第160回 矢田寺から本能寺へ~寺町通南から北~その7
約1週間ぶりの三条寺町です。
このブログでは、都合6回目の登場ですね。
「かに道楽」で突き当りに見えますが、
少し東にずれて道はまだまだ北に伸びています。
今回はここから寺町通を北上し、御池通を目指します。
途中、矢田寺・天性寺・本能寺に寄ります。
寺町の繁華街最北端ですね。
(第67回ブログと同じ道をたどります)
撮影日は、2013年10月18日木曜日午後2時15分。
体育の日を過ぎて、急に気温が下がってきました。(10℃くらい?)
昨年の夏ここに来たときは「かに」のからくりは止まっていました。
今回はだいぶ気温が下がってきていて、「元気に」動いていました。
先述のとおり、寺町通はここから東にずれて北に伸びています。
繁華街はまだもう少し続きますが、
「寺町京極商店街」は三条通で終わります。
こちらは、三条寺町の南東角です。
右側は、肉屋さんの「三嶋亭」です。すき焼き発祥の店ですね。
左側は、「西春」という浮世絵屋さんです。
この瞬間は閉まっていましたが、取材が終わった帰り道に寄ると
しっかり開いていました。
寺町通から、三条通を西に向きました。
ここは、明治時代前後に建てられた歴史的建造物が
烏丸通周辺まで並んだなかなかおしゃれな通りです。
(第66回ブログで回ったところですね)
今度は、寺町通から三条通を東に向きました。
こちらも「三条名店街」という繁華街になります。
(アニメの「けいおん!」で出てくる「繁華街」のモデルです)
こちらは、第69回ブログで回りました。
では、三条通から寺町通を北上します。
ここから御池通までが、「寺町専門店会商店街」です。
昨年夏と違って曇り空なので、アーケードの中もしっかり写ります。
三条寺町北東角に、「ファーストキッチン」があります。
その北隣に派出所があって、さらに北隣がこの小さな寺院です。
ここは、矢田寺です。奈良県の矢田寺の分院ですが、
そことは宗派が異なり「地獄信仰」の寺院です。
第105回ブログで紹介した引接寺(いんじょうじ)、
第152回ブログの六道珍皇寺、第153回の西福寺など
京都には「地獄信仰」の寺院が多いです。
この寺院は「矢田地蔵」とも言いますが、
ここにはお地蔵さんがたくさんいらっしゃいます。
ちなみにここの本尊は、「代受地蔵尊」(だいうけじぞうそん)です。
お地蔵さんの脇にかかっていた絵馬です。
こちらの絵は、地獄の釜から亡者を引き上げています。
本尊の「代受」とは、
亡者の代わりにお地蔵さんが罪を引き受けるという意味です。
こちらが矢田寺の鐘で、「送り鐘」と言います。
第152回ブログで紹介した六道珍皇寺の「迎え鐘」と対ですね。
盂蘭盆会の初めに「迎え鐘」、終わりに「送り鐘」を鳴らします。
それが京都の風習です。
「送り鐘」の脇に、べんつるさんがいらっしゃいます。
最近は歯が痛いので、頬を撫でさせていただきました。
100円を賽銭箱に入れると、線香と蝋燭を奉げることができます。
ご本尊を載せられませんので、これで本堂の代わりにします。
この寺院の由来などは、第67回ブログを参考にしてください。
元は壬生の方にありましたが、
やはり豊臣秀吉の政策でここに移転してきました。
では、矢田寺を出て寺町通を北に進みます。
矢田寺の前から、寺町通を北に向いています。
もう「寺町専門店会商店街」の中です。
ここも繁華街ですが、「京極」ほど人はいません。
矢田寺の北隣が「常盤」という大衆食堂で、
その北隣がここ「とり市老舗」です。
春は筍を売っていますが、今は秋なので松茸を売っています。
丹波産のものが中心なので、かなり高価です。
「とり市老舗」の2軒北に、また寺院があります。
今度は、矢田寺の倍以上の広さです。
今からここ浄土宗天性寺に入っていきます。
天性寺の境内に入ってきました。
先ずは、このまま東に進んで奥の鳥居に向かいます。
向こうの方に、中年の白人男性が
自転車に乗って中を見て回られていました。
門から境内を約30m東に進みました。
こちらは、天性寺の末社「天川弁財天」のものです。
右側に、相変わらず大きな百日紅(さるすべり)の木があります。
第149回ブログで紹介した豊国神社と並び、
ここは京都を代表する百日紅の絶景ポイントです。
この写真は、クリックすると拡大されます。
こちらが、天川弁財天です。
詳しくは第69回ブログに書いてありますが、
要するにここは奈良県の天川弁財天の分社です。
実は天川弁財天の左(北)側は、墓地になっています。
その周辺の木蓮が有名なのですが、この時期ではよく分かりません。
代わりに、墓地の手前に立派なカエデがありました。
もう1カ月もすればかなり見頃でしょうね。
ここもクリックすれば、拡大されます。
