみこと)を乗せた
中御座という神輿を担がれます。
「三若会」の皆さんが、八坂神社本殿前に集結されました。
そこで、2礼2拍1礼の参拝をされます。
参拝を終えられた「三若会」の皆さんは、
鉢巻きを締め直されて拝殿前に集合されました。
いよいよ神輿が拝殿から出発します。
そして「三若会」の皆さんが拝殿に上がり、
中御座の神輿を肩に担がれました。
中御座の神輿が、持ち上がりました。
すると「三若会」の大旗が降られ、日ノ丸の扇子が翻りました。
「四若会」や「錦神輿会」の方々から、
「ほいっと ほいっと」の掛け声がかかります。
山鉾巡行とは違った喧騒の中、
中御座の神輿が拝殿から境内に姿を現します。
やがて、神輿を担がれておられる「三若会」の皆さんや
沿道の自分たちの周囲からも、
「ほいっと ほいっと」の大きな掛け声がかかります。
(ちょっと、松尾祭に似ていますね)
中御座の神輿は、時計回りに本殿前に向かいます。
ここから最後まで、クリックした写真は拡大されます。
「三若会」の大旗と提灯が、八坂神社本殿に差し掛かりました。
ただ皆さん立ち止まらず、こちらに向かってこられます。
「三若会」の大旗と提灯が、こちらに来ました。
中御座の神輿も立ち止まらず、こちらにやって来ます。
「ほいっと ほいっと」の大歓声とともに、
中御座の神輿が自分たちの目の前を通り過ぎます。
「三若会」の大旗はそのまま南楼門も通り過ぎて、
また拝殿の周りを回り始めました。
「三若会」の大旗に続いて、中御座の神輿も
拝殿の周りを回っていきます。
辺りは、「ほいっと ほいっと」の大歓声に包まれています。
再び中御座の神輿が、こちらに向かって来ました。
中御座の神輿は、拝殿の周りを3周目に入っていきました。
中御座の神輿が3周目に入ると、八坂神社本殿前で
「三若会」の大旗と提灯が立ち止まりました。
すると「三若会」の皆さんが、
本殿前で中御座の神輿を頭上高く持ち上げられました。
「ほいっと ほいっと」の大歓声の中、
「三若会」の大旗が大きく振られます。
すると、頭上高く持ち上げられた中御座の神輿が
上下に大きく揺らされました。
その状態が、約3分続きました。
その後、中御座の神輿がこちらに3度向かってこられました。
中御座の神輿が、自分たちの前を通り過ぎました。
すると今度は、神輿は八坂神社南楼門に向かっていきました。
中御座の神輿は、八坂神社南楼門に差し掛かると
そのまま八坂神社の外に出ていきました。
八坂神社境内南西部の神輿庫から、小さな神輿がやって来ました。
先頭の提灯には、「東若御座」と書いてあります。
「東若御座」と書かれた提灯が、八坂神社本殿前を通過します。
先頭にいらっしゃるのは、見た目小学生の方々です。
こちらは、どうやら「子供神輿」のようです。
ただ、神輿を実際に担がれておられるのは
中高生や成人男性が大半です。
本当に小学生だけで担いでは、危ないですからね。
八坂神社拝殿の南に側に回り込むと、「東若御座」の神輿は
そのまま南楼門から八坂神社を出ていきました。
「東若御座」の神輿が出ていくと、
「四若会」の皆さんが拝殿に上がられました。
次は、「東御座」の神輿が担がれます。
こちらの中には、奇稲田姫(くしなだひめ)のご神体が乗られます。
(素戔嗚尊と夫婦神です)
「東御座」の神輿は拝殿を出られた後、境内の南西部に置かれます。
(要するに、地面の上です)
最後に、「錦神輿会」の方々が拝殿に上がられました。
そして、「西御座」の神輿を担がれていきます。
こちらのご神体は八柱御子神で、素戔嗚尊の子8柱とされています。
向こうを見ると、「東御座」の神輿が置かれています。
「西御座」を担がれた錦神輿会の皆さんは、
他の神輿と異なり、反時計回りでこちらに来られました。
そして、そのまま八坂神社東南門付近に進まれると
そこで神輿を下ろされました。
ここで、約10分何も動かない時間帯になります。
その間、神職さんが神輿の上部に
「ネギ」のようなものを括りつけておられました。
(一見「九条ネギ」なのですが、どうやら違うそうです)
その「ネギ」状のものが括りつけられると、
「四若会」の皆さんが「東御座」の神輿を担がれました。
こちらは、時計回りで八坂神社本殿に向かわれます。
ただ、「四若会」の大旗も
八坂神社本殿の前まで来られると立ち止まられました。
勿論、「東御座」の神輿もここで立ち止まります。
「四若会」の皆さんも、八坂神社本殿前で
「東御座」の神輿を頭上に掲げられました。
そして、こちらも神輿を上下に揺すって
「ほいっと ほいっと」の大きな声を掛けられます。
そして「ほいっと ほいっと」の歓声とともに、
自分たちの前を通り過ぎて行かれました。
「東御座」の神輿が、八坂神社南楼門前に差し掛かりました。
そして、そのまま八坂神社の外に出て行きました。
最後に、「錦神輿会」の方々による「西御座」の神輿が動きます。
こちらも、「ほいっと ほいっと」という歓声が上がります。
気のせいか、「錦神輿会」の方々は
他の神輿と比べて自分たちの方に近いルートを辿られます。
ですから、いちばん迫力のある写真を撮れるのですが
外側の担ぎ手の方々が自分たちに迫って来られていました。
まぁ、外周をしっかり神輿会の方々がガードしておられるので、
