第264回 広沢池から遍照寺~きぬかけの路散策~その10
山越通から、一条通を西へ約300m進みました。
このあたりから、「右京区 嵯峨野」になります。
今回は通りの向こうに見えている広沢池を眺めつつ、
現在の遍照寺に向かいます。
撮影日は、2014年10月23日木曜日午後4時。
さらに日が傾き、そろそろ夕焼けになりそうです。
広沢池の南東端一条通の南側に、こちらの茶店があります。
この「池の茶屋」は第261回ブログの仁和寺の前以来、
約2kmぶりの飲食店です。
ただ、この日(10月23日)は微妙に観光シーズンを外しており、
また平日だったこともあって中は空席が目立っていました。
「池の茶屋」の西側に日本庭園があって、
こちらでも食事ができるようになっています。
ただ、10月23日時点でまだこの木は紅葉に染まってません。
また、この辺りが賑やかなのは春から夏にかけてです。
池の茶屋の北向かい、つまり広沢池の東岸に
こちらの「聴松亭」があります。
元々は徳川氏所有の茶室でした。
広沢池を借景になかなかの絶景ポイントなのですが、
もう4時なので閉館時間となってしまいました……
その「聴松亭」から、たくさんの方々が出てこられました。
その方々は広沢池の前から一条通を渡って、南側に向かわれました。
そして、その方々は一条通から
「池の茶屋」の西側にあるこの道をさらに南下されていきます。
確かにJR「嵯峨嵐山」駅がこの方向にありますが、
そこまでは約2kmもあります。
その道のさらに西側は、こちらの児童公園になっています。
公園内には枝垂桜が並んでいます。ここも春になると絶景になります。
その児童公園は東西に細長く、一条通を歩いている間中
桜並木が歩いている人の目を楽しませてくれます。
誰もいないように見えますが、本当は小学生が何人かいます。
(故意に小学生が写らないように、写真を撮りました)
その辺りで、一条通を西に向きました。
公園の北側に歩道があって、歩道と車道との間にも桜並木が続きます。
そして車道の北側は、広沢池です。
そして、こちらが広沢池東岸です。
広沢の池の北側は小さな山が並び、もうすぐここが紅葉に染まります。
広沢池周辺は桜並木やコスモス畑が続き、
さらに平安時代は「月見の名所」として貴族がここに通いました。
つまり、ここは昔から「京都随一の絶景ポイント」として有名でした。
この写真は、クリックすると拡大されます。
一条通歩道から北を向いて、広沢池を見ています。
こちらにも桜が並んでいて、広沢池を囲んでいます。
はるか向こうには、京都府最高峰の愛宕山が見えます。
北側に広がる広沢池を眺めながら、一条通を西に進んでいます。
桜は春の花だけでなく、秋の紅葉も楽しませてくれますね。
湖畔を見ると、小型ボートが何艘か並んでいるのが見えます。
この写真も、クリックすると拡大されます。
その一方で、一条通を西に向くとこのような光景になります。
柵の下は先ほどの児童公園で、歩道や湖畔にも桜並木が続きます。
本当に、この辺りは桜一色ですね。
広沢池東端から、一条通を西へ約100m進みました。
こちらは、貸しボート屋さんです。
春~夏なら開店しているのですが、
秋も深まる10月ともなるともう開いていないようですね。
その貸しボート屋さんの前から、一条通を西に100mほど進みました。
池に向かって、熱心に写真を撮られている方がいらっしゃいます。
どうやら、池でエサを食べるクロサギを撮られているようです。
この広沢池には魚などもたくさん生息しているので、
様々な水鳥たちも集まります。
その辺りで、西を向きました。
だんだんと夕方になりつつあるので、日がだいぶ傾いてきました。
自動車が通らないタイミングで撮っていますが、
本当はここはかなり交通量が多い道です。
(しつこいようですが、京都市街地と嵯峨野を結ぶのは
丸太町通とこの道くらいしかありません)
広沢池沿いの一条通は、約300m続きます。
そのほぼ西端部分に、こちらの歌碑が立っていました。
この松本章男という方は、歌人というよりも
京都の地誌を調べたり道を紹介したりしている方です。
さらに、随筆などでいろいろ文学賞なども獲られていますね。
さらに、その歌碑の脇にこちらの立札がありました。
先述の松本章男氏が撰ばれた広沢の池に関する和歌のようです。
古代から「月見の名所」だっただけに、
広沢池と月とを絡めた歌が多いですね。
今回ブログの最初の地点から、一条通を約300m進みました。
広沢池もここで終わり、池の西岸を通る道と交差しています。
向こうに見える藪のようなところは児神社(ちごじんじゃ)ですが、
そちらには次回ブログで寄ります。
その手前に、「遍照寺」という看板が見えます。
今回は、先にそちらに寄ります。
一条通から、その広沢池西岸を貫いていた道を南に向きました。
こちら側にも、「遍照寺」という看板があります。
その看板の指示通りに進み、遍照寺を目指します。
一条通から、その広沢池西岸から続く道を南に約50m進みました。