カエデの木の脇に(墓地の横に)大きな祠があって、
中にお地蔵さんがいらっしゃいました。
で、カエデの木と大きな祠の間に、大きな塚がありました。
立派な塚で恐らく誰かのお墓でしょうが、
詳しいことは分かりません。
天川弁財天の横にある本堂前に戻ってきました。
浄土宗天性寺の沿革は、第69回ブログを読んでください。
なお本堂は非公開なので、ご本尊を見ることはできません。
本堂から、西を向きました。向こうに門が見えます。
では、天性寺から寺町通に戻ります。
天性寺の前から、寺町通を北に向いています。
では、ここから北に進んでいきます。
天性寺から、寺町通を約20m進みました。
こちらは、喫茶店の「smart」です。
開店した大正時代の雰囲気を残すお店で、
ここのフレンチトーストは自分の大好物なのですが、
店の前に行列ができるくらいの込み具合でした……
諦めて、先に進みます。
喫茶店「smart」の前から、寺町通を北に向きました。
約10m先に、姉小路通が東に伸びています。
三条通から姉小路にかけての寺町通には、
画廊と画材店が集中します。(あと、額縁のお店も)
それがなぜなのかは、自分は知りません……
寺町通から、姉小路通を東に向きました。
手前に公衆便所がありますが、
その向こうに見える土塀は天性寺のものです。
さらに河原町通まで行くと、カトリックの大きな教会があります。
先ほどの地点から、寺町通を約10m進みました。
こちらの「文栄堂」は、仏教書専門の古書店です。
姉小路から御池通にかけての寺町通は、特に古書店が集中しています。
(江戸時代以前の書物や絵画が売られています)
「文栄堂」の前から、寺町通を北に向きました。
約10m先に、姉小路通が今度は西に伸びています。
その北西角に、鳩居堂の本店があります。
和紙による和装雑貨のお店ですね。
寺町通から、姉小路通を西に向きました。右(北)は、鳩居堂本店です。
約1kmに烏丸通があって、そこを越えると祇園祭の鉾町になります。
烏丸通に鈴鹿山、さらにその西の室町通に役行者山が立ちます。
鳩居堂本店の前から、寺町通を北に向いています。
向こうに見える御池通で、このアーケードも終わります。
つまり、あの御池通が京都の繁華街最北端になります。
御池寺町交差点の手前で東を向きました。
ここは、日蓮宗本能寺です。1582年に織田信長が暗殺されたときは、
ここよりもっと南西の方にありました。
(これも、豊臣秀吉の政策です)
門の脇にある日蓮の銅像です。日蓮宗の寺院では、よく見かけます。
第123回ブログに出てきた墨染寺もそうでしたね。
本能寺の門をくぐると、すぐに宝物殿があります。
有料で、寺宝や催し物が拝観できます。
今は、狩野派関連の宝物が見られるようです。
門から宝物殿の前の道を通り過ぎると、そのまま本堂に出ます。
第68回ブログでも紹介しましたが、
安土桃山時代の日蓮宗信徒は種子島銃の市場を握っていたため、
織田信長との結びつきが強くなりました。
そのため、織田信長は京都でも居城を築城せずに
この本能寺に逗留しました。
織田信長が本能寺で暗殺されたというのは、
そういう経緯があったからです。
本堂の南側に、東の方に抜ける道があります。
では、そちらの方に寄ります。
本堂の裏に、この「信長公廟」があります。
要するに、織田信長のお墓です。
豊臣秀吉は、織田氏と本能寺に対してここに移転することを条件に
このお墓を建てることを認めました。
ちなみに、信長公廟の裏に向かう方々がいらっしゃいますが、
こちらを進むと河原町通に出ます。
「信長公廟」の前で西を向きました。
では、本堂の前に戻ります。
本堂の前で西を向きました。
では、本能寺を出ていきます。
本能寺の前で、寺町通を北に向きました。
目の前にある大通りは、御池通です。
その向こうに、京都市役所が見えます。
繁華街はここで終わりですが、寺町通はまだまだ続きます。
ただ、ここから先は次回とします。
今回は、ここまでです。
~次回は二条通を越えて、寺町通のいろいろなお店を見て回ります~
~追記~
実は最近仕事が立て込んできまして、ブログの更新が大幅に遅れています。
本当は10月末までに御所に行きたかったのですが、
このままだと微妙になってきました。
11月になると「紅葉編」に移行しますので、
できればペースを上げたいのですが、なかなかそうもいきません。
~追追記~
この辺の地図を貼り付けます。
詳しくは、ここをクリックしてください。
京都駅からこの辺に来られるなら、
地下鉄烏丸線「烏丸御池」駅で地下鉄東西線に乗り換え、
一駅先の「京都市役所」駅で降りれば目の前になります。
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