事故などが起こる可能性はないのですが……
「西御座」の神輿はそのまま八坂神社南楼門を通過されて、
拝殿の周りを時計回りで進まれました。
「西御座」の神輿も、その後に続きます。
そして、「西御座」の神輿は八坂神社本殿前をまた通り過ぎました。
再びこちらの前に、やって来られました。
今回ブログは、40枚以上写真を貼り付けます。
自分たちの前を通り過ぎた「西御座」の神輿は、
八坂神社南楼門の前も通り過ぎ拝殿の周りを3周目に入ります。
「西御座」の神輿が、3周目で八坂神社本殿の前で停止しました。
こちらの神輿を担ぐ「錦神輿会」の方々も、
神輿を頭上に持ち上げられました。
「錦神輿会」の方々が持ち上げられた神輿が、
担ぎ手の皆さんの頭上で上下に揺れています。
据え付けられた鈴が鳴っているので、とても賑やかです。
「錦神輿会」の方々も頭上で神輿を揺らし終えると、
こちらの方に向かってこられました。
それからここを通り過ぎると、
「西御座」の神輿はそのまま南楼門の方に向かわれました。
「西御座」の神輿が、南楼門の方に向かっています。
その脇を、臙脂色の束帯装束の方々が本殿へと歩いていかれました。
そして、「西御座」の神輿も南楼門をくぐっていきます。
これで、全ての神輿が八坂神社境内を出て行きました。
現在2016年7月17日日曜日午後6時です。
そろそろ3基の神輿が、八坂神社石段下の
「祇園」交差点に集結して出陣式が行われます。
それで急いでそちらに向かおうとしたのですが……
こちらが、「祇園」交差点です。
車道は封鎖されていて、歩道には人で溢れかえっています。
しかも、ここから急に大雨が降りました。
あちこち雨傘が広げられて、視界がさらに狭くなります。
少し移動しました。
やっと1基だけ神輿が見えましたが、これ以上は無理です。
神幸祭の方に長くいすぎて、席取りに後れをとりました。
また位置を変えてみましたが、やはりこれ以上は見えません。
神幸祭は全然見物者がいなかったので、ちょっと油断していました。
そうこうしているうちに、出陣式はどんどん進行しています。
多くの方々が背伸びして頭上にカメラを掲げておられますが、
(自分も含めて)どうも上手く生きません。
上手く撮れたのは、「自撮り棒」を持たれている方だけです。
自分は「自撮り棒」反対派なのですが、
この時ばかりは「自撮り棒」が羨ましいです。
結局、このまま出陣式が終わってしまいました……
2016年の神幸祭取材は以上です。
結局最後はこんな感じでしたが、
これが次の取材に経験として活かせればいいと思っています。
……次回が何年後かが問題なのですが。
今回は、ここまでです。
~次回は、後祭宵山の日にうろうろします~
~追記 その1~
最近、更新ペースが上がっています。
ウチのブログは、月6回ペースで更新するのを目安にしています。
それが、今週だけで5回も更新しています。
いちばんの原因は7月17日の取材がたくさんありすぎて、
その上7月23日にも新たに取材する場所があるので、
それまでに7月17日分をすべて更新する必要があるためです。
ただ、来週から仕事が増えるので
このペースで更新できるのはあと数回だけです。
~追記 その2~
この辺の地図を貼り付けます。
詳しくは、ここをクリックしてください。
八坂神社を起点としています。
~追記 その3~
八坂神社のサイトを貼り付けます。
神輿の出陣式の様子が、載っています。
詳しくは、ここをクリックしてください。
~追記 その4~
かつての八坂神社の御祭神
明治時代の神仏分離令以前は、
八坂神社の御祭神は以下のようだったようです。
中御座 牛頭天王
東御座 八王子(牛頭天王の8柱の子)
西御座 頗梨采女(はりさいじょ)
頗梨采女は、ハーリーティーのことですね。
牛頭天王の妻で、繁昌町の繁盛の宮の御祭神とも言われています。
(こちらも、異説あり)
最近、更新ペースが上がっています。
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それが、今週だけで5回も更新しています。
いちばんの原因は7月17日の取材がたくさんありすぎて、
その上7月23日にも新たに取材する場所があるので、
それまでに7月17日分をすべて更新する必要があるためです。
ただ、来週から仕事が増えるので
このペースで更新できるのはあと数回だけです。
~追記 その2~
この辺の地図を貼り付けます。
詳しくは、ここをクリックしてください。
八坂神社を起点としています。
~追記 その3~
八坂神社のサイトを貼り付けます。
神輿の出陣式の様子が、載っています。
詳しくは、ここをクリックしてください。
~追記 その4~
かつての八坂神社の御祭神
明治時代の神仏分離令以前は、
八坂神社の御祭神は以下のようだったようです。
中御座 牛頭天王
東御座 八王子(牛頭天王の8柱の子)
西御座 頗梨采女(はりさいじょ)
頗梨采女は、ハーリーティーのことですね。
牛頭天王の妻で、繁昌町の繁盛の宮の御祭神とも言われています。
(こちらも、異説あり)
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