ホラー特集
この書体で書かれるとなんでもホラーに見えてしまいますよね。殺人コック長のしゃがれたささやき声が聞こえてきそうです。
「ひひひ、おまえをボンカレー中辛にしてやろうか・・・」
「ひい~! そ、そんな庶民的なカレーだけは~! 」
みたいな。
小学校の頃、遠足で行った恐竜公園という場所で撮った集合写真で、不自然に大きな手が私の肩に乗っていたことがあります。そのときは心霊写真ブームでもあり、クラスでも大騒ぎになりました。
「Aくん、だいじょうぶ? かなしばりとかないの? 」
と憧れの転校生、ナカムラさんまでも私に話かけてくれます。
「最近ちょっと、肩が重いけど。でも、へいきさ・・・」
わざと窓の外、遠くを見つめ、そうさみしそうに言う私。もう、ちょっとしたヒーロー気分です。
でも、私のホラー自慢はそのくらいで、残念ながらそのあとはとくにありません。
そうそう、金縛りと言えば、むかしはカミさんがよくあったものです。
「ひいいいいい~! 」
深夜、恐怖映画さながらの悲鳴に飛び起きる私。
「わっ、ど、どうした? 」
「赤ちゃんが天井からたくさんふってきて・・・」
「・・・え? 」
「それと、真っ黒な男が・・・」
「・・・」
「あと、胴体だけの・・・、むにゃむにゃ、ぐ~」
それら、ショッキングな発言をしつつ、無責任にもそのままカミさんは眠ってしまいます。
私はすっかり目を覚ましてしまい。
(がさっ)
「だっ、誰だ! 」
(ニャー)
「な、なんだ猫かよ」
(ボーン)
「うわああ~! な、なんで止まってた時計が~! 」
などとひとり騒ぎながら夜明けまで起きていたものでした。
そういえば、そのころ、深夜、カミさんとドライブをしていて、車のすぐ横に謎の光がしばらくついてきたことがあります。あれはいったいなんだったのだろうか?
でも、カミさんも、感受性が衰えてきたのか、だんだん年齢とともにそれらの現象はなくなってきました。それでも、それっぽい古い場所やモノなどを撮ろうとすると、携帯が不具合をおこしたり、へんな画像がうつっていたりということはつい最近までありました。
カミさんの母堂も、部屋の隅にいるはずのない紋付き袴の人を見たり、若栗城跡でさむらいを見たりと派手にホラー系なのですが、いつか、これこれこういう状況で事故になる夢を見たと語ったその翌日、本当にそのような自動車事故をおこしたときはたいへんびっくりしたものです。
でも、
(おい~、そんな能力があるなら、なんで事故が避けられなかったの~? )
と、そんなこともちょっと思ったのですが。
幽霊を信じる信じないという話ですが、私は「想い」や「念」というものが生きていてもそうですが、死んでもなお残るということはあるかもしれないなあと思うところはあります。そして、それらに対する感性が強い人も然りです。でも、ときどきインチキな人もいたり、さらにへんな商売のダシとしてそれらを語る人もいるので注意は必要ですが。
それと、親父の法事のときのご住職が、
「故人の思い出話をしてあげることが供養になる」
とおっしゃっていたことがこころに残っており、なるほど、そうやって会えなくなってしまった人を身近に感じることは大切だよなあと思ったものです。そう、誰だって「忘れられる」ということは淋しいことにちがいありませんからね。
2020.08.21 | Comments(0) | Trackback(0) | 日記