悲しみのフライパン野郎パート2
僕「へい、らっしゃい。今日はおひやあるよ」
客「えっ、そうなんすか。ありがとうございます。じゃください」
僕「はい、千円」
客「えっ! お金とるんすか! じゃあ、いりませんよ」
僕「おい、だめだよ、もう入れちゃったもん。ウチのミネラルウォーターは特別なんだよね」
客「おもいっきり蛇口ひねってるの見えてますが・・・」
僕「いや、水道止められちゃってるからね。この蛇口は雨水ためたやつなんだよ」
客「・・・」
僕「はい。今日は焼きそばだよ」
客「おっ、焼きそばいいっすね」
僕「麺はあらかじめお湯でほぐして、油抜きするとうまいよな」
客「なんか、屋台の味っすね」
僕「そうそう、焼きそばは原価が安いんで、テキ屋商売にもってこいなんだよ。でもよ、あんなふうに儲けちゃいけないよ。はい、今日は2千円」
客「・・・屋台の4倍ですが」
僕「今日はおひやと、おひやのチャージ料もあわせて5千円でいいよ」
客「・・・」
客「・・・いや、もうこりごりですよ。おひやは」
僕「そう、今日はスパゲティだけどいいの」
客「おっ、トマトソースですね。いいっすね。今が旬の新玉ねぎとニンニクたっぷりだ。いただきま~す。うわっ、なにこれ、辛っ! 」
僕「唐辛子もめちゃくちゃ入れたから激辛なんだよね」
客「くっ、苦しい! 水! 」
僕「はい、おひや? 」
客「しまった! 罠か! ちっ、ちがいます! みっ・・・」
僕「みっ、何? 」
客「いや、みっ・・・」
僕「みっ?」
客「み・・・」
僕「み?」
客「・・・♪みつめちゃイヤ~」
僕「・・・♪ハニ~フラッシュ! 」
客・僕そろって『かわるわよ~! 』