左(東)に運動場が見えますが、
確か京都府立堀川高校の施設だったと思います。
右(西)は、佛教大学の付属博物館です。
先ほどの地点から、南にさらに100mほど進みました。
ここで突き当たっているように見えますが、
実は少し左(東)に筋違いになってこの道はまだ続きます。
ちなみに、目の前の小山は横穴石室の古墳(円墳)です。
その突き当りを少し東にずれて、南を向きました、
鉄門扉に「遍照寺北門」と書かれた看板がありますが、
ここからは入れません。
「もっと南から入るといいですよ」
通りすがりの近所の方から、そう教えていただきました。
ただ、その遍照寺に向かう前に
先ほどの写真にも写っていたこの神社に立ち寄ります。
実はここは先述の円墳なのですが、
鳥居の扁額には「富岡大明神」と書かれています。
ただ、この上り坂に赤い鳥居が並ぶ様子からも
ここが「稲荷神社」であることが分かります。
赤い鳥居に沿って、円墳の上に登っていきます。
5mほどの頂上に、こちらの祠がいらっしゃいました。
中にキツネの伏見人形が飾ってあるいことからも、
こちらが稲荷神社であることは間違いありません。
以前からたびたびこのブログでも書いていますが、
稲荷神(宇迦御魂神・陀枳尼尊天)は
今では豊穣神(農耕神・商売の神様)ですが、
元々は根の国(死後の世界)を司る神様でした。
ですから、古墳や塚の脇にはよく稲荷神がいらっしゃいます。
「富岡大明神」にお参りして、祠に背を向けました。
では、ここを下りて遍照寺に向かいます。
「富岡大明神」の石段を下り、南を向きました。
右(西)側の茂みが、遍照寺です。
ただ、入り口が南側のためこの住宅地をさらに進みます。
「富岡大明神」から、南へ約100m進みました。
遍照寺の南端に来ました。この辺りから入れます。
遍照寺の南東端で、北に振り返りました。
では、こちらの門から境内に入っていきます。
遍照寺の門をくぐりました。
こちらの紅葉は、10月下旬段階で半ば染まり出したくらいでした。
実は、この寺院も紅葉の名所です。
こちらは遍照寺の門の右(東)側にいらした祠です。
先ずは、こちらにお参りします。
祠の向かい(西)側には、こちらのお墓がありました。
歴代住職さんとかのものでしょうか?
こちらが、真言宗御室派広沢山遍照寺の本堂です。
ご本尊は、十一面観音像(重要文化財)です。
こちらは、989年に寛朝僧正によって建立されました。
平安時代は広沢池西岸から北岸にかけてに広がった
多宝塔なども持つかなり大きな寺院でした。
(たぶん仁和寺くらいの大きさは、あったのでしょうね)
それが1467年の応仁の乱などの戦乱で荒廃して、
廃寺同然だったのが江戸時代後半に今の地に再興されました。
まぁ、京都の寺院にはよくあるパターンなのですが……
遍照寺本堂から、左(西)を向きました。
多宝塔はもうないですが、代わりに石塔が見えますね。
確かあの辺りが、この寺院の墓地だったと思います。
遍照寺本堂前から、南を向いています。
門付近の紅葉は、今回ブログ更新ごろ(11月10日)には
だいぶ見頃になっているでしょうね。
では、ここを出てまた広沢池に戻ろうと思います。
ただ、今回はだいぶ写真を貼りつけたので、
この続きは次回ブログとします。
~次回は児神社に寄った後、
広沢池西岸の旧遍照寺跡にも行きます~
~追記~
お気づきかと思いますが、
この広沢池は嵯峨野に属しているものの
JRや私鉄(阪急電車・京福電車)からも遠く、
そのために他の嵯峨野の地域ほどは
観光客が押し掛けないところです。
『穴場中の穴場』なので、ゆっくり観光できる反面
こういうブログを書いている身としては
何だかもったいない気がしてなりません。
市バスも、京阪電鉄「三条」駅方面からしか出ていませんし、
京都駅からもっと交通の便をよくすべきだと思うのですが……
~追追記=
この辺の地図を貼り付けます。
詳しくは、ここをクリックしてください。
京都駅からなら、駅北側市バスターミナルから26系市バスに乗り
「山越」バス停で降ります。
そこから、一条通を西に約300mで今回ブログの冒頭になります。
お気づきかと思いますが、
この広沢池は嵯峨野に属しているものの
JRや私鉄(阪急電車・京福電車)からも遠く、
そのために他の嵯峨野の地域ほどは
観光客が押し掛けないところです。
『穴場中の穴場』なので、ゆっくり観光できる反面
こういうブログを書いている身としては
何だかもったいない気がしてなりません。
市バスも、京阪電鉄「三条」駅方面からしか出ていませんし、
京都駅からもっと交通の便をよくすべきだと思うのですが……
~追追記=
この辺の地図を貼り付けます。
詳しくは、ここをクリックしてください。
京都駅からなら、駅北側市バスターミナルから26系市バスに乗り
「山越」バス停で降ります。
そこから、一条通を西に約300mで今回ブログの冒頭になります。
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