第410回 もう一つの祇園祭 前編
いつもの年ならここで祇園祭前祭の取材が終わるのですが、
今年(2016年)は7月17日が日曜日なので、
仕事を気にせずに夕方の取材もできます。

一度家に帰ってから、また自転車で七条通から川端通に出ました。
七条通から川端通を松原通まで北上して、
松原通から大和大路に出ました。
そこからすぐ北の八坂通から東に進み、庚申堂の前で北上します。
その道を約400m進むと、この八坂神社南楼門前に出ます。
今回は、この門の先で行われる祇園祭神幸祭を取材します。
撮影日は、2016年7月17日日曜日午後3時半。
この写真のみ、クリックすると拡大されます。

ところが、ここから八坂神社本殿には向かえません。
祭事のために、ここから北は通行止めです。
そこで、八坂神社南楼門前で東を向きました。
左(北)に中村楼を見ながら、この急な坂を上ります。
中村楼の東隣長楽館の角で左(北)に折れ、
円山公園に入って枝垂桜の前で西に向かいます。

円山公園の枝垂桜から、西に約100m進みました。
こちらから、八坂神社に入ります。
要するに、ここまで遠回りしました。

先程の赤い鳥居をくぐり、八坂神社境内に入ってきました。
左(南)側に八坂神社本殿が、右(北)側に刃物社など末社が見えます。

その場所で、南を向きました。
右(西)に、八坂神社本殿が見えます。
ここを進み、八坂神社本殿の表側に回り込みます。

先程の石畳の道を約10m進み、西を向きました。
ここから先は、規制線で進めません。
写真の白装束の神職さんに尋ねたところ、
本殿南側の拝殿前がベストポジションとのことでした。

八坂神社本殿の南に、八坂神社の拝殿があります。
第12回ブログでは、こちらで神楽が舞われていました。
ここに、何人かの見物人が並んでいます。
日本人よりも、白人の割合が高いですね。
拝殿には、すでに神輿が3基載っています。
7月15日の祭事で、こちらにご神体も移っておられます。

拝殿のさらに南には、八坂神社南楼門があります。
今回ブログの最初の時点で、この反対側にいました。
現在こちらの門は修復中で、来年の春に完成します。

ここから、しばらく八坂神社拝殿の東側に陣取ります。
午後3時50分くらいから、白い法被姿が方々が
八坂神社南楼門をくぐって、境内に入ってこられました。

その法被姿の方々は、神輿の担ぎ手さんです。
担ぎ手の皆さんは、本殿の前に並ぶと神社に参拝されました。

そして、担ぎ手の皆さんは
八坂神社南楼門から境内をいったん出て行かれました。

八坂神社斎館の能舞台の脇から、
薄紫色した束帯姿の方々が出て来られました。
こちらは、八坂神社の囃手さんです。
神事の間中、祇園囃を演奏されます。

囃手の皆さんは拝殿の前を通り過ぎると、
八坂神社本殿に入って行かれました。

その直後に、今度は紋付姿の方々が本殿に入って行かれます。
こちらは、八坂神社の氏子衆の代表の方々でしょうね。

すると、南楼門の方から馬に乗られたお稚児さんが現れました。
この日(2016年7月17日)の朝に、
山鉾巡行で長刀鉾に乗られた生稚児さんですね。

それに合わせるように、能舞台の方から
臙脂色の束帯姿の方々が、本殿に入って行かれました。

一方、生稚児さんを乗せた馬は本殿には入らず
こちらに向かって来ました。

生稚児さんを乗せた馬が、自分たちの前を通り過ぎました。
しかし南楼門の方にも向かわず、拝殿の周りを回り始めました。

そのように生稚児さんを乗せた馬は、
何周か拝殿の周りを回った後、本殿前に停まりました。
そこで稚児さんが下馬されて、本殿に入って行かれました。

この時点で神幸祭開始の午後4時を回っております。
ここから祭事は本殿の中で行われて、
自分たちは時折聞こえる祇園囃に耳を傾けていました。
約30分後に、担ぎ手の皆さんが再び境内に入ってこられました。

担ぎ手さんの一人が、こちらの大旗を振られています。
「三若」と書かれていますが、これは「三条台若中会」の略です。
江戸時代初期17世紀の元禄年間より
祇園祭の神輿を担いでいる担ぎ手の集団で、
現在至るまで会員のすべてが一子相伝です。
三条会商店街のそばに、独自の会所を有します。

大旗が通り過ぎると、その後から日ノ丸の扇子に先導されて、
鈴の付いた神具を持った方々が境内に入ってこられました。
鈴がよく鳴るように両腕を振られて踊られていますね。

その後から、角材を持たれた方が続きます。
こちらは、担ぎ棒として神輿に据え付けられます。
法被の紋から、三条台若中会以外の担ぎ手の方々も
だんだん境内に入って来られているのが分かります。

角材の一部が、拝殿ではなく東北門の方に運ばれます。
こちらは、法被から「錦神輿会」の方々と分かります。
文字通り錦市場の青年部による担ぎ手です。

午後5時を回り、八坂神社本殿内の神事が終わりました。
臙脂色の束帯姿の方々が本殿を出て、斎館に向かわれます。

その後を、薄紫色の束帯姿の囃手の皆さんが続きます。
同じく、斎館の方へと向かっておられます。

さらに紋付袴姿の方々が、出て来られました。
こちらも、斎館に向かわれました。

その間に、法被姿の方々が拝殿南側に集結されました。
三条台若中会・錦神輿会以外も、
後から「四若神輿会」の方々も来られます。

そうこうしているうちに、生稚児さんも本殿から出て来られました。
また、馬に乗られていますね。

法被姿の担ぎ手の皆さんが道を開けると、
生稚児さんを乗せた馬は
そのまま南楼門から八坂神社を出ていきました。
さて、ここからいよいよ神輿の登場なのですが
もうだいぶ写真を貼り付けました。
ここから先は、次回とします。
~次回は、拝殿からこちらの神輿が担がれていく様子を取材します~