Talk
おかげさまで、このごろは料理店としてご予約、ご注文、ご依頼をたくさんいただき、こうやって仕事をさせていただいていることを本当にありがたく思っております。
よく「マスターの小粋なトークが魅力」というような評価のお店もありますが、そのあたりは、私は駄目のようです。おしゃべりを楽しみたいというような雰囲気のお客様もいたので、開店当初はいろいろ頑張ってもみたのですが、仕事をしながら、お客様の話を聞いたり、気の利いた返しなどをすることができないのです。申し訳ないので、当店では対面式のカウンター席もなく、席料などもいただいておりません。
そうそう、どうも私は世間話というのもうまくできないのです。以前から、仕事の休憩時間だとか、会議のあとだとか、雑談をしなければいけないような場面が苦手だったもの。その人が経験したこと、感じたこと、これからやってみたいことなどは興味深く聞けるのですが、「誰々はオラの一個下の後輩だ」だとか「ショッピングモールが何処何処にできる」だとか「買った車がリッター30km走った」だとか、そのような情報にまったく興味が湧かないのです。そして、まことしやかに「ここだけの話やけど、○○さん鬱で引きこもっているらしい」みたいな話をされても、どう答えていいのかよくわかりません。そう、決して高尚ぶるわけではないのですが、私にそのようなコミュニケーションの能力が欠落しているのだと思っています。
「あいつって、ふつうと違うような~!」
と、みんながゲラゲラと盛り上がっている中、私自身がその「ふつうと違う」側の人間だったりすることさえもよくあります。そんなときは、あははと笑っているふりをしながら、こころの中は針の筵。冷や汗をかきながら、バレないよう、なんとかやり過ごしております。
「まあ、うちら昔からそういうの駄目やったよねえ」
と、カミさんも似たようなタイプのようで、まあ、もうこの歳ですので、そのあたりは無理をしないようにすることにしました。
というわけで、当店では引き続き料理に心をこめ、また、みなさまがくつろげる空間を提供することに集中して頑張っていく所存です。どうぞこれからもよろしくお願いいたします。
2024.03.29 | Comments(2) | Trackback(0) | 日記