黒須高嶺えしごと 読み物
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黒須高嶺えしごと

イラストレーター・黒須高嶺(くろす たかね)の活動情報です。

「作戦会議は疫病神と!?」

『作戦会議は疫病神と!?』(国土社)
著者は田部智子さん

書影
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装丁は品川幸人さん


国土社のサイトから紹介文を引用します。
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その日は朝からついてなかった。寝坊して、ツメを痛めて、お説教されて、星座占いの運勢も最悪。あわてて学校へ急ぐぼくの前に現れたのは、なんと疫病神!?「次のターゲットは倉田だ。不運配りを手伝え」だって!?同級生を不運にあわせるアイデアなんて、考えたくないよぅ。ところが、作戦会議が始まっちゃったんだ!!
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人間に不運を配る「疫病神」の仕事を手伝わされるはめになった主人公を中心に起こるドタバタ劇を描いたコミカルな作品です。

イラストもご紹介。
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扉イラスト。
主要なキャラを詰め込みました。

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目次イラスト。けっこう気に入っています。

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疫病神の登場シーン。
コロコロと表情が変わり、描いていて楽しいキャラクターです。

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疫病神を目にしてしまった主人公・涼平。
何かめんどうなことが起きそうな予感…?

イラストはキャラクターのカットがメインですが、そのぶんたくさん点数を描きました。
疫病神と涼平の掛け合い漫才のようなやりとり、そしてクラスメイトも関わってしだいに加速していく「不運配り」の騒動劇――全編にわたって高いテンションで展開するストーリーから目が離せません。

著者の田部さんが長年あたためてこられた一作とのことです。
ぜひお手に取ってみてください!

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「バラクラバ・ボーイ」

『バラクラバ・ボーイ』(文研出版)
著者はジェニー・ロブソンさん
訳者はもりうちすみこさん

書影
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装丁は濱中幸子さん(濱中プロダクション)

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装画は表1と表4が一つながりになっています。
魅力的なキャラクターをできるだけたくさん盛り込めるようにしました。


文研出版のサイトから紹介文を引用します。
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バラクラバ帽をかぶった転入生のトミーがやってきた。
なぜトミーは帽子をかぶってるの? あの帽子の下には何がかくされている?
ぼくとドゥミサニのたいくつな日々は、「バラクラバ・ボーイ」によって大きく変わったんだ。

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イラストも一部、ご紹介

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授業中にひそひそ話をする主人公のドゥーガル(左)と、親友のドゥミサニ。
“ドゥードゥ―”コンビとあだ名されるいたずらっ子たちです。

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登場するなりみんなを仰天させた転校生トミー。
バラクラバ帽すがたの理由とは…?

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ほかにも個性的なキャラクターがたくさん出て来ます。


作品のトーンはカラッとコミカルで、子供たち同士による生き生きとした掛け合いの魅力がたっぷりです。
バラクラバ帽をかぶって過ごすトミーをどう受け入れるのかという騒動を中心に追いつつ、同時にクラスメイトたち一人ひとりのかけがえのない個性にも光を当てていく、作者の暖かな眼差しを感じる作品だと思いました。

ぜひお手に取ってみてください!

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「10分で世界が広がる 15人の偉人のおはなし」

『10分で世界が広がる 15人の偉人のおはなし』(高橋書店)
著者は真山知幸さん

書影
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装丁は岩瀬恭子さん(フレーズ)
装画はTOAさん

高橋書店さんのページから紹介文を引用します。
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朝読書にも!夢や希望が広がる伝記
(略)
偉人たちのエピソードを読んだあと、その偉人の仕事について知れるのが本書の特徴です。
読んで終わりにならず、自分に落とし込めるので、視野が広がり未来につながります。
1話10分で読めるので、朝読書にもぴったり!
はじめての伝記としても、普通の伝記では物足りないお子さんにも、楽しんでもらえる一冊です。

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私は3人の伝記にカラーのイラストを10点、モノクロを6点、描かせていただきました。

