お盆のあいだ
梅雨があけてからはものすごい暑さになりましたね。15年ほど前に、ベトナムのホーチミン市に行ったとき、その殺人的な暑さにおどろきましたが、今となっては日本でもそんなに変わらないような気がします。夏の空の感じなどは、以前行ったバリ島の空によく似ているなあと思うこともあります。ここ数年の気候変動は恐ろしいほど加速しているような気がしてなりません。
さて、今年のお盆は運転代行さんの話では、
「いやあ、きびしい。例年の三分の一ほどですなあ」
という程度のお客さんの動きだったそうです。それでもおかげさまで、私自身はなかなか忙しく過ごすことができました。
ご利用いただいた皆様にはこころより感謝申し上げます。
店内もそこそこのお客様でしたが、オードブルのご注文を連日たくさんいただきました。オードブルは食品スーパーで勤めていたときに、お盆や年末には大量に作っておりましたので、そのときの経験が活かせたことはうれしかったです。そして食品スーパーではほとんど、海外製の冷凍品を揚げるだけ、工場で調理されたものを詰めるだけでしたので、それらを物足りなく思っており、時間や手間はかかりますが、こうやって、地域に根差した材料を使ってオードブルを手作りできることはやりがいも感じました。
また、このご時世ですが、いろいろな知り合いの方も訪ねてきてくれ、なつかしい顔を拝見できることはうれしく、せっかくなので、一緒に一杯という毎日でもありました。
「あ~、センパイ、またお盆明け現実に戻るのなんか憂鬱だなあ」
と言いながら、夜更けまでいたYさん。私は出来の悪い先輩ですが、彼女にそういうふうに慕っていただけることはありがたく、
「まあ、そう言わずがんばりたまえ」
などと、尤もらしいことを言いつつも、その言葉そのまま自分にも言い聞かせている次第でありました。
店を抜け出し、雨天でしたがお墓まいりも行ってまいりました。その夜はお客様が帰ったあとの店内で、カミさんのご両親も交え家族での団らんも少しだけでき、古い写真をみんなで眺めたりしました。
これは幼いころのカミさんの写真です。ヨーロッパのどこか蚤の市でしょうか、しげしげとおもちゃを眺めております。もう、このころからこうやって収集癖がはじまっていたのかもしれませんね。
カミさんは尊父の仕事の関係でサウジアラビアのカフジという町で育ったのですが、そのときにオペル・レコードという車で家族三人ヨーロッパへ行ったこと、交通事故で大破してその車を失ったこと、途中幼かったカミさんが病気になってローマの修道院に数日預けられたこと、それらのハチャメチャな旅行の思い出はよく話題にのぼります。
でも、そうやって、たいへんだったことをあとでみんなで語ることは楽しいものですよね。そのような思い出を共有するということは家族にとって、または仲間にとって、かけがえのない財産だと思います。いや、たとえひとりであっても、それが自分である証明かのように思える思い出も私にはあります。そして、すっかり弱気になって、挑戦もせず、馬鹿もせず、安寧の中、人の噂話ばかり聞いて過ごしていた頃の自分はいったい何をしていたのか、今となってはそのほとんどを思い出すことができません。
そう。ですので、へんに大人ぶらず、いつまでも、たくさん失敗して、悩むということはいいことなのだろうなと私は思っています。
2020.08.19 | Comments(0) | Trackback(0) | 日記