北里柴三郎
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(左)扉絵 自ら開発した実験器具「亀の子シャーレ」を手にする北里
(右)挿絵 新しいアイデアによる菌の培養を試す北里

杉原千畝
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(左)挿絵 杉原が領事をつとめるリトアニア領事官に詰めかける亡命ユダヤ人たち 
(右)挿絵 リトアニアを発つぎりぎりまで列車上からビザを書き続ける杉原

アントニ・ガウディ
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(左)扉絵 サグラダ・ファミリアとガウディ
(右)挿絵 経済的な理由で学生時代から建築事務所で働くガウディ。結果として早くから経験を積んでいくことになりました。


読みやすい文章で、人物の人柄や功績が簡潔ながらしっかりまとめられています。
他の執筆画家さんもとても素晴らしいお仕事をされていて、
魅力的なイラストがふんだんに盛り込まれた一冊だと思います。

どうぞお手に取ってみてください!

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「おはなしサイエンス バイオミメティクス(生物模倣技術) マンボウ、空を飛ぶ」

『おはなしサイエンス バイオミメティクス(生物模倣技術) マンボウ、空を飛ぶ』 (講談社)
著者は吉野万理子さん

書影
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装丁は脇田明日香さん


講談社ブッククラブのページから紹介文を引用します。
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バイオミメティクス=「生きものにヒントをもらって、新しい技術をつくること」に触れられる3つの物語。

1 すてきなカタツムリ
おしゃれなケーキ屋さんの壁はいつも真っ白! その秘密はカタツムリのぐるぐるの殻にあり!?
2 緑のかがやきを探しに
七色に輝くチョコレートでデザートをつくりたい。輝きのヒントを持つタマムシを探しに林へGO!
3 まさか……マンボウが!
こんなかたちの飛行機みたことない! 未来の飛行機はマンボウから生まれようとしている!

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イラストもご紹介
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虫が大好きな主人公、照太(しょうた)と、マンボウが大好きなクラスメイトの華(はな)。

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パティシエの井堀(いぼり)さんとぐうぜん知り合ったことで、照太たちは「バイオミメティクス」の世界を知ることになります。

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タイトルにもあるマンボウも登場。
その生態から「ざんねんな魚」とも言われるマンボウですが、意外な技術の開発に大きくかかわっているようです…!


生活にごく身近なエピソードをきっかけに、照太と華はバイオミメティクスという一見聞きなれない技術について、驚きや好奇心を持ってふれていきます。

昆虫好きとマンボウ好きというそれぞれこだわりの「好き」をもったふたりの、漫才のようにコミカルな掛け合いも楽しく、「笑いながら学べる」ような作品ではないでしょうか。

どうぞお手に取ってみてください!

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「金色の約束」

『金色の約束』(国土社)
著者は松本總美さん

書影
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装丁は山田武さん


国土社さんのサイトから紹介文を引用します。
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大の仲良しだった光輝と智彦は、ある出来事以来、今では学校で会っても知らんふりだ。そんなときに、よくいっしょに遊びに行っていたあずま屋のじいちゃんから砂金採りグッズ一式と、手書きの地図を託される。
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イラストもご紹介
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「じいちゃん」からの手紙を読む光輝(右)と智彦(左)

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山道を登っていくふたり。樹木や川など、自然の風景を多く描きました。

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斜面を滑り落ちるふたり。待ち受ける困難を乗り越えられるでしょうか。


ふとした事から疎遠な仲になったふたりが、砂金探しという冒険行をともにするなかでそれぞれの抱えるわだかまりを見つめなおし、あらたな関係性を編みなおしていこうとする手さぐりの葛藤を丁寧に描いています。
砂金探しへと送り出す「じいちゃん」の存在が全編を通してふたりを暖かく見守っているように感じられ、そのあたりもしっかり絵で表現できないかと模索しました。

清冽な空気を感じる自然の有りようや人物の気持ちの繊細な揺れ動きなど、幾重にもつみ重ねられた描写に引き込まれる、読みごたえたっぷりの一冊だと思います。

どうぞお手に取ってみてください!


追記あり:中島智さんのツイッターにてご紹介
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